新型肺炎にJリーグは注意喚起すべきでは?/六川亨の日本サッカー見聞録

2020.02.20 18:00 Thu
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2020年のJ1リーグが21日の“金J"で開幕する。その前に、すでにACL(アジアチャンピオンズリーグ)が開幕しており、昨シーズンのJ1王者である横浜FMは初戦でアウェーながら全北現代に2-1、ホームでの第2戦もシドニーFCに4-0と快勝して首位に立った。

おなじく天皇杯覇者の神戸は、ACL初出場ながらホームの初戦でジョホール(マレーシア)を5-1で圧倒すると、第2戦のアウェー水原三星戦を1-0で制して連勝を飾った。

FC東京はアウェーの初戦、蔚山現代戦は先制しながらOGで1-1のドローに終わったものの、ホームでの第2戦では新加入レアンドロの決勝点でパース・グローリー(オーストラリア)を1-0で退けてグループFの暫定首位に浮上した。

好調を維持する日本勢3チームの第3戦は、いずれも中国勢が相手だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月開催から4月7、8日に延期されている。

問題は、新型コロナウイルスがいつ終息するかということだ。連日のように感染者の拡大が、中国だけでなく日本でも報道され、北は北海道から南は沖縄まで、日本人の感染者は705人になったし、感染者の死亡も3人になった。

果たして4月と5月に予定されている中国勢との対戦に関し、AFC(アジアサッカー連盟)はどのような判断を下すのか。中国勢の、大会からの不参加も視野に入れて日程を調整すべきではないだろうか。

そしてJリーグである。2月16日のルヴァン杯初戦、浦和対仙台戦を取材した際のことだ。受付でIDカードをもらう際、「ミックスゾーンではマスク着用が義務づけられています」と言われ、マスクを渡された。選手を保護するためには当然の措置と言えるし、消毒用のスプレーもいたるところに置いてあった。

2月18日のACL、FC東京対パース・グローリー戦ではミックスゾーンだけでなく、スタジアム内はマスク着用が義務づけられた。平日のナイターということもあり、観衆は7755人だったが、味の素スタジアムに併設しているレストランとスポーツショップ、近くのコンビはほとんど人気がなかった。

もしかしたら、電車も含めてスタジアムなど人混みを避けるファン・サポーターもいたのではないだろうか。そして、その傾向は今週末に開幕するJ1とJ2リーグにも表れるかもしれない。

ところがJリーグのホームページでは、スタジアムを訪れる際の「注意喚起」がまったくない。マスクの着用や、ゴール裏の応援の自粛などを呼びかけるべきではないだろうか。取材した2試合ともゴール裏のサポーターは、記者席から双眼鏡で見る限り、マスクは着用していなかった。たぶん声がくぐもってしまうため、着用していなかったのだろう。

もしもサポーターの中に感染者がいたら、これほど拡大する機会は他にはない。開幕を楽しみにしているファン・サポーターに水を差すようだが、Jリーグは何らかの対策を講じるべきではないだろうか。

【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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