【平成サッカー30年の軌跡】平成8年/1996年 世界中を驚かせた“マイアミの奇跡”、常勝軍団・鹿島アントラーズが初タイトル
2019.04.08 19:00 Mon
新元号が「令和(れいわ)」に決定し、2019年4月30日をもって幕を閉じる「平成」。日本サッカーにとって、「平成」という時代は大きな変革を遂げた30年間となりました。Jリーグ設立、ドーハの悲劇、日韓W杯招致…。激動の30年を平成の出来事と共に振り返ってみましょう。
世の中の流れ

アトランタ・オリンピックが6月に開幕
■アトランタ五輪が開催
平成8年(1996年)は、6月にアメリカのアトランタで夏季オリンピックが開催されます。日本は金メダルを3つ、銀メダルを6つ、銅メダルと5つ獲得。金メダルは全て柔道であり、野村忠宏(男子60kg級)、中村兼三(男子71kg級)、恵本裕子(女子61kg級)が受賞しました。
そのほか、古賀稔彦(男子78kg級)や田村亮子(女子48kg級)ら柔道で4つ、野球の日本代表やヨット競技で銀メダルを獲得。銅メダルは、女子マラソン競技で有森裕子、そのほか、太田拓弥(レスリング)、十文字貴信(自転車)、菅原教子(柔道)、シンクロナイズドスイミングが獲得しました。
世界に目を向けると、イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が離婚。アメリカでは銃乱射事件が発生。そのほかにも、殺人事件や飛行機事故など、記憶に残る事件が多く起こった年でもありました。

サッカー界

鹿島アントラーズが初タイトル獲得!
■常勝軍団・鹿島アントラーズの始まり
Jリーグは4年目のシーズンに入り、制度が大きく変更されます。これまでは2ステージ制を採用していたJリーグですが、このシーズンから2回戦総当たりの1シーズン制となりました。勝ち点は勝利すれば「3」、PK戦での敗戦に「1」が与えられました。
シーズン前半戦は、ジーニョ、エバイール、サンパイオの元ブラジル代表トリオを擁する横浜フリューゲルスが開幕8連勝を収めるなどリーグを牽引。しかし、後半戦になると元ブラジル代表レオナルドがパリ・サンジェルマンに移籍した鹿島アントラーズが、ルーキーである柳沢敦の活躍などで優勝争いに加わります。
また、前年に躍進を果たしたアーセン・ヴェンゲル監督率いる名古屋グランパスエイトも好調を維持。3チームでの優勝争いとなりましたが、最後に首位に立ったのは鹿島。平成のうちに20冠を達成した常勝軍団の最初のタイトルとなりました。ちなみに、3チームともに21勝9敗で並びましたが、PK戦での敗戦の数が明暗を分けています。
なお、ヴェンゲル監督はこのシーズン途中に名古屋の監督を退任。10月にアーセナルの監督に就任しています。
また、シーズン最終節の浦和レッズvs横浜フリューゲルス戦では、浦和のGK田北雄気がPKを決め、Jリーグ史上初となるGKの得点を記録しています。
その他、コンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)が誕生したのも平成8年です。
■伝説となった“マイアミの奇跡”
前述の通り、アトランタ・オリンピックが開催された1996年ですが、日本代表も出場しています。この出場は、銅メダルを獲得したメキシコ・オリンピック以来、28年ぶりの出場となりました。
このチームは、ロシア・ワールドカップで日本代表を指揮した西野朗監督が指揮。前園真聖や中田英寿、川口能活、松田直樹、城彰二らが中心となっていました。そして迎えた初戦の相手は、ブラジル代表。当時のチームには、後にミランで守護神を務めたジダや、悪魔の左足と呼ばれたロベルト・カルロス、バルセロナで10番を背負ったリバウドや、“フェノメノ”の愛称での地に知られるロナウド(オリンピック時はロナウジーニョで登録)がいました。
大方の予想はブラジルの圧勝でしたが、日本は粘り強い戦いを見せ得点を許しません。すると迎えた72分、路木龍次が前線にロングボールを送ると、反応した城彰二に対応したアウダイールとGKジダが激突。こぼれ球を伊東輝悦が押し込み、日本が先制します。
日本に負けられないブラジルは猛攻を見せましたが、守護神である川口能活の好セーブなどもあり1-0で日本が勝利。世界中で大きな話題となりました。
なお、日本は第2戦で後に金メダルを獲るナイジェリア代表に0-2で敗戦。第3戦ではハンガリー代表に3-2で勝利しましたが、グループ3位となり敗退しました。
また、5月には2002年のワールドカップが日韓共催で行われることが決定。この決定は、日本サッカーの急成長に大きく寄与したと言われています。

“マイアミの奇跡”は世界でも話題に
世の中の流れ

アトランタ・オリンピックが6月に開幕
平成8年(1996年)は、6月にアメリカのアトランタで夏季オリンピックが開催されます。日本は金メダルを3つ、銀メダルを6つ、銅メダルと5つ獲得。金メダルは全て柔道であり、野村忠宏(男子60kg級)、中村兼三(男子71kg級)、恵本裕子(女子61kg級)が受賞しました。
そのほか、古賀稔彦(男子78kg級)や田村亮子(女子48kg級)ら柔道で4つ、野球の日本代表やヨット競技で銀メダルを獲得。銅メダルは、女子マラソン競技で有森裕子、そのほか、太田拓弥(レスリング)、十文字貴信(自転車)、菅原教子(柔道)、シンクロナイズドスイミングが獲得しました。
日本では、人気アニメ『名探偵コナン』が日本テレビで放送を開始。棋士の羽生善治が史上初の七冠を達成。また、「たまごっち」(バンダイ)の発売や原爆ドームと厳島神社が世界遺産に登録されるなどの出来事がありました。
世界に目を向けると、イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が離婚。アメリカでは銃乱射事件が発生。そのほかにも、殺人事件や飛行機事故など、記憶に残る事件が多く起こった年でもありました。

サッカー界

鹿島アントラーズが初タイトル獲得!
■常勝軍団・鹿島アントラーズの始まり
Jリーグは4年目のシーズンに入り、制度が大きく変更されます。これまでは2ステージ制を採用していたJリーグですが、このシーズンから2回戦総当たりの1シーズン制となりました。勝ち点は勝利すれば「3」、PK戦での敗戦に「1」が与えられました。
シーズン前半戦は、ジーニョ、エバイール、サンパイオの元ブラジル代表トリオを擁する横浜フリューゲルスが開幕8連勝を収めるなどリーグを牽引。しかし、後半戦になると元ブラジル代表レオナルドがパリ・サンジェルマンに移籍した鹿島アントラーズが、ルーキーである柳沢敦の活躍などで優勝争いに加わります。
また、前年に躍進を果たしたアーセン・ヴェンゲル監督率いる名古屋グランパスエイトも好調を維持。3チームでの優勝争いとなりましたが、最後に首位に立ったのは鹿島。平成のうちに20冠を達成した常勝軍団の最初のタイトルとなりました。ちなみに、3チームともに21勝9敗で並びましたが、PK戦での敗戦の数が明暗を分けています。
なお、ヴェンゲル監督はこのシーズン途中に名古屋の監督を退任。10月にアーセナルの監督に就任しています。
また、シーズン最終節の浦和レッズvs横浜フリューゲルス戦では、浦和のGK田北雄気がPKを決め、Jリーグ史上初となるGKの得点を記録しています。
その他、コンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)が誕生したのも平成8年です。
■伝説となった“マイアミの奇跡”
前述の通り、アトランタ・オリンピックが開催された1996年ですが、日本代表も出場しています。この出場は、銅メダルを獲得したメキシコ・オリンピック以来、28年ぶりの出場となりました。
このチームは、ロシア・ワールドカップで日本代表を指揮した西野朗監督が指揮。前園真聖や中田英寿、川口能活、松田直樹、城彰二らが中心となっていました。そして迎えた初戦の相手は、ブラジル代表。当時のチームには、後にミランで守護神を務めたジダや、悪魔の左足と呼ばれたロベルト・カルロス、バルセロナで10番を背負ったリバウドや、“フェノメノ”の愛称での地に知られるロナウド(オリンピック時はロナウジーニョで登録)がいました。
大方の予想はブラジルの圧勝でしたが、日本は粘り強い戦いを見せ得点を許しません。すると迎えた72分、路木龍次が前線にロングボールを送ると、反応した城彰二に対応したアウダイールとGKジダが激突。こぼれ球を伊東輝悦が押し込み、日本が先制します。
日本に負けられないブラジルは猛攻を見せましたが、守護神である川口能活の好セーブなどもあり1-0で日本が勝利。世界中で大きな話題となりました。
なお、日本は第2戦で後に金メダルを獲るナイジェリア代表に0-2で敗戦。第3戦ではハンガリー代表に3-2で勝利しましたが、グループ3位となり敗退しました。
また、5月には2002年のワールドカップが日韓共催で行われることが決定。この決定は、日本サッカーの急成長に大きく寄与したと言われています。

“マイアミの奇跡”は世界でも話題に
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