【CLプレビュー】盤石レッズ相手に“オリンピコの奇跡”再現なるか? EDFの修正策はいかに《ローマvsリバプール》
2018.05.02 18:00 Wed
▽チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、ローマvsリバプールが日本時間2日27:45にスタディオ・オリンピコでキックオフされる。1stレグで大きなアドバンテージを得た盤石のリバプールと、“オリンピコの奇跡”再現を狙うローマによる、ファイナル進出を懸けた運命の第2戦だ。
▽[3-4-3]の攻撃的布陣で臨んだものの、相手の強力3トップ、激しいプレッシングの力を見誤ってハイリスク・ローリターンの戦いを強いられた末に2-5の大敗を喫したローマ。試合後に多くの識者から非難を浴びたディ・フランチェスコ監督だが、相手のミスと頼れるエースFWに助けられて、辛くも2ndレグに望みを繋いだ。大敗のショックが懸念された先週末のセリエAキエーボ戦ではDFファン・ジェズスの一発退場というアクシデントに見舞われるも、好調FWシックとゼコのゴールや守護神アリソンのPKストップもあり、4-1で快勝。リーグ戦3連勝という良い形で運命の2ndレグを迎えることになった。奇しくも前ラウンドのバルセロナ戦と同じ3点ビハインドの中で戦う今回の一戦に向けては“オリンピコの奇跡”再現の機運が高まる。その一方、サラーを筆頭にカウンターの名手が揃う相手に無傷で勝利する可能性は低いとの見方もある。そのため、“オリンピコの奇跡”再現に向けてはピッチ上の11人の集中力且つ指揮官の修正力、ホームサポーターの圧倒的な後押しという、バルセロナ戦以上に完璧な仕事が求められる。
▽一方、「80分間は完璧な仕事」とクロップ監督が語ったように前ラウンドのマンチェスター・シティ戦と同様、要塞アンフィールドで圧倒的なパフォーマンスを披露したリバプール。ただ、試合終盤にイージーなミスから2つのアウェイゴールを献上し、相手に望みを与えたことは2ndレグに向けて大きな懸念材料だ。また、先週末のストーク・シティ戦では一部主力を温存した中、相手のフィジカル重視の戦いに苦戦しリーグ戦では2試合連続ドロー。トップ4フィニッシュが余裕と見られた中、気付けば1試合少ない5位チェルシーとの勝ち点差が「6」に縮まり、今週末に行われる直接対決が大きな意味を持つことになった。さらに、ローマとの1stレグでクロップ監督と激突したチームの“ブレイン”、ブバチアシスタントコーチが今季残り試合でトップチームの仕事に絡まないことが発表され、クラブ内にきな臭い空気も漂っている。(リバプールは同コーチ不在を“個人的な理由”と説明) それでも、1stレグで得た大きなアドバンテージに加え、「我々はバルセロナとは違い、常に挑戦者」とドイツ人指揮官が語ったようにチームに緩みはなく、敵地での運命の一戦に向けて油断はない。
▽ローマ予想スタメン
DF:フロレンツィ、マノラス、ファシオ、コラロフ
MF:ペッレグリーニ、デ・ロッシ、ナインゴラン
FW:シック、ゼコ、エル・シャーラウィ
負傷者:DFカルスドルプ、MFストロートマン、FWデフレル、ペロッティ
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては1stレグを欠場したカルスドルフ、デフレルに加えて、いずれも1stレグで負傷したストロートマンとペロッティが欠場となる。
▽1stレグではバルセロナ戦と同様に[3-4-3]の攻撃的な布陣での臨んだディ・フランチェスコ監督だが、相手のロングボール主体の戦術に中盤を飛ばされた挙句、相手の強力3トップにハイラインを敷いた3バックが切り裂かれて今季公式戦最多の5失点を喫した。その後、[4-3-3]に布陣を戻して2点を奪ったため、この2ndレグでは[4-3-3]の採用が濃厚だ。
▽その一方で、指揮官が奇跡再現のために奇策が必要だと考えた場合、再び[3-4-3]を採用して3バックの一角にコラロフ、あるいは本職中盤ながらセンターバックでもプレー可能なゴナロン、デ・ロッシを配し1stレグの課題であった後方からのビルドアップをよりスムーズにする策を採る可能性もあるはずだ。
▽リバプール予想スタメン

DF:アーノルド、ロブレン、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ワイナルドゥム、ヘンダーソン、ミルナー
FW:サラー、フィルミノ、マネ
負傷者:DFマティプ、MFララナ、ジャン、チェンバレン、FWマネ
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては1stレグを欠場したマティプ、ララナ、ジャンに加えて、1stレグでヒザを痛めて今季絶望のチェンバレンの欠場が確定。一方で軽傷を抱えて直近のストーク戦を回避したマネに関してはスタメンで起用可能な模様だ。
▽システムとスタメンに関しては、負傷のチェンバレンに代わって1stレグ途中出場のワイナルドゥムが先発に入る以外、変更はない模様だ。ただ、直近のストーク戦では右サイドバックにジョー・ゴメス、アーノルドをインサイドハーフで起用しており、クロップ監督はより守備的に戦う場合のオプションとして考慮しているかもしれない。
★注目選手
◆ローマ:FWパトリック・シック
▽再び奇跡が求められる今回の一戦に向けては徹底マークが予想されるゼコをサポートすると共に、空中戦においてミスマッチが生じるDFロバートソンや相手中盤との競り合いを制してロングボールや縦パスの収めどころとなりたい。同時に逆サイドのDFコラロフやFWエル・シャーラウィのクロスに対して、ファーサイドで待つだけでなくゼコが相手DFを引っ張ったスペースに入り込んでCL初ゴールを狙いたい。
◆リバプール:DFヴィルヒル・ファン・ダイク
▽完全アウェイの空気の中で相手の猛攻が予想される今回の一戦では攻撃陣がカウンターからトドメのアウェイゴールを狙うと共に、守備陣が冷静な対応で1stレグのアドバンテージを守り切る必要がある。その中でDFロブレンやDFアーノルド、GKカリウスと集中力に問題を抱える守備陣は泣き所のひとつ。そのため、ファン・ダイクには最終ラインの防波堤としてゼコやシックとの空中戦を制すると共に、1stレグに比べて前からの圧力を強める相手に対して正確な後方からの配球で攻守にチームを助けたい。
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▽先月24日にアンフィールドで行われた1stレグでは試合開始20分過ぎまではアウェイのローマがペースを握るも、以降はアンフィールドの熱狂的なサポートに後押しされたリバプールが完全に試合を支配。35分に古巣初対戦のFWサラーが圧巻のフィニッシュで古巣のゴールをこじ開けると、前半終了間際にも再びサラーが追加点を奪取。これで流れを掴んだホームチームは56分、61分にいずれもサラーのお膳立てからFWマネ、FWフィルミノが加点。さらに69分にはMFミルナーの1シーズンでのCL史上最多記録となる9つ目のアシストから再びフィルミノが5点目を奪った。▽これで完全に勝敗は決したかに思われたが、諦めないローマは相手のミスから81分にエースFWゼコがCL4試合連続ゴールを決めて反撃の狼煙を上げると、85分には相手のハンドで得たPKをFWペロッティが決めて追加点。その後もローマが3点目に迫る場面を作ったものの、1stレグはホームのリバプールの5-2の大勝に終わった。▽一方、「80分間は完璧な仕事」とクロップ監督が語ったように前ラウンドのマンチェスター・シティ戦と同様、要塞アンフィールドで圧倒的なパフォーマンスを披露したリバプール。ただ、試合終盤にイージーなミスから2つのアウェイゴールを献上し、相手に望みを与えたことは2ndレグに向けて大きな懸念材料だ。また、先週末のストーク・シティ戦では一部主力を温存した中、相手のフィジカル重視の戦いに苦戦しリーグ戦では2試合連続ドロー。トップ4フィニッシュが余裕と見られた中、気付けば1試合少ない5位チェルシーとの勝ち点差が「6」に縮まり、今週末に行われる直接対決が大きな意味を持つことになった。さらに、ローマとの1stレグでクロップ監督と激突したチームの“ブレイン”、ブバチアシスタントコーチが今季残り試合でトップチームの仕事に絡まないことが発表され、クラブ内にきな臭い空気も漂っている。(リバプールは同コーチ不在を“個人的な理由”と説明) それでも、1stレグで得た大きなアドバンテージに加え、「我々はバルセロナとは違い、常に挑戦者」とドイツ人指揮官が語ったようにチームに緩みはなく、敵地での運命の一戦に向けて油断はない。
▽両チームの勝ち抜けの条件はローマが3-0か4-1の勝利、あるいは4点差以上を付けての勝利で逆転での突破が決まる。一方、リバプールは引き分け以上で文句なし。さらに2失点差以内での敗戦、アウェイゴール3つ以上を奪っての3点差負けでも突破が決まる圧倒的優位な状況だ。なお、ローマが5-2で勝利した場合のみ延長戦に突入する。(延長戦でもアウェイゴールルールは適用)
◆ローマ◆
【4-3-3】
【4-3-3】
▽ローマ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:アリソンDF:フロレンツィ、マノラス、ファシオ、コラロフ
MF:ペッレグリーニ、デ・ロッシ、ナインゴラン
FW:シック、ゼコ、エル・シャーラウィ
負傷者:DFカルスドルプ、MFストロートマン、FWデフレル、ペロッティ
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては1stレグを欠場したカルスドルフ、デフレルに加えて、いずれも1stレグで負傷したストロートマンとペロッティが欠場となる。
▽1stレグではバルセロナ戦と同様に[3-4-3]の攻撃的な布陣での臨んだディ・フランチェスコ監督だが、相手のロングボール主体の戦術に中盤を飛ばされた挙句、相手の強力3トップにハイラインを敷いた3バックが切り裂かれて今季公式戦最多の5失点を喫した。その後、[4-3-3]に布陣を戻して2点を奪ったため、この2ndレグでは[4-3-3]の採用が濃厚だ。
▽その一方で、指揮官が奇跡再現のために奇策が必要だと考えた場合、再び[3-4-3]を採用して3バックの一角にコラロフ、あるいは本職中盤ながらセンターバックでもプレー可能なゴナロン、デ・ロッシを配し1stレグの課題であった後方からのビルドアップをよりスムーズにする策を採る可能性もあるはずだ。
◆リバプール◆
【4-3-3】
【4-3-3】
▽リバプール予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:カリウス DF:アーノルド、ロブレン、ファン・ダイク、ロバートソン
MF:ワイナルドゥム、ヘンダーソン、ミルナー
FW:サラー、フィルミノ、マネ
負傷者:DFマティプ、MFララナ、ジャン、チェンバレン、FWマネ
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては1stレグを欠場したマティプ、ララナ、ジャンに加えて、1stレグでヒザを痛めて今季絶望のチェンバレンの欠場が確定。一方で軽傷を抱えて直近のストーク戦を回避したマネに関してはスタメンで起用可能な模様だ。
▽システムとスタメンに関しては、負傷のチェンバレンに代わって1stレグ途中出場のワイナルドゥムが先発に入る以外、変更はない模様だ。ただ、直近のストーク戦では右サイドバックにジョー・ゴメス、アーノルドをインサイドハーフで起用しており、クロップ監督はより守備的に戦う場合のオプションとして考慮しているかもしれない。
★注目選手
◆ローマ:FWパトリック・シック

Getty Images
▽ローマの注目プレーヤーは大一番で真価が試されるシックだ。昨夏、リバプールに旅立ったサラーの後釜としてクラブ史上最高額の4200万ユーロでサンプドリアからローマに加入した若きチェコ代表FW。しかし、度重なる負傷で出遅れると、開幕からリーグ戦17試合出場でノーゴールと大きく期待を裏切る状況が続いていた。それでも、先月21日に行われたSPAL戦で待望の移籍後セリエA初ゴールを記録すると、直近のキエーボ戦でも2試合連続ゴールを決めた。また、コンディション、チームメートとの連係面の向上によって直近のCL2試合ではゴールこそないものの前線の起点として機能している。▽再び奇跡が求められる今回の一戦に向けては徹底マークが予想されるゼコをサポートすると共に、空中戦においてミスマッチが生じるDFロバートソンや相手中盤との競り合いを制してロングボールや縦パスの収めどころとなりたい。同時に逆サイドのDFコラロフやFWエル・シャーラウィのクロスに対して、ファーサイドで待つだけでなくゼコが相手DFを引っ張ったスペースに入り込んでCL初ゴールを狙いたい。
◆リバプール:DFヴィルヒル・ファン・ダイク

Getty Images
▽リバプールの注目プレーヤーは、新ディフェンスリーダーのファン・ダイクだ。今冬にサウサンプトンからDF史上最高額の7500万ポンドでリバプール入りを果たしたオランダ代表DFは加入当初こそそのプレッシャーに晒されたものの、以降は卓越した身体能力と守備センスを武器に脆弱のリバプール最終ラインを見事に立て直した。加えて、定評のある足下の技術を生かして後方からの球出しをスムーズにしている。▽完全アウェイの空気の中で相手の猛攻が予想される今回の一戦では攻撃陣がカウンターからトドメのアウェイゴールを狙うと共に、守備陣が冷静な対応で1stレグのアドバンテージを守り切る必要がある。その中でDFロブレンやDFアーノルド、GKカリウスと集中力に問題を抱える守備陣は泣き所のひとつ。そのため、ファン・ダイクには最終ラインの防波堤としてゼコやシックとの空中戦を制すると共に、1stレグに比べて前からの圧力を強める相手に対して正確な後方からの配球で攻守にチームを助けたい。
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