これが育成ヴェルディの成果。15歳MFがJ2リーグ最年少デビューを飾る/六川亨の日本サッカーの歩み

2021.03.02 19:30 Tue
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コロナ禍での開幕となる2021年シーズンのJリーグが2月26日にスタートした。観客は5000人以下で、ビジターの観戦は自粛という条件つきではあるが、まずは無事にJ1とJ2リーグの全21試合を開催できた。

王者の川崎Fは盤石の戦いで横浜FMを2-0と一蹴。というよりもケガ人が多く、システムを3-4-3に変更した横浜FMは自滅に近かった。

意外だったのは浦和の完成度の高さである。リカルド・ロドリゲス氏は監督に就任して2ヶ月だというのに、攻守に意思の疎通が図られ、FC東京に一度もファストブレイクを許さなかった。専門誌の順位予想でも総合で8位というランクだが、開幕戦で鹿島をアウェーながら3-1と下した清水と同様、ダークホースになる可能性を感じさせた。
もっともFC東京は昨年11月末のACL上海申花戦で、悪質なタックルから負傷したディエゴ・オリベイラは本調子からほど遠く、レアンドロとアダイウトンのブラジル勢も合流が遅れたためコンディションが上がっていないようだ。

そして28日の日曜は東京V対愛媛戦を取材した。昨シーズン活躍したボランチの藤田譲瑠チマは徳島へ、サイドMF井上潮音は神戸へ移籍したため東京Vも多少は苦戦するかと予想した。すると予想通り、DFラインからパスをつないでビルドアップを試みるが、愛媛の前からのプレスにミドルサードでボールを失うことが多かった。
藤田のようにプレスを受けてもそれをかわし、タメを作れる選手がいない。それでもベテランの小池純輝が個人技で2点を奪って勝利を決定づけた(トータル3-0)が、それ以上に驚いたのはこの試合でJ2出場が3試合目となる17歳のサイドアタッカー阿野真拓のスピーディーなドリブル突破だ。

身長は158センチしかないが、それを豊富な運動量でカバーし、90分間フル出場でチームの勝利に貢献した。憧れの選手はメッシで、藤吉コーチからは名前の真拓(まひろ)をもじって「マッシ」と命名されたそうだ。メッシのようにゴールを量産できるドリブラーになれるかどうか、今後の成長が楽しみである。

そしてサプライズはさらに続いた。3-0とリードを広げると、永井秀樹監督は15歳の橋本陸斗をピッチに送り込んだ。2種登録されたのが2日前の26日ということだから、選手名鑑に載っていないのは当然のこと。

15歳10ヶ月26日でのJ2デビューは史上最年少だ。J1からJ3の最年少デビューでも15歳5ヶ月1日の久保建英(FC東京U-23でJ3リーグ)、15歳10ヶ月6日の森本貴幸(東京VでJ1リーグ)に次ぐ3番目の若さである。

永井監督は「期待通りというか、楽しみながらいいプレーを見せてくれた」と11分の出場に合格点を与えた。当の橋本は「感動しました」と素直に喜びを語りながらも、「自分は交代で入ったのでスプリントしようと思っていました」と自分の役割をしっかりと認識。

交代出場した2分後には右サイドを突破した小池から絶好のクロスが来たものの、「足を伸ばしたけど届きませんでした」と初ゴールを逃してしまった。

久保もそうだったが、橋本もこれからが成長期。現在の身長は168センチだが、父親はバングラデシュ人、母親は日本人で「身体能力とかスピードとかは自分が練習してやったことではなくハーフが関係していると思います」というように、潜在能力の高さもある。

それでも「プロの世界はトラップがズレたら飛ばされる。世界では15歳で、トップトップでやっている選手がいるので、自分も結果を残していかないといけないと思います」と自身のやるべきことを自覚している。

当然、次はJ初ゴールを期待されるだろう。楽しみな逸材がまた1人増えた今シーズンのJリーグである。

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