【J1クラブ中間評価】守備意識浸透でポゼッションサッカーに変化…隙の少ない戦いで上位に《川崎フロンターレ》
2017.07.23 12:00 Sun
▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は川崎フロンターレ編をお届けする。
勝ち点32 / 9勝5分3敗
◆ポジション別採点
▽守護神のGKチョン・ソンリョンが昨シーズンに引き続き印象的な活躍を披露。さらに、DF谷口彰悟においても安定感と存在感が増している。中でも、試行錯誤が続いた苦しい序盤戦で大崩れしなかったのは、谷口を筆頭に、DFエドゥアルド、DF奈良竜樹といったディフェンス陣の働きがあったからこそ。高評価を与えたい。
【MF】80/100点満点
▽MF大島僚太こそ一時ケガで離脱したものの、バンディエラであるMF中村憲剛とMFエドゥアルド・ネットが昨年に引き続き中盤の軸として存在感。また、新戦力の阿部もワントップの位置でセンセーショナルな活躍を見せ、ストライカーの人材難に陥るチーム状況に一筋の光明を見出した。新加入のMF家長昭博や、MF三好康児の働きには不満が残ったが、全体的に好印象だ。
▽ここまでリーグ戦9ゴールを記録している新主将のFW小林悠だが、大久保が去った後のワントップの位置で機能したとは言い難く、阿部の活躍に助けられた部分は大きい。また、小林を除いたFW登録選手の得点数は、FWハイネルの1ゴールのみ。他のポジションとの貢献度を比べると、物足りなさを残した。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
MF阿部浩之(28歳/No.8)
明治安田生命J1リーグ:15試合(先発12回)/8得点
▽序盤戦こそ移籍初年度ということもあり、適応に時間を要したが、鬼木監督にストライカー起用されると、ガンバ大阪時代に記録した7得点をわずか半シーズンで上回る8得点と覚醒。さらに、アシスト数も「6」をマークしており、もはやハードワークに特化したG大阪時代の姿はない。前半戦において、この男なしに語ることはできないほど、活躍は際立っていた。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
MF家長昭博(31歳/No.41)
明治安田生命J1リーグ:7試合(先発2回)/0得点
▽シーズン前の期待値を考えると、このレフティの出来には失望感を覚えた。昨シーズンまで在籍した大宮アルディージャではキングに君臨したが、新天地での川崎Fには中村という絶対的なプレーメーカーが存在。もちろん、2カ月ほどの負傷離脱もあったが、鬼木監督の起用法からも迷いが見受けられるなど、フィットに時間がかかっている。とはいえ、先の天皇杯では移籍後初ゴールをマーク。持っている能力は折り紙付きだけに、クラブ史上初のJ1制覇へ今後の巻き返しに期待したい。
◆総力戦で悲願の初タイトル奪取へ
▽前半戦を首位と勝ち点3差で折り返すなど、悲願の初タイトルへ視界は良好。しかし、今後ACLやルヴァンカップ、天皇杯などを勝ち進むと、最大で中2日の試合が3回、中3日の試合が6回と、過密日程での試合が続くことになる。攻守にハードワークを求める鬼木監督の戦術上、主力組の活躍だけでタイトルを争うことは不可能だろう。文字通り“総力戦”となる後半戦では、出場機会が限られている家長やハイネル、U-20日本代表にも選出されているMF三好康児やDF板倉滉ら控え組の活躍にも期待したい。
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◆守備面改善で隙の少ないチームに勝ち点32 / 9勝5分3敗
(C)CWS Brains,LTD.
▽風間八宏体制から鬼木達新体制に移行した今シーズンの川崎F。序盤戦こそ鬼木監督が求める守備意識の浸透に時間を要した上、負傷者の続出で苦しい戦いが続いた。しかし、試合を追うごとに、鬼木監督の下でチームスタイルのモデルチェンジが進み、状態も上向きに。5月以降の8試合を6勝1分け1敗で切り抜け、首位のセレッソ大阪に3ポイント差の5位で後半戦を迎えた。▽その中で、内容面においても向上。特に、前半戦終了時で「15」を記録する最小失点数が物語るとおり、鬼木監督の求める守備意識が新たな色としてチームに浸透しつつある。また、攻撃面において、FW大久保嘉人の穴埋めに試行錯誤したが、最終的に新加入のMF阿部浩之がワントップの位置でフィット。鬼木監督も思い切った采配で試合の流れを引き寄せるなどの手腕が光り、チームとして隙の少ない戦いが際立っている。(C)CWS Brains,LTD.
【GK&DF】90/100点満点▽守護神のGKチョン・ソンリョンが昨シーズンに引き続き印象的な活躍を披露。さらに、DF谷口彰悟においても安定感と存在感が増している。中でも、試行錯誤が続いた苦しい序盤戦で大崩れしなかったのは、谷口を筆頭に、DFエドゥアルド、DF奈良竜樹といったディフェンス陣の働きがあったからこそ。高評価を与えたい。
【MF】80/100点満点
▽MF大島僚太こそ一時ケガで離脱したものの、バンディエラであるMF中村憲剛とMFエドゥアルド・ネットが昨年に引き続き中盤の軸として存在感。また、新戦力の阿部もワントップの位置でセンセーショナルな活躍を見せ、ストライカーの人材難に陥るチーム状況に一筋の光明を見出した。新加入のMF家長昭博や、MF三好康児の働きには不満が残ったが、全体的に好印象だ。
【FW】60/100点満点
▽ここまでリーグ戦9ゴールを記録している新主将のFW小林悠だが、大久保が去った後のワントップの位置で機能したとは言い難く、阿部の活躍に助けられた部分は大きい。また、小林を除いたFW登録選手の得点数は、FWハイネルの1ゴールのみ。他のポジションとの貢献度を比べると、物足りなさを残した。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
MF阿部浩之(28歳/No.8)
(c)J.LEAGUE PHOTOS
明治安田生命J1リーグ:15試合(先発12回)/8得点
▽序盤戦こそ移籍初年度ということもあり、適応に時間を要したが、鬼木監督にストライカー起用されると、ガンバ大阪時代に記録した7得点をわずか半シーズンで上回る8得点と覚醒。さらに、アシスト数も「6」をマークしており、もはやハードワークに特化したG大阪時代の姿はない。前半戦において、この男なしに語ることはできないほど、活躍は際立っていた。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
MF家長昭博(31歳/No.41)
明治安田生命J1リーグ:7試合(先発2回)/0得点
▽シーズン前の期待値を考えると、このレフティの出来には失望感を覚えた。昨シーズンまで在籍した大宮アルディージャではキングに君臨したが、新天地での川崎Fには中村という絶対的なプレーメーカーが存在。もちろん、2カ月ほどの負傷離脱もあったが、鬼木監督の起用法からも迷いが見受けられるなど、フィットに時間がかかっている。とはいえ、先の天皇杯では移籍後初ゴールをマーク。持っている能力は折り紙付きだけに、クラブ史上初のJ1制覇へ今後の巻き返しに期待したい。
◆総力戦で悲願の初タイトル奪取へ
▽前半戦を首位と勝ち点3差で折り返すなど、悲願の初タイトルへ視界は良好。しかし、今後ACLやルヴァンカップ、天皇杯などを勝ち進むと、最大で中2日の試合が3回、中3日の試合が6回と、過密日程での試合が続くことになる。攻守にハードワークを求める鬼木監督の戦術上、主力組の活躍だけでタイトルを争うことは不可能だろう。文字通り“総力戦”となる後半戦では、出場機会が限られている家長やハイネル、U-20日本代表にも選出されているMF三好康児やDF板倉滉ら控え組の活躍にも期待したい。
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川崎フロンターレは10日、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)のマクデブルクから元日本代表FW伊藤達哉(27)の完全移籍加入を発表した。来日後、メディカルチェック等の手続きが完了次第、チームに合流する。 伊藤は東京都出身で、2015年7月に柏レイソルのユースからにハンブルガーSVのU-19チームに加入。2017-18シーズン途中からトップチームに引き上げられ、ブンデスリーガで20試合3アシストを記録した。 2019年8月にはベルギーのシント=トロイデンへ完全移籍。出場機会が限られると2022年1月にハンブルガー時代の恩師、クリスティアン・ティッツ監督が率いるマクデブルクにレンタル移籍した。 加入から半年間でチームの3部優勝と2部昇格に貢献すると、2022-23シーズンはレンタル期間を延長。2023年6月には完全移籍が決まった。 マクデブルクでは約3年間ジョーカーとして活躍を続け、公式戦97試合で12ゴール14アシスト。今シーズンは2.ブンデスリーガで10試合1アシスト、DFBポカールで1試合1アシストを記録していた。 日本代表経験もあり、2018年9月にフル代表初招集。2019年のコパ・アメリカにも参加したが、ピッチには立っていない。 川崎FでのJリーグ初挑戦が決まった伊藤は、クラブを通じてコメントしている。 「川崎フロンターレのサポーターの皆さん、初めまして、伊藤達哉です。近年、最も成功を収めているクラブである川崎フロンターレの一員になれることをうれしく思います。川崎フロンターレの伝統でもある攻撃的なサッカーに貢献できるよう全力を尽くします。サポーターの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」 2025.01.10 17:30 Fri5