Jリーグ、プロ野球共に観客動員による試合開催は7月10日から、専門家が考える注意すべきことは?

2020.06.22 11:50 Mon
©超ワールドサッカー
Jリーグと日本野球機構(NPB)は22日、「第10回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。

3月から実施されてきた対策連絡会議も10回目を迎える中、プロ野球は19日にシーズンが開幕。JリーグはJ2の再開とJ3の開幕が27日に、J1の再開が7月4日と迫っている。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が始まった当初から、様々な対策や方針を打ち立ててきた3人の専門家は、7月10日から実施される観客を入れての試合開催について見解を示した。
賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「日本では感染状態が小康状態ということは事実だと思います。ただ、一部東京では検査体制が変わったこともありますが、感染が完全に低下していない事実があります」と現在もまだ感染が抑えきれていないとコメント。その中で「我々は5月22日の段階で、観客の方が入った段階でどのようなリスクがあるか、リスクを下げられるか、色々な議論をさせていただいた。今までの応援のスタイルとは違ってくることになります」とこれまで通りにはいかないとコメント。「感染対策をしっかりと行っていく。1人1人が検温のチェックなどを踏まえて、新たな応援スタイルを確立していただきながら、7月10日から観客を入れていただくということ。社会の経済活動が再開したことも踏まえてとなる。ただ、感染は完全にゼロになってはいないので、しっかりと感染対策を行ってやっていただくということです」と観戦に行く方の健康管理が重要だと語った。

同じく専門家チームの三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は今後の中止があるかどうかについて「行政との関連が大きい。スポーツ庁、行政、都道府県知事のお考えに従うということになると思う」とコメント。「都道府県知事の姿勢に逆らって試合を続けることはあり得ない。そこの判断に従うことになると思う」とし、感染が再び拡大した場合は中止の判断もゼロではないと指摘した。
また舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は「7月10日が現段階での予定となります。今でも東京では30〜40人の感染患者が見られている。水面下でどういった動きがあるのか、予断を許さない状況であると思っている」と油断してはいけないと見解を示し、「来週、再来週の感染患者の数を見ながら、その段階で東京アラートが出るのか、国の方針が出るのかにもよりますが、専門家としては我々の分析、解析でやるべきではないと出てきたら、今の段階でお客さんを入れないほうがいいのかという話が出ることもある」とし、行政の判断の有無に関わらず、状況によっては観客動員の中止を進言することもあるとした。

19日に開幕したプロ野球だが、一部のファンが球場外に100人規模で集まるという事態が起こっていた。その件について賀来教授は「プロ野球の試合が始まることに関して、球場外でのリスクという点では、多くの方が集まって、三密になってということは起こり得る可能性はある。こういったことについては、しっかりと啓発というか、ある程度リスクがあるということを伝えていかなければいけないと思う」とし、改めて注意喚起を行うとコメント。

また、今後球場に足を運ぶことになるであろう観客についてもメッセージを送った。

「ドーム、屋外球場でも密室ではないです。ただ、密接だったり密集はされていく。今までのような、コロナが収束してきてある程度昔のような応援風景も将来は復活すると思いますが、それまでは新たな応援スタイルをみんなでやっていこう。お互いをスタジアムに来た人同士が、うつさないように、うつらないように、手洗いやマスクなどをしっかり行うことが大事になる」

「選手、スタッフは健康管理をしていますが、観客も健康管理を行って、大声で話さないなどを守りながら、新たな応援スタイルを作って欲しいです。それを作ることが選手を応援することにもなる。観客からクラスターが出れば、選手、スタッフ、観客、日本国民にとっても悲しいこと。ウィズコロナの時代を共に戦っていく、協力して盛り上げて応援していこうと思います」

J1の関連記事

10日、11日にかけて明治安田J1リーグ第16節の10試合が全国各地で行われた。 【京都vs名古屋】終盤にスコアが動いた中ドロー 連敗で首位から陥落も劇的勝利で3位に位置している京都サンガF.C.と降格圏からなんとか抜け出した17位の名古屋グランパスの対戦となった。 上位と下位の対決となった試合。名古 2025.05.11 19:25 Sun
明治安田J1リーグ第16節のセレッソ大阪vs横浜F・マリノスが11日にヨドコウ桜スタジアムで行われ、1-0でホームのC大阪が勝利した。 前節はアウェイでヴィッセル神戸と対戦し1-3で勝利。シーズン初の連勝で12位に浮上したC大阪。勢いを継続したいアーサー・パパス監督は、古巣との一戦に向けて神戸戦から先発を2人変更 2025.05.11 17:20 Sun
11日、明治安田J1リーグ第16節のガンバ大阪vsサンフレッチェ広島がパナソニック スタジアム 吹田で行われた。 6位のG大阪と5位の広島の上位対決。勝ち点「23」で並ぶ中での重要な一戦となった。 G大阪は直近の浦和レッズ戦から1名を変更。食野亮太郎を外し、ファン・アラーノを起用し、4連勝を目指していく。 2025.05.11 17:03 Sun
11日、明治安田J1リーグ第16節の東京ヴェルディvs湘南ベルマーレが味の素スタジアムで行われ、アウェイの湘南が0-2で勝利した。 前節、横浜FCに2-0で勝利し11位に浮上した東京V。ホーム3連勝とともに今季2度目の連勝を目指した中4日の一戦では先発3人を変更。宮原和也、稲見哲行、松橋優安に代えてサスペンション 2025.05.11 17:02 Sun
thumb 11日、明治安田J1リーグ第16節のアルビレックス新潟vs浦和レッズがデンカビッグスワンスタジアムで行われた。 18位と降格圏に沈む新潟と、5連勝がストップした4位の浦和の対戦に。立ち位置が大きく異なる両者の対戦となる中で、新潟は直近の試合から5名を変更。 稲村隼翔、堀米悠斗、小見洋太、秋山裕紀、小野裕二が外れ、 2025.05.11 16:00 Sun

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly