後手を踏み対応しきれなかった日本、光明となった相馬勇紀の可能性/日本代表コラム
2019.12.20 06:45 Fri
3大会ぶり2度目の優勝を目指して臨んだEAFF E-1サッカー選手権の韓国代表戦。しかし、結果は1-0で敗れ、逆転で韓国の3連覇、初の自国開催での優勝を見届けることとなってしまった。「勝利にこだわる」と森保一監督は常々語り、タイトル獲得を目指していた日本代表。しかし、結果は望んでいたものではなかった。そこにある問題は何なのか。
◆後手を踏んだと言わざるを得ない前半
試合後の記者会見で森保監督は「戦術的に後手を踏んだとは思っていません」と言い切った。この言葉を額面通り受け取るならば、後手は踏んでしまっていたと言わざるを得ない。
日本は今大会採用している[3-4-2-1]のシステムでこの韓国戦に臨んだ。一方で韓国は[4-3-3]のシステムで臨んでいる。
初戦の中国代表戦のメンバーを10名起用し、離脱した橋本拳人(FC東京)の代わりに田中碧(川崎フロンターレ)を起用した日本に対し、韓国は香港代表戦と中国代表戦のメンバーをミックスさせて臨んだ。
「戦術的に後手を踏んだとは思っていません」という言葉は、「3バックの両サイドにロングボールを入れられることも予想できたと思うが?」という質問に対する森保監督の答え。「韓国の分析に関しては昨日、映像を使ってミーティングで攻守の特長の部分を伝えて、トレーニングの中で確認して今日の試合に臨みました」と返し、その後に出た言葉だった。
1トップのイ・ジョンヒョプに対し、右のキム・インソンがワイドにポジショニング。左のナ・サンホがハーフスペースへと入り、左サイドバックのキム・ジンスが高い位置を取ることで、4枚を前線に持ってくる仕組みだ。
この形になると、日本は3枚では守ることができず、両ウイングバックも下げた5枚、または右WBの橋岡大樹やボランチの田中が下がって4バックに近い形で守る時間が長くなっていった。
この形になると、日本はボランチも引いて最大7枚で守ることになるが、ワイドに起点を作る韓国は、そこから中央へと戻し、ギャップを作った状態で攻撃を仕掛けることが可能となった。
日本が前半ほとんど良い形を作れなかった要因は、枚数を後ろに割かざるを得ない状況となり、韓国がそのブロック前でセカンドボールを拾い続けたことが1つ。その他、前線からのプレスやその強度、フィジカルコンタクトなどもあるが、その辺りは映像でも対策を練れていたはずだ。
それ以上に、選手のポジショニングが攻守にわたって上手くハマっていなかった印象があり、修正しきれないまま押し込まれた状態で失点。前半を終えることとなった。
◆可能性を感じさせた相馬勇紀
押し込まれ続け1点を先制された後半、スタートから遠藤渓太に代えて、香港戦で出色の出来を見せた相馬勇紀が投入され、流れを変えにいった。
遠藤と橋岡のウイングバックコンビの場合、なかなか縦に仕掛けるシーンが見られなかった。これは初戦の中国戦も同じであり、攻撃が停滞し、相手を押し込むポジション取りが難しい状況となっていた。
しかし、投入された相馬は香港戦とは逆の左ウイングバックに入っても、その突破力を見せた。縦に仕掛け続ける相馬に対し、韓国のサイドが機能しなくなっていく。
さらに、大島僚太を途中投入したことで、よりサイドを効果的に使う攻撃が加速。相馬だけでなく、田中やシャドーの森島司も動きを取り戻し、日本の時間帯を作っていった。
最後までゴールを割ることができなかったものの、相馬の投入で流れが変わり、大島の投入で加速したことは間違いない。ゴールを奪い切ることができなかったが、相馬が戦える選手であるとわかったことは、東京オリンピック代表にとっては良いニュースと言えるだろう。
そして、相馬のプレー判断も目を見張るものがある。縦への仕掛けをファーストチョイスとしていたが、同サイドのシャドーに入った森島の動きを常に観察。また、中の動きも考え、上田、鈴木がどのポジションにいるかでクロスも変化。さらに、縦に仕掛けるか、カットインにするか、持ち替えて展開するかを使い分けていた。突破力に目が行きがちだが、相馬の考える力と選択する力は大きな収穫だろう。
◆五輪への強化か、A代表の底上げか
今回の大会は、Jリーグ終了直後に行われたというエクスキューズもあり、海外組がいない中でのベストメンバーが組めたかというと、決してそうではない。
そのため、半数以上が東京オリンピック世代の選手となり、代表キャップのない選手が多く集まることとなった。
しかし、それは他国も同じ。香港こそベストに近いメンバーを組んだが、韓国も1.5軍、中国は2軍という状況。戦力や日程での差はないと言っても良いだろう。
一方で、この大会の位置付けは「経験と底上げ」というワードをメンバー発表時に出していた森保監督。大会の位置付けは難しく、どういった位置付けにしたか本当のところは分からないが、「試合の中で戦える選手、プレッシャーのかかった中で自分の良さを、チームのコンセプトを勇気を持ってチャレンジできる選手が分かったことは収穫」と語ったように、メンバー選考へのヒントは手にしたようだ。
東京オリンピック世代は、来年1月にAFC U-23選手権が控えている。東京オリンピックの予選を兼ねている大会だけに、日本以外の国の本気度は計り知れない。一方で、予選ではない日本としても、アジアの中で本気の相手にどこまで戦えるかを測るチャンスではある。本大会になれば世界の強豪が集い、トップクラスのクラブでプレーする選手も多く出場するだけに、レベルの高さはアジアの比ではないだろう。
11月のU-22コロンビア代表戦では、久保建英や堂安律を擁しながらも、コロンビアの前に完敗。残り半年余りでどのようなチームに仕上げていくのか。今回のE-1選手権で、森保監督の中にどれだけ手応えがあったかはわからないが、反省材料も多く、この先の残された少ない時間で、修正する力、そして選手は自身の能力を上げる必要がある。
何れにしても、まずは来年1月のAFC U-23選手権の戦いが重要。メンバー選考を含め、アジアで頂点に立つ戦いをしっかりと見せてもらいたい。そして、3月に控えるA代表の試合に向けても、どのような準備をするのか。東京オリンピック世代も含まれるかどうかは定かではないが、チームとしての精度を上げていくステップをそろそろ踏み出したいところだ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
◆後手を踏んだと言わざるを得ない前半
Getty Images
試合後の記者会見で森保監督は「戦術的に後手を踏んだとは思っていません」と言い切った。この言葉を額面通り受け取るならば、後手は踏んでしまっていたと言わざるを得ない。
日本は今大会採用している[3-4-2-1]のシステムでこの韓国戦に臨んだ。一方で韓国は[4-3-3]のシステムで臨んでいる。
「戦術的に後手を踏んだとは思っていません」という言葉は、「3バックの両サイドにロングボールを入れられることも予想できたと思うが?」という質問に対する森保監督の答え。「韓国の分析に関しては昨日、映像を使ってミーティングで攻守の特長の部分を伝えて、トレーニングの中で確認して今日の試合に臨みました」と返し、その後に出た言葉だった。
韓国は、[4-3-3]の基本システムだったが、攻撃時は[3-3-4]の形に近くなり、日本のシステムでは立ち位置にギャップが生まれてしまう。
1トップのイ・ジョンヒョプに対し、右のキム・インソンがワイドにポジショニング。左のナ・サンホがハーフスペースへと入り、左サイドバックのキム・ジンスが高い位置を取ることで、4枚を前線に持ってくる仕組みだ。
Getty Images
この形になると、日本は3枚では守ることができず、両ウイングバックも下げた5枚、または右WBの橋岡大樹やボランチの田中が下がって4バックに近い形で守る時間が長くなっていった。
この形になると、日本はボランチも引いて最大7枚で守ることになるが、ワイドに起点を作る韓国は、そこから中央へと戻し、ギャップを作った状態で攻撃を仕掛けることが可能となった。
日本が前半ほとんど良い形を作れなかった要因は、枚数を後ろに割かざるを得ない状況となり、韓国がそのブロック前でセカンドボールを拾い続けたことが1つ。その他、前線からのプレスやその強度、フィジカルコンタクトなどもあるが、その辺りは映像でも対策を練れていたはずだ。
それ以上に、選手のポジショニングが攻守にわたって上手くハマっていなかった印象があり、修正しきれないまま押し込まれた状態で失点。前半を終えることとなった。
◆可能性を感じさせた相馬勇紀
Getty Images
押し込まれ続け1点を先制された後半、スタートから遠藤渓太に代えて、香港戦で出色の出来を見せた相馬勇紀が投入され、流れを変えにいった。
遠藤と橋岡のウイングバックコンビの場合、なかなか縦に仕掛けるシーンが見られなかった。これは初戦の中国戦も同じであり、攻撃が停滞し、相手を押し込むポジション取りが難しい状況となっていた。
しかし、投入された相馬は香港戦とは逆の左ウイングバックに入っても、その突破力を見せた。縦に仕掛け続ける相馬に対し、韓国のサイドが機能しなくなっていく。
さらに、大島僚太を途中投入したことで、よりサイドを効果的に使う攻撃が加速。相馬だけでなく、田中やシャドーの森島司も動きを取り戻し、日本の時間帯を作っていった。
最後までゴールを割ることができなかったものの、相馬の投入で流れが変わり、大島の投入で加速したことは間違いない。ゴールを奪い切ることができなかったが、相馬が戦える選手であるとわかったことは、東京オリンピック代表にとっては良いニュースと言えるだろう。
そして、相馬のプレー判断も目を見張るものがある。縦への仕掛けをファーストチョイスとしていたが、同サイドのシャドーに入った森島の動きを常に観察。また、中の動きも考え、上田、鈴木がどのポジションにいるかでクロスも変化。さらに、縦に仕掛けるか、カットインにするか、持ち替えて展開するかを使い分けていた。突破力に目が行きがちだが、相馬の考える力と選択する力は大きな収穫だろう。
◆五輪への強化か、A代表の底上げか
Getty Images
今回の大会は、Jリーグ終了直後に行われたというエクスキューズもあり、海外組がいない中でのベストメンバーが組めたかというと、決してそうではない。
そのため、半数以上が東京オリンピック世代の選手となり、代表キャップのない選手が多く集まることとなった。
しかし、それは他国も同じ。香港こそベストに近いメンバーを組んだが、韓国も1.5軍、中国は2軍という状況。戦力や日程での差はないと言っても良いだろう。
一方で、この大会の位置付けは「経験と底上げ」というワードをメンバー発表時に出していた森保監督。大会の位置付けは難しく、どういった位置付けにしたか本当のところは分からないが、「試合の中で戦える選手、プレッシャーのかかった中で自分の良さを、チームのコンセプトを勇気を持ってチャレンジできる選手が分かったことは収穫」と語ったように、メンバー選考へのヒントは手にしたようだ。
東京オリンピック世代は、来年1月にAFC U-23選手権が控えている。東京オリンピックの予選を兼ねている大会だけに、日本以外の国の本気度は計り知れない。一方で、予選ではない日本としても、アジアの中で本気の相手にどこまで戦えるかを測るチャンスではある。本大会になれば世界の強豪が集い、トップクラスのクラブでプレーする選手も多く出場するだけに、レベルの高さはアジアの比ではないだろう。
11月のU-22コロンビア代表戦では、久保建英や堂安律を擁しながらも、コロンビアの前に完敗。残り半年余りでどのようなチームに仕上げていくのか。今回のE-1選手権で、森保監督の中にどれだけ手応えがあったかはわからないが、反省材料も多く、この先の残された少ない時間で、修正する力、そして選手は自身の能力を上げる必要がある。
何れにしても、まずは来年1月のAFC U-23選手権の戦いが重要。メンバー選考を含め、アジアで頂点に立つ戦いをしっかりと見せてもらいたい。そして、3月に控えるA代表の試合に向けても、どのような準備をするのか。東京オリンピック世代も含まれるかどうかは定かではないが、チームとしての精度を上げていくステップをそろそろ踏み出したいところだ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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「全ての監督が日本人を指導すべき」守田英正に感銘を受けたスポルティング監督が絶賛「良いことしか言えない」
スポルティングCPのルベン・アモリム監督が、日本代表MF守田英正を絶賛した。ポルトガル『A Bola』が伝えた。 今夏サンタ・クララからスポルティングに完全移籍した守田。念願の移籍を果たし、ポルトガル国内でのステップアップを果たした。 ポルトガル3強の一角に加入したが、開幕戦から出場機会を得ると、プリメイラ・リーガ6試合全てに出場。チャンピオンズリーグ(CL)でも初戦のフランクフルト戦に出場し、アシストを記録した。 新天地でも順調なスタートを切り、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けて準備を進めている守田だが、指揮官も大きな信頼を寄せている様子。日本人選手への評価が大きく変わっているようだ。 「全ての監督が日本人選手を指導すべきだと思う。常にチームを助け、どんなポジションでもプレーし、1日に1000回も謝る選手が、どのようなものであるかを理解するためにだ」 「守田には良いことしか言えない。テクニックのある選手だ。彼は6番でプレーしに来たが、8番でもプレーすることができる」 「私は彼にとても満足している。我々が守田を選んだ日、その価値と人柄をよく表している」 監督も絶賛する守田は、アンカーだけでなくインサイドハーフでもプレー。13日に予定されているトッテナムとのCL第2節でも先発が予想されており、さらに力をつけて日本代表にも貢献してもらいたいところだ。 <span class="paragraph-title">【動画】CLデビュー戦で守田が飛び出しから見事なアシスト</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="tvsV4ByUmUo";var video_start = 15;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2022.09.13 21:17 Tue2
アメリカ訪問中の岸田文雄総理と日本人選手2人が面会? 夕食会に招かれ対面
アメリカで活躍するなでしこジャパンの2人が岸田文雄内閣総理大臣とアメリカで対面した。 岸田総理は8日から14日までアメリカを公式訪問。アメリカでは、ジョー・バイデン大統領との日米首脳会談を行ったほか、さまざまな場所を訪れていた。 岸田総理は、裕子夫人と共に日本人留学生との懇談や日本語学習者との懇談を行ったほか、日系企業の訪問などを執り行っていた。 そんな中、12日にはノースカロライナ州を訪問しており、現地でスポーツや文化関係で活躍する日本人との夕食会を開催。外務省が公式X(旧ツイッター/@MofaJapan_jp)にアップした写真には、2人のサッカー選手が写っていた。 その2人は、ノースカロライナ・カレッジでプレーする、MF三浦成美とMF松窪真心。なでしこジャパンや世代別の女子代表でプレーし、ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)でもチームを支えるプレーをしている。 夕食会では、岸田総理に対してそれぞれの活動を紹介したとのこと。日米交流に対する意見も述べたと外務省は発表している。 日本にいてはなかなか直接会うこともない総理大臣との面会に、写真の松窪はどこか緊張した面持ち。試合以上に緊張したのではないだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】岸田文雄総理と面会した三浦成美と松窪真心(右写真)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">現地時間4月12日、<a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%B1%B3%E5%9B%BD?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#米国</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E5%B7%9E?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ノースカロライナ州</a> を訪問中の <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B2%B8%E7%94%B0%E7%B7%8F%E7%90%86%E5%A4%A7%E8%87%A3?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#岸田総理大臣</a> 夫妻は、現地で活躍する日本人等(スポーツ選手、文化関係者等)との夕食会を行いました。<br><br>概要はこちら<a href="https://t.co/NKVQzF93Hp">https://t.co/NKVQzF93Hp</a> <a href="https://t.co/lm0QMgbVme">pic.twitter.com/lm0QMgbVme</a></p>— 外務省 (@MofaJapan_jp) <a href="https://twitter.com/MofaJapan_jp/status/1779037758356652251?ref_src=twsrc%5Etfw">April 13, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.04.14 21:20 Sun3
今夏開催35歳以上のW杯、内田篤人氏が考える日本代表の仮想メンバーは?「空気の読める人を」…適任者に難しいと感じる人も
2024年夏に開催される予定の35歳以上のワールドカップ(W杯)。6月の初旬に行われる予定となっているが、元日本代表DFの内田篤人氏が日本代表の仮想メンバーを考えた。 2023年にトップレベルのもと選手たちとビジネスマンが提携したグループである「エリート・プレイヤーズ・グループ(EPG)」が主催する大会。35歳以上の元代表選手か、トップリーグで100試合以上に出場した選手に参加資格が与えられるという。 今回出場する国は、イングランド、アルゼンチン、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ウルグアイのW杯優勝経験のある8カ国になり、トーナメント方式で開催される。 イングランドはマイケル・オーウェンやリオ・ファーディナンド、フランク・ランパード、ブラジルはカカ、ロナウジーニョ、リバウド、ロベルト・カルロス、イタリアはフランチェスコ・トッティ、ファビオ・カンナバーロ、フランスはティエリ・アンリ、アルゼンチンはエルナン・クレスポ、ドイツはメスと・エジル、スペインはダビド・ビジャ、カルレス・プジョール、ウルグアイはディエゴ・フォルランらが出場予定となっている。 懐かしのスター軍団が集まることが予想される今大会。日本は出場はできないが、内田氏が『DAZN』で配信中の「内田篤人のFOOTBALL TIME」で日本代表メンバーを考察した。 『DAZN』がその様子を公開。内田氏は「面白そうだな」と語り、「世界のオールスターじゃん」と語り、「これ日本出れる?」と驚いていた。 引退したメンバー限定だがFW三浦知良(オリヴェイレンセ)を呼びたいと話す中、内田氏はメンバー考察をする上で「(小野)伸二さんあたりが中心になれば集まるんじゃないかな」と語った。 メンバーには田中マルクス闘莉王、中澤佑二とW杯でコンビを組んでいたセンターバックや、GKには楢崎正剛と歴代のW杯経験者の名前が出る中で、MCの野村明弘さんは「できるだけ若い方が良い方が良いですよね?」とコメント。ただ、内田氏は「このメンバー相手に35歳ぐらいの動ける人を集めて勝ち上がったらなんなの?」と、ガチで戦うことは問題ありそうだとし、「空気の読める人を連れてこないといけない。闘莉王さんは絶対全部跳ね返しちゃうから。ガチで負けたくないから」とコメントした。また「(大久保)嘉人さんとかゴールすぐ狙うでしょ。振り向いてすぐシュート打つでしょ。松井さんとかドリブルとかしないし」と、本気で勝ちに行ってしまうメンバーは良くないのではないかと見解を示した。 今シーズン限りで現役引退を発表し、内田氏も日本代表で共に戦ったFW岡崎慎司の名前もだし「岡ちゃんも絶対に点取りにいく」と空気が読めないタイプだと感じているようだ。 その中ではやはり小野伸二氏は適任だとコメント。「そう考えると小野伸二さんは魅せられるじゃないですか」とし、技術で魅せられる選手が良いのではないかとした。 お祭りになるであろう「Over35 W杯」。内田氏はお祭りつながりで「Jリーグはオールスターやったら良いのに。なんでなくなっちゃったんだろう」と、2007年の開催を最後に開催されていないオールスターの復帰を望み「若い時凄く楽しかったのに」と、勝敗ではなくサッカーを楽しめる試みはあって欲しいとした。 <span class="paragraph-title">【動画】内田篤人氏が考えるOver35日本代表のメンバーは? 難しい選手も?</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="-zsyGTmQBtM";var video_start = 55;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.09 15:20 Sat4
【選手評】ハリルホジッチ監督、招集メンバー26名へ期待と要求…初招集FW中島翔哉は「日本になかなかいない選手」《キリンチャレンジカップ》
▽日本サッカー協会(JFA)は15日、国際親善試合及びキリンチャレンジカップ 2018 in EUROPEに臨む同国代表メンバー26名を発表した。 ▽メンバー発表会見に出席した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、今回の選考基準を説明。代表復帰となったDF森重真人(FC東京)やFW本田圭佑(パチューカ/メキシコ)への期待や初選出となったFW中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)の招集理由についても明かした。 GK 川島永嗣(メス/フランス) 中村航輔(柏レイソル) 東口順昭(ガンバ大阪) 「GKは3人。ただ、現段階のパフォーマンスに満足している訳ではない。もっともっと向上して欲しい。」 DF 酒井宏樹(マルセイユ/フランス) 遠藤航(浦和レッズ) 「酒井は日本人選手の中では、定期的に高いパフォーマンスを継続している。ここ最近調子も良い。遠藤は昨日のルヴァンカップで少し問題が出た。今検査をしている段階と聞いている。ただ、バックアップはすでに用意している。何が起きても問題はない」 DF 長友佑都(ガラタサライ/トルコ) 車屋紳太郎(川崎フロンターレ) 宇賀神友弥(浦和レッズ) 「次に左サイド。長友はクラブを変えたにも関わらず、定期的に試合に出場していて嬉しい。彼の存在は日本代表に必要不可欠だ。車屋と宇賀神の戦いは、これから始まる。合宿を多くこなしている訳ではないが、右サイドでもいけるのかというのも見極めなくてはいけない。どこまでついて行けるかをこれから見ていく」 DF 昌子源(鹿島アントラーズ) 植田直通(鹿島アントラーズ) 槙野智章(浦和レッズ) 森重真人(FC東京) 「それから真ん中。最初の3人(昌子、植田、槙野)はもっとできると思っている。そして、森重をなぜ呼んだか。まだ彼は準備できている段階ではない。すぐに使う訳でもない。ただ、彼がどのような状況になっているかを知りたい。励ますためにも呼んでいる。彼が以前のレベルに戻るかどうか。もちろん(吉田)麻也がいないということもある。彼の経験が我々にとってどこまで使えるかというのもある。ただ、まだまだトップパフォーマンスには程遠い。モチベーションを上げる努力をしていかなくてはいけない。早くレベルを戻してほしい」 MF 長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) 三竿健斗(鹿島アントラーズ) 山口蛍(セレッソ大阪) 「長谷部は真ん中もできれば後ろもできる。本会までにケガなくいってほしい。三竿は、良いパフォーマンスを続けている。(山口)蛍は、常に呼んでいる選手だが、守備だけで終わるのではなく攻撃のところでもっと野心を持ってほしい。代表では良いパフォーマンスを見せている。イラク戦では我々を助けてくれた選手の1人だ」 MF 大島僚太(川崎フロンターレ) 柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) 森岡亮太(アンデルレヒト/ベルギー) 「大島は国内でも優秀な選手の1人。彼もよくケガをするが、我々もしっかりとコンタクトをとって、そこを脱して良い状況が続いていると思う。(柴崎)岳と森岡は、(香川)真司と清武が居ないこともあり、10番や8番のタイプとして期待している。柴崎は、クラブで毎回先発という訳ではないが、レベルが上がってきていると思う。森岡はすでに2、3回観ているが、フィジカル的なところやデュエルの部分でまだ伸びると思う。ゴール数やアシスト数はリーグでも断トツ。ただ、ゲームのアクションの中でまだまだ伸びる部分はあると思う」 FW 久保裕也(ヘント/ベルギー) 本田圭佑(パチューカ/メキシコ) 「久保もまだまだ私の満足いくパフォーマンスではない。それから(本田)圭佑は、このチャンスを是非とも掴んでほしい」 FW 原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ) 宇佐美貴史(デュッセルドルフ/ドイツ) 中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル) 「原口と宇佐美は、同じクラブでプレーしている。ここ直近の数試合で宇佐美は、しっかりと伸びている状況。ある時期はチームで干されるかもしれない状況だったが、今は出ている。原口も同じだ」 「それから長い間追跡している中島。本当にたくさん試合に出場していて、得点やアシストもしている。ドリブラーでここまで俊敏で爆発的なものを持っている選手は日本になかなかいない。前回のオリンピック代表の監督であったテグ(手倉森誠)さんともしっかりと話をして、オフェンス面で何かもたらせるのではないかという判断。ただ、守備面では代表で私が求めるレベルではない。様子を見たい」 FW 小林悠(川崎フロンターレ) 杉本健勇(セレッソ大阪) 大迫勇也(ケルン/ドイツ) 「最初の2人はここ最近で本当に伸びてきている。オフェンス面で日本で素晴らしい結果を出している。彼も自分たちのプレーの仕方を変えて伸びてきている。真ん中の選手として、アグレッシブに背後、そしてペナルティエリア内で存在感を出している。それから相手の最終ラインからの組み立てを最初に防ぐ仕事もしている。我々が観たここ数試合でも良いパフォーマンスだった。これを続けてくれと言いたい」 「大迫は、クラブで真ん中でなく、横や後ろでもプレーしているが、良くなってきている。代表ではクラブとは全く違うアクションをしてほしい。常に背負った状態でプレーするのではなく、ゴールに向いてプレーして欲しい。この3人は素晴らしいヘディングを持っている。W杯本大会でもこれが重要になってくる。もちろんFKを貰えればの話。守備でもしっかりと守らなくてはいけない。大事になってくる。W杯ではFKが決定的な状況を作ることもある」 ▽なお、日本代表は、3月のベルギー遠征で2試合の国際親善試合を予定。ロシアW杯に向けた選手見極めとチーム強化のため、マリ代表(23日/ベルギー)、ウクライナ代表(27日/同)と対戦する。 2018.03.15 19:50 Thu5