ナポリが英雄マラドーナに捧げる圧巻の4発! 太陽デルビー完勝で好調ローマに“今季初黒星”を与える!《セリエA》

2020.11.30 06:51 Mon
Getty Images
セリエA第9節、ナポリとローマによるデルビー・デル・ソーレが29日にサン・パオロで行われ、ホームのナポリが4-0で圧勝した。

現在、6位のナポリ(勝ち点14)は前節、首位のミランを相手に1-3で完敗し、今季3度目の連勝のチャンスを逸した。それでも、直近のヨーロッパリーグ(EL)では格下リエカを2-0のスコアで一蹴し、バウンスバックに成功した。ローマとのデルビーに向けてはミラン戦から先発2人を変更。出場停止のバカヨコに代えてデンメ、ポリターノに代わってジエリンスキを起用した。
一方、3位のローマ(勝ち点17)は前節パルマに3-0の快勝を収めて3連勝。さらに、ELでもクルージュを2-0で下し、2節を残して決勝トーナメント進出を決めた。パルマ戦からはビジャール、マジョラルに代えて、いずれもコロナウイルスから回復したペッレグリーニとジェコの2人のリーダーが先発に復帰した。

ナポリが25日に急逝したレジェンド、ディエゴ・マラドーナ氏を追悼する特別なユニフォームに身を包んで臨んだ、今季最初のデルビー・デル・ソーレ。

立ち上がりはチーム状態で勝るローマが厚みのある攻撃を仕掛け、開始2分にはボックス手前でパスカットしたペドロが両チームを通じて最初のシュートを放った。その後はナポリが押し返した中、キックオフからちょうど10分後にはマラドーナ氏の代名詞の背番号10にちなんで両チームがプレーを止めて1分間の拍手をフットボール界のレジェンドへ捧げた。
この仕切り直しを経て試合の流れはホームのナポリへ傾いていく。この試合、デンメをアンカーに配した[4-3-3]の布陣で立ち位置に変化を加えたホームチームはセンターバックを起点に相手のプレスを剥がしながら、数的優位を作り出しやすいサイドを起点に攻撃を展開。20分にはボックス左に抜け出したジエリンスキが右足を振り抜くが、これはGKミランテの正面を突いた。

その後もナポリが攻守に圧倒する時間が続く中、現スカッドで最もレジェンドに近いプレースタイルを持つ生粋のナポリっ子が追悼のゴールを捧げる。31分、ボックス手前左角で得たFKの場面でキッカーのインシーニェが右足を振り抜くと、これがゴール左隅の完璧なコースに決まった。そして、現カピターノはピッチサイドに準備していた背番号10のユニフォームに口付けし、天国の英雄に美しいゴールを捧げた。

立ち上がり以降、ナポリの完全な引き立て役となっているローマは負傷したマンチーニがプレー続行不可能となり、フアン・ジェズスの緊急投入を余儀なくされるなどアクシデントにまで見舞われる。前半終盤に入ってようやくカウンターから押し返す場面を作ったものの、攻守両面で反撃の糸口を掴めぬままハーフタイムを迎えた。

迎えた後半、ビハインドを追うローマは前半終盤にハムストリングを痛めたヴェレトゥに代えてビジャールを投入。ハーフタイムの修正で流れを好転させたいところだったが、立ち上がりの49分にロサーノにいきなり決定的なシュートを浴びるなど苦境が続く。

一方、試合内容を考えれば、早めに追加点を奪いたいナポリだったが、64分に待望の2点目が生まれる。相手陣内中央左で仕掛けたインシーニェから足元にパスを受けたファビアン・ルイスがペナルティアーク付近でDFジェズスの股間を抜く見事な左足のグラウンダーシュートをゴール右隅に流し込んだ。

耐え切れずに2失点目を喫したローマは並びを[4-2-3-1]に変更し、ジェコ、ペッレグリーニに代えてカルレス・ペレス、マジョラルを投入。ナポリの運動量が落ちたこともあり、ようやく相手陣内でのプレーを増やしていく。73分にはボックス中央でカルスドルプからパスを受けたC・ペレスにこの試合最大の決定機も、左足のシュートはDFのブロックに阻まれた。

後半も危なげない試合運びを見せるナポリはロサーノ、ジエリンスキに代えてポリターノ、エルマスとフレッシュな選手をピッチに送り出すと、その選手交代がダメ押しのゴールをもたらす。まずは81分、ボックス手前でエルマスが放った強烈なシュートをGKが弾いたところをメルテンスが押し込む。

さらに87分にはペナルティアーク付近でルーズボールに反応したポリターノが鮮やかなボールタッチで4人のDF、GKまでかわす圧巻の5人抜きのゴールでマラドーナ氏へのオマージュのような見事な4点目を決めた。

そして、レジェンドに大量4ゴールを捧げたナポリが会心の勝利を収め、ミラン戦の敗戦を見事に払しょく。一方、全く良いところなく敗れたローマは登録違反での敗戦扱いとなったヴェローナとの開幕戦を除き、今季公式戦初の黒星となった。
関連ニュース

アチェルビの無罪判決を受けてファン・ジェズスが声明「守られていると感じない」

ナポリの元ブラジル代表DFファン・ジェズスが27日、インテルのイタリア代表DFフランチェスコ・アチェルビの無罪判決を受けて公式声明を発表した。 ファン・ジェズスは17日に行われたセリエA第29節のインテル戦でアチェルビに人種差別発言を受けたと主張。しかし、イタリアサッカー連盟(FIGC)のスポーツ判事は26日、証拠不十分として無罪としていた。 この結果を受けてファン・ジェズスはナポリの公式サイトで以下のような声明を出した。 「私は人種差別の証拠が不十分というスポーツ判事の判決を何度も読み返し、とても遺憾に思っている。この判決を尊重するが、理解には苦しむし、とても苦々しい想いを抱いている。そんな中であの試合中、観客に迷惑がかからないよう、試合を中断することなく紳士らしく行動できたこと。それは模範として取り上げてもらうことができた」 「この決定がなされ、私は決して守られていると感じない。『黒人は消えろ。ただのクソ野郎だ』というフレーズがどうして差別的でないのか、本当に理解ができない」 「アチェルビが謝罪し、主審がVARに報告しなければならない違反だったから、試合は1分以上中断していた。このような結末になるとは予想していなかった。この悲しい物語がサッカー界全体の深刻かつ緊急の問題として考える一助にせめてもなってくれることを願っている」 2024.03.28 07:00 Thu

アチェルビの無罪判決を受けてナポリとファン・ジェズスが激怒

ナポリと元ブラジル代表DFファン・ジェズスが、インテルのイタリア代表DFフランチェスコ・アチェルビの無罪判決を受けて激怒している。イタリア『トゥットメルカート』が報じている。 17日に行われたセリエA第29節のナポリ戦でファン・ジェズスに対して人種差別発言を行った罪に問われていたアチェルビだったが、イタリアサッカー連盟(FIGC)のスポーツ判事は26日、証拠不十分として無罪としていた。 これを受けてナポリは声明にて「セリエAの反人種差別の取り組みは見せかけだけ」と発表。ファン・ジェズスは自身のインスタグラムでプロフィール写真を変更し、黒人への敬意を求めた。 ナポリはファン・ジェズスを全面的に支持する姿勢として30日に行われるセリエA第30節アタランタ戦前、反人種差別のメッセージを込めた特別なユニフォームを着用することを検討しているとのことだ。 2024.03.27 23:30 Wed

ユーロ初出場! ジョージア代表の若き二大巨頭クヴァラ&ママルダシュヴィリが国民へ感謝「人生最大に感情が溢れ出してるよ」

ジョージア代表の二大巨頭が国民へ感謝を語った。ジョージア『Kviri Spalitra』が伝えている。 ジョージア代表は26日、ユーロ2024予選プレーオフ決勝でギリシャ代表と対戦し、PK戦の末に勝利。建国後初となる国際舞台行きを決め、試合会場となった首都トビリシのディナモ・アリーナは狂乱と化し、国全体がお祭り騒ぎとなっている。 そんなジョージア代表、ひと昔前はカハ・カラーゼ氏(現トビリシ市長)という時代を彩った名バイプレーヤーがいたが、1990年のA代表結成から国際舞台に縁がなく、ミランで活躍した氏以外に国外でしっかり名の通る選手もいなかった。 しかし、ここ1〜2年で大きな変化が。 クヴィチャ・クワラツヘリアというジョージア南部の地方都市パトゥミにいた無名の若者が、ユベントスとナポリのスカウト陣に発見され、この若者は2022-23シーズンにナポリへ移籍。チームをセリエA王者に導き、自身はMVPという最上級の名誉を授かることとなった。 当然、この活躍を機にジョージア代表のエースとなった“クヴァラ”。まだ23歳と若いジョージア国家の新たな象徴は、今回のギリシャ戦後、TVカメラを通じ、国民への感謝を語る。 「最高に幸せだよ。これほど感情が溢れ出したことなんか過去に一度もない。ジョージア国民に感謝したい…120分間のファンファーレ、多くのスタジアムでプレーしてきたけど、今日の光景を見たことはないよ。“あなたの存在”が、今日勝つための最も重要な要素だった」 また、クヴァラの1つ年上で、所属するラ・リーガのバレンシアからさらなる強豪への移籍も噂されるギオルギ・ママルダシュヴィリは、ジョージア代表の正GK。攻めの核がクヴァラなら、守りの要はこのママルダシュヴィリだ。 「皆さんにとてもとても感謝したい…今日だけじゃない。予選を戦った約1年半、常に僕らに寄り添い、可能な限り励ましてくれたことだと思う。僕らが今日ここで歓喜するのは、国民の皆さんの功績だよ。ユーロに出られること、皆さんを幸せにできたこと…ひとえに嬉しく思う」 クヴァラ&ママルダシュヴィリ、2人の台頭とともに急速に力をつけ、ついに国際舞台を掴んだジョージア代表。開幕まで2カ月強...ユーロ本大会が楽しみだ。 ジョージア代表は2024年6月18日、ユーロ2024グループF第1節でトルコ代表と対戦する。 2024.03.27 20:25 Wed

人種差別的発言疑惑のアチェルビ、証拠不十分で無罪に…

ナポリ戦での元ブラジル代表DFファン・ジェズスに対する人種差別的発言疑惑がかけられたインテルのイタリア代表DFフランチェスコ・アチェルビだが、最終的に無罪の判決が下された。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』など複数メディアが伝えている。 アチェルビは、17日に行われたセリエA第29節のナポリ戦でジェズスと小競り合いになっていた。その際、ジェズスは人種差別的発言を受けたとして主審のフェデリコ・ラ・ペンナに報告していた。 同試合後、アチェルビはジェズスに謝罪を行っていたものの、人種差別的発言疑惑がかけられた後は一転してその発言を否定。この翻意に対して、激高したジェズスが発言内容を明かすと共に憤りを示していた。 両者の主張が真っ向から食い違う中、イタリアサッカー連盟(FIGC)のスポーツ判事は、両者への聞き取り調査に加え、関連映像や他のインタビューを含む他の証拠も検討。慎重に調査を進めてきた。 そして、ヘラルド・マストランドレア氏は、今回の一件に関してアチェルビがジェズスを人種的に虐待したことを証明する十分な証拠はなかったとして、無罪の判決を下した。 これにより、アチェルビは次節に行われるエンポリ戦での出場が可能となった。 なお、今回の判決に至った経緯を説明する報告書では証拠不十分と判断した理由について以下のように説明されている。 「ピッチ上での一連の出来事はマッチオフィシャルの協力を得て公式文書に基づいて再構成され、いずれの場合もビデオで見ることができ、必然的に試合の衝突とアチェルビによるいくつかの言葉の発声行為から始まることが注目された」 「フェン・ジェズスに対するこの発言は、あからさまではないものの、侮辱の表現と確かに一致する。これはインテルプレーヤーによるものであり、攻撃的かつ脅迫的な態度で無視されなかったが、その差別的な内容はサッカー協会のプレーヤーの誠意を疑うものではなかった。ナポリは、『気分を害した』フットボーラー(ファン・ジェズス)によってのみ、発言が認識されているようであり、音声、ビデオ、さらには証言など、外部の証拠の裏付けがない」 2024.03.27 00:29 Wed

“兼務”指揮官カルツォーナ、ナポリでの続投考えず 「デ・ラウレンティスとの契約はこの数カ月間だけ」

ナポリのフランチェスコ・カルツォーナ監督(55)は現時点で続投を考えていないようだ。イタリア『スカイ』が報じた。 スロバキア代表を率いるカルツォーナ監督だが、今年2月からナポリの指揮を運びに。今季のナポリにとって、3人目の指揮官として今年2月に招へいされ、ここまで公式戦7試合で2勝4分け1敗の成績を残す。 この代表ウィークではスロバキアの指導に戻り、23日に行われた国際親善試合のオーストリア代表戦でチームを指揮。その試合後、イタリア『Mediaset』で任期が今季終了までのナポリでの今後に言及した。 「(続投は)考えてもいないよ。(ナポリ会長のアウレリオ・)デ・ラウレンティスとの契約はこの数カ月間だけだからだ。私にはスロバキアサッカー連盟との契約があるし、夢だったチームの監督になるのを許してくれたことにも感謝している。ナポリで重要なポジションに到達できるのを願って、様子を見てみよう。兼務は公式戦がない時期にしかやれない。私が知る限りね」 2024.03.25 18:15 Mon
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly