【CLグループF総括】伏兵かき回した激戦区は貫録バルサとインテル蹴落としたドルトムントが突破

2019.12.14 19:01 Sat
Getty Images
優勝候補筆頭に挙がるバルセロナと、ドルトムントとインテルの強豪2チーム、スラビア・プラハの構成となったグループF。今グループステージ屈指の激戦区は伏兵スラビア・プラハの健闘もあって予想通りの混戦に。その中で地力を見せつけたバルセロナと、インテルとの激戦を制したドルトムントがラウンド16進出を果たした。
PR
■グループF順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.バルセロナ[14/4/2/0/5]
2.ドルトムント[10/3/1/2/0]
3.インテル[7/2/1/3/1]
4.スラビア・プラハ[2/0/2/4/-6]◆勝負強さ際立つ無敗突破~バルセロナ~
Getty Images

トッテナム、インテル、PSVと同居した昨シーズンに続き不運にも“死の組”とも評される激戦区に入ったバルセロナだったが、昨年に続き4勝2分けの無敗で首位通過を果たした。今夏、FWグリーズマンやMFフレンキー・デ・ヨングら好タレントをスカッドに加えたチームだが、その主役はやはりエースFWメッシやFWスアレス、GKテア・シュテーゲンら既存の主力だった。
メッシを欠いて臨んだドルトムントとの初戦では再三のビッグセーブでゴールレスドローに持ち込んだ守護神テア・シュテーゲンの活躍が光り、以降の試合ではインテル戦でスアレス、スラビア・プラハとドルトムント戦でメッシが特大の輝きを放った。また、すでに首位通過を決めて臨んだ最終節のインテル戦ではFWカルレス・ペレス、FWアンス・ファティと2人の若きカンテラーノが初ゴールを記録し、インテルの突破の夢を阻んだ。共にゴールレスドローに終わったドルトムント、スラビア・プラハ戦など低調な試合もあったが、勝負どころでは優勝候補に相応しい勝負強さが光った。

◆インテル相手の大逆転劇が突破に繋がる~ドルトムント~
Getty Images

インテルとの壮絶な2位争いを制したドルトムントが2年連続のラウンド16進出を果たした。今夏、MFブラントやMFトルガン・アザール、DFシュルツなど国内のライバルから実力者を引き抜きスカッド拡充に成功したドルトムントだが、“9番”不在による決定力不足や集中力の問題など課題も多く浮き沈みの激しいシーズン序盤戦となった。
今回のグループステージでは開幕2試合はバルセロナにドロー、スラビア・プラハに勝利と上々のスタートもインテルとのアウェイゲームで0-2の完敗。それでも、最終節のバルセロナの“強力アシスト”と共に大きな転機となったのが、第4節ホームでのインテル戦。前半に2点を先行される絶体絶命の状況の中、後半に入って完全に開き直ったチームは今大会絶好調のDFアクラフ・ハキミの2ゴールの活躍などで鮮やかな逆転勝利を収め突破に望みを繋いだ。そして、最終節では後半に退場者を出す苦しい展開ながら守護神ビュルキの鬼気迫る活躍もあり2-1で辛勝。バルセロナのアシストを生かして逆転での2位通過を決めた。

◆昨季に続き勝負弱さを露呈~インテル~
Getty Images

百戦錬磨の指揮官コンテの招へい、今夏の大型補強によって今季セリエAで快進撃を続けるインテルだったが、昨季に続き勝負弱さを露呈して無念の3位敗退となった。セリエAでの開幕連勝を追い風にスラビア・プラハをホームで迎え撃ったインテルだが、以前からヨーロッパのトーナメントを不得手とする指揮官の影響か格下相手にあわや大金星献上という低調な内容で痛恨のドロースタートに。その後のバルセロナ戦では五分五分の展開に持ち込みながら、勝負どころをモノにできずに敗戦。

ドルトムントとの連戦初戦は今季CLで最高のパフォーマンスをみせ、初勝利を手にするが、リターンマッチでは2点リードから逆転を許す痛恨の試合運びで敗戦。さらに、自力での突破の可能性を残して臨んだ最終節のバルセロナ戦では多くの主力を温存した相手に対して1-2で競り負け、無念の3位敗退となった。ショッキングな形での敗退だけに今後のセリエAやヨーロッパリーグ(EL)へのネガティブな影響も懸念されるところだ。

◆未勝利もグループかき回す見事な働き~スラビア・プラハ~
Getty Images

“死の組”において蚊帳の外と思われたチェコの名門がグループをかき回す見事な働きを見せた。バルセロナ、ドルトムント、インテルの3チームの直接対決の結果が最重要視された中、最終的にドルトムントの2位通過を後押ししたのは、インテルとの初戦を1-1のドローに持ち込んだスラビア・プラハの健闘だった。当初、グループ全敗の可能性が濃厚と見られていたが、ホームでもアウェイでも組織だった勇敢な戦いぶりを見せたアウトサイダーは難攻不落のカンプ・ノウでメッシを擁する優勝候補を無失点で封じると、1-2で惜敗した最終節のドルトムント戦でもホームサポーターに幾度も冷や汗をかかせる見事な戦いぶりを披露した。

PR

ドルトムントの関連記事

ナポリとドルトムントがドイツ代表FWカリム・アデイェミ(23)を巡って交渉を進めているようだ。ドイツ『スカイ・スポーツ』が報じた。 今冬はジョージア代表FWクヴィチャ・クワラツヘリア(23)をパリ・サンジェルマン(PSG)へ放出したナポリ。後釜候補にマンチェスター・ユナイテッドのアルゼンチン代表FWアレハンドロ・ 2025.01.23 22:10 Thu
ドルトムントは解任となったヌリ・シャヒン監督の後任に、ニコ・コバチ氏(53)の就任を望んでいるようだ。 昨夏にクラブOBでもあったシャヒン監督が指揮官に就任し、今シーズンに臨んだシャヒン。しかし、2025年に入ってからはブンデスリーガ3連敗で10位に転落するなど不振に陥ってしまうと、チャンピオンズリーグ(CL)リ 2025.01.23 17:10 Thu
ボローニャは22日、イタリア代表FWリッカルド・オルソリーニが右ハムストリングの負傷により3~4週間離脱すると発表した。 オルソリーニは21日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)リーグフェイズ第7節ドルトムント戦に先発。32分にボールホルダーに対してプレスをかけるべくダッシュした際に右太ももを痛めていた。 2025.01.23 13:30 Thu
ドルトムントは22日、暫定指揮官にU-19チームを指揮するミケ・ツルベルグ氏(39)が就任することを発表した。 ドルトムントは、クラブOBでもあったヌリ・シャヒン監督が今シーズンから就任。しかし、苦しいシーズンとなると、2025年に入ってからは公式戦4連敗と大ブレーキ。22日に解任が発表されていた。 後任監 2025.01.23 00:20 Thu
ドルトムントは22日、ヌリ・シャヒン監督(36)の解任を発表した。 自身も元ドルトムントの選手で、アンタルヤスポルで指揮官経験を挟み、2024年冬にアシスタントコーチとして帰還したシャヒン監督。今季からエディン・テルジッチ前監督の後を受け、監督に昇格したが、年明けのブンデスリーガ3連敗を含め、直近の公式戦10試合 2025.01.22 18:06 Wed

UEFAチャンピオンズリーグの関連記事

ドルトムントの人気記事ランキング

1

ドルトムントが新たにラッシュフォード獲得交渉へ! 同じく関心のミラン&バルセロナは…

マンチェスター・ユナイテッドのイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォード(27)を巡り、ドルトムントに新たな動きが見込まれるそうだ。 昨年11月にルベン・アモリム新監督が来てから明らかに序列が低下するなかで、自身の移籍を示唆する発言で去就が騒がれるラッシュフォード。これまではなんやかんやで出番が巡る状況だったが、こうして出番なしが続くと、移籍もむなしの様相を呈する。 近年のユナイテッドで披露するプレーぶりからすれば、やや扱いづらい選手になっている感があるが、ここまでは人気を博す存在とされ、ミラン、ユベントス、ドルトムント、バルセロナと次々に関心話が浮かぶ。 そのなかで、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、そ一角と目されるドルトムントは数日中にもユナイテッドと新たな交渉へ。そこでローン契約の細部を模索するという。 なお、ミランは残り1つのEU圏外枠をマンチェスター・シティのイングランド代表DFカイル・ウォーカーにあてるため、撤退した模様。バルセロナはスペイン代表FWアンス・ファティの去就を考慮し、関心を継続させるとのことだ。 2025.01.19 18:15 Sun
2

ラッシュフォードのマンチェスター・U残留は「日に日に現実的」

元イングランド代表FWマーカス・ラッシュフォード(27)はますます残留が濃厚か。 この冬のレンタル放出が報じられて久しいラッシュフォード。マンチェスター・ユナイテッドの背番号「10」に以前ほどの煌めきはなく、ルベン・アモリム監督との信頼関係もない。 ミラン、ドルトムント、バルセロナと交渉先が伝えられるが、選手本人が給与カットを承諾しない限りは移籍も成立しない見通し。レンタル移籍となれば、たった半年でも1000万ユーロ(約16.1億円)のカネが動くとされる。 イギリス『スカイ』はユナイテッド残留が「日に日に現実的」と最新のレポート。当然、獲得を目指すクラブにも代案がないとは限らず、このままラッシュフォードが決断を下さねば、自然とフェードアウトしていくだろう。 ラッシュフォードは己を律し、キャリアを整えられるか。 2025.01.21 20:20 Tue
3

ドルトムントの新監督候補に前ベンフィカ指揮官が浮上

ドルトムントの新監督候補の一人として、前ベンフィカのロジャー・シュミット氏(57)の名前が挙がっている。 現在、ブンデスリーガ3連敗で10位に転落したドルトムントは、ヌリ・シャヒン監督に解任の可能性が浮上。21日に控えるチャンピオンズリーグ(CL)のボローニャ戦で勝利を逃した場合、更迭が濃厚とみられている。 ここ最近ではマンチェスター・ユナイテッドを解任されてフリーのエリク・テン・ハグ氏が後任候補の最有力と報じられたが、地元メディア『Ruhr Nachrichten』はクラブがシュミット氏とコンタクトを取っていると報じている。 過去には現首脳陣への疑問からドルトムントでは指揮を執らないと報じられていたシュミット氏だが、ドイツ語でのコミュニケーションが堪能で、来シーズン以降もチームを託せる経験豊富な指揮官というクラブが求めるプロフィールと合致。そして、現在は話し合いの場を設けているようだ。 シュミット氏は、パーダーボルンやレッドブル・ザルツブルク、レバークーゼン、北京国安、PSVで指揮。2022年7月から昨年8月末まではベンフィカを指揮していた。 2025.01.20 20:55 Mon
4

ドルトムントはシャヒン解任に舵切る? 「今は勝利と成功だけが必要」CLボローニャ戦が最後のチャンスに

ドルトムントのヌリ・シャヒン監督(36)の解任の可能性が高まっている。 ウィンターブレイク明けのリーグ戦で格下ホルシュタイン・キール相手の大敗を含め3連敗を喫したドルトムントは、ブンデスリーガ10位に転落。昨年末の段階で首脳陣はトルコ人指揮官への信頼を強調してきたが、ここ最近の低調なパフォーマンスを受け、その信頼に大きな揺らぎが出ている。 ここ最近ではマンチェスター・ユナイテッドを解任されてフリーのエリク・テン・ハグ氏が良好な関係を築くドルトムント幹部との交流が確認され、後任候補の最有力とも報じられる。 そんななか、クラブのマネージングディレクターを務めるラース・リッケン氏はドイツ『スカイ』で監督人事に言及。週明けの21日に控えるチャンピオンズリーグ(CL)のボローニャ戦の結果いかんで、現指揮官更迭を示唆するトーンのコメントを残した。 「ボローニャ戦でヌリはベンチ入りするだろうが、もちろん、我々全員がそれを知っているし、ヌリもそれを知っている。今は勝利と成功だけが必要だと明確に期待している」 現状ではシャヒン監督が既定路線になりつつあるが、ボローニャ戦での内容が伴った勝利によって厳しい状況を変えることはできるか。 2025.01.19 15:20 Sun
5

ボローニャにCL初勝利献上で痛恨逆転負けのドルトムント、リッケンMDがシャヒン監督の去就を白紙に戻す

ドルトムントのマネージング・ディレクターを務めるラース・リッケン氏が21日、同クラブを率いるヌリ・シャヒン監督の去就を白紙に戻すとした。 ドルトムントは同日、チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第7節でボローニャに1-2の逆転負けを喫し、年明け以降公式戦4連敗となった。 17日のブンデスリーガ第18節フランクフルト戦に敗れた際はシャヒン監督への信頼を口にしていたリッケンMDだったが、ボローニャ戦敗戦後はトーンを変えた。 「最終的には当然の敗戦だった。我々は十分な戦いをしてきたボローニャに耐えることができなかった。試合後の感情に流されやすい現時点で私が何かを決定することはない。だが、今のドルトムントにとって何が最善かを見つける必要がある。この私の発言は有効だ。明日話し合いを行う」 CL連敗で13位に後退したドルトムントは25日、3連敗中のブンデスリーガでブレーメンと対戦するが、シャヒン監督はまだ指揮を執ることになるだろうか。 2025.01.22 09:45 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly