ようやく動き出した…/原ゆみこのマドリッド

2020.05.09 17:00 Sat
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「ツイてない選手もいるのね」そんな風に私が同情していたのは金曜日、スポーツ紙のサイトでレアル・マドリーのヨビッチが自宅でのオンライン練習中に右足の踵骨を骨折。全治2、3カ月で、週明けからバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始まる個人トレーニングに参加できなくなったと知った時のことでした。いやあ、彼は3月の第2週にバスケットチーム選手の新型コロナウィルス感染が判明した後、2週間の自宅隔期間中に故郷のセルビアに戻り、あちらも同様に国家非常事態態勢発動の折り、不要不急の外出で警察に捕まるという不運な目にも遭っていたんですけどね。今週の月曜にはマドリッドに帰還したんですが、練習再開前のメディカルチェックのため、バルデベバスを訪れた際にはスマホ運転(スペインでも違法)を施設出入り口に張っていたカメラに捉えられてしまう始末。幸いチームメート、コーチングスタッフ、関係者らと共にPCR検査では陰性だったんですが、これでは去年の夏に6000万ユーロ(約70億円)という高額移籍金でフランクフルトから加入しながら、24試合でたったの2得点。来季のマドリーはノルウェイ人の大型CF、19才のホランド(ドルトムント)を獲得予定という声が高まる中、この期待外れの成績を残り11節で挽回する希望はなくなった?

まあ、ヨビッチのケガはともかく、保健省の許可を得たリーガ1部と2部の計42チームは今週水曜から、順次、感染テストを開始。ただ、それが驚いたことにというか、ラ・リーガのテバス会長が「se corre más riesgo saliendo a la farmacia que al ir a entrenar/セ・コレ・マス・リエスゴー・サリエンドー・ア・ラ・ファルマシア・ケ・アル・イル・ア・エントレナール(薬局へ行く方が練習に行くより危険が大きい)」と言っていた程、安全な活動再開のためには当たり前というか、当初、CSD(スポーツ上級委員会)の話では熱や咳などの症状があったり、感染者との濃厚接触者だけがチームドクターの判断でPCR検査をするはずだったんですけどね。

蓋を開けてみれば、1チーム平均24選手、コーチ陣3人、その他関係者10人という、大量2000人が抗体検査共々、PCRも受けていたとなれば、いくらペースは落ち着いてきたとはいえ、いまだに1日何百人単位で感染者が増加している世間には検査を必要とする人がいくらでもいるというご時世、CSDがいい顔をしなかったのはムリないかと。そうは言っても久々に練習場に現れた首都の両雄、マドリーとアトレティコの選手たちの検査日の様子をクラブのオフィシャルページで見るだけで、気分が上がったファンはきっと沢山いますって。

え、それでどちらもチームから1人も陽性反応は出なかったのにリーガ首位のバルサが金曜には早速、個人練習を開始したのに比べ、勝ち点2で追うマドリーは月曜からって、意外と呑気じゃないかって?うーん、先日など、GKクルトワが母国ベルギーのTVインタビューで「リーグ打ち切りで、バルサが優勝するのは公平とは思えない。だってボクらは直接対決に1勝1分けと勝ち越しているし、ウチの方がいいチームだってことを示しているからね」とお調子なことを言って、スポルト(カタルーニャ系のスポーツ紙)の表紙などで、「Por que no te callas?/ポルケ・ノー・テ・カジャス(何で黙らないんだ)」(2007年のイベロアメリカ首相会議で当時のスペイン国王ファン・カルロス1世がベネスエラのチャベス大統領をこう諭して流行語になった)と揶揄されていたんですけどね。

だから余裕があるという訳ではありませんが、同じマドリッド勢でも降格圏の19位に沈む弟分のレガネスなどは切羽詰まっていますから、金曜午後にはシュダッド・デポルティバ・ブタルケで個人練習をスタート。いやあ、実は彼ら、ラ・リーガの点検で敷地内にあるクラブハウスでの合宿を許可されたというんですが、昔使っていたレガネス市営総合スポーツ施設の恐ろしい程、老朽化したロッカールームに比べれば全然、綺麗で快適とはいえ、選手たちが休憩できる部屋はダブル仕様で17室だけ。私はプレスルームにしか入ったことがないんですが、いかにもプレハブ感溢れる建物とあって、バルデベバスに高級ホテル並の個室を備える兄貴分はともかく、ここでリーガ残り11節開催中の1カ月半(CSDによるとグループ練習開始からの2カ月間)を引きこもって過ごすのはきついかも。
そうそう、そのリーガの再開時期なんですが、先日はアギーレ監督がラジオ・マルカ(スポーツ専門局)で「Ya tenemos fecha de inicio de liga/ジャー・テネモス・フェチャ・デ・イニシオ・デ・リーガ(リーガ再開の日付はもうわかっている)」と口を滑らせ、6月20日からの5週間、7月26日に終わる予定なのだとか。いえ、レガネス会長のパボン女史など、TVE(スペイン国営放送)の記者に問い詰められ、「どこから聞いてきたのかわからない」ととぼけていましたし、とにかく全ては感染状況次第ですからね。

実際、金曜にバルサ、レガネス、オサスナ、セビージャ、レアル・ソシエダ、グラナダ、レバンテ、ビジャレアル、マジョルカが練習再開の口火を切った後、土曜にはアトレティコ、バレンシア、エイバル、日曜はアスレティック、ベティス、ヘタフェ、そして月曜にマドリー、バジャドリー、セルタ、アラベス、エスパニョールと、どこも最初の一歩を踏み出したばかりとなれば、5月16日から試合が始まることになったブンデスリーガとは違い、この日程はまだラ・リーガからの公式発表ではないことはお忘れなく。

ちなみに金曜には再開後の今季は各チームの1試合における交代選手枠が3人から、特例で5人まで増やせることが、FIFAの要請を受けたIFAB(国際サッカー評議会)により決定。ただ、交代のタイミングは3回だけなんですが、やはりこういう措置が嬉しいのはベテラン選手の多いチームでしょう。ええ、とりわけホルヘ・モリーナ、アンヘル、マタの30代FWトリオが得点源となっているヘタフェなど、何せ現在、4位のレアル・ソシエダと同じ勝ち点で5位の彼らにはクラブ史上初のCL出場権獲得という目標に加え、8月にも1stレグからのEL16強対決インテル戦というビッグマッチが待っていますからね。加えて、アンヘル・トーレス会長がリーガの大部分のクラブのようにERTE(不況時の雇用調整法)申請や選手の給料カットをしなかったのも、チームの士気を保つのに大いに役立っているかと。

いやあ、彼は「Espero que en España el que se ha ido al ERTE no pueda fichar/エスペロ・ケ・エン・エスパーニャ・エル・ケ・セ・ア・イドー・アル・エルテ・ノー・プエダ・フィチャール(スペインでERTEを適用したところは戦力補強できないことを望むよ)。そういうクラブがポンと2000万ユーロ(約23億円)とか払って、ヘタフェの選手を獲っていくんじゃ意味ないからね」と釘も刺していましたけどね。実はサポーターにも太っ腹な会長で、同じマルカ(スポーツ紙)のインタビューでは今季のabonado(アボナードー/年間指定席保有者)は来季のリーガ戦を無料にすることを表明。一方で兄貴分のアトレティコはワンダ・メトロポリターノの残り5試合分は返却せず、来季用を20%割引販売にすることになったんですが、まあCSDはコロナワクチンが行き渡るまで(来年1月頃?)、観客を入れての試合開催はありえないと言っているため、どちらにしろ来季のシーズンパスはどこも値下げになりそうですね。

え、それで金曜の夕方にはショッキングなニュースも入ってきたんだろうって?いやあ、その通りでマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にある5つのグラウンドにそれぞれ6人の選手を配置して、土曜から始まる個人練習を敷地の外からでも見に行く方法がないかと、私も考え始めていた時だったんですけどね。23人のトップチームメンバーをヘルプするカンテラーノ(アトレティコBの選手)7人も検査を受け、これなら、まだ7月中らしいということしかわからないんですが、2部Bのリーグ戦は19位のヘタフェBが降格なしで首の皮をつないで打ち切りとなったものの、グループ1の3位につけていた後輩たちが、7位のRMカスティージャ(マドリーのBチーム)を尻目に2部昇格プレーオフに挑む助けにもなるだろうとほくそ笑んでいたところ、いやいや、それどころじゃありません。

何とアトレティコに出てしまったんですよ、感染者が!それも水曜に先行した1部と2部チームの検査で5人見つかったというのは午前中から聞いていたんですが、ラ・リーガがコロナ風評被害を恐れ、この練習再開プロセス中は選手の出欠状況を各クラブが公表しないよう命じた矢先のことだったから、更にビックリ。まさかブラジルのメディアから、ロディがPCR検査で陽性となったと伝わってくるなんて!とはいえ、21才の若い選手ですし、きっと先週末から緩んだ外出規制にフラフラと、私のように散歩に出た挙句、午後8時の医療従事者への拍手にかこつけて、ベランダからDJ活動を行っているご近所さんを人込みの中で彼も眺めていたりしたんだろうと思うのはまったくの見当違い。

ええ、どうやらロディはCL16強対決リバプール戦2ndレグ遠征の後、3月中旬頃から、風邪のような症状に見舞われ、数日後には呼吸困難を覚えて、チームドクターの往診も受けていたそうなんですが、今はすっかり回復。ところがPCR検査を初めて受けたところ、まだウィルスが体内にあったため、自宅隔離措置に。何だか、ユベントスのディバラのような長期感染ですが、抗体検査でかなり古いウィルスというのもわかったため、PCRで来週、2回陰性が出れば、練習場に来ていいことになるのだとか。

うーん、今週はZoomを使った記者会見でキャプテンのコケが「ウチは高いレベルで競っていた。最後の試合があのリバプール戦だったんだからね。プレシーズン練習って、考えることはないよ。Es un parón para volver a arrancar fuerte/エス・ウン・パロン・パラ・ボルベル・ア・アランカール・フエルテ(これは力強く戻るための停止期間だったんだ)」と言っていましたけどね。実際のところ、各国代表戦やクリスマス休暇明けのアトレティコは白星に恵まれていないため、それもあまりいい捉え方にも思えないんですが、さて。

おまけに先ほど、来週月曜から、多くの州が警戒事態緩和フェーズ1に進む中、まだ感染者の多いマドリッドはフェーズ0に留め置きという政府の決定を聞き、あまり私の気分も晴れないんですが、だってえ、これってまだバル(スペインの喫茶店兼バー)やレストランのテラス部分オープンもなし。ショッピングモール以外の小型店舗は開いたものの、ZARAやMango(スペインのファストファッションブランド)ですら、電話予約しないと入れないんですよ。同様に予約による入店者制限で営業している美容院など、施術者がマスク1つで対応しているのが硝子越しに見えて、逆に怖かったりするんですが、だんだん各チームが決まった時間に練習するようになると、休校や休業で暇を持て余しているファンがまた選手の出待ちをするようになるのかは、ちょっと興味が湧くところ。ただし、今は選手たちもクラブからきつく言われているため、車の窓を開けてサインをしてくれるといったサービスは期待できません。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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どこにいたって伝染る時は伝染る…/原ゆみこのマドリッド

「先に罹った者勝ちなのかしら」そんな風に私が首を振っていたのは木曜日、アトレティコのトレイラがバラハス空港での入国時検査で陽性を出したと聞いた時のことでした。いやあ、前日の夕方にはコロナ禍発生以来、初めてマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でのセッションを見学することができて、大いに喜んでいた私だったんですけどね。久々に会った顔馴染みのクアトロ(スペインの民放)のレポーターによると、火曜のW杯予選2試合目前にコロナ陽性が発覚し、即モンテビデオで隔離となっていたルイス・スアレスとは別に、ウルグアイ代表の同僚であるトレイラ、ヒメネス、そして彼らとの対戦に0-2で勝ったブラジル代表のフェリペ、ロディの4人はクラブの用意したプライベートジェットで一緒に帰って来たのだとか。 うーん、どうやらクラスター発生の原因はウルグアイ代表合宿中にやったバーベキューのせいじゃないかと言われているんですが、その全員マスクなしの写真を見ると、確かにトレイラは先に陽性となったスアレルとロドリゴ・ムニョス(クラブ・リベルタ)の間に座っていて、さもありなんという印象。でもスアレルの反対側の隣にはマドリッドの弟分、ヘタフェのアランバリがいて、そしたら彼も怪しくない?といっても代表合宿に集合した直後にも検査はあり、その時は皆、白だったとなれば、むしろバーベキューの用意をした現地スタッフとかから、ウィルスをもらった可能性の方が強いかと。 何せ、今やどこで感染するか、わかったもんじゃないコロナですからね。少なくともロディは昨季の中断後、6月に練習開始となった時点で、ヒメネスも10月の代表戦期間中にマドリッドで感染しているため、再陽性になることはなさそうですが、さて。今はフェリペも難を逃れていることを祈るばかりなんですが、その間、お隣さんではインターナショナルマッチウィーク前に自宅隔離となったカセミロに続き、アザール、ミリトンも木曜にPCR検査で陰性をゲット。つまり、代表戦とその移動で体力を消耗することもなく、この先、感染の心配なしで、レアル・マドリーの試合に出られるのは羨ましい限りですが、そのうち、シーズン序盤に陽性者多発で苦しんだアスレティックなどが、逆に免疫獲得選手多数となって、有利になったりするのでしょうか。 ま、そんなことはともかく、今はスペイン代表が2020年の最後を文句のつけようのないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で締めくくった試合の話をしないといけません。ええ、火曜には第2回ネーションズリーグのファイナルフォー進出を懸けて、セビージャ(スペイン南部)のカルトゥハでドイツ戦に挑んだ彼らなんですが、この必勝だった試合にルイス・エンリケ監督はモラタ(ユベントス)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)の3人を前線に配置。ただ、ここ最近のゴール不足を解消することができたのは、皮肉にも前半9分、カナレス(ベティス)が左太ももを痛め、早い段階でファビアン・ルイス(ナポリ)が入ったおかげと言えなくもなかったかと。 そう、22分に彼が蹴ったCKをモラタが見事に頭で捉え、先制ゴールを入れてくれたからですが、その5分後にもファビアンからのラストパスでモラタは再び、GKノイアー(バイエルン)を破ることに。こちらは線審がオフサイドの旗を上げたため、得点にはなりませんでしたが、いやあ、実はネーションズリーグにはVAR(ビデオ審判)が導入されてないんですよ。リプレーではオフサイドでなかったというのもしょっちゅう、ユベントスの試合で後からノーゴールにされている当人にとっては皮肉ではありますが、嘆く必要は全然ありません。というのもこの日のスペインは、「全てが最初からひどかった。ボール争いに1回も勝てず、組織的なプレーもできなかった」(レーブ監督)というドイツを圧倒的に押しまくり。 32分にはコケ(アトレティコ)の上げたクロスから、オルモのヘッドはゴールバーに弾かれたものの、こぼれ球をフェランが撃ち込んで2点目が入ったかと思いきや、37分にも再び、ファビアンからのCKを今度は、「Trabajamos mucho la estrategia/トラバハモス・ムーチョ・ラ・エストラテヒア(セットプレーは沢山、練習した)」というロドリ(マンチェスター・シティ)が頭で流し込んでいるって、え、前半だけで3-0とは、一体、何の冗談?それだけ点差がつけば、前節のスイス戦で2度のPKに失敗。その日は直接FKでリベンジを図ったものの、惜しくもノイアーに弾かれてしまったセルヒオ・ラモス(マドリー)がハーフタイム入りの3分前、右太ももの肉離れで19才のエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)に代わってしまったとて、それ程、心配するには及びません。 ええ、実際、「ウチのゲームプランは95分間、同じままだった。No especulamos ni defendemos resultados/ノー・エスペクラモス・ニー・デフェンデモス・レスルタードス(様子見をしたり、結果を守ったりはしなかった)」とルイス・エンリケ監督が後で言っていた通り、後半も攻め続けたスペインは9分、ファビアン、ガヤ(バレンシア)と繋いで、またしてもフェランがゴール。更に16分、再びファビアンのアシストでフェランが自身3点目、ハットトリックを達成って、ちょっとお、先日、ヒザの半月板損傷で4カ月の離脱になったアンス・ファティ(バルサ)よりは2つ上ですが、この選手もまだ、U21代表でプレーできる20才なんですよ。末恐ろしいというか、将来が楽しみというか、ホント、こういう若い選手たちが出て来ると、2012年のユーロ優勝以来、ずっと停滞していたスペイン代表にも期待が持てるようになる? そして5点入ったところでようやく、ルイス・エンリケ監督は前線をアセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)に代えたんですが、43分には、オランダ戦で額を縫ったガヤの復活証明アシストでオジャルサバルもゴール祭りに加わり、最後は6-0の大勝に。最終節で首位を奪還して、試合後のロッカールームも大騒ぎだったんですが、いやあ。だってえ、「Muy ilusionados con la Final Four con el equipo que temenos/ムイ・イルシオナードス・コン・ラ・ファイナル・フォー・コン・エル・エキポ・ケ・テネモス(今のチームでファイナルフォーを迎えるのが凄く楽しみだ)」とフェランなどは言っていましたけど、それ、開催は来年10月なんですよ。 翌水曜にはイタリアとベルギーの参戦も決まり、すでに前節には勝ち抜けが決まっていたフランスと共に12月3日の組み合わせ抽選を待つことになるんですが、その4日後には2022年W杯予選の抽選会も開催。このファイナルフォー出場で5チーム編成のグループに入ることが決まっているスペインはまず、3月にW杯予選3試合、9月に3試合、11月に2試合を消化する中、6月11日から1カ月間は延期されていたユーロ2020本大会、そして10月にイタリアでネーションズリーグ・ファイナルフォーと、もう訳わからない状態に。その上、U21ユーロ予選を勝ち抜いた後輩たちも3月に本大会グループステージ、6月11日から7月11日までは決勝トーナメント、そしてもし、本当に開催できなるなら、オリンピックもあるって、いやもう、私が今回、追加招集でU21合宿から呼ばれたククレジャ(ヘタフェ)だったら、正直、何をどう、目標にしたらいいか、さっぱりわからなくなっているかと。 おまけに今シーズンはリーガやヨーロッパのクラブ大会も凝縮日程ですから、「No me esperaba jugar los tres partidos/ノー・メ・エスペラバ・フガール・ロス・トレス・パルティードス(3試合、プレーするとは予想してなかった)」という、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、ケパ(チェルシー)を抑えて、一気に代表正GK最有力候補となったウナイ・シモン(アスレティック)を始め、この日は中盤で2年前のアトレティコでは成し得なかった、前向きのコンビネーションを披露。「2年間、代表に呼ばれなかったコケの復活ぶりは素晴らしい。No solo se ha limitado a dar pases de seguridad/ノー・ソロ・セ・ア・リミタードー・ア・ダール・パセス・デ・セグリダッド(安全なパスを送るだけに留まらなかった)。オランダとの親善試合で一番、良かった時間もこの2人がピッチにいた」と代表スタッフから、お褒めの言葉をもらっていたコケとロドリにしても、この11月の代表戦で活躍した選手たちが3月にも元気でいられるかはそれこそ、神のみぞ知るところですからね。 まあ、その辺も踏まえてルイス・エンリケ監督は、「No tenemos un equipo fijo, puede jugar cualquiera y eso no va a cambiar/ノー・テネモス・ウン・エキポ・フィホ、プエデ・フガール・クアルキエラ・イ・エソー・ノー・バ・カンビアル(ウチには決まったチームがなくて、どの選手でもプレーできる。それは変わらないだろう)」と言っていたのかもしれませんが、さて。とりあえず、水曜から選手たちが戻り始めたリーガのチームもこの週末は、代表被害がより少なくて済んだのは誰か、競うことになるんですが…。 え、どこより甚大なのはキャプテン、ラモスを2週間、欠くことになったマドリーじゃないのかって?そうですね、実はCBコンビを組むバランもフランス代表の最後の試合となったスウェーデン戦で肩を痛め、途中交代。土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時45分)からのビジャレアル戦への出場は金曜の練習を見て決めるのだとか。とはいえ、丁度、ナチョがケガを治して復帰していますし、ミリトンもコロナ陰性になりましたからね。他にもカルバハル、アザール、カセミロ、そしてバレンシア戦で筋肉痛を患ったベンゼマも出られるため、たとえ、相手が現在2位の好調チームとはいえ、ラ・セラミカで引けは取らないと思いますが、やはり怖いのは来週水曜のCLインテル戦。 そう、ラモス抜きのマドリーがCLで苦戦するのは周知の事実とあって、とにかくジダン監督は5節のシャフタール戦までには回復してもらいたいところでしょうが、こればっかりはねえ。ビジャレアルも久保建英選手を始め、ジュラール・モレノ、パウ・トーレスら、代表帰りの選手が結構いるため、3度もペナルティを取られた前節バレンシア戦のような不運に見舞われなければ、いい勝負になると思いますよ。 一方、ウルグアイ・サッカー協会にセレソ会長が苦情を申し立てているアトレティコは土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、ワンダ・メトロポリターノでバルサ戦なんですが、最初に言った通り、スアレス、トレイラ、2人のコロナ感染者以外にもエレーラがメキシコ代表合宿中に負傷。結局、韓国、日本、どちらの親善試合にも出場していないため、むしろ連戦のツケがこの時期に出たということでしょうが、私が覗いた水曜のセッション、マスコミ公開15分間ではジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロら、paron(パロン/リーガの中断期間)前からのリハビリ組、そしてモンテネグロ代表を早退してきたサビッチも全体練習に合流していたのは朗報だったかと。 その日をジムで過ごしたコケやジョアン・フェリックス、水曜のギリシャ戦でもクリーンシートを維持して、スロベニアがネーションズリーグのCグループからBグループに昇格するのを助けたGKオブラクも木曜の練習には参加していましたしね。確かにスアレス不在は攻撃面で痛いとはいえ、2節前のオサスナ戦では彼抜きで3点取っていたり、ジョアンもポルトガル代表で2ゴールと調子に乗っていますしね。シメオネ監督もあまり心配していないかも。ただ、彼らも来週水曜にはCLロコモティブ・モスクワ戦がありますし、その後もバレンシア戦、CLバイエルン戦と難しい試合が続くため、スアレスには早く陰性結果を出して、せめてマドリッドには戻って来てもらいたいですよね。 一方、バルサではスペイン2戦目のスイス戦でヒザを捻ったブスケツが2週間の離脱。あとは特に代表戦での負傷、感染等は聞いていませんが、コウチーニョのケガが治って復帰というのはクーマン監督にとって、大きいかと。今はアトレティコが3位で、8位のバルサとは勝ち点差6と、ここで負けても順位が引っくり返ったりはしないんですけどね。せっかく今季はここまで7試合で無敗と、リーガで唯一の黒星なしチームになっているんですから、その記録をできるだけ長く続けて欲しいところかと。 そしてククレジャがスペインA代表デビューを果たせなかったとはいえ、U21の消化試合で体力を使うこともなかったヘタフェは日曜午後2時(日本時間午後10時)から、アウェイでのエイバル戦に臨むんですが、何せこちらは前節、ビジャレアルに1-3と負けてしまいましたからね。バルサと勝ち点が同じの10位とはいえ、16位のエイバルとの差も2ポイントだけなので、気を緩める訳にはいきません。この先、3、4週間、再びヨーロッパの大会のないチームにとっては、体力的に有利な日程になりますが、10月の代表戦からの3週間でヘタフェはバルサ戦勝利以外、白星がなし。ここからはギアを上げて、再びEL回帰の夢が見られる彼らに戻ってくれたらいいんですが…。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.20 19:00 Fri
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試合もコロナも増えていく…/原ゆみこのマドリッド

「7連戦じゃない!?」そんな風に私が目を瞠っていたのは月曜日、これまでまったく話題に上がってなかったため、ほとんど気にしていなかったコパ・デル・レイ1回戦の組み合わせ抽選会のライブ配信ページをASのサイトで見つけた時のことでした。いやあ、コロナ流行のせいで通常より、シーガが遅く始まった今季は10月のインターナショナルマッチウィークが終わった後にヨーロッパの大会も開幕。おかげでCL、ELのグループリーグに参加しているスペインのチームは地獄の7連戦をこなさないといけなかったんですけどね。11月も代表戦後にグループリーグ後半戦があるため、同じ7連戦リピートと勝手に思っていたところ、何と12月16日前後にコパ1回戦って、それじゃ、10連戦になっちゃうじゃないですか。 それも、おそらく昨季と同じ1月に開催になるだろう、スペイン・スーパーカップのファイナルフォーに出場するレアル・マドリー(リーガ優勝)、バルサ(リーガ準優勝)、レアル・ソシエダ(昨季のコパ・ファイナリスト)、アスレティック(同、昨季のコパ決勝は来年4月4日に延期されている)ら、4チームは1、2回戦が免除。よって、このミッドウィーク、週末の4週間連続ループの苦行に挑むのはアトレティコ、セビージャ、ビジャレアル、グラナダだけなんですけどね。112チームによる1発勝負のコパ1回戦でシメオネ監督のチームが地方リーグ所属のカルダサル(マジョルカ島)と当たったのはともかくお隣さんとバルサのもたつきにより、今季こそリーガ優勝争いに喰い込めかもしれないとファンに期待されている昨今、あまりにハードなスケジュールでは? 大体がして、各国代表に大量14人もの選手を送り込んでいるアトレティコにはすでに不安をかきたてる知らせが届いており、まずはサビッチ(モンテネグロ)がネーションズリーフのアゼルバイジャン戦を筋肉痛により欠場。キプロス戦を待たずに代表を離脱することに。エレーラ(メキシコ)も韓国との親善試合に左太もものケガで出られず、火曜の日本戦を待たずにマドリッドに戻ったんですが、何と言っても一番の懸念はGKオブラク(スロベニア)だったかと。ええ、週末のネーションズリーグ、コソボ戦前に左肩に痛みを覚えたため、その試合には出場せず、検査をしていたんですが、幸い、負傷は発見されなかったため、水曜のギリシャ戦には出られるかもって、いや、温存してくれて全然、構いませんって。 というのもこのparon(リーガの中断期間)明け、アトレティコがワンダ・メトロポリターノに迎えるのがバルサだからで、実は大西洋の向こう側でもウルグアイ代表メンバーにコロナ陽性選手が発生。先日、隔離期間が終わって復帰してきたヒメネスはともかく、ルイス・スアレスとトレイラ、そしてマドリッドの弟分、こちらもコパ1回戦を地方リーグのアナイタスナ(バスク)との対戦が決まったものの、ヨーロッパの大会がないため、連戦にはならないとヘタフェから出向しているダミアンとアランバリにだって、もしものことがあったら、困りますからね。おまけに月曜にはスペインとネーションズリーグで同グループのウクライナで3人、陽性の選手が見つかったため、火曜の最終節、スイス戦が延期になったって、え、そのウクライナと対戦したばかりのドイツと試合するスペインのコケやマルコス・ジョレンテに感染の危険はないの? いえ、アトレティコだけにかまけず、今はスペイン代表の話をしないといけません。実は土曜のネーションズリーグ5節でスイスとバーゼルで対戦した彼らだったんですが、あまり良くない結果だったんですよ。いやあ、戦前はオランダとの親善試合でいいプレーをしたモラタ(ユベントス)が持ち上げられ、先発CF間違いなしと言われていたにも関わらず、ルイス・エンリケ監督はダニ・オルモ(ライプツィヒ)をfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)として起用。オジャルサバル(レアル・ソシエダ)とフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)の3トップで挑んだんですが、どうにもゴールが入らなくてねえ。 そうこうするうち、前半26分、オランダ戦同様、守備陣の乱れを突かれ、エンボロ(メンヘングラッドバッハ)が1人、エリアにドリブル突進。そのラストパスをフロイラー(アタランタ)に決められて、スイスに先制点を奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって。いえ、このゴールには、こちらも意表を突いて、オランダ戦からの連続先発となったGKウナイ・シモン(アスレティック)に責任はないんですけどね。1点ビハインドのままだった後半9分、エリア外までクリアに出て、セフェロビッチ(ベンフィカ)にボールを先取りされ、ガラ空きのゴールにシュートを撃たれるとはこれまた如何に。その時は幸い、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)がラインを越える前にクリアしてくれたため、紙一重で更なる失点を逃れたスペインだったんですが…。 直後にはファビアン・ルイス(ナポリ)に代わってモラタが入り、いよいよ真剣に反撃を開始した彼らの同点のチャンスを作ったのもラモスでした。ええ、12分、CKのボールを彼がヘッドしたところ、それが敵の腕に当たり、VAR(ビデオ審判)はないネーションズリーグながら、主審も見逃さずにペナルティを宣告。もちろん、PKキッカーは当人で、この日、いよいよブッフォン(ユベントス)を抜いて、代表戦177試合出場という、ヨーロッパ最多記録を打ち立てた記念ゴールを挙げるべく、意気揚々と蹴ったところ、まさかGKヤン・ゾマー(メンヘングラッドバッハ)に弾かれてしまうとは! いやあ、昨季のリーガ最終戦でPKを弾かれ、ヘタフェの2年連続EL出場を逃した戦犯となったマタもそうだったんですが、ラモスもここまで25回連続PK成功中でしたからねえ。おまけにヒザをケガしたブスケツ(バルサ)、オルモ、オジャルサバルが一気にコケ、カナレス(ベティス)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に代わった後の34分にもスペインはPKをゲット。今度はコケが昨季までのチームメートにスルーパスを送り、シュートに行ったモラタがゴール前でエルベディ(メンヘングラッドバッハ)に倒されてくれたおかげでしたが、いやあ、前節のバレンシア戦ではソレルが1度、PKをクルトワに弾かれながら、その後、3度連続して決めて、PKハットトリックを達成という光景を目の辺りにしていたせいでしょうかね。 ラモスにもキッカーを代わってもらおうという考えは起きなかったか、リピートしたんですが、今度は緩いパネンカ風をあっさり止められてしまうとはまったく、世も末。ルイス・エンリケ監督など、「Si hubiera habido tres o cuatro los habría tirado él/シー・ウビエラ・アビードー・トレス・オ・クアトロ・ロス・アブリア・ティラードー・エル(もし3度目、4度目のPKがあったとしても彼が蹴っていただろう)」と代表キャプテンを庇っていましたが、試合後記者会見ではその時、エルベディがペナルティのファールで2枚目のイエローカードをもらい、explusion(エクスプルシオン/退場)となっていたことに気がついてなかったことがバレてしまったのはやっぱり、滅多にないことに指揮官も動揺していた? え、さっきからメンヘングラッドバッハの選手が何人も出てくるけど、もしやそれって、CLグループリーグ2節でマドリーが対戦したチームじゃなかったかって?その通りで、おそらくGKゾマーなどはその際にラモスのPKを研究していたんじゃないかと思うんですが、心配なのはまだアウェイのインテル戦やシャフタール戦があって、突破へ道筋が不確かなジダン監督のチームが最終節、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にこのドイツ勢を迎えないといけないこと。何せ、アウェイでは2点先行され、土壇場にベンゼマとカセミロのゴールでようやく引き分けた相手ですからね。もし、ギリギリで勝ち抜けを争っている状況でまた、ゾマーとラモスのPK対決になったら、ちょっと怖い気もしないではないんですが、ま、それはそれ。 スイス戦の話に戻すと、ラモスの2度目のPK失敗の直後、ルイス・エンリケ監督は最後の切り札、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)を投入。43分にはレギロン(トッテナム)のラストパスを彼が決めて、何とか同点には持ち込んだんですが、ロスタイムにはウナイ・シモンも参加してのCK全員攻撃も実らず、結局、1-1の引き分けで終わることに。先月最後のウクライナ戦から、これで3試合連続白星なしというのが、スペイン代表では20年ぶりの不名誉というのも困ったもんですが、何よりマズいのは同時刻、ドイツがザネ(バイエルン)とベルナー(チェルシー)の2発でウクライナに3-1の逆転勝利。勝ち点差2を覆してグループ首位に立ち、スペインがファイナルフォーに出場するには火曜の直接対決でドイツを破らないとはちょっと、ハードル高くない? いえ、今のドイツ代表は、アトレティコがCLグループリーグ1節で4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を浴びた昨季の5冠王者バイエルンとイコールという訳ではありませんけどね。GKノイアーを始め、ゴレツカ、ナブリ、ザネ、ズーレと何人も見知った顔がいるため、コケやジョレンテはまた、アリアンツ・アレンアでの悪夢を思い出してしまうかも。その一方で、出身地セビージャ(スペイン南部)での大一番とあって、前日記者会見に出る予定だったラモスは最近、今季で満了するマドリーとの契約延長交渉の話題ばかりになっている状況がウザかったんでしょうかね。 会見を当日にドタキャンして、サッカー協会のビデオインタビューに答えることにしたようですが、またPKのチャンスが巡って来た際には蹴る気満々だったのはいかにもラモスらしい。いやあ、モウリーニョ監督時代にはバイエルンとのCL準決勝でPK戦の最後のキッカーに。奇しくもノイアー相手にサンティアゴ・ベルナベウの天高く撃ち上げてしまい、当時は悲願だったdecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)達成の道が遠のいたなんていう、若き日の苦い思い出もある彼ですが、さすがにこちらはもう、当人も忘れているかもしれません。 ちなみに前日にはカルトゥハでのスタジアム練習を行ったスペインでは、オランダ戦で額を縫ったガヤ(バレンシア)が回復。ブスケツの方はヒザの靭帯の負傷でスタンド観戦に回ることになったため、ロドリ(マンチェスター・シティ)が代役を務めるようです。ルイス・エンリケ監督は「Tengo decidido el portero que jugará mañana/テンゴ・デシディードー・エル・ポルテーロ・ケ・フガラ・マニャーナ(明日、プレーするGKは決めてある)」と言っていたものの、誰かは明かさなかったため、ウナイ・シモンの続投か、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)になるのかは見てのお楽しみというところでしょうか。 どちらにしろ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのスペインvsドイツ戦でネーションリーグのグループ戦も終わりですからね。うーん、このカルトゥハで10月に女子A代表が2022年女子ユーロ予選のチェコ戦を戦った時には800人程、ファンが入ることができたんですけどね。男子の方が無観客試合なのはちょっと不公平ではありますが、ここは選手たちには気持ちを強く持ってもらって、とにかくケガ人とコロナ陽性者だけは出ないことを祈っています。 というのも、マドリーではノルウェイ代表に行っていたウーデゴーアがチームに陽性選手が出たため、週末のネーションズリーグ、ルーマニア戦遠征ができず、水曜のオーストリア戦も母国の政府の方針で一緒に合宿していたメンバーは隔離期間を設けないといけないということで、1試合もせずにマドリッドに帰還。すでに月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で汗を流しているのを夜のTVニュースで見て、何せ、あちらはアザールとカセミロも代表戦週間入り直前に自宅隔離になってしまいましたからね。せめて1人でもMFが元気で戻って来てくれて良かったと思った矢先、ルイス・スアレスがW杯予選準備中のウルグアイ代表で陽性発覚という凶報が入ってきたから。 昨今では国ごとに隔離日数や出入国条件が違うため、土曜のバルサ戦出場は絶望としても、彼がいつ、マドリッドに戻って来られるのかすら、わからないとなれば、ただただ、コロナを恨むしかないんですが、まったく。今の時期、選手たちの大量移動を伴う代表戦開催はできれば、避けて欲しいんですが、FIFAもUEFAも予定試合を消化していかないと、あとがまた詰まってしまいますからね。代表に行かなくても感染する選手はいるため、その辺は何とも言えないんですが、今後は先日、レアル・ソシエダ戦でトップチームの選手数が規定未満になったグラナダのように、試合をするのが難しくなるチームがリーガでも結構、出てくるんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.17 22:30 Tue
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選手にだって体力の限界はあるだろうに…/原ゆみこのマドリッド

