【CL決勝特集①】劇的に次ぐ劇的な戦いぶりで初のファイナル進出《トッテナム》
2019.06.01 21:30 Sat
2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝、トッテナムvsリバプールが日本時間6月1日28時からスペイン・マドリードのエスタディオ・メトロポリターノで開催される。2007-08シーズンのマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシー以来、11年ぶりのイングランド勢対決となったこの大一番を前に、ここまでの両チームの勝ち上がりを振り返っていく。
6勝4敗2分け
20得点13失点◆折り返し勝ち点1からの逆転劇!
今夏の移籍市場でプレミアリーグ史上初の新戦力補強ゼロに終わったトッテナムは、主力の多くがロシア・ワールドカップ(W杯)に出場した影響もあって厳しい前半戦を過ごすことに。そして、リーグ戦連敗の状況で臨んだインテルとのアウェイでの今季CL初戦では試合を通して主導権を握り、後半立ち上がりにMFエリクセンのゴールで先制に成功。しかし、試合終了間際の86分にFWイカルディのスーパーボレーで同点に追いつかれると、後半アディショナルタイムにもMFベシーノにセットプレーから逆転ゴールを決められて最悪のスタートを切ることに。これで流れを失うと、バルセロナとの第2戦では格上バルセロナ相手にやや無謀とも取れる真っ向勝負で臨んだ結果、FWメッシらに格の違いを見せつけられる2-4の大敗で連敗。また、勝利必須で臨んだPSVとのアウェイゲームではGKロリスの一発退場が響き、痛恨の2-2のドローに。
グループステージ折り返し時点で勝ち点1の3位と逆転突破は不可能と思われたが、諦めないチームはここから驚異の巻き返しを見せる。PSVとのホームでのリターンマッチでは開始直後に先制を許す最悪の展開も試合終盤にエースのFWケインが2ゴールを奪うエースの仕事を果たして逆転で今大会初勝利。さらに、2位通過を争うインテルとの直接対決では拮抗した展開の中、80分にMFエリクセンの値千金のゴールで先制に成功し1-0の勝利を収めて2位に浮上。最終節ではすでに首位通過を決めたバルセロナとのアウェイゲームで先制を許す苦しい戦いを強いられるも、85分にFWルーカス・モウラの劇的同点ゴールが生まれると、インテル相手にドローに持ち込んだPSVのアシストもあって劇的な形で2位通過を果たした。
インテル 2-1 トッテナム
トッテナム 2-4 バルセロナ
PSV 2-2 トッテナム
トッテナム 2-1 PSV
トッテナム 1-0 インテル
バルセロナ 1-1 トッテナム
◆スーパーヤンにソン・フンミンがドルトキラー発揮!
ホームでの1stレグではエースのMFロイズ不在もリーグ首位の好調を維持するドルトムント相手に劣勢の前半を強いられる。しかし、後半に入ると、左ウイングバックでのスクランブル起用を強いられたヴェルトンゲンが魅せる。後半立ち上がりにピンポイントクロスでソン・フンミンの先制点をお膳立てすると、83分にはDFオーリエのクロスをストライカーさながらのダイレクトボレーで合わせ、追加点まで奪取。これで勢いに乗ったトッテナムは途中出場のFWジョレンテにもゴールが生まれ、望外の3-0のスコアで先勝に成功した。また、守護神ロリスが主役となったドルトムントホームでの2ndレグは防戦一方の状況を頼れるスキッパーの活躍で凌ぐと、後半に負傷明けケインの見事な決定力でトドメのアウェイゴールを奪い、2戦合計4-0の圧勝劇でベスト8進出を果たした。
▽ラウンド16結果
トッテナム 3-0 ドルトムント
ドルトムント 0-1 トッテナム
◆VARが明暗分けたシティとの激闘!
新スタジアムでのCL初陣となった1stレグでは連戦を考慮してMFデルフやMFマフレズの抜擢に、[4-2-3-1]のシステム変更を行ったシティに対して、同じ[4-2-3-1]での真っ向勝負を選んだポチェッティーノ監督の英断が報われることに。立ち上がりにVARによってDFローズがハンドを取られて与えたPKをGKロリスが見事な反応でFWアグエロのシュートをストップし流れを掴むと、その後は果敢なプレスを武器に試合の流れを掌握。しかし、0-0のスコアで迎えた後半立ち上がりにはデルフとの接触でケインが足首のじん帯を損傷し負傷交代を強いられる。このアクシデントで勢いを失いかけたホームチームだったが、78分にはエリクセンからのパスをゴールラインぎりぎりで残したソン・フンミンが鋭いカットインからの左足のゴールで直近リーグ戦のクリスタル・パレス戦に続く新スタジアムでのCLファーストゴールを記録し、1-0での先勝に成功した。
その翌週に行われた難所シティ・オブ・マンチェスターでの2ndレグでは文字通りの壮絶な打ち合いに。ケイン不在もあって初戦と異なる[4-3-1-2]の布陣で臨んだ中、開始4分にFWスターリングの個人技であっさりと2戦合計タイとなる先制ゴールを献上。だが、初戦でも存在感を放ったソン・フンミンが相手DFラポルテの2つのミスを突き7分と10分に圧巻の連続ゴールを奪い、貴重な2つのアウェイゴールと共に逆転に成功する。しかし、システム変更によってプレスがハマらず、11分にMFベルナルド・シウバ、21分にスターリングとあっさりとゴールを許してソン・フンミンが獲得したアドバンテージを前半のうちに失ってしまう。さらに、MFムサ・シソコの負傷交代によってジョレンテの投入も余儀なくされた。すると、押し込まれた後半立ち上がりの59分には絶好調のMFデ・ブライネに3度目のアシストを許し、アグエロに2戦合計逆転となる4点目を許した。
ここまでの試合の流れを考えれば、このままシティが押し切るかに思われたが、粘りのスパーズはここから試合を引っくり返す。73分、左CKの場面でDFトリッピアーのニアへのクロスに反応したジョレンテが腰付近にボールを当ててゴールに流し込む。ハンドが疑われたため、VARによるレビューが行われたものの正当なゴールと認められた。これで2戦合計4-4もアウェイゴール数で優位に立ったトッテナムはシティの猛攻に晒されると、後半アディショナルタイムにVAR介入の大きなドラマ。エリクセンの不用意な自陣でのバックパスをベルナルド・シウバに引っ掛けられてアグエロを経由したボールをスターリングに決められる。これでシティの劇的突破と思われたが、VARのレビューの結果、アグエロのオフサイドとの判定でゴールは認められず。そして、VARのアシストを受けたトッテナムがシティとの同国対決を制してベスト4進出を果たした。
▽準々決勝結果
トッテナム 1-0 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 4-3 トッテナム
◆飛車角抜きに過密日程撥ね返す魂の勝利!
ケインに加え、ソン・フンミンを出場停止で欠く飛車角抜きの状況でホームでの1stレグに臨んだトッテナムは、“進撃のヨング・アヤックス”の勢いに呑まれることに。守備的に入った中で前半の15分には相手の見事な連係プレーからMFファン・デ・ベークに痛恨のアウェイゴールを献上してしまう。さらに、味方との接触で顔面を打ったヴェルトンゲンの負傷交代というアクシデントに見舞われた中、攻撃的な交代カードを欠くチームは相手に2つ目のアウェイゴールを与えないことが精一杯の苦しい戦いぶりでホームでの初戦を0-1で落とすことに。
また、ソン・フンミンの復帰によって巻き返しを狙うアウェイでの2ndレグに向けては4日前に行われたボーンマス戦で2人の退場者を出して40分間を9人で戦う異例の状況を強いられたこともあり、コンディションに不安を抱える中での戦いとなった。そして、前半の立ち上がりにDFデ・リフトにセットプレーから先制を許す最悪な入りを強いられると、押し返し始めた前半半ばにもMFジイェフに追加点を奪われ、2戦合計0-3の厳しすぎる状況で前半を終えることになった。
それでも、190cmを超える屈強なベテランストライカー、ジョレンテの投入で流れを引き寄せたトッテナムは55分に高速カウンターからルーカス、直後の59分にはボックス内での混戦から再びルーカスが複数の相手DFを翻弄するステップワークからのゴラッソで連足ゴールを奪い、一気に点差を縮めてあと1ゴールで逆転できる状況に追い上げた。しかし、ホームの大歓声を後押しに粘り強く戦うアヤックスを前に3点目を奪うことができず、試合は5分が与えられた後半アディショナルタイムを残すのみに。この最終盤も決定機を作り出せないトッテナムだったが、ラストプレーの場面で最後尾のシソコからのロングボールをジョレンテが身体を張って落とすと、これをデレ・アリが絶妙なダイレクトパスでボックス中央のルーカスに繋ぐと、これをルーカスが左足でゴール右隅に流し込み、ハットトリックを達成すると共にトッテナムをクラブ史上初のCL決勝に導いた。
▽準決勝結果
トッテナム 0-1 アヤックス
アヤックス 2-3 トッテナム
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◆トッテナム 2018-19シーズンCL戦績6勝4敗2分け
20得点13失点◆折り返し勝ち点1からの逆転劇!
Getty Images
昨季のプレミアリーグを3位で終えたトッテナムは優勝候補筆頭のスペイン王者バルセロナ、セリエA4位のインテル、オランダ王者PSVという難敵3チームと同居したグループBに組み込まれることになった。グループステージ折り返し時点で勝ち点1の3位と逆転突破は不可能と思われたが、諦めないチームはここから驚異の巻き返しを見せる。PSVとのホームでのリターンマッチでは開始直後に先制を許す最悪の展開も試合終盤にエースのFWケインが2ゴールを奪うエースの仕事を果たして逆転で今大会初勝利。さらに、2位通過を争うインテルとの直接対決では拮抗した展開の中、80分にMFエリクセンの値千金のゴールで先制に成功し1-0の勝利を収めて2位に浮上。最終節ではすでに首位通過を決めたバルセロナとのアウェイゲームで先制を許す苦しい戦いを強いられるも、85分にFWルーカス・モウラの劇的同点ゴールが生まれると、インテル相手にドローに持ち込んだPSVのアシストもあって劇的な形で2位通過を果たした。
▽グループステージ結果
インテル 2-1 トッテナム
トッテナム 2-4 バルセロナ
PSV 2-2 トッテナム
トッテナム 2-1 PSV
トッテナム 1-0 インテル
バルセロナ 1-1 トッテナム
◆スーパーヤンにソン・フンミンがドルトキラー発揮!
Getty Images
コンディションが上向いたシーズン中盤からリーグ戦でも復調を見せて迎えた決勝トーナメント初戦のラウンド16ではグループAを首位通過したドルトムントと対戦。エースのケイン、MFデレ・アリに左サイドバックの主力2選手がコンディション不良と苦しい台所事情を強いられたが、昨季グループステージで連勝を飾った相手に対して伏兵ヴェルトンゲンとドイツ時代からドルトムントキラーとしてならしたFWソン・フンミンが躍動を見せた。ホームでの1stレグではエースのMFロイズ不在もリーグ首位の好調を維持するドルトムント相手に劣勢の前半を強いられる。しかし、後半に入ると、左ウイングバックでのスクランブル起用を強いられたヴェルトンゲンが魅せる。後半立ち上がりにピンポイントクロスでソン・フンミンの先制点をお膳立てすると、83分にはDFオーリエのクロスをストライカーさながらのダイレクトボレーで合わせ、追加点まで奪取。これで勢いに乗ったトッテナムは途中出場のFWジョレンテにもゴールが生まれ、望外の3-0のスコアで先勝に成功した。また、守護神ロリスが主役となったドルトムントホームでの2ndレグは防戦一方の状況を頼れるスキッパーの活躍で凌ぐと、後半に負傷明けケインの見事な決定力でトドメのアウェイゴールを奪い、2戦合計4-0の圧勝劇でベスト8進出を果たした。
▽ラウンド16結果
トッテナム 3-0 ドルトムント
ドルトムント 0-1 トッテナム
◆VARが明暗分けたシティとの激闘!
Getty Images
2010-11シーズン以来の準々決勝の舞台ではラウンド16でシャルケを破ったマンチェスター・シティとの同国対決に。直近のリーグ戦4敗1分けと再び大不振に陥った中、下馬評ではシティの絶対優位が囁かれていたが、約半年遅れでの開場となった新本拠地トッテナム・ホットスパー・スタジアムのホームアドバンテージと絶好調のソン・フンミン、決勝トーナメントから導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が大きなドラマを生むことになった。新スタジアムでのCL初陣となった1stレグでは連戦を考慮してMFデルフやMFマフレズの抜擢に、[4-2-3-1]のシステム変更を行ったシティに対して、同じ[4-2-3-1]での真っ向勝負を選んだポチェッティーノ監督の英断が報われることに。立ち上がりにVARによってDFローズがハンドを取られて与えたPKをGKロリスが見事な反応でFWアグエロのシュートをストップし流れを掴むと、その後は果敢なプレスを武器に試合の流れを掌握。しかし、0-0のスコアで迎えた後半立ち上がりにはデルフとの接触でケインが足首のじん帯を損傷し負傷交代を強いられる。このアクシデントで勢いを失いかけたホームチームだったが、78分にはエリクセンからのパスをゴールラインぎりぎりで残したソン・フンミンが鋭いカットインからの左足のゴールで直近リーグ戦のクリスタル・パレス戦に続く新スタジアムでのCLファーストゴールを記録し、1-0での先勝に成功した。
その翌週に行われた難所シティ・オブ・マンチェスターでの2ndレグでは文字通りの壮絶な打ち合いに。ケイン不在もあって初戦と異なる[4-3-1-2]の布陣で臨んだ中、開始4分にFWスターリングの個人技であっさりと2戦合計タイとなる先制ゴールを献上。だが、初戦でも存在感を放ったソン・フンミンが相手DFラポルテの2つのミスを突き7分と10分に圧巻の連続ゴールを奪い、貴重な2つのアウェイゴールと共に逆転に成功する。しかし、システム変更によってプレスがハマらず、11分にMFベルナルド・シウバ、21分にスターリングとあっさりとゴールを許してソン・フンミンが獲得したアドバンテージを前半のうちに失ってしまう。さらに、MFムサ・シソコの負傷交代によってジョレンテの投入も余儀なくされた。すると、押し込まれた後半立ち上がりの59分には絶好調のMFデ・ブライネに3度目のアシストを許し、アグエロに2戦合計逆転となる4点目を許した。
ここまでの試合の流れを考えれば、このままシティが押し切るかに思われたが、粘りのスパーズはここから試合を引っくり返す。73分、左CKの場面でDFトリッピアーのニアへのクロスに反応したジョレンテが腰付近にボールを当ててゴールに流し込む。ハンドが疑われたため、VARによるレビューが行われたものの正当なゴールと認められた。これで2戦合計4-4もアウェイゴール数で優位に立ったトッテナムはシティの猛攻に晒されると、後半アディショナルタイムにVAR介入の大きなドラマ。エリクセンの不用意な自陣でのバックパスをベルナルド・シウバに引っ掛けられてアグエロを経由したボールをスターリングに決められる。これでシティの劇的突破と思われたが、VARのレビューの結果、アグエロのオフサイドとの判定でゴールは認められず。そして、VARのアシストを受けたトッテナムがシティとの同国対決を制してベスト4進出を果たした。
▽準々決勝結果
トッテナム 1-0 マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 4-3 トッテナム
◆飛車角抜きに過密日程撥ね返す魂の勝利!
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前身チャンピオンズカップ時代以来、57年ぶりのベスト4進出を果たしたトッテナムは、決勝トーナメントでレアル・マドリー、ユベントスと優勝候補2チームを連破した今大会屈指のダークホースとなったアヤックスと対戦。シティ戦以上の劇的な展開は起こりえないと思われたが、今大会で最もエモーショナルなチームはこの準決勝でも劇的過ぎるドラマの主役となった。ケインに加え、ソン・フンミンを出場停止で欠く飛車角抜きの状況でホームでの1stレグに臨んだトッテナムは、“進撃のヨング・アヤックス”の勢いに呑まれることに。守備的に入った中で前半の15分には相手の見事な連係プレーからMFファン・デ・ベークに痛恨のアウェイゴールを献上してしまう。さらに、味方との接触で顔面を打ったヴェルトンゲンの負傷交代というアクシデントに見舞われた中、攻撃的な交代カードを欠くチームは相手に2つ目のアウェイゴールを与えないことが精一杯の苦しい戦いぶりでホームでの初戦を0-1で落とすことに。
また、ソン・フンミンの復帰によって巻き返しを狙うアウェイでの2ndレグに向けては4日前に行われたボーンマス戦で2人の退場者を出して40分間を9人で戦う異例の状況を強いられたこともあり、コンディションに不安を抱える中での戦いとなった。そして、前半の立ち上がりにDFデ・リフトにセットプレーから先制を許す最悪な入りを強いられると、押し返し始めた前半半ばにもMFジイェフに追加点を奪われ、2戦合計0-3の厳しすぎる状況で前半を終えることになった。
それでも、190cmを超える屈強なベテランストライカー、ジョレンテの投入で流れを引き寄せたトッテナムは55分に高速カウンターからルーカス、直後の59分にはボックス内での混戦から再びルーカスが複数の相手DFを翻弄するステップワークからのゴラッソで連足ゴールを奪い、一気に点差を縮めてあと1ゴールで逆転できる状況に追い上げた。しかし、ホームの大歓声を後押しに粘り強く戦うアヤックスを前に3点目を奪うことができず、試合は5分が与えられた後半アディショナルタイムを残すのみに。この最終盤も決定機を作り出せないトッテナムだったが、ラストプレーの場面で最後尾のシソコからのロングボールをジョレンテが身体を張って落とすと、これをデレ・アリが絶妙なダイレクトパスでボックス中央のルーカスに繋ぐと、これをルーカスが左足でゴール右隅に流し込み、ハットトリックを達成すると共にトッテナムをクラブ史上初のCL決勝に導いた。
▽準決勝結果
トッテナム 0-1 アヤックス
アヤックス 2-3 トッテナム
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FAカップ4回戦の組み合わせ抽選会が12日に行われた。 イングランドサッカー協会(FA)に登録されている全てのクラブが出場可能なFAカップ。プレミアリーグ勢、チャンピオンシップ(2部)勢が参戦した3回戦ではブレントフォードが唯一下位カテゴリーに敗れたものの、アーセナルやウェストハムといったプレミア勢対決に敗れたチームを除いて波乱は起きなかった。 そんななか、今回決まった4回戦では三笘薫のブライトン&ホーヴ・アルビオンがチェルシーとのプレミア勢対決に。さらに、アーセナルを撃破した前大会王者マンチェスター・ユナイテッドは、クラブOBで今季途中までコーチングスタッフを務めていたルート・ファン・ニステルローイ監督が率いるレスター・シティと対戦。さらに、アストン・ビラvsトッテナム、エバートンvsボーンマスがプレミア勢対決となった。 遠藤航所属のリバプールはブレントフォード撃破のプリマス・アーガイルと、マンチェスター・シティはレイトン・オリエントvsダービー・カウンティの勝者との対戦となる。 その他の日本人所属のプレミアリーグクラブでは菅原由勢のサウサンプトンがバーンリー、鎌田大地のクリスタル・パレスがドンカスターと対戦。 その他では大橋祐紀(ブラックバーン)、坂元達裕(コヴェントリー・シティ)、瀬古樹(ストーク・シティ)、田中碧(リーズ・ユナイテッド)、岩田智輝、横山歩夢のバーミンガム・シティが参戦する。 なお、FAカップ4回戦は2月第2週の週末に開催予定だ。 ◆FAカップ4回戦対戦カード マンチェスター・ユナイテッド vs レスター リーズ(2) vs ミルウォール(2)orダゲナム&レッドブリッジ(5) ブライトン vs チェルシー プレストン(2)orチャールトン(3) vs ウィコム・ワンダラーズ(3) エクセター・シティ(3) vs ノッティンガム・フォレスト コヴェントリー(2) vs イプスウィッチ ブラックバーン(2) vs ウォルバーハンプトン マンスフィールド(3)orウィガン(3) vs フルアム バーミンガム(3) vs ニューカッスル プリマス(2) vs リバプール エバートン vs ボーンマス アストン・ビラ vs トッテナム サウサンプトン vs バーンリー(2) レイトン・オリエント(3)orダービー・カウンティ(2) vs マンチェスター・シティ ドンカスター(4) vs クリスタル・パレス カーディフ(2) vs ストーク・シティ(2) ◆FAカップ3回戦 結果&日程 ▽1/9 シェフィールド・ユナイテッド(2) 0-1 カーディフ(2) エバートン 2-0 ピーターバラ(3) フルアム 4-1 ワトフォード(2) ▽1/10 ウィコム・ワンダラーズ(3) 2-0 ポーツマス(2) アストン・ビラ 2-1 ウェストハム ▽1/11 バーミンガム(3) 2-1 リンカーン(3) ブリストル・シティ(2) 1-2 ウォルバーハンプトン ミドルズブラ(2) 0-1 ブラックバーン(2) リバプール 4-0 アクリントン(4) レスター 6-2 QPR(2) ボーンマス 5-1 WBA(2) ブレントフォード 0-1 プリマス(2) チェルシー 5-0 モアカム(4) エクセター・シティ(3) 3-1 オックスフォード・ユナイテッド(2) ノリッジ(2) 0-4 ブライトン ノッティンガム・フォレスト 2-0 ルートン・タウン(2) レディング(3) 1-3 バーンリー(2) サンダーランド(2) 1-2 ストーク・シティ(2) リーズ(2) 1-0 ハローゲート・タウン(4) マンチェスター・シティ 8-0 サルフォード(4) コヴェントリー(2) 1-1(PK:4-3) シェフィールド・ウェンズデー(2) ハル・シティ(2) 1-1(PK:4-5) ドンカスター(4) ▽1/12 タムワース(5) 0-3 トッテナム アーセナル 1-1(PK:3-5) マンチェスター・ユナイテッド クリスタル・パレス 1-0 ストックポート(3) イプスウィッチ 3-0 ブリストル・ローヴァーズ(3) ニューカッスル 3-1 ブロムリー(4) サウサンプトン 3-0 スウォンジー・シティ(2) ▽1/13 ミルウォール(2) vs ダゲナム&レッドブリッジ(5) ▽1/14 レイトン・オリエント(3) vs ダービー・カウンティ(2) マンスフィールド(3) vs ウィガン(3) プレストン(2) vs チャールトン(3) ※()内は所属カテゴリー 2025.01.13 06:34 Mon2
アーセナルが会心の逆転勝利でNLダービーでダブル達成! スパーズは不運な同点弾響くも力負け【プレミアリーグ】
プレミアリーグ第21節、アーセナルvsトッテナムが15日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが2-1で逆転勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は負傷欠場となった。 現在、2位のアーセナル(勝ち点40)は前節、ブライトン相手に追いつかれての1-1のドロー。続くEFLカップ準決勝1stレグではニューカッスルにホームで0-2の敗戦を喫すると、直近のFAカップではマンチェスター・ユナイテッドにPK戦の末に敗れ無念の敗退となった。 公式戦3試合未勝利と苦境が続くなか、バウンスバックの勝利を狙った宿敵との一戦ではユナイテッド戦から先発4人を変更。左ヒザ前十字じん帯断裂の重傷を負ったガブリエウ・ジェズスの代役にスターリングを起用したほか、ジョルジーニョとメリーノ、マルティネッリに代えてトーマス、ライス、トロサールを復帰させた。 対する12位のトッテナム(勝ち点24)は前節、ニューカッスル相手に善戦も1-2で敗れ、直近1分け3敗のリーグ4戦未勝利と低迷。それでも、EFLカップのリバプール戦では絶好調の相手に公式戦25戦ぶりの黒星を与え、FAカップでは5部相手に延長戦まで持ち込まれる失態を演じたが、最終的には3-0で勝利。2試合連続クリーンシートとともに公式戦連勝で今回のダービーを迎えた。 ポステコグルー監督はFAカップで温存した一部主力を復帰させ、リバプール戦からは先発1人を変更。脳震とうで離脱のベンタンクールに代えてサールを起用した。 ともに満身創痍も、ノースロンドンの覇権を懸けた意地と意地がぶつかり合う激戦必至のダービーマッチ。立ち上がりはホームのアーセナルが勢いを持って入った。開始3分にはハイプレスからビルドアップのミスを誘発し、ボックス内に走り込むスターリングに決定機も、ここはGKキンスキーとDFグレイの好対応によってシュートまで持ち込めず。 開始早々の先制点とはならずも、良い入りを見せたホームチームは相手のプレスをいなすパスワークに、ボールを失っても即時奪回。相手陣内でハーフコートゲームを展開。内と外で揺さぶりながら、再三のセットプレーでチャンスを窺う。さらに、流れの中でも13分にトロサールがボックス内で決定的なシュートを放つが、これはDFドラグシンのブロックに遭う。 一方、防戦一方の展開でなんとか無失点で耐えたトッテナムは、20分過ぎにスペンスの豪快な持ち上がりを活かしたカウンターで局面を打開。最初のCKを獲得すると、このプレーでボックス内のクルゼフスキが右足シュートでファーストシュートとともに最初の決定機を創出。 これはGKラヤのビッグセーブに阻まれたが、流れを変えたアウェイチームは2度目のチャンスでゴールをこじ開けた。25分、右CKのショートコーナーからペドロ・ポロの右クロスがDFに撥ね返されたこぼれに反応したソン・フンミンが抑えの利いた右足ダイレクトシュートを放つと、DFサリバの足先に当たってコースが変わったボールがゴール右隅に吸い込まれた。 このゴールによってアーセナルの勢いが徐々に失われ、引き続き押し込みながら攻撃が完全に停滞。だが、幸運な形から生まれた同点ゴールによって一気に流れが変わった。 40分、アーセナルのカウンターからトロサールがゴールライン際で折り返したボールをDFポロがブロック。この撥ね返りがトロサールに当たってゴールラインを割ったが、主審はゴールキックではなくコーナーキックと判定。すると、ライスの右足インスウィングの鋭い右CKをファーでガブリエウが頭で折り返したボールがソランケにディフレクトしてゴールネットに吸い込まれた。 この同点ゴールで勢いづくアーセナルは44分、相手陣内でトーマスがビスマを潰した流れからカウンターを発動。ウーデゴールから左サイドでパスを受けたトロサールがボックス内に運んで左足を振り抜くと、コース自体は甘かったものの、自身の手前でバウンドしたボールをGKキンスキーがはじき出すことができず、そのままゴール右隅に突き刺さった。 アーセナルが逆転して折り返した後半。先に動いたのはアウェイチーム。サールとビスマをベンチに下げてマディソン、ブレナン・ジョンソンを同時投入し、より攻撃的な布陣で同点、逆転を目指す。 立ち上がりはボールを握って相手陣内深くに押し込み、ソン・フンミンのシュートなどで際どいシーンも作り出したトッテナム。しかし、時間の経過とともに押し返されてしまう。ベリヴァルらの体を張った守備で3失点目は回避も、相手にうまく試合のテンポをコントロールされる。 その後、アーセナルはスターリング、トロサールを下げてマルティネッリ、ティアニーと2列目の選手を入れ替えながらブロックを構えて相手を撥ね返しながら時計を進めていく。対してトッテナムはソン・フンミンを下げて負傷明けのリシャルリソンをピッチに送り出した。 両守備陣の粘りもあって試合は1点差のまま最終盤に突入。逃げ切りを図るアーセナルに対して、なんとか追いつきたいトッテナムはリスクを冒して攻撃に出たが、ソランケのバイシクルシュートやボックス右でポロが放ったシュートは右ポストを叩き万事休す。 この結果、ホームで逆転勝ちのアーセナルが前回対戦に続く1点差勝ちでノースロンドン・ダービーでシーズンダブルを達成。公式戦4試合ぶりの白星を手にした。一方、トッテナムはこれでリーグ2連敗且つ5戦未勝利で下位に低迷している。 アーセナル 2-1 トッテナム 【アーセナル】 オウンゴール(前40) レアンドロ・トロサール(前44) 【トッテナム】 ソン・フンミン(前25) <span class="paragraph-title">【動画】NLDで生まれたソン&トロサールのゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">セットプレーのこぼれ球を<br>ソン・フンミンが蹴り込む<br>ノースロンドンダービーは<br>アウェイのスパーズが先制<br><br>プレミアリーグ 第21節<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%8A%E3%83%AB?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#アーセナル</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%A0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#トッテナム</a><br><br><a href="https://t.co/IQcfgHPywb">https://t.co/IQcfgHPywb</a> <a href="https://t.co/yOUYKivyim">pic.twitter.com/yOUYKivyim</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1879628288521593076?ref_src=twsrc%5Etfw">January 15, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">カウンターから<br>ウーデゴールトロサール<br>アーセナル逆転<br><br>プレミアリーグ 第21節<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%8A%E3%83%AB?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#アーセナル</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%A0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#トッテナム</a><br><br><a href="https://t.co/IQcfgHPywb">https://t.co/IQcfgHPywb</a> <a href="https://t.co/x3r7B1yLoX">pic.twitter.com/x3r7B1yLoX</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1879634026732110012?ref_src=twsrc%5Etfw">January 15, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.16 07:13 Thu3
ヴェルナーがアーセナル戦欠場…直近FAカップで負傷が発覚
トッテナムのドイツ代表FWティモ・ヴェルナーが、負傷によってノースロンドン・ダービーを欠場することになった。 今シーズンここまでは途中出場をメインに26試合に出場も、わずか1ゴールにとどまるヴェルナー。今冬のタイミングでのレンタル打ち切りの可能性が指摘される一方、多くの離脱者を抱えるなかで稼働率はまずまずで、クラブもバックアッパーとして戦力に見込んでいる。 しかし、15日にプレミアリーグ第21節、宿敵アーセナルとのダービーを控えるなか、公式会見に臨んだアンジェ・ポステコグルー監督は、直近のFAカップ3回戦のタムワース戦でドイツ代表FWが負傷したことを明かした。 「彼はハムストリングを負傷した。スキャンの結果を待っているところだ」と語り、現時点で離脱期間は不明も、アーセナル戦を欠場する見込みであることを明かした。 その他の負傷者に進展は見られないものの、先日からチームトレーニングに復帰していたブラジル代表FWリシャルリソンがヴェルナーに代わってメンバー入りが可能となる。 2025.01.15 09:20 Wed4
【2024-25 プレミアリーグ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手は異次元のアタッカー
◆4連覇王者不振にロンドン勢奮闘も新生レッズが独走 開幕前には5連覇を狙うマンチェスター・シティ、アーセナルと直近2シーズンに優勝を争った2強を軸にタイトルレースが繰り広げられるかに思われたが、蓋を開けてみれば1試合未消化ながら2位以下に6ポイント差を付けたリバプール(勝ち点45)が首位を独走している。 クロップ長期体制終焉に伴い、前フェイエノールトのスロット監督を新指揮官に招へいしたリバプール。昨夏の移籍市場では主力の残留に成功した一方、純粋な補強はキエーザのみと上位争いへの関与に疑いはなかったが、タイトル争いの主役を演じると見る向きは少なかった。しかし、プレミア初挑戦のオランダ人指揮官の下、攻守両面で傑出した安定感をみせたマージーサイドの雄は14勝3分け1敗、最多45得点、最少タイ17失点と圧巻のスタッツを含め首位にふさわしいパフォーマンスを披露した。さらに、並行して戦うチャンピオンズリーグ(CL)ではリーグフェーズ唯一の全勝で首位、EFLカップ(カラバオカップ)でも準決勝進出と最高の前半戦を過ごした。 その首位チームに次ぐ2位は開幕前からタイトルコンテンダーに挙がっていたアーセナル(勝ち点39)。10月から11月の期間に4戦無勝利(2分け2敗)と厳しい時期を経験したが、開幕からの安定した滑り出しに年末年始の復調と上位陣において最も安定したチームのひとつだった。リバプールと並ぶリーグ最高の堅守に加え、昨季後半戦から猛威を振るうセットプレーによってしぶとく勝ち点を積み重ねてきた。現在、離脱中のサカ、不振の期間に不在だったウーデゴールと一部主力への依存度の高さ、ケガ人の多さや選手層の問題は懸念材料も、今冬の移籍市場で適切な補強ができれば、首位チームの状況次第で逆転優勝の可能性は十分にある。 リバプール同様に新指揮官の下で前半戦を4位で終えたチェルシー(勝ち点35)。昨夏の移籍市場では引き続き若手有望株を乱獲し、全体の経験不足と大きすぎるスカッドは懸念材料だったが、戦術の幅に用兵に優れたマレスカ新監督の下でここまで上位争いの主役の一角を担っている。ただ、上位陣との直接対決の戦績、年末年始での不振はやや気がかり。とりわけ、守備陣に目立つ離脱者の穴埋めやパーマー、ジャクソンの両エースの状態次第の攻撃面の改善は後半戦への課題となる。 その上位陣に引き離されて6位に甘んじるマンチェスター・シティ(勝ち点31)は、グアルディオラ体制において最も厳しい前半戦となった。開幕4連勝スタートも、9月末にバロンドーラーのロドリが長期離脱を強いられると、勤続疲労や相次ぐ離脱者も重なって大不振に。11月以降はペップ初のリーグ4連敗など、2勝2分け6敗と苦しい戦いを強いられた。プレー強度、切り替えの精度を中心に攻守両面でテコ入れが必要な部分は幅広く、稀代の名将も一時はお手上げ状態だった。今冬の移籍市場では数人の補強を行う見込みだが、財政違反の審理の影響も引き続き懸念されるなか、例年のような後半戦の無双状態に持っていくことは厳しいかもしれない。 その王者以上に厳しい前半戦を過ごしたのは11位のトッテナム(勝ち点24)、14位のマンチェスター・ユナイテッド(勝ち点22)。ポステコグルー体制2年目で補強も行ったトッテナムだが、消耗激しいプレースタイルと、今季はヨーロッパリーグ(EL)に参戦している影響で昨季以上に負傷者が増加。センターバックの主力3人、守護神ヴィカーリオと守備陣を中心に満身創痍の状況が続く。また、リーグ2位の得点数に得失点差+13とトップ4圏内のスタッツを残しながらも、試合ごとの大きすぎる波が低迷に繋がっている。 一方、昨季FAカップを制してテン・ハグ体制を継続したユナイテッドは各ポジションに新戦力も補強。だが、スパーズ同様に負傷者の多さと指揮官のマネジメントの拙さもあり、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定体制を挟み、11月中旬から前スポルティングCP指揮官のアモリム監督を招へい。ただ、新体制移行後も苦しい戦いは変わらず、残留争いも気になる前半戦となった。 ビッグ6以外では古豪ノッティンガム・フォレスト(勝ち点37)が3位と大躍進。前半戦の最大のサプライズチームとなった。また、シーズンが進むごとに本来の力を取り戻したニューカッスル(勝ち点32)が5位、ボーンマス(勝ち点30)やフルアム(勝ち点29)がトップハーフ入り。一方、昨季4位のアストン・ビラ(勝ち点29)は9位、MF三笘薫のブライトンは中盤戦以降の失速で10位フィニッシュ。 ボトムハーフではMF鎌田大地のクリスタル・パレス(勝ち点20)が15位、エバートンやウェストハムも苦しい戦いが続く。残留争いではDF菅原由勢を擁するサウサンプトン(勝ち点6)の最下位に、レスター・シティ(勝ち点14)、イプスウィッチ・タウン(勝ち点15)の昇格組が降格圏に沈んでいる。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWモハメド・サラー(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 得点ランキングとアシストランキングでトップ。前半戦に輝いた選手は数知れずも、前半戦のMVPは異論なく首位チームの攻撃をけん引した32歳のエジプト代表FWだ。開幕前の段階からピッチ外では契約延長問題が取り沙汰されるが、ピッチ上では開幕から圧巻の輝きを放った。 いずれもリーグトップの17ゴール13アシストを記録。特筆すべきはそのパフォーマンスの安定感で、唯一の敗戦となったノッティンガム・フォレスト戦、辛勝となったクリスタル・パレス戦の2試合を全試合でゴールかアシストを記録。前半戦の対ビッグ6の全試合でゴールを挙げる勝負強さが光った。 32歳とは思えないスピード、パワーに、アシスト数が物語るように、一時批判を浴びた利己的なプレーはほぼなくスーパーエースとして躍動した。 ★最優秀監督 ◆アルネ・スロット(リバプール) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 首位快走に導く。フェイエノールト時代から優れた指揮官として評価されていたが、プレミア初采配に、クロップの後任として初めてメガクラブを指揮するオランダ人指揮官の手腕に懐疑的な見方も少なからずあった。 それでも、プレシーズンの段階から目の肥えた選手たちを納得させる指導をみせ、信頼を勝ち取ると、キャプテンを務めるファン・ダイク、中盤と前線でキープレーヤーとなったグラフェンベルフ、ガクポの同胞を中心にうまくチームがまとまった。 開幕直後こそメンバー固定に否定的な意見も出たが、交代策や試合中の修正力の高さを含めて非の打ち所がない采配によって節が進むごとにそういった批判を払拭。ルイス・ディアスのセンターフォワード起用や遠藤航の偽センターバック起用など、新たなオプションも構築。指導者としての引き出しの多さも垣間見せている。 【期待以上】 ★チーム ◆ノッティンガム・フォレスト <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦最大のサプライズ。昨季は残留圏内ギリギリの17位でフィニッシュした古豪が数多の強豪を抑えて前半戦を3位でフィニッシュ。昇格プレーオフを制して久々の復帰となった2022-23以降の2シーズンは総入れ替えに近いスカッド構築の問題で残留争いを強いられてきたが、ヌーノ体制2年目の今季は引き続き人員を入れ替えたものの、昨季後半戦をベースとした継続路線を選択した。 [4-3-3]と[3-4-2-1]を併用しながら、ポルトガル人指揮官が得意とする堅守速攻、セットプレーを軸に、ソリッドな戦いぶりで11勝4分け4敗という見事な戦績を残した。さらに、リバプールに今季唯一の黒星を付け、トッテナムやユナイテッドにも内容が伴った勝利を収めている。 個人の部分ではミレンコビッチ、アンダーソンとセンターラインに迎え入れた新戦力2人、リーグ得点ランキング上位に付けるベテランFWウッド、攻守に推進力と躍動感がある2列目のエランガ、ギブス=ホワイト、ハドソン=オドイが印象的。さらに、ムリージョとアイナの守備陣2人は強豪クラブの関心を集める躍動ぶりだった。 ★選手 ◆MFエリオット・アンダーソン(ノッティンガム・フォレスト) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新天地で躍動の“ジョーディ・マラドーナ”。クラブOBだった祖父の影響もあり8歳からニューカッスルのアカデミーに在籍したアンダーソンは、2021年にファーストチームデビュー。昨季はトップチームに定着するも、財務違反の処分回避の目的もあって昨夏フォレストへ売却される形となった。 繊細なボールタッチと攻撃センスに優れる天才肌は、新天地でセントラルMFでプレー。ここまでチームトップの5アシストを記録するなど持ち味である攻撃センスを遺憾なく発揮。さらに、トップ下や左サイドでもプレーする攻撃に特長を持つ選手ながらも、新天地では守備面でも奮闘が光る。 昨夏移籍時に総額3500万ポンドの移籍金と報じられており、ある意味で値段に見合った活躍と言えなくもないが、フォレスト躍進の象徴の一人として選出した。 【期待外れ】 ★チーム ◆マンチェスター・ユナイテッド <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 赤い悪魔の暗黒期続く。クラブの買収問題の長期化によって昨季を8位で終えたなか、ラトクリフ卿主導で初めて臨んだ移籍市場ではヨロ、デ・リフト、マズラウィ、ウガルテ、ザークツィーとセンターラインを中心に積極補強を敢行。開幕時点での期待感は大きかったが、結果的にはFAカップ優勝でテン・ハグ体制を延命させた決断が裏目に出た。 開幕から低空飛行が続いたなか、10月末にオランダ人指揮官を解任。ファン・ニステルローイ暫定で持ち直したのち、11月中旬から宿敵シティもリストアップしていたアモリム監督を招へい。だが、新体制では2勝1分け5敗という厳しい戦績で前半戦を終える形となった。 新指揮官の手腕に疑いはないものの、戦術浸透に時間を擁するタイプな上、現状のスカッドでは個人でなんとかできるタイプのタレントが少なく、過密日程のなかでチームを成熟させながら逆転でのヨーロッパ出場権獲得へ巻き返すのは至難の業だ。 ★選手 ◆DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 大不振のチームとともに低調な前半戦に。ラッシュフォードやザークツィーといったユナイテッドの攻撃陣やソン・フンミン、エンケティアといった選手も厳しい前半戦となったが、フォーデンとともに絶対的な王者で不振に陥ったスキッパーを選出した。 30歳を過ぎて時期によってはパフォーマンスに波があったものの、34歳で臨んだ今季は開幕から低調な出来が続く。多くの離脱者の影響で軽傷を抱えながらプレーを続けているとの話もあるが、フィジカル的に無理が利かない以外にも集中力の欠如や責任感のないプレーも散見され、キャプテンという立場を考えれば批判は避けられない。 現状ではリコ・ルイスにファーストチョイスを奪われつつあるが、チームの後半戦の巻き返しに向けてはプレミア屈指の右サイドバックの復活が必須だ。 2025.01.09 22:24 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