マネ2発の王者リバプールが自滅チェルシーを敵地で撃破! 途中出場のチアゴデビューに南野も今季初出場《プレミアリーグ》

2020.09.21 02:36 Mon
Getty Images
プレミアリーグ第2節、チェルシーvsリバプールが20日にスタンフォード・ブリッジで行われ、アウェイのリバプールが2-0で勝利した。なお、リバプールのFW南野拓実は86分からプレーし、今季リーグ初出場を飾った。
PR
新型コロナウイルスの影響により、多くのクラブが緊縮財政を強いられている中、今夏の市場に約2億ポンドの巨額を投じたチェルシー。注目の初陣となったブライトンとの開幕節ではヴェルナー、ハフェルツの2選手がデビューを飾り、3-1の白星発進となった。昨季、シーズンダブルを喫した王者相手に連勝を目指すホーム開幕戦では前節から先発1人を変更。ロフタス=チークに代わってコバチッチが復帰し、システムを[4-3-3]に変更した。
一方、ド派手な打ち合いとなった昇格組リーズ・ユナイテッドとの開幕戦を4-3で競り勝ち連覇に向けて幸先よくスタートを飾ったリバプール。今週にはバイエルンからチアゴ、ウォルバーハンプトンからジョタと中盤と前線に好タレントを補強し、より強力なスカッドを構築。難敵チェルシーのホームに乗り込んだこの一戦では前節から先発1人を変更。軽い打撲と筋肉系の問題を抱えるジョー・ゴメス、マティプの不在に伴い、ファビーニョがファン・ダイクの相棒を務めることに。注目のチアゴは南野と共にベンチに入った。

今夏、超大型補強を敢行した昨季4位のチェルシーが、連覇を狙う王者リバプールに挑む新シーズンのプレミア最初のビッグマッチ。

前線の並びを右からマウント、ハフェルツ、ヴェルナーとマイナーチェンジしたホームチームに対して、リバプールはいつも通り、前から激しいプレッシャーをかけてけん制。相手の立ち位置、ボールの動かし方を確認し合う様子見の立ち上がりを経て、試合は徐々にアウェイのリバプールがボールの主導権を握る形に落ち着く。
その後もスペースの探り合い、消し合いと戦術的な駆け引きが色濃い展開が続くが、ハフェルツやマネ、ジョルジーニョ、ヘンダーソンと要所で個人が打開を図るなど、上位対決に相応しい緊迫感のある攻防も目立った。

前半半ばから終盤にかけても睨み合いの状況は変わらず。共にフィニッシュの数がなかなか増えないものの、32分にはカンテの飛び出しからヴェルナーの際どいミドルシュート、直後の34分にはアレクサンダー=アーノルドのクロスをボックス左で収めたサラーの際どい折り返しと、ゴールに迫る場面を作る。

このまま0-0で前半終了かと思われたが、45分に試合の流れを大きく左右する出来事が起きる。押し込まれたリバプールがGKアリソンのスローからリスタートすると、近くでボールを受けたヘンダーソンがすかさず前線のスペースで絶妙なロングフィードを供給。左サイドから斜めのランニングで抜け出したマネに対して、背後を取られたDFクリステンセンがボックス手前で後方から引き倒してしまう。当初、主審はこのファウルに対してイエローカードを掲示したが、VARによるレビューを行うと、飛び出したGKケパとマネのボールの距離感などを考慮し、重大な決定機阻止と考えを改めてカードの色を黄色から赤に変えた。

前半ラストプレーで数的不利を負ったチェルシーはハーフタイム明けにハフェルツを下げてトモリを投入。この交代で前線にヴェルナーとマウントを残す[4-3-2]の布陣に変更した。一方、リバプールはコンディションに不安を残すヘンダーソンに代えて、プレミアデビューのチアゴを同じアンカーの位置で送り出した。

すると、勝負所を理解する王者は相手が布陣変更に適応する隙を与えない立ち上がりからの攻勢で一気に試合を動かす。まずは50分、右サイドに流れて局面での数的優位を作ったフィルミノがサラーとの連係からボックス右に抜け出して高精度のクロス。これにファーから内に絞ってきたマネが相手DFの死角から飛び出す豪快なヘディングで合わせ、待望の先制点を挙げる。

さらに、直後の54分にはトモリからGKケパへのバックパスにプレッシャーをかけたマネが、背中でジョルジーニョを感じながら急加速でケパに圧力をかけてインターセプト。すかさず無人のゴールへシュートを流し込んだ。

マネの連続ゴールによって、30分余りを残して積んだ感もあるチェルシーだが、ヴェルナーを最前線に残す[4-4-1]に布陣を微調整してファイティングポーズを取り続ける。チアゴを起点に質の高いボールの動かし方を見せるアウェイチームに対して、粘り強く守りながらヴェルナーの快足に一縷の望みを託す。

すると、73分にはチェルシーに千載一遇のチャンスが訪れる。左サイドからドリブルでボックス内に切り込んだヴェルナーがチアゴのファウルを誘いPKを奪取。キッカーを務めたのは直近のブライトン戦を含めチェルシー加入後、すべてのPKを成功させてきた名手ジョルジーニョ。だが、右隅を狙ったシュートはGKアリソンに完璧に読まれて痛恨の失敗に。

一方、守護神のビッグセーブに救われたリバプールは気を引き締め直して残りの戦いに臨んだ中、86分にはフィルミノに代えて、今季プレミア初出場の南野をピッチに送り込んだ。そして、試合終了間際の決定機はサラーが決め切れず、3点目こそ逃したものの、今季初のクリーンシートで試合を締めくくった。

クリステンセンの一発退場にケパのミス、ジョルジーニョのPK失敗と相手の自滅に助けられた感もあるが、王者に相応しい内容で勝ち切ったリバプールが開幕2連勝。一方、敗れたチェルシーは次回の対戦に向けてデビューが待たれる新戦力、既存戦力の成長がカギを握る。

PR
関連ニュース

「厳しい言葉が必要」大敗も選手への言及避けるポチェッティーノ監督に疑問の声「メッセージが届いていない」

大敗したチェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督に対しては、そのマネジメントに疑問の声もあるようだ。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 ここまで思うようなシーズンを送れず、先週末のFAカップも敗退したことで無冠が確定したチェルシー。23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分では、優勝争い中のアーセナルにプライドを示したいところだったが、後半に守備が崩壊し0-5の大敗を喫した。 試合後にはポチェッティーノ監督も「チームは諦めてしまっていた」と落胆の姿勢を示しつつ、「選手たちを責めることはできないし、そのつもりもない」と選手を擁護する姿勢は崩さず。若いチームは成長段階であることを強調していた。 しかし、これについては異議を唱える声もあるようだ。『TNTスポーツ』に出演したアーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏は、こうした指揮官の姿勢がチームの弱体化につながっているとの見方を示している。 「チェルシーの強化策はバランスがおかしく、チームに対して10億ポンドもの大金を費やした。だからこそ、今の彼らの姿は信じられないものだ。これは厳しい言葉が必要であり、それは監督からもたらされるべきだろう」 「監督は選手たちに口を出さないようにしているが、それによって自分自身が追い詰められている。彼が気を使っているのはわかるが、両ハーフとも試合の立ち上がりが悪かったのを見ると、選手たちにメッセージが届いていないのだろう」 2024.04.24 16:40 Wed

「間違いなく努力している」屈辱的大敗のチェルシー…ファンからの批判にギャラガーは「次につなげなければ…」

チェルシーのイングランド代表MFコナー・ギャラガーは、屈辱的な大敗にも自分たちは成長中のチームであることを強調した。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 チェルシーは23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルと対戦。先週末にはFAカップ準決勝で敗退したこともあり、ロンドンのライバルクラブ相手に意地を見せたいところだったが、優勝争い中のチーム相手に歯が立たず、終わってみれば0-5の大敗となった。 試合中には、チェルシーファンの子供が「ユニフォームは欲しくない。ファンのため戦いたいと思ってほしい。UTC(アップ・ザ・チェルシー)」と書かれたプラカードを掲げる姿も話題に。チームに対するファンからの不満の高まりを象徴するような場面となった。 この試合に先発フル出場したギャラガーは試合後、こうした批判に対してチームは努力していると主張。経験の少ない若いチームであることを訴え、成長に向けて全力で取り組んでいると語った。 「(ファンの掲げたプラカードについて問われ)そうだね…僕たちは間違いなく努力していると思う。これが選手全員にとって、どれだけの意味があるかは理解しているよ。ただ、何度も言われてきたことではあるけど、このチームは非常に若いチームなんだ。プレミアリーグでのチームとしての経験はあまりない」 「僕たちはここまで、多くの浮き沈みを経験してきたと思う。チームはまだ改善の最中なんだ。次のレベルに到達するため、みんなで協力しているよ」 「ただ、今日はそれとは程遠い日の一つになってしまった。僕たちは自分を奮い立たせ、パフォーマンスと改善点、そしてすべてのミスを見つめ直し、次につなげなければならない」 2024.04.24 15:45 Wed

「酷いチャレンジ」「なぜまだピッチに?」 冨安健洋への悪質なチャージ、足首踏みつけもお咎めなしのチェルシーFWにレジェンドたちも疑問「信じられない」「レッドカードだ」

アーセナルのファンは日本代表DF冨安健洋へのファウルに怒り心頭だ。 23日、プレミアリーグ第29節延期分のアーセナルvsチェルシーが行われ、優勝を争うアーセナルが5-0で圧勝。チェルシーとの“ビッグロンドン・ダービー”を制していた。 冨安はこの試合に先発出場。先週末のウォルバーハンプトン戦を欠場しただけに心配されたが、大一番で攻守にわたって活躍を見せた。 しかし、試合の序盤に心配なシーンが。8分、冨安がデクラン・ライスからのパスを受けると、ややトラップが大きくなりルーズボールに。これを冨安が拾いに行った中、チェルシーのFWニコラス・ジャクソンも奪いにくる。 ボールにいち早く触った冨安に対し、ジャクソンは思い切り足首を踏みつける形に。スロー映像では、完全に足首を踏み、冨安は捻っているようにも見える。 しかし、このシーンに対してVARチェックが入ったにも関わらず、ジャクソンには何もなし。レッドカードはおろか、イエローカードすら出ないこととなった。 危険な行為は、故意かどうかに関係なく厳しく取り締られている中で、ただのファウルで終わることに。これにはイギリス『talkSPORT』の解説を務めた元イングランド代表DFダニー・ミルズ氏は「あれはレッドカードだ。ぜひVARを見てみたい」とコメントしていた。 また、『TNTスポーツ』で解説した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も「あのチャレンジがVARさえ考慮されないことは信じられない」とコメント。アーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏も「驚くべきこと」と同意していた。 当然この判定にはアーセナルのファンが怒り浸透。X(旧ツイッター)では「ジャクソンの酷いタックル。辞めるべきだ」、「ニコラス・ジャクソンはレッドカードだろう。冨安健洋への酷いチャレンジだ」、「ニコラス・ジャクソンがどうしてまだピッチに立っているのかわからない」、「見れば見るほどレッドカード。衝撃的」というコメントが集まっている。 冨安は72分で途中交代。その後問題なくプレーしていたため、大きなケガにはなっていないと思われるが、最悪の結末が待っていた可能性もあっただけに、今後判定について何かが起こるのか注目が集まる。 <span class="paragraph-title">【動画】一歩間違えれば重傷の危機…冨安健洋が足首を踏みつけられる</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 65;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 14:52 Wed

「相変わらず堅実」「ベストの左SB」先発復帰の冨安健洋、攻守の好パフォーマンスは現地でも高評価「この試合の先発に相応しい」

アーセナルの日本代表DF冨安健洋は高い評価を受けている。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルはチェルシーをホームに迎えた。 “ビッグロンドン・ダービー”となった一戦。冨安は前節のウォルバーハンプトン戦を欠場。2試合ぶりの出場となった。 チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦では先発出場していた冨安。再びビッグマッチで先発起用されると、攻守にわたって存在感を示し、守備ではノニ・マドゥエケとの一対一を封じると、攻撃では何度となくチャンスメイクを見せ、惜しいシュートも放っていた。 チームは5-0で圧勝した中、富安も高評価。イギリス『フットボール・ロンドン』は8点(10点満点)をつけた。 「ウルブス戦を欠場した後、この試合の先発に相応しかった。とても良く見えた」 「ボールの扱いが印象的で、1vs1の守備は相変わらず堅実だった」 イギリス『ロンドン・イブニング・スタンダード』は7点(10点満点)をつけている。 「打撲から回復した後、サイドに戻ってきた。堅実なパフォーマンスを見せており、現時点のアーセナルでベストの左サイドバックに見える」 また、イギリス『デイリー・メール』は7点(10点満点)をつけた。 「9分にニコラス・ジャクソンと衝突。相手にはレッドカードが与えられるはずだった。それでもピッチに留まり続けられて良かった」 冨安は9分ごろ、ニコラス・ジャクソンに足首を踏まれて捻る場面もあったが、72分までプレーを続けている。 <span class="paragraph-title">【動画】攻守に躍動!冨安健洋のチェルシー戦パフォーマンス集</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 10:40 Wed

「チームは諦めてしまった」アーセナルに大敗のチェルシー、ポチェッティーノ監督は嘆く「最も受け入れ難いのはスタート」

チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督が、大敗を喫したアーセナル戦を振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でチェルシーはアーセナルとアウェイで対戦した。 今シーズンはなかなか成績が上がってこないチェルシー。3日前にはFAカップ準決勝でマンチェスター・シティに0-1で敗れて敗退していた。 このところ復調も見せていた一方で、その原動力となっていたコール・パーマーが不在。チームに違いをもたらせていた男を欠いた中、試合早々に失点。その後盛り返しを見せるもフィニッシュの精度がなく、後半にはいり連続失点。終わってみれば5-0で惨敗となった。 今シーズン最大の敗北となった一戦。ポチェッティーノ監督は大敗に失望し、チームのパフォーマンスの低さを嘆いた。 「残念だ。本当に残念だ。パフォーマンスは良くなかったし、本来の形で試合をスタートできなかった」 「あまりにも簡単にゴールを許し、アーセナルにとって簡単にさせてしまった。試合はビハインドでスタートしたが、その後は本当に大変だった。失点してから10分か15分くらい経った頃から、試合をやり直したかのように少しずつプレーをし、チャンスを作り始めた」 「『このレベルであのように試合を始めるのは無理だ』とハーフタイムに話していたが、後半はまた悪い立ち上がりで2失点してしまった。その後、チームは諦めてしまい、我々は試合に参加できなかった」 「最も受け入れ難いのは、我々のスタートだ。前半の残り30分間、よく競い合い、試合は互角だったので、チャンスを作るために幾つかのミスを起こさせていた」 「そして後半、3-0になった時のスタート。この瞬間、チームはとても苦しみ始め、ゲームをコントロールするのに苦労し始めたと思う」 <span class="paragraph-title">【動画】チェルシーがまさかの大敗…アーセナル相手に5失点</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="khB_jdUoMNc";var video_start = 5;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 09:38 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly