一番難しかったのは「コイントス」、Jリーグ初の女性審判員・山下良美主審が努力の先に掴んだチャンス「通常になることが役割」

2021.05.17 16:05 Mon
©︎JFA
16日、Jリーグで史上初となる女性審判員が誕生した。

16日に行われた明治安田生命J3リーグ第8節のY.S.C.C.横浜vsテゲバジャーロ宮崎の一戦。この試合で主審を務めたのが、女性審判員の山下良美さんだ。

山下主審は、2015年から国際審判員となり、2016年と2018年のU-17女子ワールドカップや2017年のアルガルベカップ、2018年の女子アジアカップ、2019年の女子ワールドカップで主審を務めた経歴があり、今夏開催される東京オリンピックにも主審として参加することが発表されていた。
試合から一夜明け、山下主審がオンラインでのメディア取材に応じ、改めて心境などを語った。

デビュー戦となった試合は0-2とアウェイの宮崎が勝利。試合は激しさがある中で、クリーンな展開で終了。的確なジャッジと判断、レフェリングでストレスフリーな好ゲームとなった。
試合を終えた率直な感想として山下主審は「両チームの選手ともプレーに集中していて、私自身にストレスが溜まるようなシーンもなかったですし、とてもフェアにプレーしてくれていたと思います」とコメント。良い試合だったと振り返り、難しいシーンについても「特別これが難しいというのはありませんでした。どの試合も、どの場面も、これが一番難しかったというシーンがないので、それと同じように昨日の試合も感じていました」と、特別なシーンはなかったと振り、その中でも難しかった点をは「一番難しかったとしたらコイントスですね」と、キックオフ前が一番難しかったとした。

初めてのJリーグで主審を務めることとなったことについての心境は「もちろん試合を担当するにあたって、とても大きな責任を感じていました。今まで先輩方が築いてきた道というか、そういうものをつないでいく役目もありますし、この機会を得るにあたって、JFA(日本サッカー協会)の方々、Jリーグの方々、そのチームの方々、選手の理解、見ている方の理解もありますし、同じ仲間のレフェリーが全国で積み上げてきている信頼もあるので、そういったものを背負ってこの試合を担わないといけないと責任を感じていました」とコメント。男女関わらず、審判員たちが積み上げたものを背負っていたとコメント。それでも「始まるまでは緊張していましたが、始まってからはそんなことを考えている暇もないというか、そういった気持ちでした」と、試合中は平常心でできたと語った。

山下主審はJFLでの経験はあるものの、プロの舞台では初。日本のサッカー界にとっても大きな一歩となったが、「男性や女性に関係なく、審判員というものに注目していただけること。審判員に目が向かなかった方達の目に少しでも止まってもらえればと思います」と、今回の意義について語った。

Jリーグ初の女性審判員となったことで注目も集めることとなったが、反響については「友達は少なめなので、そんなにたくさん来るわけではないですが、こうやってお話しさせて頂く機会を頂いたり、久しく連絡を取っていない方から連絡が来たり、応援のメッセージや見たという言葉をいただいて、すごく力になり嬉しく思いました」とコメント。謙遜しながらも、しっかりと注目を集め、反響があったようだ。

一方で、感慨深い思いもあるといい「こういう機会を作ってくださったこと、それを理解してくださる方達、それに向けて色々尽力してくださった方達、そういった方への感謝の気持ちもありました」と語り、「試合に臨むにあたっては色々な思い、感謝や責任を持って臨みました。終わってからは、ホッとしたという感じです」とコメント。「女性審判員に目を向けて頂くことはあまりないですが、こうやって目を向けていただいたり、環境面なども整っていったら良いなと思います」と、未来に繋がっていって欲しいと語った。

今回は男子の試合で笛を吹くということになった山下主審だが「特に男性の試合をやっていこうとか、女性の試合をやっていこうと考えたことはなかったです」とコメント。それでもスピードなどに追いつく必要があるが「フィジカルの面では維持するよりも向上していくことが常に考えるべきだと考えていましたので、フィジカル的にも、技術面でも、座学の面でも全ての面で向上できるように臨んで行った先に、選択肢として男性の試合ができるという感じでした」と、目指したと言うよりも日々の努力の積み重ねの結果として訪れたチャンスだと語り「それに向けてやってきたというよりも、結果こういった機会があったという感じです」とした。

この先の女性審判員の可能性が広がる事例となったが「今後はこの機会が続いていくこと、女性審判員が男性の試合をやることが通常になることが役割だと思います。目の前の試合に全力で臨むことだと思いますので、1試合1試合担当していければと思います」とし、この先の試合に向けても意気込みを語った。

また、自身が割り当てられている東京オリンピックについても「もちろん良くなっていきたいです。オリンピックがゴールというわけではないですが、常に日々成長していきたいという気持ちを持っています」とコメント。それでも「目の前の試合をやって全力を取り組むことがそこにつながると思います。次の試合に向けて全力で取り組むことが目指すところです」と一歩ずつ進んでいくとした。ただ「責任は大きく感じています」と責任感はあるとし、「日本の審判員として参加することになるので、恥じないようにというか、自分の力を100%発揮できるように準備していきたいと思います」と意気込んだ。

山下良美の関連記事

さぁみんな!いよいよ開幕ってことで今日は連載開始以来紹介したことがなかった数字の特集だよ!!J1・J2・J3、これまで担当した試合が多い主審は誰だ!ということで、過去のリーグで担当した試合が多い主審を20人ずつ紹介しちゃう! 【J1】 飯田淳平(神奈川)278試合 木村博之(千葉)249試合 山本雄大(京都 2025.02.14 14:30 Fri
パリ・オリンピック(五輪)グループC第1節、U-23エジプト代表vsU-23ドミニカ代表が24日に行われ、0-0で引き分けた。 U-23ウズベキスタン代表とU-23スペイン代表も同居しているグループC。 U-23アフリカネーションズカップを準優勝して2大会連続出場を果たしたエジプトは、オーバーエイジのエルネ 2024.07.25 01:56 Thu
いよいよ開幕を迎えるパリ・オリンピックのサッカー競技。国際サッカー連盟(FIFA)はマッチオフィシャル(審判団)の割り当てを発表。男女ともに、開幕戦は男女混合の審判団が務めることとなった。 男子の開幕戦となるU-23フランス代表vsU-23アメリカ代表は、アルゼンチン人のヤエル・ファルコン主審が担当。第4審にウル 2024.07.24 11:25 Wed
国際サッカー連盟(FIFA)は3日、パリ・オリンピックのマッチオフィシャルを発表した。 今大会には45カ国から89名が選ばれ、主審は21名、副審は42名、VAR担当は20名、サポートは6名となった。 日本からは男性審判員は選ばれなかったが、女性審判員では主審に山下良美さん、副審に坊薗真琴さん、手代木直美さん 2024.04.05 10:50 Fri
パリ・オリンピック アジア最終予選となるオーストラリア女子代表vsウズベキスタン女子代表の第2戦が、28日にメルボルンのドッグランズ・スタジアムで行われ、オーストラリアが10-0で勝利。2戦合計13-0で勝利し、3大会連続5度目のオリンピック出場を決めた。 2次予選ではグループAを3連勝の首位で通過し、3大会連続 2024.02.28 22:30 Wed

J3の関連記事

J3リーグに所属するFC琉球が、2026シーズンに向けたセレクションを開催することを発表した。SHIBUYA CITY FC、千葉県社会人サッカー1部リーグ所属の房総ローヴァーズ木更津FC、神奈川県社会人サッカー1部リーグ所属の鎌倉インターナショナルFC、品川CCの5クラブの合同で実施される。 琉球は2023年に 2025.12.15 09:30 Mon
SC相模原は10月1日、GKノアム・バウマンが、ドミニカ共和国代表に選出されたことを発表した。 バウマンは、父はスイス、母はドミニカ共和国にルーツをもつ、29歳。2014-2015シーズンにプロデビュー後、スイスリーグの複数クラブをわたり歩き、2022-2023シーズンにはセリエB(イタリアリーグ2部相当)のアス 2025.10.01 22:15 Wed
淡々と、黙々と。その姿勢はどこに行っても変わらない。 今季ファジアーノ岡山からSC相模原に加入した河野諒祐は、J3リーグ第22節・テゲバジャーロ宮崎戦で先発した。ピッチ上でリーグ戦のキックオフの笛を聞くのは、第13節・FC大阪戦以来で、約2カ月ぶりのこと。しかし、7月16日に行われた天皇杯3回戦・川崎フロンターレ 2025.07.29 18:00 Tue
thumb 14日、明治安田J3リーグ第5節延期分の松本山雅FCvsAC長野パルセイロがサンプロ アルウィンで行われ、2-2のドローに終わった。 降雪・積雪の影響で延期された、11位の松本と17位の長野による信州ダービー。11日に天皇杯の長野県予選決勝で相まみえた両者が今度はリーグ戦に舞台を移して激突した。 試合序盤は 2025.05.14 21:14 Wed
Jリーグは14日、「2025“Jリーグの日”特別企画発表会」を開催。5月15日の「Jリーグの日」を記念した特別企画として「Jリーグチップス(選手カード付)」のオマージュ版を特別に復刻させることを発表した。 「Jリーグチップス(選手カード付)」のオマージュ版は、5月17日(土)、18日(日)に行われる試合を対象とし 2025.05.14 16:45 Wed

