【CL決勝特集③・戦術分析】世界最高峰のプレッシングゲームに!
2019.06.01 22:01 Sat
2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝、トッテナムvsリバプールが日本時間6月1日28時からスペイン・マドリードのエスタディオ・メトロポリターノで開催される。2007-08シーズンのマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシー以来、11年ぶりのイングランド勢対決となったこの大一番を前に、注目の一戦のタクティカルプレビューを紹介する。
いくつかの引き出しを増やしてきたリバプールだが、今回の決勝では“アンフィールドの奇跡”と評された準決勝バルセロナ戦のように相手に自由を与えない激しいプレスと、自慢の快速3トップの個人技を生かしたショートカウンターという最大のストロングポイントを前面に押し出した戦い方を見せてくれるはずだ。
一方、約3週間の準備期間を経て主力の復帰、勤続疲労から解放されたトッテナムも今季の多くの試合で見せた“相手に合わせた”戦い方ではなく、3-1で快勝した昨年11月のリーグ戦のチェルシー戦や、1-0で勝利した準々決勝1stレグのマンチェスター・シティ戦のように、前線から激しく圧力をかけてセカンドボールを握り波状攻撃を仕掛ける本来のスタイルで頂点に挑むはずだ。
◆ポチェッティーノの閃きは?
一方、今季のリーグ戦での直接対決の結果(2連敗)、順位表における26ポイントの差を考えれば、トッテナムは前線から激しく圧力をかけるポチェッティーノ監督本来の戦い方を採用しながらも、相手をよりリスペクトした戦い方を意識することになるはずだ。具体的にはハイプレス回避のロングボールの採用、両サイドバックの攻撃参加の自重、最終ラインの高さ設定だ。
また、リバプールはフィルミノのコンディション次第でFWオリジ、インサイドハーフにMFワイナルドゥムかMFミルナーのどちらを起用するかという変更点があるものの、お馴染みの[4-3-3]である程度戦い方が予想し易い。
これに対してトッテナムは長期離脱明けのFWケイン、MFウィンクスの主力2選手の起用法、[4-2-3-1]、[4-3-1-2]のいずれの布陣を採用するのか、読めない部分が大きい。ビルドアップやボール保持、前からの圧力の強調、ケインをベンチに置くプランであれば、FWルーカス・モウラ、FWソン・フンミンの快速コンビを2トップに配した[4-3-1-2]の採用が濃厚だ。ただ、シティとの準決勝2ndレグでは相手のサイドの選手へのプレッシャーがハマらず、前半途中に並びを変えた一件もあり、強力な両サイドバックを擁するリバプール相手にある程度ボールを握れないとリスクは大きい。
一方、ケインを最前線に配する[4-2-3-1]であれば、システムのかみ合わせ上、マークがハッキリしてマンマーク気味に相手を捕まえられるメリットがある一方、万全のウィンクスがセントラルMFに入らない限り、ビルドアップの局面での苦戦は必至。また、負傷明けのケインがDFファン・ダイクとDFマティプのセンターバックコンビ相手に五分五分で競り勝てないと、攻撃面は厳しくなりそうだ。
先発11人の選び方、システムを含めてポチェッティーノ監督の用兵が試合の行方を左右することになりそうだが、アルゼンチン人指揮官の選択はいかに…。また、試合中の修正力ではトッテナムに分があるだけに、リバプールにとっては先制点がいつも以上に大きな意味を持つことになるだろう。
◆劇的結末を演出するラッキーボーイ候補は?
リバプールを含めその他のビッグクラブに比べて明らかに選手層が薄いトッテナムにおいて唯一のゲームチェンジャーの役割を担っているのが、195cmの長身を誇るベテランストライカーのFWジョレンテだ。基本的にケインのバックアップを担う34歳のスペイン人FWは今季のリーグ戦では20試合でわずかに1ゴールの数字にとどまった。しかし、今季ここまでのCLで果たした役割は非常に大きかった。
グループステージ敗退の危機を迎えた第4節PSV戦ではロングボールを落としてケインの同点ゴールを演出すると、ラウンド16のドルトムント戦、準々決勝のシティ戦ではいずれもセットプレーから貴重なゴールを記録。極めつけは準決勝2ndレグのアヤックス戦で後半頭から投入されると、前線での競り合いに勝ち続けてハットトリックのルーカスに次ぐ逆転突破の立役者となった。これまでの対戦相手に比べて高さや強さに不安のないリバプール相手にどこまでやれるかは不明だが、相手にとってピッチに入って来て嫌な選手であることに間違いはない。
その他の交代カードに関してはこれまでMFラメラ、MFワニャマぐらいしかオプションがなかったが、ケインの復帰、“ファンタスティック・フォー”に続く5人目として台頭したルーカスの存在によって、ジョレンテと共にケイン、ルーカス、デレ・アリのいずれかがベンチに置かれることになり、その主役級の3選手のいずれかが強力なジョーカーとして控えることになる。
一方、稼働率の高い世界屈指のトリデンテを擁するリバプールに関してはその3人を最後までプレーさせることが勝利の近道と言われるが、ジョレンテ同様にシーズン終盤に存在感を増したオリジがラッキーボーイ候補だ。
今夏、ヴォルフスブルクからレンタルバックした24歳のベルギー代表FWは当初構想外と思われたが、ひたむきな努力が評価されてリーグ第14節のエバートンとのマージーサイド・ダービーで今季リーグ初出場を飾ると、相手GKのミス絡みではあったものの後半ラストプレーで劇的な決勝点を挙げた。その後、2019年に入って出場時間は短いものの継続的にプレーを機会を与えられると、第37節のニューカッスル戦ではリーグ優勝に望みを繋ぐ決勝点を奪取。さらに、準決勝2ndレグバルセロナ戦では見事な決定力で先制点、決勝点と2つのゴールを記録し、“アンフィールドの奇跡”実現の立役者となった。いわゆる“持ってる”男はCL決勝という大舞台で再びその勝負強さを発揮するか。
その他の交代カードに関してはMFナビ・ケイタの不在は痛いが、リーグ戦のチェルシー戦で驚愕のゴラッソを叩き込んだ“一発”を持っているFWスタリッジ、シーズン序盤に存在感を示したFWシャキリ、長期離脱明けも対スパーズ戦で最も燃える男、MFチェンバレン、中盤の汗かきやMFララナが控える。また、バルセロナ戦で途中出場から2ゴールを決めたワイナルドゥム、超ユーティリティープレーヤーのミルナーのいずれかがベンチに控える点は心強い限りだ。
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◆世界最高峰のプレッシングゲームGetty Images
共にフィジカル、テクニック、献身性に長けた世界屈指のタレントが揃い、チームとしてアグレッシブ且つコレクティブなプレーを志向する、比較的似た特徴を持つチーム同士の対戦だ。昨夏の積極補強、国内カップ戦の早期敗退による日程面のアドバンテージを生かしたリバプールは、シーズンを通して安定したフィジカルコンディションを保って、クロップ監督が求める攻守両面でアグレッシブに戦い、相手を圧倒するハイインテンシティのスタイルを見事に体現した。対して昨夏、今冬と2つの移籍市場で新戦力補強ゼロに終わり、多くの負傷者に悩まされたトッテナムは、シーズンを通して好不調の波が大きかった。それでも、就任5年目を迎えたポチェッティーノ監督が育て上げた若きチームは、毎試合のように試合途中にシステムを使い分ける多彩な戦いぶりをみせてきた。一方、約3週間の準備期間を経て主力の復帰、勤続疲労から解放されたトッテナムも今季の多くの試合で見せた“相手に合わせた”戦い方ではなく、3-1で快勝した昨年11月のリーグ戦のチェルシー戦や、1-0で勝利した準々決勝1stレグのマンチェスター・シティ戦のように、前線から激しく圧力をかけてセカンドボールを握り波状攻撃を仕掛ける本来のスタイルで頂点に挑むはずだ。
したがって、スコアが打ち合いになるかは不明だが、相手の様子を窺う決勝らしい堅い展開ではなく、プレミアリーグ仕様の立ち上がりからバチバチとやり合う世界最高峰のプレッシングゲームが期待される。
◆ポチェッティーノの閃きは?
Getty Images
前述のようなプレッシングゲームという展開を予想する中、不動のリバプールは相手のビルドアップのやり方に合わせてプレスのタイミングやボールの奪いどころなど、対トッテナム仕様に細部を詰めているはずだが、対戦相手のストロングポイントを消すことよりも自分たちのストロングを出すことを意識したゲームプランを練っているはずだ。一方、今季のリーグ戦での直接対決の結果(2連敗)、順位表における26ポイントの差を考えれば、トッテナムは前線から激しく圧力をかけるポチェッティーノ監督本来の戦い方を採用しながらも、相手をよりリスペクトした戦い方を意識することになるはずだ。具体的にはハイプレス回避のロングボールの採用、両サイドバックの攻撃参加の自重、最終ラインの高さ設定だ。
また、リバプールはフィルミノのコンディション次第でFWオリジ、インサイドハーフにMFワイナルドゥムかMFミルナーのどちらを起用するかという変更点があるものの、お馴染みの[4-3-3]である程度戦い方が予想し易い。
これに対してトッテナムは長期離脱明けのFWケイン、MFウィンクスの主力2選手の起用法、[4-2-3-1]、[4-3-1-2]のいずれの布陣を採用するのか、読めない部分が大きい。ビルドアップやボール保持、前からの圧力の強調、ケインをベンチに置くプランであれば、FWルーカス・モウラ、FWソン・フンミンの快速コンビを2トップに配した[4-3-1-2]の採用が濃厚だ。ただ、シティとの準決勝2ndレグでは相手のサイドの選手へのプレッシャーがハマらず、前半途中に並びを変えた一件もあり、強力な両サイドバックを擁するリバプール相手にある程度ボールを握れないとリスクは大きい。
一方、ケインを最前線に配する[4-2-3-1]であれば、システムのかみ合わせ上、マークがハッキリしてマンマーク気味に相手を捕まえられるメリットがある一方、万全のウィンクスがセントラルMFに入らない限り、ビルドアップの局面での苦戦は必至。また、負傷明けのケインがDFファン・ダイクとDFマティプのセンターバックコンビ相手に五分五分で競り勝てないと、攻撃面は厳しくなりそうだ。
先発11人の選び方、システムを含めてポチェッティーノ監督の用兵が試合の行方を左右することになりそうだが、アルゼンチン人指揮官の選択はいかに…。また、試合中の修正力ではトッテナムに分があるだけに、リバプールにとっては先制点がいつも以上に大きな意味を持つことになるだろう。
◆劇的結末を演出するラッキーボーイ候補は?
Getty Images
一発勝負のファイナルという状況、今シーズンのCLが例年にないドラマティックな結末が頻発していることを考えれば、試合途中に戦局を変えるゲームチェンジャー、ラッキーボーイの存在が最終的にビッグイヤーの行方を左右することになりそうだ。リバプールを含めその他のビッグクラブに比べて明らかに選手層が薄いトッテナムにおいて唯一のゲームチェンジャーの役割を担っているのが、195cmの長身を誇るベテランストライカーのFWジョレンテだ。基本的にケインのバックアップを担う34歳のスペイン人FWは今季のリーグ戦では20試合でわずかに1ゴールの数字にとどまった。しかし、今季ここまでのCLで果たした役割は非常に大きかった。
グループステージ敗退の危機を迎えた第4節PSV戦ではロングボールを落としてケインの同点ゴールを演出すると、ラウンド16のドルトムント戦、準々決勝のシティ戦ではいずれもセットプレーから貴重なゴールを記録。極めつけは準決勝2ndレグのアヤックス戦で後半頭から投入されると、前線での競り合いに勝ち続けてハットトリックのルーカスに次ぐ逆転突破の立役者となった。これまでの対戦相手に比べて高さや強さに不安のないリバプール相手にどこまでやれるかは不明だが、相手にとってピッチに入って来て嫌な選手であることに間違いはない。
その他の交代カードに関してはこれまでMFラメラ、MFワニャマぐらいしかオプションがなかったが、ケインの復帰、“ファンタスティック・フォー”に続く5人目として台頭したルーカスの存在によって、ジョレンテと共にケイン、ルーカス、デレ・アリのいずれかがベンチに置かれることになり、その主役級の3選手のいずれかが強力なジョーカーとして控えることになる。
一方、稼働率の高い世界屈指のトリデンテを擁するリバプールに関してはその3人を最後までプレーさせることが勝利の近道と言われるが、ジョレンテ同様にシーズン終盤に存在感を増したオリジがラッキーボーイ候補だ。
今夏、ヴォルフスブルクからレンタルバックした24歳のベルギー代表FWは当初構想外と思われたが、ひたむきな努力が評価されてリーグ第14節のエバートンとのマージーサイド・ダービーで今季リーグ初出場を飾ると、相手GKのミス絡みではあったものの後半ラストプレーで劇的な決勝点を挙げた。その後、2019年に入って出場時間は短いものの継続的にプレーを機会を与えられると、第37節のニューカッスル戦ではリーグ優勝に望みを繋ぐ決勝点を奪取。さらに、準決勝2ndレグバルセロナ戦では見事な決定力で先制点、決勝点と2つのゴールを記録し、“アンフィールドの奇跡”実現の立役者となった。いわゆる“持ってる”男はCL決勝という大舞台で再びその勝負強さを発揮するか。
その他の交代カードに関してはMFナビ・ケイタの不在は痛いが、リーグ戦のチェルシー戦で驚愕のゴラッソを叩き込んだ“一発”を持っているFWスタリッジ、シーズン序盤に存在感を示したFWシャキリ、長期離脱明けも対スパーズ戦で最も燃える男、MFチェンバレン、中盤の汗かきやMFララナが控える。また、バルセロナ戦で途中出場から2ゴールを決めたワイナルドゥム、超ユーティリティープレーヤーのミルナーのいずれかがベンチに控える点は心強い限りだ。
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【2024-25 プレミアリーグ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手は異次元のアタッカー
◆4連覇王者不振にロンドン勢奮闘も新生レッズが独走 開幕前には5連覇を狙うマンチェスター・シティ、アーセナルと直近2シーズンに優勝を争った2強を軸にタイトルレースが繰り広げられるかに思われたが、蓋を開けてみれば1試合未消化ながら2位以下に6ポイント差を付けたリバプール(勝ち点45)が首位を独走している。 クロップ長期体制終焉に伴い、前フェイエノールトのスロット監督を新指揮官に招へいしたリバプール。昨夏の移籍市場では主力の残留に成功した一方、純粋な補強はキエーザのみと上位争いへの関与に疑いはなかったが、タイトル争いの主役を演じると見る向きは少なかった。しかし、プレミア初挑戦のオランダ人指揮官の下、攻守両面で傑出した安定感をみせたマージーサイドの雄は14勝3分け1敗、最多45得点、最少タイ17失点と圧巻のスタッツを含め首位にふさわしいパフォーマンスを披露した。さらに、並行して戦うチャンピオンズリーグ(CL)ではリーグフェーズ唯一の全勝で首位、EFLカップ(カラバオカップ)でも準決勝進出と最高の前半戦を過ごした。 その首位チームに次ぐ2位は開幕前からタイトルコンテンダーに挙がっていたアーセナル(勝ち点39)。10月から11月の期間に4戦無勝利(2分け2敗)と厳しい時期を経験したが、開幕からの安定した滑り出しに年末年始の復調と上位陣において最も安定したチームのひとつだった。リバプールと並ぶリーグ最高の堅守に加え、昨季後半戦から猛威を振るうセットプレーによってしぶとく勝ち点を積み重ねてきた。現在、離脱中のサカ、不振の期間に不在だったウーデゴールと一部主力への依存度の高さ、ケガ人の多さや選手層の問題は懸念材料も、今冬の移籍市場で適切な補強ができれば、首位チームの状況次第で逆転優勝の可能性は十分にある。 リバプール同様に新指揮官の下で前半戦を4位で終えたチェルシー(勝ち点35)。昨夏の移籍市場では引き続き若手有望株を乱獲し、全体の経験不足と大きすぎるスカッドは懸念材料だったが、戦術の幅に用兵に優れたマレスカ新監督の下でここまで上位争いの主役の一角を担っている。ただ、上位陣との直接対決の戦績、年末年始での不振はやや気がかり。とりわけ、守備陣に目立つ離脱者の穴埋めやパーマー、ジャクソンの両エースの状態次第の攻撃面の改善は後半戦への課題となる。 その上位陣に引き離されて6位に甘んじるマンチェスター・シティ(勝ち点31)は、グアルディオラ体制において最も厳しい前半戦となった。開幕4連勝スタートも、9月末にバロンドーラーのロドリが長期離脱を強いられると、勤続疲労や相次ぐ離脱者も重なって大不振に。11月以降はペップ初のリーグ4連敗など、2勝2分け6敗と苦しい戦いを強いられた。プレー強度、切り替えの精度を中心に攻守両面でテコ入れが必要な部分は幅広く、稀代の名将も一時はお手上げ状態だった。今冬の移籍市場では数人の補強を行う見込みだが、財政違反の審理の影響も引き続き懸念されるなか、例年のような後半戦の無双状態に持っていくことは厳しいかもしれない。 その王者以上に厳しい前半戦を過ごしたのは11位のトッテナム(勝ち点24)、14位のマンチェスター・ユナイテッド(勝ち点22)。ポステコグルー体制2年目で補強も行ったトッテナムだが、消耗激しいプレースタイルと、今季はヨーロッパリーグ(EL)に参戦している影響で昨季以上に負傷者が増加。センターバックの主力3人、守護神ヴィカーリオと守備陣を中心に満身創痍の状況が続く。また、リーグ2位の得点数に得失点差+13とトップ4圏内のスタッツを残しながらも、試合ごとの大きすぎる波が低迷に繋がっている。 一方、昨季FAカップを制してテン・ハグ体制を継続したユナイテッドは各ポジションに新戦力も補強。だが、スパーズ同様に負傷者の多さと指揮官のマネジメントの拙さもあり、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定体制を挟み、11月中旬から前スポルティングCP指揮官のアモリム監督を招へい。ただ、新体制移行後も苦しい戦いは変わらず、残留争いも気になる前半戦となった。 ビッグ6以外では古豪ノッティンガム・フォレスト(勝ち点37)が3位と大躍進。前半戦の最大のサプライズチームとなった。また、シーズンが進むごとに本来の力を取り戻したニューカッスル(勝ち点32)が5位、ボーンマス(勝ち点30)やフルアム(勝ち点29)がトップハーフ入り。一方、昨季4位のアストン・ビラ(勝ち点29)は9位、MF三笘薫のブライトンは中盤戦以降の失速で10位フィニッシュ。 ボトムハーフではMF鎌田大地のクリスタル・パレス(勝ち点20)が15位、エバートンやウェストハムも苦しい戦いが続く。残留争いではDF菅原由勢を擁するサウサンプトン(勝ち点6)の最下位に、レスター・シティ(勝ち点14)、イプスウィッチ・タウン(勝ち点15)の昇格組が降格圏に沈んでいる。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWモハメド・サラー(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 得点ランキングとアシストランキングでトップ。前半戦に輝いた選手は数知れずも、前半戦のMVPは異論なく首位チームの攻撃をけん引した32歳のエジプト代表FWだ。開幕前の段階からピッチ外では契約延長問題が取り沙汰されるが、ピッチ上では開幕から圧巻の輝きを放った。 いずれもリーグトップの17ゴール13アシストを記録。特筆すべきはそのパフォーマンスの安定感で、唯一の敗戦となったノッティンガム・フォレスト戦、辛勝となったクリスタル・パレス戦の2試合を全試合でゴールかアシストを記録。前半戦の対ビッグ6の全試合でゴールを挙げる勝負強さが光った。 32歳とは思えないスピード、パワーに、アシスト数が物語るように、一時批判を浴びた利己的なプレーはほぼなくスーパーエースとして躍動した。 ★最優秀監督 ◆アルネ・スロット(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 首位快走に導く。フェイエノールト時代から優れた指揮官として評価されていたが、プレミア初采配に、クロップの後任として初めてメガクラブを指揮するオランダ人指揮官の手腕に懐疑的な見方も少なからずあった。 それでも、プレシーズンの段階から目の肥えた選手たちを納得させる指導をみせ、信頼を勝ち取ると、キャプテンを務めるファン・ダイク、中盤と前線でキープレーヤーとなったグラフェンベルフ、ガクポの同胞を中心にうまくチームがまとまった。 開幕直後こそメンバー固定に否定的な意見も出たが、交代策や試合中の修正力の高さを含めて非の打ち所がない采配によって節が進むごとにそういった批判を払拭。ルイス・ディアスのセンターフォワード起用や遠藤航の偽センターバック起用など、新たなオプションも構築。指導者としての引き出しの多さも垣間見せている。 【期待以上】 ★チーム ◆ノッティンガム・フォレスト <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦最大のサプライズ。昨季は残留圏内ギリギリの17位でフィニッシュした古豪が数多の強豪を抑えて前半戦を3位でフィニッシュ。昇格プレーオフを制して久々の復帰となった2022-23以降の2シーズンは総入れ替えに近いスカッド構築の問題で残留争いを強いられてきたが、ヌーノ体制2年目の今季は引き続き人員を入れ替えたものの、昨季後半戦をベースとした継続路線を選択した。 [4-3-3]と[3-4-2-1]を併用しながら、ポルトガル人指揮官が得意とする堅守速攻、セットプレーを軸に、ソリッドな戦いぶりで11勝4分け4敗という見事な戦績を残した。さらに、リバプールに今季唯一の黒星を付け、トッテナムやユナイテッドにも内容が伴った勝利を収めている。 個人の部分ではミレンコビッチ、アンダーソンとセンターラインに迎え入れた新戦力2人、リーグ得点ランキング上位に付けるベテランFWウッド、攻守に推進力と躍動感がある2列目のエランガ、ギブス=ホワイト、ハドソン=オドイが印象的。さらに、ムリージョとアイナの守備陣2人は強豪クラブの関心を集める躍動ぶりだった。 ★選手 ◆MFエリオット・アンダーソン(ノッティンガム・フォレスト) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新天地で躍動の“ジョーディ・マラドーナ”。クラブOBだった祖父の影響もあり8歳からニューカッスルのアカデミーに在籍したアンダーソンは、2021年にファーストチームデビュー。昨季はトップチームに定着するも、財務違反の処分回避の目的もあって昨夏フォレストへ売却される形となった。 繊細なボールタッチと攻撃センスに優れる天才肌は、新天地でセントラルMFでプレー。ここまでチームトップの5アシストを記録するなど持ち味である攻撃センスを遺憾なく発揮。さらに、トップ下や左サイドでもプレーする攻撃に特長を持つ選手ながらも、新天地では守備面でも奮闘が光る。 昨夏移籍時に総額3500万ポンドの移籍金と報じられており、ある意味で値段に見合った活躍と言えなくもないが、フォレスト躍進の象徴の一人として選出した。 【期待外れ】 ★チーム ◆マンチェスター・ユナイテッド <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 赤い悪魔の暗黒期続く。クラブの買収問題の長期化によって昨季を8位で終えたなか、ラトクリフ卿主導で初めて臨んだ移籍市場ではヨロ、デ・リフト、マズラウィ、ウガルテ、ザークツィーとセンターラインを中心に積極補強を敢行。開幕時点での期待感は大きかったが、結果的にはFAカップ優勝でテン・ハグ体制を延命させた決断が裏目に出た。 開幕から低空飛行が続いたなか、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定で持ち直したのち、11月中旬から宿敵シティもリストアップしていたアモリム監督を招へい。だが、新体制では2勝1分け5敗という厳しい戦績で前半戦を終える形となった。 新指揮官の手腕に疑いはないものの、戦術浸透に時間を擁するタイプな上、現状のスカッドでは個人でなんとかできるタイプのタレントが少なく、過密日程のなかでチームを成熟させながら逆転でのヨーロッパ出場権獲得へ巻き返すのは至難の業だ。 ★選手 ◆DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 大不振のチームとともに低調な前半戦に。ラッシュフォードやザークツィーといったユナイテッドの攻撃陣やソン・フンミン、エンケティアといった選手も厳しい前半戦となったが、フォーデンとともに絶対的な王者で不振に陥ったスキッパーを選出した。 30歳を過ぎて時期によってはパフォーマンスに波があったものの、34歳で臨んだ今季は開幕から低調な出来が続く。多くの離脱者の影響で軽傷を抱えながらプレーを続けているとの話もあるが、フィジカル的に無理が利かない以外にも集中力の欠如や責任感のないプレーも散見され、キャプテンという立場を考えれば批判は避けられない。 現状ではリコ・ルイスにファーストチョイスを奪われつつあるが、チームの後半戦の巻き返しに向けてはプレミア屈指の右サイドバックの復活が必須だ。 2025.01.09 22:24 Thu5