【プレビュー】熾烈なトップ4争いの行方を左右する今季2度目のNLダービー《トッテナムvsアーセナル》

2018.02.10 12:00 Sat
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▽プレミアリーグ第27節、トッテナムvsアーセナルによる“ノースロンドン・ダービー”が日本時間10日21:30にウェンブリー・スタジアムでキックオフされる。5位のトッテナム(勝ち点49)と、6位のアーセナル(勝ち点45)による熾烈なトップ4争いの行方を左右する今季2度目の“ノースロンドン・ダービー”だ。

▽前節、微妙な判定がありながらもFWケインの劇的なPK弾で難攻不落のアンフィールドから勝ち点1を持ち帰ることに成功したトッテナム。現在、リーグ戦8戦無敗(5勝3分け)と好調を維持するチームは、敵地での前回対戦で敗戦した宿敵とのダービーに挑む。なお、直近のFAカップ4回戦再試合、ニューポート・カウンティ戦では主力を温存したうえ、DFローズとDFアルデルヴァイレルトが復帰を果たし、後半戦での主役級の働きが期待されるMFラメラも好パフォーマンスを披露。来週ミッドウィークのチャンピオンズリーグ(CL)・ユベントス戦を含めた過密日程に向けて準備は万全だ。今節はその景気づけに宿敵へのリベンジを狙う。

▽一方、今冬の移籍市場でのエースFWサンチェス、FWジルーの流出に加え、前々節では当時最下位のスウォンジーに大敗するなど、ネガティブな日々を過ごしたアーセナル。それでも、移籍市場閉幕ギリギリでFWオーバメヤンを獲得すると、直近のエバートン戦ではサンチェスとのトレードで加入したMFムヒタリアンとの元ドルトムントコンビが早速結果を残すなど、実りある5-1の大勝で復調を印象付けた。そして、ここから勢いに乗りたいチームは2013-14シーズン以来となるシーズンダブルを狙う。
▽なお、昨年11月に行われた前回対戦では攻守両面でハイインテンシティの戦いを見せたアーセナルが前半にDFムスタフィ、FWサンチェスの挙げた2ゴールによって2-0の快勝を収め、ポチェッティーノ・スパーズ相手に初白星を挙げていた。一方、開幕時は“ウェンブリーの呪い”という言葉が生まれるなど、同スタジアムを苦手とする印象があったトッテナムだが、初戦のチェルシー戦を除いて敗戦はなく8勝4分け1敗と、ここに来て“本物のホーム”にし始めている。

◆トッテナム◆
【4-2-3-1】

▽トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロリス
DF:トリッピアー、アルデルヴァイレルト、ヴェルトンゲン、ベン・デイビス
MF:エリック・ダイアー、デンベレ
MF:エリクセン、デレ・アリ、ソン・フンミン
FW:ケイン
負傷者:なし
出場停止者:なし
▽出場停止者、負傷者共になし。スタメンに関してはアルデルヴァイレルト、ソン・フンミンを除く直近のニューポート戦で温存された主力が揃って復帰する見込みだ。変更点があるとすれば、アルデルヴァイレルト、デンベレに代わってダビンソン・サンチェス、ワニャマが起用されるぐらいだ。なお、デビューが期待されるMFルーカス・モウラのベンチ入りも濃厚だ。

◆アーセナル◆
【4-2-3-1】

▽アーセナル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:オスピナ
DF:ベジェリン、コシエルニー、ムスタフィ、モンレアル
MF:ラムジー、ジャカ
MF:イウォビ、エジル、ムヒタリアン
FW:オーバメヤン
負傷者:GKチェフ、DFモンレアル、MFカソルラ、FWウェルベック
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関してはカソルラに加えて、前節のエバートン戦で負傷交代したチェフの欠場が濃厚だ。その一方で、モンレアルとウェルベックの2選手は間に合う見込みだ。

▽スタメンに関しては負傷のチェフを除き快勝したエバートン戦と同じメンバーが起用される見込みだ。ただ、勝ち点3が求められる状況でヴェンゲル監督がラムジーを右ウイングにウィルシャーをセントラルMFに配する超攻撃的な布陣を採用する可能性もある。

★注目選手
◆トッテナム:FWハリー・ケイン
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▽トッテナムの注目プレーヤーは、ロンドン・ダービーキングの異名を持つエースFWケインだ。負傷明けでコンディション不良だった前回対戦ではノーゴールに終わり、ノースロンドン・ダービーでの連続得点が5試合でストップしたイングランド代表FW。しかし、対アーセナル6戦6発の背番号10が今回の一戦のカギを握ることは間違いない。

▽直近のリバプール戦では記念すべきプレミア通算100ゴールを達成するなど好調を継続しており、8試合連続失点中の脆弱なアーセナル守備陣相手に自身にとって新たなスタートとなる101点目を目指す。

◆アーセナル:FWピエール=エメリック・オーバメヤン
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▽アーセナルの注目プレーヤーは、クラブ史上最高額の5600万ポンドで加入したオーバメヤンだ。プレミア初参戦ながらデビュー戦となったエバートン戦では盟友ムヒタリアンとのホットラインでデビュー戦ゴールを飾り、上々のスタートを切った。ただ、エバートン戦では試合序盤に勝敗が決した影響もあり、やや消える時間帯が長かった点はやや気がかりだ。

▽それでも、今回のビッグマッチに向けて好材料は今季のCLグループステージで1ゴールを記録するなど、対トッテナム4試合で4ゴールと相手のエースFWケインなみの対戦成績を残している点だ。ムヒタリアンを除く周囲との連係は構築段階ではあるものの、ハイプレスハイラインを志向する相手の守備との相性は良好だ。

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