山下良美の人気記事ランキング

1

京都が中指立てて一発退場のアピアタウィア久の行為に声明…試合後に直接謝罪「未熟な自分から卒業できるように」

京都サンガF.C.は1日、DFアピアタウィア久の行動について声明を発表した。 京都は9月30日、明治安田生命J1リーグ第29節でサガン鳥栖とアウェイで対戦した。 試合は1-2で京都がリードしていた中、後半アディショナルタイムにアクシデント。鳥栖の長沼洋一を後ろから倒したとしてファウルを取られていたアピアタウィア久が中指を立てる行為があり、VARから山下良美主審へ連絡。オンフィールド・レビューでその行為を確認し、一発退場となっていた。 また、この退場が影響したのか、京都はアディショナルタイムに連続失点。3-2で逆転負けを喫していた。 試合後のフラッシュインタビューでは曺貴裁監督も苦言を呈した中、京都はクラブを通じてアピアタウィア久の行為について謝罪した。 「9月30日(土)に開催されました、2023明治安田生命J1リーグ第29節サガン鳥栖vs京都サンガF.C.の試合におきまして、京都サンガF.C.のアピアタウィア久選手が、後半アディッショナルタイムに不適切な行為により退場処分(レッドカード)となりました」 「アピアタウィア久選手は今回の自身の行為を深く反省しております。また、試合終了後、京都サンガF.C.の社長、監督と本人がサガン鳥栖のクラブ関係者の方々に謝罪をさせて頂きました」 「クラブと致しましても、改めてサガン鳥栖の皆様、そして、Jリーグに関わる全ての方々にご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」 「今後、本人はもとより、京都サンガF.C.の全選手並びに全スタッフが改めてフェアプレー精神の大切さについて再確認を行うと共に、その徹底を図って参ります」 また、アピアタウィア久もクラブを通じて謝罪した。 「このたび、鳥栖戦での私の軽率な行動で多くの人を不快にさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます。自分のした行為は決して許されるものではありません。今回、起こしてしまったことを深く反省し、未熟な自分から卒業できるように精進します。改めて、サガン鳥栖の選手、関係者の皆様にお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。」 <span class="paragraph-title">【動画】後半ATにVARチェックの結果アピアタウィア久が一発退場</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SNd1PYCelMM";var video_start = 340;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.10.01 14:43 Sun
2

Jリーグで初の女性審判! YS横浜vs宮崎を山下良美主審が担当「この状況が当たり前になるよう」

Jリーグでついに女性審判が公式戦を担当した。 16日に行われた明治安田生命J3リーグ第8節のY.S.C.C.横浜vsテゲバジャーロ宮崎の一戦。この試合で主審を務めたのは女性審判員の山下良美さんだ。 山下主審は、2015年から国際審判員となり、2016年と2018年のU-17女子ワールドカップや2017年のアルガルベカップ、2018年の女子アジアカップ、2019年の女子ワールドカップで主審を務めた経歴があり、今夏開催される東京オリンピックにも主審として参加することが発表されていた。 この試合では副審は鶴岡泰樹氏、眞鍋久大氏、第4の審判は本多文哉氏と普段組むことがない男性審判員だった。 10分には宮崎のGK植田峻佑に初のイエローカードを提示。最終ラインの裏へ出たロングボールに対し、植田が飛び出してカットしたものの、ンドカ・チャールスと接触。イエローカードが提示された。 無事に初の主審を終えた山下主審は、日本サッカー協会(JFA)を通じでコメントしている。 「審判員4人で協力していつも通りのレフェリングができるように、一つ一つ丁寧に誠実に対応することだけを考えて試合に臨みました」 「これからもこの機会が続いていき、この状況が当たり前になるよう、目の前の試合に全力で臨みたいと思います」 <span class="paragraph-title">【動画】歴史的瞬間!初の女性審判がコイントス</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>Jリーグ史上初女性審判が主審を担当<br>\<br><br>明治安田生命J3リーグ 第8節<a href="https://twitter.com/hashtag/YSCC%E6%A8%AA%E6%B5%9C?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#YSCC横浜</a> vs <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%86%E3%82%B2%E3%83%90%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E5%AE%AE%E5%B4%8E?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#テゲバジャーロ宮崎</a> 戦にて <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E8%89%AF%E7%BE%8E?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#山下良美</a> さんが主審を担当<a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> にとって歴史的な日となります<br><br>試合はDAZNで<a href="https://t.co/Qhmma1Lv3K">https://t.co/Qhmma1Lv3K</a> <a href="https://t.co/ppLEtj2vym">pic.twitter.com/ppLEtj2vym</a></p>&mdash; Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) <a href="https://twitter.com/J_League/status/1393781253946548229?ref_src=twsrc%5Etfw">May 16, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.05.16 16:45 Sun

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly