内田裕斗のスーパーボレーで徳島が今季初勝利! 大宮はデビュー戦のGK笠原が“攻守”に奮闘もJ2の厳しさ知る連敗に…《J2》

▽明治安田生命J2リーグ第3節の大宮アルディージャvs徳島ヴォルティスが10日にNACK5スタジアム大宮で行われ、アウェイの徳島が1-0で勝利した。

▽前節、FC町田ゼルビアに今季初黒星を喫した大宮と、開幕連敗スタートの徳島によるJ1昇格候補同士による一戦。試合は立ち上がりからボールポゼッションで勝る徳島が主導権を握っていく。11分には杉本太郎のスルーパスに抜け出した岩尾がボックス内でGKと一対一になるが、ここは塩田に代わって起用された水戸ホーリーホックからの新戦力GK笠原がビッグセーブ。このこぼれ球を岩尾が押し込みにかかるも、今度はDF渡部がゴールライン上で決死のクリアを見せた。

▽後方からのビルドアップが機能せず、相手のボール回しにも対応できない大宮はその後も守勢を強いられる。30分には徳島の右CKからキム・ジョンピルの落としを杉本太郎が蹴り込むが、ここは再びGK笠原がビッグセーブで救う。何とか後半に良い形で繋げたい大宮は三門のミドルシュートや大前のシュートで反撃の機会を窺うが、さしたる決定機を作れないまま前半を終えた。
▽すると、後半立ち上がりの52分に徳島に先制点が生まれる。右CKの場面でサインプレーからキッカーの岩尾がペナルティアーク左でフリーの内田裕斗に柔らかなクロスを供給。これを内田裕斗が抑えの利いた完璧な左足のダイレクトボレーでゴール左上隅の絶妙なコースに突き刺した。

▽相手のスーパーゴールで笠原の牙城をついに破られた大宮は、失点直後の54分にボックス付近に抜け出した大前がミドルシュートを狙うが、これはわずかに枠の右。さらに横谷、茨田に代えて嶋田、大山を投入した中でボックス内の大前らに幾つかのチャンスが訪れるも、肝心なところでバランスを崩すなど決定機を決め切れない。▽一方、後半も危なげない試合運びを見せる徳島は前がかりな相手に対して、要所で鋭いカウンターアタックを発動させる。70分には右サイドのスペースに抜け出した島屋のクロスがボックス左に走り込む呉屋に繋がるが、呉屋のシュートはGK笠原の好守に阻まれた。

▽J1昇格に向けて連敗は避けたい大宮はロビン・シモビッチを下げて清水を最後の交代カードとして投入。1点差だけにシモビッチを使ったパワープレーの有効性も指摘される中、石井監督は清水の得点力に賭ける選択をする。

▽だが、清水の投入も実らず、なかなかチャンスを作り切れない中で大宮は4分が与えられたアディショナルタイムにパワープレーを敢行。GK笠原まで攻撃参加したラストプレーの右CKではニアでフリックしたボールがファーに流れてフリーの選手が右足でシュート。この当たり損ねのシュートがクロスバーを叩きゴール前で混戦に。最後は攻撃参加した大宮GK笠原がヘディングシュートも再びクロスバーを叩き、GKによる劇的な同点弾とはならず。

▽この直後に試合はタイムアップを迎え、敵地で昇格候補筆頭大宮を破った徳島が嬉しい今季初勝利を手にした。一方、デビュー戦で躍動した笠原の奮闘虚しく敗れた大宮はJ2の厳しさを知る今季初の連敗となった。