OA枠で大迫が外れたのは五輪経験の有無か?/六川亨の日本サッカー見聞録
2021.05.21 16:50 Fri
JFA(日本サッカー協会)は20日、今月28日から始まるカタールW杯アジア2次予選に臨むサムライブルーと、キリンチャレンジカップに出場するサムライブルー、そして五輪の強化試合に出場するU-24日本代表の3チームのメンバーを発表した。
W杯2次予選とキリンチャレンジカップでサムライブルーが2チームあるのは、5月28日にフクアリで開催されるミャンマー戦は、IMD(インターナショナルマッチデー)ではないため選手の招集に拘束力がないからだ。実際ミャンマー戦の2日前と2日後はJリーグの試合が入っている。
そこでミャンマー戦だけは、シーズンの終わっている海外組の選手26人を招集して戦う。そこには冨安(ボローニャ)、久保(ヘタフェ)、堂安(アルミニア・ビーレフェルト)、三好(ロイヤル・アントワープ)ら五輪世代も含まれている。
そして29日からは国内組の選手も合流し、総勢24名が6月3日のジャマイカ戦(札幌ドーム)、7日のW杯予選のタジキスタン戦(パナソニックスタジアム吹田)、11日のセルビア戦(ノエビアスタジアム神戸)、15日のW杯予選のキルギス戦(パナソニックスタジアム吹田)の4試合を戦う。
そしてU-24日本代表は5月31日に集合して、6月5日のU-24ガーナ戦(福岡のベスト電器スタジアム)、12日のジャマイカ戦(サムライブルーとすでに対戦したチーム。豊田スタジアム)に臨む。こちらは総勢27名で、OA(オーバーエイジ)枠の吉田(サンプドリア)、酒井(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)の3人は、ミャンマー戦後はU-24日本に合流して活動する。
そして今回取り上げたいのはOA枠についてだ。一昨年の段階からOA枠の1人は大迫(ブレーメン)で決まりだと思われていた。ブレーメンのGMも地元開催の五輪に大迫がOA枠で出ることを了承している発言が紹介された。五輪が1年延期され、大迫自身もブレーメンでの出場機会が限られたものの、今年3月の韓国戦やモンゴル戦では日本の第一人者であることを証明した。
彼とCBの吉田、そしてここ1年で守備だけでなく攻撃でも長足の進歩を見せた遠藤航の3人がOA枠と思われた。しかし、酒井の浦和移籍が報道されてからは、大迫に変わって酒井のOA枠が規定路線のように報道されてきた。
20日の会見で森保監督は当初「その時々の状況で、どのポジションでOA枠を起用したらいいのかたびたびスタッフと話してきたが、決まったものはなかった。日々、毎回議論は変わっていた」と選出の難しさを振り返り、「今回の3人にしたのは試合を安定して戦うこと」と理由を述べた。
しかし、大迫だって前線でボールを収め、試合を安定して戦うことを可能にする選手である。そう思っていたら、最後に森保監督の本音が出た。
指揮官は次のように述べたのだった。
「(OA枠の3人は)五輪の経験があるだけでなく、A代表でも世界の経験があるのでリストアップした。五輪の経験ではなく現在の力で評価した」と言いながら、続けて「五輪ではベスト4だったり(ロンドン五輪の吉田と酒井)、直近のリオに出た(遠藤航)。A代表のワールドカップの舞台とは違う雰囲気が五輪にはある。6試合を18人で戦わないといけない。彼らはそういう経験があるので好影響を与えると思う。五輪の厳しい戦いを知っているのでプラスになる」と、五輪の経験を選考理由にあげた。
それならそうと最初から言えばいいと思うのだが、やはり大迫に気を遣ったのだろう。
12年ロンドン五輪で大迫(当時は鹿島)は候補選手の1人だった。彼とポジションを争っていたのは現在浦和にいる杉本だ。当時の杉本はC大阪に所属していたものの、「五輪で招集できる選手は1チーム3人まで」という暗黙の縛りがあった。シーズン中のため戦力低下を避けるためである。
そして当時のC大阪には山口(現神戸)、扇原(現横浜FM)、清武(現C大阪。五輪開幕前にニュルンベルクへ移籍)とすでに五輪の有力候補が3人いた。そこで杉本は東京Vにレンタル移籍することで五輪代表の座を獲得しようとした。
そうした杉本の貪欲さに対し、大迫は代表候補キャンプでのアピールに欠けた。その結果、大迫と指宿(当時はセビージャ)、宮市(当時はアーセナル)らは予備登録メンバーから外れたのだった。
五輪はグループリーグの初戦から3位決定戦まで、5試合を中2日で戦わなければならないハードな日程だ。
男子なら7月22日に南ア戦(東京スタジアム)、25日にメキシコ戦(埼玉スタジアム)、28日にフランス戦(横浜国際スタジアム)があり、準々決勝は31日(カシマスタジアムか横浜国際スタジアム)、準決勝は8月3日(カシマスタジアムか埼玉スタジアム)、3位決定戦が6日(埼玉スタジアム)となっている。
決勝戦だけが7日開催(横浜国際スタジアム)と中3日になっている(なおかつ国立競技場での試合はない)。
このため森保監督が指摘したように、経験値も必要かもしれない。しかし、それと同時に初戦での勝利がメダル獲得には重視される。
12年のロンドン五輪では、初戦で優勝候補の一角にあげられていたスペイン(10年南アW杯優勝のため)に1-0と勝利を収め、続くモロッコ戦も1-0と連勝したことでターンオーバーを利用。ホンジュラスとは0-0だったが、グループリーグを1位で突破して、準々決勝のエジプト戦は3-0と快勝した(準決勝で優勝したメキシコに1-3。3位決定戦では韓国に0-2で敗戦)。
勝ちきるには絶対的なエースの活躍も必要で、それが今回招集された林(鳥栖)、前田(横浜FM)、上田(鹿島)、田川(FC東京)の中から出てくるのか。こちらは「最終選考という意味合いが強い」(反町技術委員長)、今回の2試合を注意深く見守りたい。
W杯2次予選とキリンチャレンジカップでサムライブルーが2チームあるのは、5月28日にフクアリで開催されるミャンマー戦は、IMD(インターナショナルマッチデー)ではないため選手の招集に拘束力がないからだ。実際ミャンマー戦の2日前と2日後はJリーグの試合が入っている。
そこでミャンマー戦だけは、シーズンの終わっている海外組の選手26人を招集して戦う。そこには冨安(ボローニャ)、久保(ヘタフェ)、堂安(アルミニア・ビーレフェルト)、三好(ロイヤル・アントワープ)ら五輪世代も含まれている。
そしてU-24日本代表は5月31日に集合して、6月5日のU-24ガーナ戦(福岡のベスト電器スタジアム)、12日のジャマイカ戦(サムライブルーとすでに対戦したチーム。豊田スタジアム)に臨む。こちらは総勢27名で、OA(オーバーエイジ)枠の吉田(サンプドリア)、酒井(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)の3人は、ミャンマー戦後はU-24日本に合流して活動する。
すでに各チームのメンバーは紹介されているので省略したい。
そして今回取り上げたいのはOA枠についてだ。一昨年の段階からOA枠の1人は大迫(ブレーメン)で決まりだと思われていた。ブレーメンのGMも地元開催の五輪に大迫がOA枠で出ることを了承している発言が紹介された。五輪が1年延期され、大迫自身もブレーメンでの出場機会が限られたものの、今年3月の韓国戦やモンゴル戦では日本の第一人者であることを証明した。
彼とCBの吉田、そしてここ1年で守備だけでなく攻撃でも長足の進歩を見せた遠藤航の3人がOA枠と思われた。しかし、酒井の浦和移籍が報道されてからは、大迫に変わって酒井のOA枠が規定路線のように報道されてきた。
20日の会見で森保監督は当初「その時々の状況で、どのポジションでOA枠を起用したらいいのかたびたびスタッフと話してきたが、決まったものはなかった。日々、毎回議論は変わっていた」と選出の難しさを振り返り、「今回の3人にしたのは試合を安定して戦うこと」と理由を述べた。
しかし、大迫だって前線でボールを収め、試合を安定して戦うことを可能にする選手である。そう思っていたら、最後に森保監督の本音が出た。
指揮官は次のように述べたのだった。
「(OA枠の3人は)五輪の経験があるだけでなく、A代表でも世界の経験があるのでリストアップした。五輪の経験ではなく現在の力で評価した」と言いながら、続けて「五輪ではベスト4だったり(ロンドン五輪の吉田と酒井)、直近のリオに出た(遠藤航)。A代表のワールドカップの舞台とは違う雰囲気が五輪にはある。6試合を18人で戦わないといけない。彼らはそういう経験があるので好影響を与えると思う。五輪の厳しい戦いを知っているのでプラスになる」と、五輪の経験を選考理由にあげた。
それならそうと最初から言えばいいと思うのだが、やはり大迫に気を遣ったのだろう。
12年ロンドン五輪で大迫(当時は鹿島)は候補選手の1人だった。彼とポジションを争っていたのは現在浦和にいる杉本だ。当時の杉本はC大阪に所属していたものの、「五輪で招集できる選手は1チーム3人まで」という暗黙の縛りがあった。シーズン中のため戦力低下を避けるためである。
そして当時のC大阪には山口(現神戸)、扇原(現横浜FM)、清武(現C大阪。五輪開幕前にニュルンベルクへ移籍)とすでに五輪の有力候補が3人いた。そこで杉本は東京Vにレンタル移籍することで五輪代表の座を獲得しようとした。
そうした杉本の貪欲さに対し、大迫は代表候補キャンプでのアピールに欠けた。その結果、大迫と指宿(当時はセビージャ)、宮市(当時はアーセナル)らは予備登録メンバーから外れたのだった。
五輪はグループリーグの初戦から3位決定戦まで、5試合を中2日で戦わなければならないハードな日程だ。
男子なら7月22日に南ア戦(東京スタジアム)、25日にメキシコ戦(埼玉スタジアム)、28日にフランス戦(横浜国際スタジアム)があり、準々決勝は31日(カシマスタジアムか横浜国際スタジアム)、準決勝は8月3日(カシマスタジアムか埼玉スタジアム)、3位決定戦が6日(埼玉スタジアム)となっている。
決勝戦だけが7日開催(横浜国際スタジアム)と中3日になっている(なおかつ国立競技場での試合はない)。
このため森保監督が指摘したように、経験値も必要かもしれない。しかし、それと同時に初戦での勝利がメダル獲得には重視される。
12年のロンドン五輪では、初戦で優勝候補の一角にあげられていたスペイン(10年南アW杯優勝のため)に1-0と勝利を収め、続くモロッコ戦も1-0と連勝したことでターンオーバーを利用。ホンジュラスとは0-0だったが、グループリーグを1位で突破して、準々決勝のエジプト戦は3-0と快勝した(準決勝で優勝したメキシコに1-3。3位決定戦では韓国に0-2で敗戦)。
勝ちきるには絶対的なエースの活躍も必要で、それが今回招集された林(鳥栖)、前田(横浜FM)、上田(鹿島)、田川(FC東京)の中から出てくるのか。こちらは「最終選考という意味合いが強い」(反町技術委員長)、今回の2試合を注意深く見守りたい。
U-23日本代表の関連記事
キリンチャレンジカップの関連記事
|
|
U-23日本代表の人気記事ランキング
1
松木玖生の最適なポジションは?/六川亨の日本サッカーの歩み
今月16日、AFC U-23アジアカップ カタールの初戦、中国戦からパリ五輪出場権獲得のチャレンジが始まる。前回のコラムでも、DF陣の経験不足は否めないものの攻撃陣のタレントはバリエーションに富んでいて期待できるという原稿を書いた。そして先週と今週のJリーグを取材して、FC東京の松木玖生の新しい一面を見ることができて、その期待はさらに高まった。 松木といえば、青森山田高時代から、強靱なフィジカルと体幹の強さを生かした球際での勝負強さ、豊富な運動量と労を惜しまない献身的なプレーでチームに貢献してきたし、それはFC東京でも変わらない。そしてボランチのポジションから、時には意外性のある攻撃参加でゴールを決めたり、左足のロング、ミドルシュートで相手ゴールを脅かしたりしてきた。 そんな松木が、4月3日のJ1リーグ第6節の浦和戦では、荒木遼太郎と2トップに近い形で前線に起用された。すると、トップに張るのではなく変幻自在に左右に流れたり、落ちてきたりする荒木との絶妙のコンビネーションで攻撃陣をコントロール。とりわけ左サイドのFW俵積田晃太とSBバングーナガンデ佳史扶との相性は抜群で、意外性のあるパスで彼らの攻撃参加を引き出していた。 アウトサイドにかけたスペースへの絶妙なパスには「こんな技巧的なパスが出せるんだ」と感嘆してしまった。 試合は0-1とリードされた後半、左サイドで俵積田、佳史扶とつないだパスから荒木が同点弾。さらに松木のサイドチェンジを受けた俵積田のクロスをゴール前に走り込んだ松木がボレーで決めて逆転勝利を収めた。 そして4月7日の鹿島戦では、荒木がレンタル移籍のため起用できないものの、1トップに入った仲川輝人とトップ下の松木は好連係から難敵・鹿島に2-0の完勝を収めた。絶えずボールに触るわけではないが、効果的なサイドチェンジやスルーパスで味方を使う。これまでは、どちらかというと『使われる選手』と思っていたが、そのイメージは一新した。 先制点は左サイドからのふわりと浮かしたニアへのパスで仲川の今シーズン初ゴールを演出。そして後半アディショナルタイムにはMF原川力のヘッドによるインターセプトからのタテパスを簡単にさばいて2点目をお膳立てした。いずれも「肩の力の抜けた」ようなアシストに、松木の“変化"を感じずにはいられなかった。 彼をボランチからトップ下にコンバートし、前線には荒木を起用して松木の飛び出しを演出したピーター・クラモフスキー監督の采配は賞賛に値する。やっと1トップのドリブル突破任せのパターン化された攻撃スタイルから脱却できそうだ。 そんな松木を大岩剛監督はどのポジションで使うのか。攻守に効果的な選手だけに、使い出もあるだろうが、できれば攻撃的なポジションで使って欲しいところである。 2024.04.08 22:25 Mon2
【日本サッカー見聞録】五輪OA枠5人の候補を絞ってみた
▽今日のスポーツ紙でリオ五輪OA(オーバーエイジ)枠の候補5人の名前が取り上げられていた。G大阪のDF藤春、広島のDF塩谷、川崎FのFW大久保、ハノーファー96からセビージャへの移籍が噂されるMF清武、そしてFCケルンのFW大迫だ。 ▽藤春と塩谷の招集理由は簡単だ。トゥーロン国際大会で左SB亀川(福岡)が負傷。本大会には間に合うというものの、まだJリーグに復帰できていないだけに不安がつきまとう。このための藤春招集だろう。そして右SBの松原(新潟)は5月29日の仙台戦で復帰こそ果たしたものの、万全のコンディションか疑わしい。さらにCB奈良(川崎F)はJリーグで骨折、CB岩波(神戸)もトゥーロン国際大会で左膝を傷めて、本大会に間に合うかは微妙だ。そこで右SBもCBもできる塩谷という人選になったのだろう。 ▽23歳以下ではMF遠藤(浦和)とMF橋本(FC東京)もCBや右SBでプレーできるものの、やはり彼らはボランチで起用したいというチーム事情もありそうだ。そこでDF陣は松原、植田、三浦(か岩波)、亀川の4人に加え、OA枠として藤春と塩谷の6人という顔ぶれになる。最終予選では主力として活躍した右SB室屋(FC東京)は、チームの全体練習に部分合流しているので、彼の回復次第では松原との競争になりそうだ。 ▽MF陣は遠藤、橋本に手倉森ジャパンの常連である矢島(岡山)、南野(ザルツブルク)の4人は当確。FW陣も浅野(広島)、富樫(横浜FM)、久保(ヤングボーイズ)の3人は決まりだろう。残る枠はMF陣が2人、FW陣が1人ということになる。MF枠の候補は大島(川崎F)や野津田(新潟)がいるし、FW枠にはこちらも復帰組の鈴木(新潟)がいるし、オナイウ阿道(千葉)もトゥーロン国際大会では活躍した。ここに残り1枠のOA枠をどちらで使うかということになる。 ▽大迫の去就は未定だが、海外組にとって事前キャンプの始まる7月中旬は新シーズンに向けて準備を始める時期だけに、コンディション調整に問題はないだろう。逆に34歳の大久保は、梅雨明けの蒸し暑い時期を過ごした後での調整となるだけに、体力的な不安がつきまとう。3人ともブラジルW杯のメンバーだったため、黄熱病の予防接種をする必要がないのは利点だが、手倉森監督も最後の最後までラスト1枠で頭を悩ませるのではないだろうか。 ▽個人的には、遠藤と橋本のダブル・ボランチに、MF陣は右から野津田、清武、南野と並べ、久保の1トップがベスト布陣ではないだろうか。このため最後のOA枠は、リオ五輪出場が可能であれば清武を推したい。キリンカップを見た後では、余計にその印象が強くなったのも事実である。 2016.06.09 20:00 Thu3
日本代表対決のスタメン発表! OAの3名はベンチスタート
3日、日本代表vsU-24日本代表の一戦が札幌ドームで行われる。 キリンチャレンジカップ2021のジャマイカ代表戦が、ジャマイカ代表が来日できなかったことを受けて急遽中止に。その後、対戦相手にU-24日本代表を指名し、異例の日本代表対決が実現した。 カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を戦う日本代表と、東京オリンピック出場に向けてメンバー選考を続けるU-24日本代表の一戦。互いに主力選手を起用して臨む。 日本代表はDF長友佑都(マルセイユ)、MF鎌田大地(フランクフルト)、MF南野拓実(サウサンプトン)、FW大迫勇也(ブレーメン)と日本代表の主軸を先発起用した。 一方のU-24日本代表はオーバーエイジの3名はベンチスタート。MF久保建英(ヘタフェ)、MF中山雄太(ズヴォレ)、MF板倉滉(フローニンヘン)らが起用された。 今回の試合は、フィールドプレーヤーが7名、GK1名が交代可能なレギュレーション。後半の交代枠は3回までとなるが、負傷交代の場合は含まれない。 ★日本代表スタメン[4-2-3-1] ※並びは予想 GK:シュミット・ダニエル DF:室屋成、植田直通、谷口彰悟、長友佑都 MF:橋本拳人、守田英正 MF:原口元気、鎌田大地、南野拓実 FW:大迫勇也 監督:森保一 ★U-24日本代表スタメン[4-2-3-1] ※並びは予想 GK:大迫敬介 DF:菅原由勢、橋岡大樹、町田浩樹、旗手怜央 MF:中山雄太、板倉滉 MF:三好康児、久保建英、遠藤渓太 FW:田川亨介 監督:横内昭展 2021.06.03 18:42 Thu4
【パリ行きの命運を託された23選手】”驚き”の招集も190cmの長身と冷静な判断力でGKチームに刺激をもたらす、山田大樹
パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、山田大樹にフォーカスする。 ■山田大樹(GK/鹿島アントラーズ) 鹿島アントラーズにはジュニア時代から所属する山田。ジュニアユース、ユースと昇格すると、2018年、2019年は2種登録。2020年に正式にトップチームに昇格した。 190cmという恵まれた体格を持ち、プロ1年目には当時の1つ上の先輩であるGK沖悠哉(清水エスパルス)が離脱したことでいきなりプロデビュー。さらにJ1でもデビューを果たすなどした。 ただ、1つ違いの沖が2020年途中から正守護神となり、出番が得られず。2022年はクォン・スンテ、早川友基、沖に続く4番手の扱いとなりルーキーイヤー以来出番はなし。2023年はファジアーノ岡山に育成型期限付き移籍すると、開幕から出番をもらうもポジション争いに敗れてリーグと天皇杯合わせて8試合の出場に終わった。 今シーズンから鹿島に戻るもまだ出番はなし。それでも、世代を代表するGKの1人ということもあり、パリ・オリンピック出場を懸けた最終予選に急遽招集を受けることとなった。 山田はU-15日本代表から招集を受けると、U-16日本代表ではAFC U-16選手権で守護神として優勝を経験。しかし、パリ五輪世代の選手が出場した2019年のU-17ワールドカップはケガの影響でメンバー外。その後も世代別の代表を経験し、多くの国際大会に招集され、2023年にはアジア競技大会にも参加していたが、チーム事情で早期離脱。出番はなかった。 クラブでも代表でもあまり出番がない中での招集。持ち味はやはり身長を生かしたハイボールの処理と、ショットストップ、そして状況の判断力を持ち合わせたポジショニングも武器としている。 GK1人しか出場できないポジションだけに、出番が巡ってくるかはわからないが、日本代表はどの世代もGKチームは一丸となって取り組む部分があり、小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、野澤大志ブランドン(FC東京)とのトリオで高め合っていきたいところだ。 2024.04.13 21:00 Sat5