「いつの間にやら、凄いことになってたのね」そんな風に私が口をアングリ開けていたのは木曜日、マドリッドの外出禁止令は夜間のみなのをいいことに散歩がてら、3月以来となるサンティアゴ・ベルナベウを訪れた時のことでした。いやあ、コロナ流行による昨季のリーガ中断以前からもチョロチョロ、スタジアムの改装工事は始まっていたんですけどね。これがまた、再開後も無観客試合となったのを渡りに船とばかり、周囲を完全に封鎖しての突貫作業がスタート。度々、スポーツ紙などで「obra faraonica(オブラ・ファオニカ/エジプトのファラオ並の巨大建築)と形容されていたのも納得できる程の規模になっていたから。 ええ、スタジアム全てを覆う、開閉式屋根の取り付けのためか、見ていると首が痛くなるぐらい高いクレーン塔が何台も立ち並び、以前、オフィシャルショップ旗艦店などがあった建物も今では完全に撤去。この状態でも通常、17ユーロ(約2100円)からの入場料を3ユーロ(約400円)にまで値下げして、トロフィールームやスタンド最上階に行けるスタジアムツアーをやっているというのはビックリですが、重機マニアにはたまらないかもというのは、その入り口すら、見つけられなかった私のただの負け惜しみ。しかも辺りが暗くなる午後7時頃になっても工事が終わる気配すらないとは、2022年完成予定を前倒しして、来年夏にはエムバペ(PSG)、もしくはハーランド(ドルトムント)のメガプレゼンを大勢のファンの前でやりたいという野望がペレス会長にあるというのは決して、私の穿ち過ぎではない? まあ、何にしてもスペイン政府の方針が変わらない限り、リーガもCL、ELも無観客状態なのは続きますからねえ。その間、レアル・マドリーも人里離れたバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で試合を開催するため、すでに何軒ものバル(スペインの喫茶店兼バー)やレストランが閉店していたサンティアゴ・ベルナベウ周辺が賑わうこともなさそうですが、さて。実際、丸々1年もスタンドにファンのいない試合が続いたりすると、その間、デビューした新人選手など、いざ、平常状態に戻った時のプレッシャーが、半端ないんじゃないかと心配になってしまうんですが…。 そんなことはともかく、今週から始まったインターナショナルマッチウィークではスペインも水曜にオランダと親善試合を実施。こちらの様子もお伝えしていくことにすると、いやもう、ホントにせわしないんですよ。月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設に集合したチームは翌日、早くもアムステルダムに移動。ヨハン・クライフ・アレナでの前日練習を含め、たった2回、セッションをこなしただけでキックオフとなったんですが、おやおや。2018年のワールドカップ以来の招集となったコケ(アトレティコ)が出場数45試合で最多となり、キャプテンを務めていたことからもわかるように、その日のルイス・エンリケ監督は比較的、代表歴の少ない選手でスタメンを構成。 それでも相手が守備の要、キャプテンのファン・ダイク(リバプール)、デ・リフト(ユベントス)を負傷で欠き、おまけで先発したCBアケ(マンチェスター・シティ)も開始5分でケガをして、ブリント(アヤックス)に交代という不運に見舞われたおかげもあったんですかね。前半18分にはモラタ(ユベントス)のスルーパスをカナレス(ベティス)が撃ち込んで、スペインは先制点をゲット。この日、チェルシーでとんと出番のなくなってしまったケパに代わり、代表デビューを果たしたGKウナイ・シモン(アスレティック)に普段やりつけない、ボールを後ろから繋ぐプレーをルイス・エンリケ監督が命じたため、何度か、昨季のCL16強対決マンチェスター・シティ戦2ndレグのように、バランの失点ミスを引き起こしたマドリーのクルトワの二の舞になるんじゃないかと、ヒヤヒヤさせられた場面はあったものの、リードを保ったまま、ハーフタイムに入ります。 でもねえ、後半始まってすぐだったんですよ、オランダに追いつかれてしまったのは。そう、中盤の3人を入れ替えたデ・ボエール監督率いるチームは2分、ワインダム(AZ)のクロスをファン・デ・ベーク(マンチェスター・ユナイテッド)がスペイン守備陣の混乱に乗じてエリア内からシュート。これがゴールとなり、いえ、前半途中に左SBのガヤ(バレンシア)が空中戦でハテブール(アタランタ)と頭をぶつけ、レギロン(トッテナム)に交代していたのはあまり、関係ないかと思いますけどね。元々、右SBが代表5年ぶりのベジェリン(アーセナル)、CBコンビもイニゴ・マルティネス(アスレティック)とエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)という、皆、初顔合わせ状態でしたし、この試合前は芝生上での練習より、ビデオセッションの方が多かったとなれば、コンビネーションがあうんの呼吸でいかないのも当然だった? そしてスペインも16分にはモラタ、アセンシオ(マドリー)、ジェラール・モレノ(ビジャレアル)の前線3人をダニ・オルモ(ライプツィヒ)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)、アダマ・トラオレ(ウォルバーハンプトン)に総入れ替え。勝ち越し点を狙っていったんですが、残念ながら、なかなか好機が作れません。ええ、カナレスと代わり、マルコス・ジョレンテ(アトレティコ)も代表デビューを果たした後、最後は40分、ブッフォン(ユネントス)がイタリア代表で持つ、ヨーロッパ最多出場記録の176試合に並ぶべく、セルヒオ・ラモス(マドリー)がピッチに入った時など、実況アナも「そのままCFでプレーした方がいいんじゃないか」と言っていた程だったんですが、まあ所詮は親善試合。そこまで極端に走ることもなく、1-1のまま、荒寥感溢れる無人の場内にルイス・エンリケ監督の声が響き渡った試合は引き分けで終了となりましたっけ。 え、クーマン監督のバルサ赴任に伴い、10月からオランダ代表を引き継ぎ、3分け1敗とまだ白星のないデ・ボエール監督もあとで、「お金は非情に大事だが、選手たちのケアもしないといけない。この試合をやる必要があったとは思えない」と告白していたように、リーグとヨーロッパの大会の過密日程が続く中、わざわざ親善試合までプレーさせられるなんて、いくら高給をもらっていても非人道的じゃないかって?うーん、ただそれを言うなら、マドリーのクロースなども合宿中のドイツ代表から、「こういう大会はとにかくFIFAやUEFAが収入を得るためにあって、選手たちを肉体的に搾取している」という意見を発信していたように、この9、10、11月のヨーロッパの代表戦週間のメイン、ネーションズリーグからして、あまり意義が感じられなかったりしますからね。 もちろん、2年前に始まった初回ネーションリーグで好成績を残した、ユーロ2020(来年に延期)予選落ちの16国が先月からプレーオフで激突。木曜には北アイルランドとの決勝に勝って、スペイン、スェーデン、ポーランドのいるグループEでの本大会出場が決まったスロバキアなどにとっては貴重な機会だったでしょうけどね。すでに第2回ネーションズリーグが進行中なのも違和感がありますし、1番上のリーグにいるスペインはファイナルフォーに出場して、去年、初代王者となったポルトガルの後を継ぐことが目標と言っても、その決勝は一体、いつあるんでしょうか。 いやあ、聞きかじった話によると、来年秋らしいんですが、そうなると2022年W杯予選と並行ということになって、再び代表戦過密日程のリピートというのもねえ。ちなみに金曜にはネーションズリーグ5節のスイス戦が行われるバーゼルに直接移動したスペインでしたが、ルイス・エンリケ監督は左眉の上を4針縫ったガヤの状態を気遣って、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でU21ユーロ予選のフェロー諸島戦に出る予定だったククレジャ(ヘタフェ)を追加招集。とはいえ、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのザンクト・ヤコブ・パルクで、同時開催のドイツvsウクライナ戦の勝者と首位を争うことになる一戦の先発見込みはレギロン、ガヤも来週火曜、セビージャのカルトゥハで行われるドイツ戦目指して、チームに残っているため、デビューできるかどうかはわかりません。 加えて、ルイス・エンリケ監督には「Es un jugador de una garantía total de que va a rendir a un altísimo nivel/エス・ウン・フガドール・デ・ウナ・ガランティア・トタル・デ・ケ・バ・レンディル・ア・ウン・アルティスモ・ニベル(超レベルの高いパフォーマンスを見せる保証が完璧にある選手)」と大仰に褒められていたコケも、いえ、代表キャプテン初体験に110キャップのアトレティコの先輩、フェルナンド・トーレスからお祝いメッセージももらい、「Kokiño(コキーニョ/ブラジル人風の愛称)」と呼ばれていた当人は、いたく感激していたようなんですけどね。元々、今回のチームプラン自体が「公式戦にフレッシュな選手で挑む」(ルイス・エンリケ監督)というものらしいため、フル出場の後はお休みかもしれませんが、いやいや、温存上等! 今度はブスケツ(バルサ)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)、ファビアン・ルイス(ナポリ)といった選手たちに働いてもらって、アトレティコ勢はparon(パロン/リーガの中断期間)明けのバルサ戦、CLロコモティブ・モスクワ戦に備え、見学してくれたらいいかと。そうそう、10月から1試合、1得点以上できないゴール不足対策にはモラタのCF連投、オランダ戦ではベンチ外となったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)、そして何より、代表戦出場数ヨーロッパ最多記録を作るべく、今度はスタメンとなるラモスに期待が懸かっているようですよ。 え、それでこの1週間、マドリッドの1部チームたちは何をしていたのかって?いやあ、3チーム共、週末は練習休みになるんですが、とにかく両雄はアットホーム感の強いセッションでねえ。というのもアトレティコなど14人、木曜からはマヌ・サンチェスもククレジャの代わりにスペインU21に玉突き招集されたため、大量15人が各国代表に出払っている上、ジエゴ・コスタ、カラスコ、ビトロ、ベルサイコらはまだ負傷のリハバリ中。おかげでマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドにはサウール、エルモーソ、レマル、コレア、サポンジッチの5人しか、トップチームの選手がいなかったとか。 マドリーの方も似たり寄ったりで、ええ、こちらにはコロナ陽性で自宅隔離中のミリトン、アザール、カセミロもいますからね。代表招集は11人とお隣さんより少なかったんですが、先週末には筋肉痛のベンゼマ、脛骨亀裂のバルベルデに加え、ルーカス・バスケス、メンディの負傷も判明。よって、ジダン監督が指導できたのはマルセロ、マリアーノ、イスコ、そしてRMカスティージャ所属の第3GKアルトゥーベのたった4人だけって、何せ、彼らの場合は前節のバレンシア戦で4-1という大敗をしただけでなく、代表戦明けにもビジャレアル、そしてCLインテル戦という、強敵相手のアウェイ2連戦が控えていますからね。 いかにチームを立て直すか、ここはジダン監督の腕の見せ所とはいえ、あまりやれることもないんですが、カルバハルとナチョ、両名の復帰が秒読み段階に入っていること、コロナ勢3人も来週の検査で陰性が出れば戻れるのは朗報と言っていい?ただ、今は各国代表でもチラホラ、陽性者が発見されているため、逆に感染して戻って来る選手がいないとも限らないんですけどね。この件に関しては、アトレティコのシメオネ監督にしても、出向しているのが、ウナル(トルコ)、ダミアン、アランバリ(ウルグアイ)、マクシモビッチ(セルビア)、ジェネ(トーゴ)、そしてククレジャと6人だけのヘタフェのボルダラス監督も天に祈るような気持ちでいるのは間違いないかと思います。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.14 14:00 Sat
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1人勝ちしてしまった…/原ゆみこのマドリッド

「別に呼んでくれなくても良かったんだけど」そんな風に私が複雑な気持ちになっていたのは月曜日、2年ぶりスペイン代表からお声の掛かったコケと初招集されたマルコス・ジョレンテがいそいそと現行バージョンのユニを着て、映像資料用の撮影に励んでいるビデオを見た時のことでした。いやあ、コロナ禍のせいで、今年は3月からの代表戦が中止、ユーロ2020も来年夏に延期になった後、ネーションズリーグで再開された9月、10月の招集リストにはアトレティコ勢が1人もいなかったんですけどね。おかげでparon(パロン/リーガの中断期間)中、じっくり体を鍛えられたのもあったか、パフォーマンスが上がってきた2人だったんですが、そのご褒美が休みなしで地獄の7連戦第2バージョンに挑まないといけなくなる代表勤務とは、痛し痒しとはまさにこのこと? だってえ、スペイン代表の招集リストは金曜に発表されたんですが、先週末には2人も負傷者が出ていて、早々に代わりの選手を指名せざるを得なかったんですよ。そう、土曜には「15分の休みを与えたら、3シーズンは余裕でもつ」とルイス・エンリケ監督におだてられ、昨季のEL決勝、UEFAスーパーカップ、今季もリーガ、CLグループリーグに加え、代表戦でも皆勤していた、35才のヘスス・ナバス(セビージャ)がオサスナ戦で太ももの付け根を負傷。代わりにベジェリン(アーセナル)が4年ぶりに呼ばれたかと思えば、いえ、まあ、同じ土曜のベティス戦で左膝半月板を損傷したアンス・ファティ(バルサ)の場合は当人も18才と若いですし、別に勤続疲労のせいではないと思うんですけどね。 こちらは日曜になって、9月の代表合宿中に昨季、靭帯を手術したヒザを腫らして離脱したアセンシオ(レアル・マドリー)が追加招集となりましたが、中には10月の代表練習中にハムストリングスを痛め、ようやく1週間前のバジャドリー戦から復帰して、リーガとELで3試合に出た後、また代表で同じ数の試合をこなさないといけないジェラール・モレノ(ビジャレアル)みたいな選手もいますからね。正直、月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合、翌日にはアムステルダムに移動して、水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からはオランダと親善試合。更に土曜にはバーゼルでスイスと、来週火曜にはセビージャでドイツとネーションズリーグの最終節ともなると、もちろん、首位のスペインにはそのまま、ファイナルフォー参加権を得てもらいたいとはいえ、はあ。 アトレティコファンにとっての気休めは今回、再招集となったモラタはすでにユベントスの選手であること、マドリーファンにしてもセルヒオ・ラモスとアセンシオの2人しか、呼ばれていないことぐらいでしょうが、とにかくスペイン以外の代表にも両チームは多数、人材を供給していますからねえ。逆に金曜にコロナ陽性が発覚し、それぞれベルギー、ブラジル代表の試合に行けず、自宅隔離期間と代表戦週間が丸々かぶるアザールとカセミロなど、不幸中の幸いだったとも言えなくはないんですが…この代表3連戦にしろ、地獄の7連戦にしろ、過密日程の諸悪の根源はコロナ。いや、まったく、イヤな時代になりましたね。 さて、そんなことを嘆いていても仕方ないので、先週末のリーガの試合を振り返っていくことにすると。この9節、土曜にプレーしたのはアトレティコだけだったんですが、何せ、相手がアウェイ4連勝中のカディスでしたからね。10月にエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でお隣さんが0-1で負けた姿もまだ記憶に新しかったため、ちょっと心配していたんですが、余裕で大丈夫。というのも相手が前半8分から、無観客のワンダ・メトロポリターノでは信じられないミスをしてくれたから。 そう、FKからのボールをコケがエリア内に上げたところ、声を出すのを忘れたか、飛び出してきたGKレデスマが味方のCBファリにぶつかられ、クリアできなかったんですよ。近くにいたジョレンテがこれを反対サイドにクロス、ジョアン・フェリックスが頭でGK不在のゴールに決めて、あっという間に先制点が入っているんですから、有難いじゃないですか。おまけに22分にはトリッピアーからパスをもらってエリア内に入ったジョレンテが、持ち前のパワーで敵DFを振り切ってシュート。当人の気迫が勝ったか、ボールはレデスマのヒザに当たりながら、ゴールになってくれたとなれば、もう勝負はついた? でもねえ、最近のアトレティコは私の慣れているアトレティコとは違うというか、リードしても一歩引かないんですよ。それどころか、前半最後の5分間など、往年のバルサや黄金期のスペイン代表のような、圧倒的なボール支配力を見せ、ずっとパスを回していたのには驚くしかなかったんですが、退屈な展開を覚悟していた後半にもゴール祭りが続くとは、これ如何に。ええ、8分にはジョアンのスルーパスをルイス・スアレルがエリア内から決め、VAR(ビデオ審判)により、オフサイド疑惑も解消されたため、3点目をゲット。それまでもヘッドやchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でトライしていた当人の努力が実りましたが、45分には途中出場の選手たちも見せ場を作ってくれます。 え、先週、バレンシアからの特例移籍が決まったコンドグビアもデビューしたんだろうって?まあ、そうなんですが、彼が出場10分でイエローカードをもらっていたのはともかく、当初はトマス(夏の市場最終日に契約解除金を払ってアーセナルに移籍)の代わりと思われていたトレイラ(アーセナルからレンタル移籍)がコレアに絶妙なスルーパス。それがジョアンに繋がって、自身この試合の2点目で締めくくっているとなれば、もしや、アトレティコ的には100満点に近い出来だったのでは? 実際、カディスのセルベラ監督も「sabemos que nuestro éxito pasa por intentar que el contrario cometa errores/サベモス・ケ・ヌエストロ・エクシートー・パサ・ポル・インテンタール・ケ・エル・コントラリオ・コメタ・エローレス(ウチが成功するかどうかは、敵にミスを犯させることに懸かっているのはわかっている)」と言っていましたけどね。この日のアトレティコはノーミスで4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)勝利、もちろん、まだしみったれ根性の抜けない私など、そのうちの1、2点、火曜のCLロコモティブ・モスクワ戦に前倒ししておけば、or代表戦明けのバルサ戦に取っておけばと思ってしまったりもするんですが、いやいや。要は「El fútbol es así. En Rusia no quería entrar y hoy ha entrado muy bien/エル・フトボル・エス・アシー。エン・ルシア・ノー・ケリア・エントラール・イ・オイ・ア・エントラードー・ムイ・ビエン(サッカーはそういうもの。ロシアではゴールが入りたがらなかったけど、今日はとてもよく入った)」(ジョレンテ)ということなんですよね。 おかげで土曜終了の時点では首位となり、1日天下を堪能したアトレティコだったんですが、翌日にはレアル・ソシエダがグラナダに勝利して、1位を奪還。それももう、相手はコロナ陽性者大量発生で、ディエゴ・マルティネス監督はおろか、トップチームの選手がリーガの規定ギリギリの7人しか、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)に移動できず、しかもうち3人はケガを抱えていたため、後半は4人以外、カンテラーノ(下部組織の選手)でプレーする破目に。試合延期を認めてくれなかったラ・リーガに当てつけるようなalineacion indebida(アリネラシオン・インデビーダ/選手起用規定違反)をしながら、2-0と地味なスコアだったのは意外でしたが、何かこれって、大会の公平性が著しく損なわれていない? ただ、アトレティコがビジャレアルにも抜かれ、結局、3位となってしまったのは、多分にマドリッドの弟分の責任もあって、ええ、日曜にイエローサブマリンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたヘタフェは予想以上にダミアンの出場停止とオリベイラの負傷休場が堪えたよう。ボルダラス監督も頭を捻って、本職CBのカバコを右SBに、このところはダミアンの前の右サイドでプレーすることの多いニヨムを左SBにしたんですが、前半11分にはもう、パコ・アルカセルに先制点を決められてしまってはねえ。16分にはアランバリのエリア外からの弾丸シュートで一旦は同点にしたものの、それから2分もしないうちに再び右サイドを突かれ、トリゲロスのゴールでビジャレアルに1-2とリードされてしまったとなれば、もう悠長なことはしていられませんって。 そう、30分過ぎにはボルダラス監督も軌道修正に乗り出し、カバコを引っ込め、FWのアンヘルを投入。右SBにニヨム、左SBにククレジャと体勢の立て直しを図ったんですが、まあ、おかげでカバコがカンカンになって悪態をつきながら、ロッカールームに直帰してしまったのはともかく、この日は守備陣にとって、厄日でしたかね。後半17分にもパコ・アルカセルとジェラール・モレノの連携で3点目を取られ、そのまま1-3で負けてしまったんですが、いやあ。木曜のELマッカビ・テルアビフ戦にフル出場した久保建英選手が残り数分だけの出場だったように、基本的にはベストメンバーを常に並べないといけないCLとは違い、ELでは適度なローテーションが可能なのはちょっと盲点だったかと。 そう考えると、コロナ被害のグラナダは別として、レアル・ソシエダもビジャレアルも選手皆が出場機会をもらえて、モチベーションも上がりますし、おかげで好調を維持できるのも納得ですが、まさにその反面教師となったのはその夜、最後の時間帯でバレンシア戦に挑んだマドリー。アザールとカセミロがコロナ陽性でメスタジャ遠征に参加できなかったにも関わらず、うーん、ジダン監督も相手がアトレティコに行ったコンドグビア以外にもパレホ、コケリン(ビジャレアルに移籍)、ロドリゴ(同リーズ)、フェラン・トーレス(同マンチェスター・シティ)と主力が根こそぎ、ピーター・リン会長の緊縮財政方針で換金されてしまい、平均年齢が20代前半になってしまった相手を侮ったとは思いたくないんですけどね。 ここ4試合、白星に恵まれていないとはいえ、昔から強いライバル意識を持つバレンシアですし、この試合を最後に代表戦週間入りとなれば、別にメンディとクロースを温存して、最近出番の少ないマルセロとイスコをスタメンに入れなくとも良かったはずですが、後悔先に立たず。実際、それも結果論で、前半23分にはマルセロのアシストでベンゼマが先制ゴールと、幸先の良いスタートを切ったマドリーだったんですが…。 前代未聞の悪夢が始まったのは30分に差し掛かろうかという頃。まだ23才ながら、第1キャプテンに昇格してしまったガヤのクロスが、臨時で右SBを務めているルーカス・バスケスの腕に当たり、ペナルティを取られてしまったのは仕方ないんですが、同じ年でバレンシアを牽引する、カンテラーノのソレルのPKは見事にGKクルトワが阻止。跳ね返りをソレルがまた撃つもゴールポストに嫌われ、転がったボールを17才のユネス・ムサーがゴールにしてるんですから、末恐ろしい。ただそれも当人がPKが蹴られる前にエリア内に入っていたとして、無効になったんですが、同時にルーカス・バスケスも入っていたことがVARで発覚し、PKやり直しになってしまったから、さあ大変! どうやらこの時はキッカーをリピートするか、ヴァスと交代するか、選手たちとハビ・ガルシア監督の話し合いがあったようですが、ここは先週のヘタフェ戦100分に同点PKゴールを挙げたソレルが男気を発揮。「Los rivales dicen muchas cosas/ロス・リバレス・ディセン・ムーチャス・コーサス(敵はイロイロなことを言ってくる)。後ろでマドリーの選手たちがボクのPKの蹴り方はもうわかっている、絶対、止められるはずって言っていた」(ソレル)という、無観客試合ならではのプレッシャーに打ち勝ち、今度はクルトワを破って、スコアを1-1に戻します。 その後もマドリーの不運は止まらず、43分にもバレンシアのクロスをバランがクリアし損ね、地面に倒れたクルトワの胸に落ちた時にはすでにゴールの中って、ええ、VARがありますからね。結局、そこに至るプレーでチェリシェフがアセンシオに絡みついていたファールはスルーされ、2-1となってハーフタイムに入ったんですが、何と後半5分にはガヤをゴール脇でクルトワが倒し、更にはぐれたボールを負ったマキシ・ゴメスをマルセロが倒したとされ、マドリーが2本目のPKを献上って、一体どうなっている?いえ、この時も「Marcelo llega primero pero Maxi grita más fuerte/マルセロ・ジェガ・プリメーロ・ペロ・マキシ・グリタ・マス・フエルテ(先にボールに届いたのはマルセロだったけど、マキシの叫び声の方が大きかった)」(クルトワ)という、無観客試合でないと使えない手にはまってしまったという面もあったようですけどね。 再びソレルがPKを決め、リードを広げたられたマドリーはまたしても14分、今度はムサーとボールを争っていたラモスが手でボールをクリアという、途方もないミスが勃発。それにはバル(スペインの喫茶店兼バー)で一緒に見ていたウェイターさんまで、「あんなにはっきりしたハンドがあるのか!」と大笑いしていたんですが、うーん。結局、ソレルがPK3本を決めて、ハットトリックを達成することになりましたが、実際、1試合に3回、マドリーがPKを取られたのも史上初だったとか。不運もここまで重なると、反撃の力もなくなるか、その後、ロドリゴ、ウーデゴール、クロース、マリアーノ、ヨビッチと次々、投入したマドリーでしたが、そのまま、4-1で敗戦です。 いえ、それでもジダン監督は「el culpable soy yo, porque tengo que buscar soluciones/エル・クルパブレ・ソイ・ジョ、ポルケ・テンゴ・ケ・ブスカル・ソルシオネス(責任は私にある。解決策を見つけないといけないのは私だからね)」といつものように潔かったんですけどね。運の悪い日というのはホント、どうしようもないもので、加えてベンゼマが筋肉痛でダウン、ベルベルデなど、左脚脛骨にヒビが入り、全治1カ月になってしまったなんていうのはその冴えたるものだったかと。もう、バレンシア戦は大殺界だったと割り切って、ここはマドリーも代表戦週間で気分転換するしかないんですが、何はともあれ、これ以上、ケガ人は増えないでほしいですよね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.10 19:05 Tue
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超特急で試合が消化されていく…/原ゆみこのマドリッド

「あと1試合かあ」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、10月各国代表戦週間明けから始まった地獄の7連戦がいよいよ、今週末のリーガ戦で終わることに気がついた時のことでした。いやあ、例年なら、CLグループリーグは2、3週間おきの開催なんですけどね。今季はコロナ禍のせいでスタートが遅れ、3週連続で一気に3節まで終了ともなると、それぞれの試合の感慨も悔しさも消化する暇もなし。ふと見るともう、すでに決勝トーナメント進出決定目前になっているチームがあるのには、どうにも戸惑いを覚えてしまうばかりかと。 ちなみにスペイン勢では3連勝のバルサと2勝1分けとしたセビージャが突破秒読み組なんですが、翻って、リーガでは前者が直近の試合を2分け2敗として、現在12位。後者など、1分け3敗で16位という代償を払っていますからね。それに比べると、クラシコ(伝統の一戦)から2連勝して、2位につけるレアル・マドリー、3連勝中で4位にいるアトレティコはCLがイマイチな分、リーガで良かったりするんですが、いやいや。何にせよ、この4チームは消化試合が1つ、2つ、少ないことも考慮に入れないといけないですし、来週からの代表3連戦の後も地獄の7連戦リピートが待ち受けているため、今はまだ、シーズンの先行きに関してはまったく予想ができないんですが…。 え、それで火曜に揃ってCL3節に挑んだマドリッドの両雄はどうだったのかって?はい、今回は時間帯が分かれてくれたおかげで、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で、2つのTVの前を行ったり来たりするという、不審な行動を取らずに済んだんですけどね。先にキックオフとなったのはアトレティコだったんですが、滑り出しは上々。前半18分にはCKから続いたプレーでエレーラのクロスをヒメネスがヘッドで決めて、早くも先制点をゲットします。おかげで私もすっかり大船に乗った気分でいたところ、その数分後には災難が到来したから、さあ大変! ええ、敵のパスをエリア内で遮ったエレーラの腕にボールが当たり、うーん、主審がVAR(ビデオ審判)のモニターを見ている間、ルイス・スアレスが自分も覗こうと近づいたのが相手をイラッとさせましたかね。スアレスにはイエローカードが出されるわ、それで主審の気も散ったか、胸から跳ねて腕に当たった瞬間の停止画像でハンドと判断され、ペナルティを取られるなんて、まさに踏んだり蹴ったりとはこのこと?ミランチュクのPKが決まり、1-1の同点にされてしまったアトレティコだったんですが、それからは何ともフラストレーションが溜まる展開に。 だってえ、コレアの渾身のエリア外からのシュートはオサスナ戦に続いて枠に嫌われるわ、ジョアン・フェリックスもGKギジェルメに止められてばかり。後半、負傷明け初先発したサウールと代わり、ピッチに入ったコケのヘッドもゴールバーを直撃した上、落ちたボールをスアレスがゴールにしてもオフサイドと、なかなか勝ち越し点が取れなかったのには、シメオネ監督も業を煮やしたんでしょうか。24分にはコレアとマルコス・ジョレンテをビトロとレマルに代えてみたところ、まさか、たった10分もプレーしないうちにビトロが負傷とは、本当にツイてない。 いえ、モスクワ市が入場を許可した8000人の観客の中には少数ながら、現地のアトレティコのペーニャ(ファンクラブ)メンバーもいたため、3月以来、スタンドに人がいる試合を経験していない選手たちにはいつもより、シメオネ監督の声が届かないきらいはあったでしょうが、士気への影響はそんなになかったと思いますけどね。結局、シュート14本、うち枠内8本も撃ちながら、決定力に欠けていたのが運の尽き。そのまま、「サッカーは頭がおかしくなるようなゲームだ。バイエルン戦で今日よりいい試合をしながら、ウチは負けて、今日は勝ち点1を掴めた」(ニコリッチ監督)というロコモティブ・モスクワと引き分けたとなれば、え、チラッとカラバフの悪夢が頭に浮かんだのは私だけではない? いえ、まだそこまでは切羽詰まってはいないんですけどね。ちなみにカラバフというのは、2017-18シーズンのCLグループリーグでアトレティコが3、4節の連戦で2引き分けして、最後は3位でCL敗退、後日、決勝トーナメントから参戦したELで優勝した原因を作ったアゼルバイジャンのチームなんですけどね。何せその時は1節でもローマと引分け、2節でチェルシーに負けて、もっと勝ち点が少なかったのに対して、今季は前節のザルツブルク戦勝利のおかげで、勝ち点4でも2位ですし、とにかく頼りになるのは、その日もバイエルンが昨季の5冠王者の風格を発揮。 ロコモティブ・モスクワとの1節とは違い、ザルツブルクのホームも今回は無観客となったのが良かったか、アトレティコ戦でも得点したベリシャ、そして奥川雅也選手のゴールで後半35分ぐらいまで2-2と粘られながら、その後、怒涛の4得点。終わってみれば、2-6の逆転勝利って、これならミュンヘンで4-0のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らったアトレティコも全然、恥じることはない?要はそのバイエルンが1強状態で3連勝、この勢いなら、かなりの高みで首位突破してくれるため、アトレティコとしてはワンダ・メトロポリターノにロコモティブ・モスクワを迎える4節、ザルツブルクとの6節アウェイ戦で必勝を目指すだけでいいんですが、さあて。 その頃にはジエゴ・コスタとカラスコも負傷が治っているはずですし、まずはその前に土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、無人のワンダで開催されるカディス戦を無事に済ましてくれればいいかと。ただ、相手はエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でのマドリー戦を始め、開幕からアウェイでの4試合に全勝。昇格組とは思えない強さを発揮しているチームのため、木曜からマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で雨の中、今週、トマスの夏季移籍市場最終日、契約解除金を払ってのアーセナル電撃移籍により、特例入団を果たしたコンドグビア(バレンシアから移籍)も加わって、トレーニングを再開したアトレティコも油断は禁物。それにしてもここ数試合、チームの攻撃を牽引する働きを見せている、成長著しいジョアン・フェリックスなどはポルトガル代表にも招集されていますし、一体、いつになったら、休めるんでしょうかね。 そして引き続き、バルでマドリーがホームにインテルを迎えた試合を観戦した私でしたが、こちらも先手を取ったのはジダン監督のチームでした。ええ、前半25分には古巣訪問となったアクラフがメンディに押され、狙いの狂ったバックパスをベンゼマが奪い、GKハンダノビッチもかわしてシュート。これで先制点を奪うと、32分には鉄板コンビのセットプレーが炸裂します。「ハンダノビッチはクロースのCKとボクのヘッドを研究していると言ってたけど、この通り。Cuanto más sigamos sorprendiendo, major/クアントー・マス・シガモス・ソルプレンディエンドー、メホール(より長く驚かせていられるなら、その方がいい)」と当人も言っていたように、セルヒオ・ラモスが頭で決めて、2点差にしたとなれば、もう勝負はあった? でもそこはエースのルカクを欠いていたとはいえ、イタリアの名門インテル。相手もここまで、2引き分けで勝ち点2と、前節のボルシア・メンヘングラッドバッハ戦での土壇場の引き分けで、初めて勝ち点1を手にしたマドリーと似たり寄ったりで、追い詰められていたのは同じですからね。35分にはバレッラがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で戻したボールをラウタロウがエリア内から撃ち込んで、1点差に迫ったかと思いきや、後半23分にはとうとう、アルトゥーロ・ビダルのロングパスをラウタロウが頭で落とし、ペリシッチのシュートで同点に追いついているんですから、まったく侮れませんって。 え、実はその頃にはもう、ジダン監督は追加点を狙うべく、スタメン出場したアザールとアセンシオをビニシウスとロドリゴのブラジル人若手FWコンビに代えていたんだろうって?はい、それがズバリ当たったのは35分、バルベルデが出したスルーパスに駆けだした20才の先輩が敵エリアまで上がり、並走してきた19才の後輩にパス。「Estoy listo en todo momento/エストイ・リストー・エン・トードー・モメントー(ボクはずっと準備ができてたよ)。ピッチに入った時に何かできるように、ゴールとか、アシストとか、チームを助けるためにね」と後で初々しく、インタビューに答えていたロドリゴのシュートが決まり、待望の勝ち越しゴールをもたらしてくれるんですから、本当に才能のある控えを持つチームは羨ましい。 おかげで3-2の勝利を手に入れたマドリーは同日、こちらも今節から無観客になった、キエフのオリンピスキー・スタジアムでメンヘングラッドバッハに0-6と大敗をしたシャフタールと同じ勝ち点4となって、3位に上昇。昨季もPSGに負け、クラブ・ブルージュと引分けた後、ガラタサライに連勝して、グループ突破への軌道修正ができたのと似た展開になってきましたが、そうそう、そのガラタサライとの4節ではロドリゴがハットトリックを挙げたなんてこともありましたっけ。何にしろ、インテルのコンテ監督も「マドリーはこの試合を決勝と見なしていたが、決勝では絶対、失敗しない」と言っていましたが、ここ一番の時には力を発揮してくれるのはさすがかと。 あとは、こちらも日曜午後9時からのバレンシア戦に勝って、気分の良いまま、代表戦週間を迎えてもらいたいものですが、幸い、インテル戦で足首に打撲を受けたアザールも無事、木曜のバルベベバス(バラハス空港の近く)でのセッションに参加。といっても、また復帰したてで来週はベルギー代表に行ってしまう?ようやくケガが治り、この週末のリーガには出場できそうなウーデゴールもそのまま、ノルウェイ代表にさらわれてしまいそうですしね。各国代表クラスの選手が多いからこそ、チームの質が高いと言ってしまえばそれまでですが、この時期はジダン監督もケガせず、皆、無事に帰って来てほしいとひたすら、祈っているに違いありませんって。 そしてマドリッド1部チームの弟分、折しも前節にはそのバレンシアと対戦し、波乱のロスタイムにアンヘルのゴールで逆転。その喜びも束の間、100分にソレルにPKを決められ、2-2で引き分けてしまったヘタフェは今週末、日曜午後2時(日本時間午後10時)にビジャレアルをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えることに。いやあ、実は木曜に相手はELグループリーグ3節のマッカビ・テルアビフ戦をプレーしていて、それがまた、集中豪雨でラ・セラミカのピッチが水浸しになったため、キックオフを午後9時から、10時に変更。整備員さんたちの必死の排水作業のおかげで何とか、開催できたんですが、ここまでするのはやっぱり、下手に延期すると後で日程調整に困るせい? まあ、おかげで試合もバッカの2ゴールなどで4-0と大勝して、こちらもシバススポル、カラバフ戦に続いて3連勝と、突破にかなり近づいたのは朗報なんですけどね。重いピッチでフル出場をしているだけに、2点目のアシストをした久保建英選手はヘタフェ戦で控えに回るかも。何せ、現在首位のレアル・ソシエダ、6位のグラナダ、ビジャレアルも3位とEL出場組は何故か、揃ってリーガでも好調ですからね。尚且つ、この3節でも3チーム揃って勝利と、ヨーロッパでも躓いていないのはただただ、感心するしかありませんが、そろそろ7連戦の疲れが出るのは間違いないかと。 それだけにここ2試合、グラナダ戦での0-1負けに続いて、白星から遠ざかっているヘタフェには奮起してもらいたいところですが、こればっかりはねえ。とりあえず、バレンシア戦で退場したダミアンは出場停止となりますが、来週は彼も同僚のアランバリと共に再び、ルイス・スアレルやヒメネス、バルベルデといったマドリッドの兄貴分たちの選手たちと、ウルグアイ代表でご一緒するだけに、ちょっとはお休みがあった方がいいかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.11.07 22:30 Sat
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