ラツィオが初無観客のデルビーで完勝! 屈辱惨敗のローマは強豪相手の脆さ露呈…《セリエA》

2021.01.16 07:02 Sat
Getty Images
セリエA第18節、ラツィオローマによる“デルビー・デッラ・カピターレ”がスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのラツィオが3-0で完勝した。

前節、パルマを破って今季2度目の連勝を飾った8位のラツィオ(勝ち点28)はヨーロッパのコンペティション出場権獲得に向け、勝ち点3を積み上げ続ける必要がある。そして、今季初の3連勝を目指す今回のデルビーではパルマ戦の先発11人を継続。だが、コレアとルリッチがベンチに戻ってきた。

一方、3位のローマ(勝ち点34)は前節のインテル戦を2-2のドローで終えて連勝が3試合でストップ。2チーム相手に追いついてのドローは評価できるが、今季ここまで強豪相手に勝ち切れない試合が目立ち、フォンセカ監督への風当たりも強い。そのため、前半戦最後のビッグマッチでは勝ち点3奪取が求められる中、対戦相手と同様に直近のインテル戦と同じメンバーを起用した。
史上初の無観客開催となったデルビーは、立ち上がりから球際のバトルが強調される白熱の展開に。開始8分にカウンターからボックス内に侵入したインモービレがファーストシュートを放つが、これはGK正面。その後はボール回しの質で勝るローマが押し込み始め、14分にはセットプレーの流れでゴール前の混戦からジェコに決定機も、至近距離からのシュートはGKレイナの正面を突いた。

すると、ピンチを凌いだラツィオがこの直後に相手のミスを突いて先制に成功する。ジェコのシュートをキャッチしたGKレイナからのロングフィードを起点にロングカウンターを仕掛け、インモービレの右サイドへの大きな展開は戻ったDFイバニェスにカットされる。だが、気を抜いたイバニェスの死角からプレッシャーをかけたラッツァーリがボックス内でうまく引っかけると、ゴール前でこぼれ球に反応したインモービレが豪快にネットを揺らした。
相手にダメージを与える形で先手を奪ったラツィオは基本的にはミドルプレスを採用も、要所で前から強い圧力をかけて相手のビルドアップを制限。中盤でうまく守備の網をかけて得意のカウンターを繰り出すと、追加点を奪い切る。

23分、ハーフウェイライン付近の右サイドでボールを奪い、ミリンコビッチ=サビッチのミドルスルーパスに反応したラッツァーリがDFイバニェスを振り切ってボックス内に侵入。ラッツァーリは一度バランスを崩して倒れるが、すぐさま起き上がってフリーのルイス・アルベルトに繋ぐと、L・アルベルトのコースを狙った丁寧な右足のシュートがゴール左隅に決まった。

2つの拙守で大きなビハインドを背負うことになったローマは前半のうちに何とか1点を返そうと、ここからリスクを冒して相手を押し込んでいく。ムヒタリアンやペッレグリーニの個人技でボックス付近まではボールを運べるものの、ラツィオの集中した守備を崩し切れない。36分には鮮やかな連携からボックス中央でジェコのヘディングパスに反応したムヒタリアンが右足のダイレクトシュートを放つが、これは枠の右に外れた。

結局、2点ビハインドで試合を折り返したローマはヴェレトゥに代えて負傷明けのペドロを投入。この交代でペドロが右のシャドー、ペッレグリーニがボランチの一角にポジションを移した。だが、後半も先に決定機を作ったのはラツィオ。50分、右サイドで仕掛けたラッツァーリがDFイバニェスの寄せをモノともせずボックス内でキープして中に折り返すが、これは味方に合わず。

その後は手数をかけても攻め切れないローマに対して、相手を自陣に引き込んで強力なロングカウンターを繰り出すラツィオが主導権を握る。そして、インモービレやミリンコビッチ=サビッチがGKパウ・ロペスを脅かすシュートを放っていく。

さらに、66分にはルーカス・レイバ、カイセドを下げてアキャプロ、エスカランテを同時にピッチへ送り出すと、この直後に決定的な3点目が生まれる。67分、右サイドからドリブルで内へ切り込んだラッツァーリがオーバーラップするアキャプロに繋ぐと、アキャプロの丁寧な折り返しをペナルティアーク付近で受けたL・アルベルトが絶妙な右足のミドルシュートをゴール右下隅の完璧なコースに突き刺し、ドッピエッタを達成した。

屈辱の3失点目を献上したローマは何とか一矢報いろうと、すでに投入したクリスタンテに続きスピナッツォーラ、マンチーニを下げてブルーノ・ペレス、マジョラルを投入。並びを[4-4-2]に変更し、反撃を試みる。

後半終盤にかけてはラドゥ、インモービレの重鎮2人を下げる余裕の采配を見せたラツィオに対してローマが押し込む形を作ったが、85分に右サイドからのクロスの流れでファーでフリーのジェコに訪れた絶好機はGKレイナのビッグセーブに阻まれる。

そして、6分が加えられた後半アディショナルタイムでは勝利を確信したラツィオ陣営がベンチ前で肩を組んで勝利を告げるホイッスルを歓喜の表情と共に待ち構えた中、このまま3-0のスコアでタイムアップ。

初の無観客開催となったデルビーで完勝のラツィオが今季初の3連勝。一方、屈辱的な敗戦となったローマは、ナポリ、アタランタ戦に続くライバル相手の不甲斐ない大敗を喫した。

ローマの関連記事

セリエAの関連記事

ローマの人気記事ランキング

1

レバークーゼン、ローマで構想外の元スペイン代表DFに関心か?

レバークーゼンがローマの元スペイン代表DFマリオ・エルモソ(29)に関心を示しているようだ。 先日にU-21フランス代表DFジャンニュエル・ベロシアンが前十字じん帯断裂の重傷によって今シーズン中の復帰が絶望的となったレバークーゼン。さらに、ドイツ代表DFヨナタン・ターの今季限りでの退団が決定しており、クラブは今冬あるい今夏のセンターバック補強を考慮している。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によれば、現在クラブは即戦力と将来への投資として2人のDFをリストアップ。 その即戦力の人材としてローマでポジションを掴み切れずにいる元スペイン代表DFの動向を注視しているという。昨夏、ローマに新天地を求めたエルモソは公式戦13試合に出場も、ここまで3人の指揮官の下でプレーしたが、いずれも信頼を得られず。 今冬の移籍市場ではフェネルバフチェやガラタサライとトルコ方面からの関心が伝えられていた。 レアル・マドリーの下部組織出身のエルモソは、エスパニョールでのプレーを経て、2019年夏にアトレティコへ加入。 コルチョネロスでは、センターバックと左サイドバックを主戦場として主力の一人に定着すると、在籍5年で公式戦174試合に出場。2023-24シーズンも公式戦出場45試合中42試合でスタメン出場を果たすなど、安定した出場機会を得てチームに貢献したが、クラブから減俸を提示されたことにより、昨季限りで退団していた。 2025.01.25 20:10 Sat
2

ローマがアタランタのGKゴッリーニを完全移籍で獲得、移籍した豪代表GKライアンの穴を埋める

ローマは24日、アタランタの元イタリア代表GKピエルルイジ・ゴッリーニ(29)を完全移籍で獲得したことを発表した。背番号は「95」に決定した。 ゴッリーニはフィオレンティーナやマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身で、エラス・ヴェローナでキャリアをスタート。2016年7月にアストン・ビラへ完全移籍すると、アタランタへのレンタル移籍を経て、2018年7月に完全移籍した。 アタランタ加入後は、トッテナムやフィオレンティーナ、ナポリ、ジェノアとレンタル移籍を繰り返していた。 セリエA通算139試合に出場。今シーズンはジェノアへとレンタル移籍しており、開幕から7試合連続で出場していたが、臀部のケガにより離脱すると、その後は出番がなかった。 ローマは、セルビア代表GKミレ・スヴィラルが正守護神を務めていた中、冬の移籍市場でオーストラリア代表GKマシュー・ライアンがRCランスに完全移籍。控えGKが不在となっていた。 2025.01.24 20:20 Fri
3

ラニエリローマがフラッテージ獲得へ今冬最後に本腰? インテルで定位置確保のメド立たぬローマっ子

ローマがイタリア代表MFダビデ・フラッテージ(25)獲得への1stオファーを準備。イタリア『カルチョメルカート』が伝える。 ローマの下部組織が育て、サッスオーロでカルチョ有数のMFとなったフラッテージ。しかし、昨季から所属するインテルで定位置確保のメドが立たず、今冬の移籍を希望と報じられる。 インテルのシモーネ・インザーギ監督はフラッテージを少なくとも今季最後までキープしたい考え。一方クラブは4000万〜4500万ユーロ(約65.1億〜73.2億円)で売却OKのスタンス。 対し、今冬当初からフラッテージ獲得への動きが伝えられるローマは、現段階で3000万ユーロ(約48.8億円)+ボーナス1000万〜1500万ユーロ(約16.2億〜24.3億円)の提示を準備か。 『カルチョメルカート』は、ローマが「マーケット残り1週間でフラッテージ獲得に焦点を当てる」と主張したうえで、「ローマは新しいプロジェクトを構築するための重要なカードとしてフラッテージを獲得し、彼に中心的な役割を与えようと考えている」と論じている。 なお、イタリア別紙では異なるルートの主張も。『トゥットスポルト』はフラッテージとローマの紐付けをこのように伝える。 インテルがカナダ代表MFタジョン・ブキャナン(25)の放出をマストとしたうえで、ローマからポーランド代表MFニコラ・ザレフスキ(22)の獲得に興味があるとのこと。ここにフラッテージが絡むトレードの可能性もあるという。 2025.01.22 22:45 Wed
4

「明確に移籍を希望したことはない」インテルSDが古巣復帰浮上フラッテージの姿勢を明かす、レンタル放出へ向かうブキャナンも「ここに残る可能性は否定しない」

インテルのスポーツ・ディレクター(SD)を務めるピエロ・アウジリオ氏が、選手の去就について語った。イタリア『TUTTOmercatoWEB』が伝えた。 22日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第7節スパルタ・プラハ戦を1-0の勝利で終えたインテル。ラウンド16にストレートで進出できる8位以内をほぼ手中に収めた。 そんななか、1月の移籍市場ではスタメン確保に至っていないイタリア代表MFダビデ・フラッテージ(25)と、出場機会が乏しいカナダ代表MFタジョン・ブキャナン(25)に移籍の噂が。フラッテージにはユース時代を過ごした古巣ローマが関心を示し、ブキャナンはトリノへのレンタル移籍の可能性が報じられている。 アウジリオSDはスパルタ・プラハ戦前にフラッテージの移籍の可能性に言及。選手自ら移籍を望んでいるという報道は否定している。 「彼が移籍を求めたことはなく、チームは目標に集中している。フラッテージが明確に移籍を希望したことはない」 「最近はフィジカル面の状態が良くないため、プレーする機会が減っている。彼は常に自分が出場できることを示しているし、決して引き下がらない」 また、インテルが代理人にレンタル移籍を提案したとも伝えられるブキャナンにも触れ、残留の可能性が十分残っていることを明かした。 「多くのチームが興味を示しているが、力のある選手だからここに残る可能性は否定しない。彼も去りたいという考えを示したことはない」 2025.01.23 18:20 Thu
5

ローマがオランダ代表DFレンシュ獲得を公式発表! 多才なSBが4年契約で加入

ローマは23日、アヤックスからオランダ代表DFデヴィン・レンシュ(21)を完全移籍で獲得したことを発表した。背番号は「2」に決定。契約期間は2029年6月30日までとなる。 なお、移籍市場に精通するジャーナリストのニコロ・スキラ氏によれば、今シーズン限りでアヤックスとの契約が満了する21歳DFの移籍金は500万ユーロ(約8億1000万円)になったという。 レンシュはスリナムにもルーツを持つ右サイドバック。オランダ屈指の名門アヤックスのアカデミーで育ち、2020年11月にファーストチーム昇格。これまで公式戦150試合近くに出場している。また、アンダー世代での代表歴も多く、U-21オランダ代表ではキャプテンも務めていたエリート。 179㎝と上背はないものの、それを補って余りあるアスリート能力、アヤックス仕込みの優れたパスセンスを有する万能型DFは両足を遜色なく操り、センターバックや左サイドバックもこなす多才さが最大の特長。 ローマでは左右のウイングバックを主戦場に、3バックのサイドでもプレーすることになりそうだ。 2025.01.24 06:30 Fri

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly