全て自業自得ではあるけど…/原ゆみこのマドリッド
2019.02.12 11:40 Tue
                「見込み違いもいいところだわ」そんな風に私が怒っていたのは月曜日、前夜はバルサがアスレティックに勝てず、2試合連続引き分けとなり、アトレティコとの勝ち点差が7に。いやあ、1週間前にベティスに負け、バレンシアとドローだったバルサとの差を縮められず、逆に1ポイント開いたことに対し、「まだ向こうが引き分けで良かった」と言ったシメオネ監督なら、勝ち点差が9にならなかったことを喜んでいるんじゃないかと思ったんですけどね。よくよく考えると、アトレティコが2連勝していれば、今頃は同じ勝ち点で首位に並んでいたのに気がついた時のことでした。
それが何としたことか、26カ月ぶりのリーガ2連敗を喫した彼らは2位の座をお隣さんに奪われ、3位に転落。幸い、4位のセビージャとは勝ち点7と余裕があるんですが、それこそ首位バルサだって、そう感じているに違いない? 2位に浮上したとはいえ、レアル・マドリーとも勝ち点6差ありますしねえ。となれば、もしや今現在、もっとも手応えを感じているのはあと勝ち点2でCL出場圏入りできる5位のヘタフェや11位の高みに上がり、降格圏と勝ち点差6がついたレガネスら、マドリッドの弟分たちの方かも。
とりあえず、とうしてそうなったのか、先週末のリーガの結果をお伝えしていくことにすると、土曜は時間的に苦しかったため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスには行かなかった私ですが、ヘタフェは開始早々、2分にアラウホのヘッドで1点を先行されてしまうことに。それがラッキーにも39分にはウーゴ・マジョがエリア内でアランバリを倒し、PKをもらえたばかりでなく、審判に猛抗議したマキシ・ゴメスがイエローカードを続けざまに2枚出され、退場してしまったとなれば、マタが決めて1-1とした彼らが後半、俄然優位に立ったのも当然だった?
実際、17分にはダミアンのクロスをマタが頭で落とし、ゴール前からホルヘ・モリーナが蹴り込んで逆転したヘタフェは、36分にもマタがセルタのGKルベンのゴールキックをエリア内で奪うという滅多にない幸運に遭遇。そこから3点目のゴールが入り、3-1で試合は決着したんですが、いえ、ウーゴ・マジョのゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドになったのにも助けられたんですけどね。1週間前にはコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグでバレンシアに痛恨の後半ロスタイム逆転敗退を喰らい、CBに3人も出場停止者がいた中、レバンテとスコアレスドローで凌いだヘタフェだったんですが、これで多分、大丈夫。
この先、金曜のエイバル戦を含め、あと2勝もすれば、1部残留も確定しますしね。CLは敷居が高くても、8年ぶりのEL出場権獲得に向け、その日はベンチからの見学に留まった柴崎岳選手も「スペイン・リーガはどこより要求が高いのだから、頑張るように言った。El lo ha entendido y seguro que dara un paso al frente/エル・ロ・ア・エンテンディードー・イ・セグロ・ケ・ダラ・ウン・パソ・アル・フレンテ(彼はそれを理解してくれたし、きっとあと一歩を踏み出してくれるはず)」と記者会見でボルダラス監督が語っていたように近々、チームに貢献できる日が来るんじゃないでしょうか。
というのもマドリーのCKをクロースが蹴ったところ、おそらく、2014年CL決勝奇跡の93分弾を筆頭に、これまで何度も痛い目に遭っていたせいなんでしょうかね。アトレティコはセルヒオ・ラモスを選手4人、ヒメネス、リュカ、トマス、モラタがマーク。それだけでも呆気に取られたのに、ご丁寧に空中戦でも負け、頭でボールを落とされて、フリーのカゼミロにtijera(ティヘラ/シザーズヘッドシュート)を決められてしまうって、もしや反対サイドで見ていた、リスボンでは悲劇の側にいたGKクルトワなんて笑いが止まらなかった?
でもこの1点は25分、コレアが自陣でヴィニシウスからボールを奪い、グリーズマンにスルーパス。敵ゴールに1人向かった彼がクルトワの股間を抜くシュートを決め、同点になってくれたから、まだ良かったんですよ。ええ、線審が挙げたオフサイドの旗もVAR判定により、撤回されましたしね。コレアがヴィニシウスを倒したファールも見咎められなかったため、この日のアトレティコはツイているんじゃないかと信じかけたところ…。
私が甘かったです。43分にはエリア内に駆け込もうとするヴィニシウスをヒメネスが倒してしまい、いえ、当人は「あれはファールだけど、踵の後ろに足で触れたのはエリアの外。その後、彼が倒れた時、自分の内モモに当たって、VARはそれを見た」と言っていましたけどね。大体がして、そんな微妙な場所でファールで相手を止めようという選択が悪かったのでは? 結果、ペナルティを取られ、ラモスが今季8本目のPKを成功させたため、マドリーが1点リードしてハーフタイムに入ります。
後半もアトレティコのツキは好転せず、8分にはヒメネスのロングボールに抜け出したモラタがクルトワの手前から、見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めたにも関わらず、VARでオフサイドの判定が。ほんの数センチのことで、しかもラモスの方が前に出ているラインを引いた写真もあったため、正しかったのかどうか、真相は不明ですが、それに追い打ちをかけたのが22分、ゴール前でモラタがカゼミロに倒されたプレー。いやあ、カゼミロは「Claro que hay contacto, pero para mi no es penalti/クラーロ・ケ・アイ・コンタクトー、ペロ・パラ・ミー・ノー・エス・ペナルティ(もちろん接触はあったけど、ボクにしてみればあれはペナルティじゃない)」と言っていましたけどね。実はこのモラタ、前節のベティス戦でもかなりはっきりしたペナルティをスルーされていて、もしやこの冬期待のニューフェイスはアトレティコのカンテラ(ユース組織)育ちだけに、不幸体質を受け継いでいたりする?
そうこうするうち、29分にはこの日、16回のコレアと双璧をなす計18回、ボールロストしたトーマスが自陣でパスミスを犯し、そこからマドリーのお家芸、速攻カウンターがスタート。ヴィニシウスに代わって入っていたベイルがモドリッチからパスを受けると、エリア内からのシュートでGKオブラクを破り、差が2点に開いてしまったから、さあ大変! おまけにその4分後、トーマスが2枚目のイエローカードをもらって退場とは泣きっ面に蜂とはまさにことのこと? いくらこの日はコケの回復が間に合わず、最近、中盤の要となっているロドリゴもベティス戦で痛めた太ももの痛みを木曜から再発、先発できなかったことでかなり烏合の衆化していたアトレティコとはいえ、こうもサッカー力の差を見せらつけられてしまうと、私もちょっと落ち込んでしまうんですが…。
え、それでも彼らが1-3で負けたのにVARの影響が大きかったのは否定できないんじゃないかって? うーん、シメオネ監督は「El rival ha sido mejor que nosotros, no hemos perdido por el VAR/エル・リバル・ア・シードー・メホール・ケ・ノソトロス、ノー・エモス・ペルディードー・ポル・エル(ライバルがウチより良かった。負けたのはVARのせいじゃない)」と言っていましたけどね。このダービーに至るまで、マドリーは先週水曜の準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)も含め、コパ・デル・レイでずっと連戦が続いているにも関わらず、16強対決で敗退して以来、週1試合が続いているアトレティコは前節もコパ生き残り組のベティスに敗戦。
こうなると、「Tenemos una semana larga para trabajar y hacer autocritica/テネモス・ウナ・セマーナ・ラルガ・パラ・トラバハール・イ・アセール・アウトクリティカ(ボクらには練習して自己批判をする長い1週間がある)」(サウール)方が却って、選手たちのリズムを崩しているんじゃないかと疑いたくもなりますが、さて。何せ、アトレティコにはこの後、次の時間帯でエスパニョールに後半ロスタイムに決勝点を取られ、2-1で負け、降格圏の18位に留まることになったラージョとのミニダービーが土曜にあるのはともかく、来週水曜にはいよいよCL16強対決でユベントスがワンダにやって来ますからね。リーガ首位が遠ざかった今、ここでまた躓いたら、ファンは一体、何を励みに6月まで過ごしたらいいんでしょう。
一方、ロペテギ監督から9位にいたチームを引き継いで2位まで躍進。とうとうカペッロ監督の下、根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)を達成した2006-07シーズンも首位バルサとこの時期、同じ勝ち点差だったなんて話まで引き合いに出されるようになったソラーリ監督は、「La clave son los jugadores/ラ・クラベ・ソン・ロス・フガドーレス(カギになったのは選手たちだ)。練習して、ピッチで体を張り、ハートでプレーするのは彼らだからね」と、最近の好調ぶりの原因が部下たちにあることを強調していましたが、ブラジルから来たばかりの18才、ヴィニシウスやRMカスティージャから昇格したレギロンをベイルやマルセロを差し置いて、先発に抜擢した当人の手腕も評価すべきかと。
最近はベンゼマやモドリッチらが牽引してくれるおかげで、金曜の練習で背中を痛め、イスコがしばらくお休みすることになったことなど、まったく影響なさそうですしね。今週水曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはアトレティコより1週早く、CLアヤックス戦1stレグが到来するんですが、まあ、相手は先週末もヘラクレス戦を落とし、オランダ・リーグで首位PSVと勝ち点6差。来季からバルサでプレーすることが決まったデ・ヨングもその試合で負傷し、出場が微妙とあって、ちょっと見どころに欠けるものの、何はともあれ、CL決勝トーナメントが始まるのは気分が上がりますよね。
そして翌日曜はレガネスがブタルケにベティスを迎えたんですが、こちらは前節の兄貴分の失敗が大いに糧になったよう。ええ、相手のコパ疲れを見逃さず、開始から猛攻をかけると、2分までに新鋭、21才のモロッコ人FWエン・ネシリが2本もシュートを撃っているんですから、ベニト・ビジャマリンでとろとろパスを回していたアトレティコに爪の垢を煎じて飲ましてやりたいと思ったのはきっと、私だけではなかったかと。それでもしばらくはベティスがこの日も敵にボールをもたす作戦なのかという疑いが晴れなかったものの、いえいえ。だったら、22分にオスカルのクロスからエン・ネシリがのシュートがバラガンに当たってゴールに入り、レガネスが先制点をゲット。35分にも再び、エン・ネシリが押し込んで2点差になっても様子が変わらないなんてこと、ありませんって。
結局、カナレルもホアキンも今週も木曜にはEL32強対決レンヌ戦1stレグがあることを考えてか出場せず、後半も21分にブライトバイテのスルーパスに抜け出したエン・ネシリがハットトリックを達成したレガネスが3-0で勝利したんですが、閉口したのは試合後、ベティスのセティエン監督の口が減らなかったこと。いやあ、シーズン前半の対戦の後も守備的なレガネスのサッカースタイルを批判していたんですが、「No le importa tener que jugar bien, hace cuatro cosas que estan muy bien/ノー・レ・インポルタ・テネール・ケ・フガール・ビエン、アセ・クアトロ・コーサス・ケ・エスタン・ムイ・ビエン(いいプレーをすることはどうでもよくて、非常に上手くできることが4つある)。時には成功するし、しない時もあって、だから彼らは下位にいる」って、いや、たった勝ち点3しか違わない相手にそんなこと言える?
それには「Estamos muy orgullosos de ser el Leganes y de lo que tenemos/エスタモス・ムイ・オルグジョーソス・デ・セル・エル・レガネス・イ・デ・ロ・ケ・テネモス(我々はレガネスであることに誇りがある。ウチが持っているものにね)」とペジェグリーニ監督は答えていましたが、そりゃそうですよ。こちとら毎年、半分以上選手が変わり、一からチームを作っていますからね。頭角を現したばかりのエン・ネシリだって、この夏、どこかに引き抜かれてしまうのは確実だと思いますが、今はこの土曜のレアル・ソシエダ戦に勝利、月曜には乾貴士選手がデビューしたアラベスがレバンテに勝ったため、EL出場圏外の7位に落ちたベティスと勝ち点で並び、セティエン監督の鼻を明かしてやれるかもっていうのはチームのいい励みになるかと。
そうそう、その試合を観戦に行ったついでにレガネスの広報の人に土曜に突如、話題になっていたアメリカ生まれの日本人、ドイツのアーヘム(4部)U23チームから移籍した井出ウィリアム航輔選手のことを訊いてみたんですが、どうやら契約はマドリッド州リーグでプレーするCチームとしたよう。リーガ3部でプレーするBチームの練習に呼ばれることはあるかもしれないものの、トップチームの試合に今季出ることはないだろうという話でしたが、うーん、これは来シーズン以降を楽しみにしたらいいんですかね。
                    
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                    
                    
                                        
                                            それが何としたことか、26カ月ぶりのリーガ2連敗を喫した彼らは2位の座をお隣さんに奪われ、3位に転落。幸い、4位のセビージャとは勝ち点7と余裕があるんですが、それこそ首位バルサだって、そう感じているに違いない? 2位に浮上したとはいえ、レアル・マドリーとも勝ち点6差ありますしねえ。となれば、もしや今現在、もっとも手応えを感じているのはあと勝ち点2でCL出場圏入りできる5位のヘタフェや11位の高みに上がり、降格圏と勝ち点差6がついたレガネスら、マドリッドの弟分たちの方かも。
とりあえず、とうしてそうなったのか、先週末のリーガの結果をお伝えしていくことにすると、土曜は時間的に苦しかったため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスには行かなかった私ですが、ヘタフェは開始早々、2分にアラウホのヘッドで1点を先行されてしまうことに。それがラッキーにも39分にはウーゴ・マジョがエリア内でアランバリを倒し、PKをもらえたばかりでなく、審判に猛抗議したマキシ・ゴメスがイエローカードを続けざまに2枚出され、退場してしまったとなれば、マタが決めて1-1とした彼らが後半、俄然優位に立ったのも当然だった?
この先、金曜のエイバル戦を含め、あと2勝もすれば、1部残留も確定しますしね。CLは敷居が高くても、8年ぶりのEL出場権獲得に向け、その日はベンチからの見学に留まった柴崎岳選手も「スペイン・リーガはどこより要求が高いのだから、頑張るように言った。El lo ha entendido y seguro que dara un paso al frente/エル・ロ・ア・エンテンディードー・イ・セグロ・ケ・ダラ・ウン・パソ・アル・フレンテ(彼はそれを理解してくれたし、きっとあと一歩を踏み出してくれるはず)」と記者会見でボルダラス監督が語っていたように近々、チームに貢献できる日が来るんじゃないでしょうか。
そしてワンダ・メトロポリターノに開場以来、最多となる6万7752人のファンを集めマドリーダービーが始まったんですが、いやあ、キックオフ前の場内の雰囲気は最高だったんですけどね。スタジアム前の100試合以上出場選手の記念プレートをまた汚されていたクルトワに幾つか、ネズミのぬいぐるみが飛んではいたものの、心配する程のこともなく、スタンドが赤と白の旗で染められ、「Madrid, castiza y rohiblanca/マドリッド、カスティサ・イ・ロヒブランカ(生粋、そして赤白のマドリッド)」という大きな横断幕にも後押しされたか、序盤のアトレティコは果敢に攻め込んで行ったんですが、前半16分には最初の災難に襲われることに。
というのもマドリーのCKをクロースが蹴ったところ、おそらく、2014年CL決勝奇跡の93分弾を筆頭に、これまで何度も痛い目に遭っていたせいなんでしょうかね。アトレティコはセルヒオ・ラモスを選手4人、ヒメネス、リュカ、トマス、モラタがマーク。それだけでも呆気に取られたのに、ご丁寧に空中戦でも負け、頭でボールを落とされて、フリーのカゼミロにtijera(ティヘラ/シザーズヘッドシュート)を決められてしまうって、もしや反対サイドで見ていた、リスボンでは悲劇の側にいたGKクルトワなんて笑いが止まらなかった?
でもこの1点は25分、コレアが自陣でヴィニシウスからボールを奪い、グリーズマンにスルーパス。敵ゴールに1人向かった彼がクルトワの股間を抜くシュートを決め、同点になってくれたから、まだ良かったんですよ。ええ、線審が挙げたオフサイドの旗もVAR判定により、撤回されましたしね。コレアがヴィニシウスを倒したファールも見咎められなかったため、この日のアトレティコはツイているんじゃないかと信じかけたところ…。
私が甘かったです。43分にはエリア内に駆け込もうとするヴィニシウスをヒメネスが倒してしまい、いえ、当人は「あれはファールだけど、踵の後ろに足で触れたのはエリアの外。その後、彼が倒れた時、自分の内モモに当たって、VARはそれを見た」と言っていましたけどね。大体がして、そんな微妙な場所でファールで相手を止めようという選択が悪かったのでは? 結果、ペナルティを取られ、ラモスが今季8本目のPKを成功させたため、マドリーが1点リードしてハーフタイムに入ります。
後半もアトレティコのツキは好転せず、8分にはヒメネスのロングボールに抜け出したモラタがクルトワの手前から、見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めたにも関わらず、VARでオフサイドの判定が。ほんの数センチのことで、しかもラモスの方が前に出ているラインを引いた写真もあったため、正しかったのかどうか、真相は不明ですが、それに追い打ちをかけたのが22分、ゴール前でモラタがカゼミロに倒されたプレー。いやあ、カゼミロは「Claro que hay contacto, pero para mi no es penalti/クラーロ・ケ・アイ・コンタクトー、ペロ・パラ・ミー・ノー・エス・ペナルティ(もちろん接触はあったけど、ボクにしてみればあれはペナルティじゃない)」と言っていましたけどね。実はこのモラタ、前節のベティス戦でもかなりはっきりしたペナルティをスルーされていて、もしやこの冬期待のニューフェイスはアトレティコのカンテラ(ユース組織)育ちだけに、不幸体質を受け継いでいたりする?
そうこうするうち、29分にはこの日、16回のコレアと双璧をなす計18回、ボールロストしたトーマスが自陣でパスミスを犯し、そこからマドリーのお家芸、速攻カウンターがスタート。ヴィニシウスに代わって入っていたベイルがモドリッチからパスを受けると、エリア内からのシュートでGKオブラクを破り、差が2点に開いてしまったから、さあ大変! おまけにその4分後、トーマスが2枚目のイエローカードをもらって退場とは泣きっ面に蜂とはまさにことのこと? いくらこの日はコケの回復が間に合わず、最近、中盤の要となっているロドリゴもベティス戦で痛めた太ももの痛みを木曜から再発、先発できなかったことでかなり烏合の衆化していたアトレティコとはいえ、こうもサッカー力の差を見せらつけられてしまうと、私もちょっと落ち込んでしまうんですが…。
え、それでも彼らが1-3で負けたのにVARの影響が大きかったのは否定できないんじゃないかって? うーん、シメオネ監督は「El rival ha sido mejor que nosotros, no hemos perdido por el VAR/エル・リバル・ア・シードー・メホール・ケ・ノソトロス、ノー・エモス・ペルディードー・ポル・エル(ライバルがウチより良かった。負けたのはVARのせいじゃない)」と言っていましたけどね。このダービーに至るまで、マドリーは先週水曜の準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)も含め、コパ・デル・レイでずっと連戦が続いているにも関わらず、16強対決で敗退して以来、週1試合が続いているアトレティコは前節もコパ生き残り組のベティスに敗戦。
こうなると、「Tenemos una semana larga para trabajar y hacer autocritica/テネモス・ウナ・セマーナ・ラルガ・パラ・トラバハール・イ・アセール・アウトクリティカ(ボクらには練習して自己批判をする長い1週間がある)」(サウール)方が却って、選手たちのリズムを崩しているんじゃないかと疑いたくもなりますが、さて。何せ、アトレティコにはこの後、次の時間帯でエスパニョールに後半ロスタイムに決勝点を取られ、2-1で負け、降格圏の18位に留まることになったラージョとのミニダービーが土曜にあるのはともかく、来週水曜にはいよいよCL16強対決でユベントスがワンダにやって来ますからね。リーガ首位が遠ざかった今、ここでまた躓いたら、ファンは一体、何を励みに6月まで過ごしたらいいんでしょう。
一方、ロペテギ監督から9位にいたチームを引き継いで2位まで躍進。とうとうカペッロ監督の下、根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)を達成した2006-07シーズンも首位バルサとこの時期、同じ勝ち点差だったなんて話まで引き合いに出されるようになったソラーリ監督は、「La clave son los jugadores/ラ・クラベ・ソン・ロス・フガドーレス(カギになったのは選手たちだ)。練習して、ピッチで体を張り、ハートでプレーするのは彼らだからね」と、最近の好調ぶりの原因が部下たちにあることを強調していましたが、ブラジルから来たばかりの18才、ヴィニシウスやRMカスティージャから昇格したレギロンをベイルやマルセロを差し置いて、先発に抜擢した当人の手腕も評価すべきかと。
最近はベンゼマやモドリッチらが牽引してくれるおかげで、金曜の練習で背中を痛め、イスコがしばらくお休みすることになったことなど、まったく影響なさそうですしね。今週水曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはアトレティコより1週早く、CLアヤックス戦1stレグが到来するんですが、まあ、相手は先週末もヘラクレス戦を落とし、オランダ・リーグで首位PSVと勝ち点6差。来季からバルサでプレーすることが決まったデ・ヨングもその試合で負傷し、出場が微妙とあって、ちょっと見どころに欠けるものの、何はともあれ、CL決勝トーナメントが始まるのは気分が上がりますよね。
そして翌日曜はレガネスがブタルケにベティスを迎えたんですが、こちらは前節の兄貴分の失敗が大いに糧になったよう。ええ、相手のコパ疲れを見逃さず、開始から猛攻をかけると、2分までに新鋭、21才のモロッコ人FWエン・ネシリが2本もシュートを撃っているんですから、ベニト・ビジャマリンでとろとろパスを回していたアトレティコに爪の垢を煎じて飲ましてやりたいと思ったのはきっと、私だけではなかったかと。それでもしばらくはベティスがこの日も敵にボールをもたす作戦なのかという疑いが晴れなかったものの、いえいえ。だったら、22分にオスカルのクロスからエン・ネシリがのシュートがバラガンに当たってゴールに入り、レガネスが先制点をゲット。35分にも再び、エン・ネシリが押し込んで2点差になっても様子が変わらないなんてこと、ありませんって。
結局、カナレルもホアキンも今週も木曜にはEL32強対決レンヌ戦1stレグがあることを考えてか出場せず、後半も21分にブライトバイテのスルーパスに抜け出したエン・ネシリがハットトリックを達成したレガネスが3-0で勝利したんですが、閉口したのは試合後、ベティスのセティエン監督の口が減らなかったこと。いやあ、シーズン前半の対戦の後も守備的なレガネスのサッカースタイルを批判していたんですが、「No le importa tener que jugar bien, hace cuatro cosas que estan muy bien/ノー・レ・インポルタ・テネール・ケ・フガール・ビエン、アセ・クアトロ・コーサス・ケ・エスタン・ムイ・ビエン(いいプレーをすることはどうでもよくて、非常に上手くできることが4つある)。時には成功するし、しない時もあって、だから彼らは下位にいる」って、いや、たった勝ち点3しか違わない相手にそんなこと言える?
それには「Estamos muy orgullosos de ser el Leganes y de lo que tenemos/エスタモス・ムイ・オルグジョーソス・デ・セル・エル・レガネス・イ・デ・ロ・ケ・テネモス(我々はレガネスであることに誇りがある。ウチが持っているものにね)」とペジェグリーニ監督は答えていましたが、そりゃそうですよ。こちとら毎年、半分以上選手が変わり、一からチームを作っていますからね。頭角を現したばかりのエン・ネシリだって、この夏、どこかに引き抜かれてしまうのは確実だと思いますが、今はこの土曜のレアル・ソシエダ戦に勝利、月曜には乾貴士選手がデビューしたアラベスがレバンテに勝ったため、EL出場圏外の7位に落ちたベティスと勝ち点で並び、セティエン監督の鼻を明かしてやれるかもっていうのはチームのいい励みになるかと。
そうそう、その試合を観戦に行ったついでにレガネスの広報の人に土曜に突如、話題になっていたアメリカ生まれの日本人、ドイツのアーヘム(4部)U23チームから移籍した井出ウィリアム航輔選手のことを訊いてみたんですが、どうやら契約はマドリッド州リーグでプレーするCチームとしたよう。リーガ3部でプレーするBチームの練習に呼ばれることはあるかもしれないものの、トップチームの試合に今季出ることはないだろうという話でしたが、うーん、これは来シーズン以降を楽しみにしたらいいんですかね。
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ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig's head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed3
    カシージャスの心臓発作後に最初に連絡を入れたのはモウリーニョ! 「最初に心配してくれた人」
かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
    コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
    