奇跡の代償は大きく…バルサが格下デポルにまさかの敗戦! 20戦ぶりの今季3敗目で暫定首位陥落の危機…《リーガエスパニョーラ》

2017.03.13 02:16 Mon
Getty Images
バルセロナは12日、敵地リアソールで行われたリーガエスパニョーラ第27節でデポルティボと対戦し、1-2で敗戦した。

▽8日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦2ndレグのパリ・サンジェルマン(PSG)戦を6-1で制し、CL史上初となる1stレグ0-4から奇跡の大逆転劇を演じた首位バルセロナ(勝ち点60)は、シーズン3冠の可能性を復活させた。“カンプ・ノウの奇跡”から中3日で行われる今節は、敵地リアソールで16位デポルティボと対戦した。

▽多くのエネルギーを使ったPSGからの反動が懸念されるこの一戦に向けてルイス・エンリケ監督は、先発5人を変更。左足を痛めたネイマール、胃腸炎のラフィーニャの欠場組に加え、イニエスタとユムティティ、ラキティッチがベンチスタート。代わってセルジ・ロベルト、ジョルディ・アルバ、デニス・スアレス、アンドレ・ゴメス、アルダが先発に入った。また、システムは引き続き守備時[4-4-2]、攻撃時にメッシをトップ下に配した[3-4-3]を採用し、トリデンテはデニス・スアレス、ルイス・スアレス、アルダのトリオとなった。
▽試合前からの懸念通り、やや緩い入りとなったバルセロナは、攻守に積極性を見せるホームチームの勢いを受ける形となる。開始9分にはブルーノ・ガマからパスを受けたホセルに枠内シュートを許すが、ここはGKテア・シュテーゲンが正面で対応する。

▽時間の経過と共にボールを支配して相手を押し込んでいくバルセロナだが、人数をかけて粘り強く守る相手の守備をなかなか崩し切ることができない。21分にはアンドレ・ゴメス、ルイス・スアレスとの連係からボックス左のメッシがシュートを狙うが、相手DFのブロックに遭う。さらに36分にはブスケッツの縦パスを受けたセルジ・ロベルトが見事なドリブル突破でボックス右に抜け出し、グラウンダーで折り返すも、ここはスアレスの前でGKにブロックされる。
▽攻め込むもののゴールが遠いバルセロナは、前半終了間際に一瞬の隙を突かれてまさかの先制を許す。40分、右CKの混戦からマスチェラーノのクリアミス、GKテア・シュテーゲンのキャッチミスが重なり、こぼれ球をホセルに流し込まれた。

▽1点ビハインドで後半へと折り返したバルセロナだったが、ハーフタイムに指揮官から激しい檄を飛ばされたチームは、開始早々に追いつく。後半開始1分、右サイドでセルジ・ロベルトが入れたクロスに反応したアンドレ・ゴメスが中央で潰れ、ボックス右にボールがこぼれる。これに反応したスアレスが右足のダイレクトシュートを流し込んだ。

▽電光石火の同点弾でここから一気にバルセロナのペースと思われたが、先に良いリアクションを見せたのはホームチーム。前半同様にロングカウンターからチャンスを窺うデポルティボは、53分にボックス内のファイルに決定機も、ここはシュートを枠に飛ばせない。

▽一方、畳みかけたいバルセロナは58分、アンドレ・ゴメスとアルダをベンチに下げてイニエスタ、ラキティッチを同時投入する二枚替えを敢行。この交代でセルジ・ロベルトが右ウイングにポジションを上げ、デニス・スアレスが左ウイングにポジションを移した。だが、流れを掴み切れないチームは、63分に相手のカウンターからブルーノ・ガマの右クロスをファーサイドのホセルにダイレクトボレーで合わせられるなど、あわや勝ち越しのピンチを許した。

▽左サイドのデニス・スアレスを起点に幾つかチャンスを作るものの、なかなか決め切れないバルセロナは、再びセットプレーの流れから勝ち越しゴールを許してしまう。74分、右CKの場面でファイルのクロスをアリーバスに頭で合わせられるが、これはGKテア・シュテーゲンがわずかに触り左ポストに救われる。だが、直後の左CKでDFジョルディ・アルバがベルガンティノスに競り負け、ファーポストに流し込まれた。

▽痛恨の失点を受けてルイス・エンリケ監督は、77分にデニス・スアレスを下げてパコ・アルカセルを投入。80分にはメッシのスルーパスに抜け出した右サイドのセルジ・ロベルトの折り返しを、ゴール前に飛び込んだスアレスがダイレクトで合わすが、ここはGKルクスのビッグセーブに阻まれた。さらに84分にはイニエスタの浮き球パスに反応したセルジ・ロベルトが右サイドからのダイアゴナルランでワンタッチシュートに持ち込むが、これも枠を捉え切れない。

▽リーグ3連覇に向けて敗戦が許されないバルセロナは、試合終盤にかけて猛攻を見せる。90分にはボックス手前の好位置で得たFKをメッシが直接狙うが、このシュートは枠を捉え切れず、逆に試合終了間際には相手のロングカウンターでGKテア・シュテーゲンが1対2の状況を作られるが、ファイルの決定機をビッグセーブで阻む。すると、このカウンターからボックス付近まで持ち込んだメッシにシュートチャンスも、ここは相手DFにブロックされ、万事休す。

▽PSG戦で起こした奇跡の代償は大きく、昨年10月の第7節セルタ戦以来、20試合ぶりの今季3敗目を喫したバルセロナは、今節の結果次第で1試合未消化の2位レアル・マドリーに首位を奪い返される可能性が出てきた。

バルセロナの関連記事

【ヴィッセル神戸20周年チャリティーマッチ】ヴィッセル神戸 1-3 バルセロナ(7月27日/ノエビアスタジアム神戸) [速報]ヴィッセル神戸が同点に追いつく!!/キーパーが弾いたボールを広瀬陸斗が拾い宮代大聖がゴール!\30周年記念チャリティーマッチヴィッセル神戸 vs FCバルセロナ解説:槙野智章 乾貴士ABE 2025.07.28 06:00 Mon
バルセロナは25日、中止としていたヴィッセル神戸との30周年記念チャリティーマッチ「FRIENDLY MATCH」の『ヴィッセル神戸 vs FC バルセロナ』が開催されることを発表した。 今月27日に予定されていた一戦は、同月24日、『プロモーターによる重大な契約違反』があったとしてバルセロナが公式サイト上で日本 2025.07.25 19:00 Fri
FCバルセロナは24日、27日に開催予定のヴィッセル神戸との試合を中止することを発表した。注目を集めた一戦がまさかの形で中止となると、ファンの間で落胆の声が広がっている。 神戸は7月27日、30周年記念チャリティーマッチ「FRIENDLY MATCH」の『ヴィッセル神戸 vs FC バルセロナ』が予定されていた。 2025.07.24 13:06 Thu
バルセロナのジョアン・ラポルタ会長がハンジ・フリック監督の契約延長に改めて言及した。スペイン『ムンド・デポルティボ』が伝えた。 15日、ラ・リーガ第36節が行われ、バルセロナはアウェイでエスパニョールと対戦。同じ街のライバルであるエスパニョールとのダービーでは勝てばリーグ優勝が決まる中、前半はゴールレスに。それで 2025.05.16 20:20 Fri
バルセロナのスペイン代表MFフェルミン・ロペスが、リーグ制覇を喜んだ。 15日、ラ・リーガ第36節が行われ、バルセロナはアウェイでエスパニョールと対戦した。 同じ街のライバルであるエスパニョールとの対戦。勝てばリーグ優勝が決まる中、前半はゴールレスに。それでも後半に入ると、53分にヤマルが先制ゴール。後半ア 2025.05.16 15:25 Fri

ラ・リーガの関連記事

【ラ・リーガ】マジョルカ 1ー0 アラベス(9月28日/エスタディ・マジョルカ・ソン・モイシ) ジャガー浅野 待望の今季初ゴール#浅野拓磨 味方との見事なワンツーで裏に抜け出し、冷静なフィニッシュこのゴールが決勝弾となり今季未勝利だったチームを初勝利に導くラ・リーガ 第7節#マジョルカ v #アラベスhttps: 2025.09.29 16:00 Mon
ソシエダの日本代表MF久保建英が、ラ・リーガの開幕戦で初ゴールを決めた。鮮烈ゴラッソに、ファンが大歓喜している。 ソシエダはラ・リーガ第1節でバレンシアと対戦。在籍4シーズン目を迎える久保は[4-2-3-1]の右サイドハーフで先発すると、先制を許した直後の60分に圧巻の同点ゴールを叩き込む。 スペイン代表M 2025.08.18 12:30 Mon
新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」は、スポーツ・チャンネルDAZNと展開する「ABEMA de DAZN」で、2025年8月より開幕する主要な欧州サッカーリーグにおいて、日本代表選手が所属するクラブを中心とした「欧州リーグ2025-26」の試合を中継することを決定した。 今回の発表によると、リーグ・アン、 2025.08.15 17:21 Fri
バルセロナは25日、中止としていたヴィッセル神戸との30周年記念チャリティーマッチ「FRIENDLY MATCH」の『ヴィッセル神戸 vs FC バルセロナ』が開催されることを発表した。 今月27日に予定されていた一戦は、同月24日、『プロモーターによる重大な契約違反』があったとしてバルセロナが公式サイト上で日本 2025.07.25 19:00 Fri

バルセロナの人気記事ランキング

1

イニエスタ氏に指導者転身の動き ドバイでコーチライセンス講習に

元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ氏に指導者転身の動きだ。 今月8日にバルセロナで始まり、ヴィッセル神戸、エミレーツ・クラブ、そしてスペイン代表で彩った現役キャリアに別れを告げたイニエスタ氏。それから1週間が経ったばかりだが、早くも次のキャリアに歩みを進めるという。 スペイン『マルカ』によると、イニエスタ氏はアジアサッカー連盟(AFC)が進めるAFCのB級ライセンス取得のため、12日からドバイで講習に参加。アジアの有名な元選手たちとともに、3カ月間のプログラムに励むようだ。 学んでいく内容はトレーニングのトレンドをはじめ、攻守のプレー原則と方法や、個人および、集団のチーム戦術、ゲームメソッドの構築とさまざま。試合分析や、回復プロセス、栄養学なども学びのテーマとなる模様だ。 現時点でこれといって将来を決めているわけでなく、家族との時間やフットボール以外のビジネスにも取り組む見通しというイニエスタ氏だが、指導者の第一歩を踏み出している。 2024.10.15 23:17 Tue
2

「ほぼ準備はできていた」バルサFWハフィーニャはイタリア代表だった人生も? 現在はブラジル代表で主軸に「幸運だった」

バルセロナのブラジル代表FWハフィーニャが、イタリア代表としてプレーしていたキャリアがあったことを明かした。 ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスでプロキャリアをスタートさせたハフィーニャはスポルティングCP、スタッド・レンヌ、リーズ・ユナイテッドでプレー。2022年7月にバルセロナへと完全移籍で加入した。 今シーズンはラ・リーガで32試合に出場し16ゴール11アシストを記録。チャンピオンズリーグ(CL)でも13試合で12ゴール9アシストを記録しており、公式戦52試合で31ゴール25アシストと50ゴール以上に絡む活躍を見せている。 バルセロナは3冠の可能性も残っている中で、バロンドール受賞に最も近いとされるハフィーニャだが、ジャーナリストであるイサベラ・パリアリさんのYouTubeに出演。意外な事実を明かし、イタリア代表としてプレーしていた可能性を語った。 「イタリア代表への招集を受け入れるところだった。ほぼ準備はできていた。でもパスポートが届かなかったので、幸運だった」 「イタリア代表から電話があった。ジョルジーニョ(アーセナル)は、いつだって電話をくれた。イタリアのスタッフが僕のために素晴らしいプロジェクトを用意してくれていて、本当に感銘を受けた」 「でも同時に、心の奥底ではブラジル代表のユニフォームを着られるという1%の希望がまだ残っていた。そして幸運なことに、イタリアのパスポートが間に合わなかったんだ」 ハフィーニャはブラジルとイタリアの2つの国籍を保有。父親もブラジル人でありながら、イタリアのパスポートを持っていた。 アーセナルのMFジョルジーニョやウェストハムのDFエメルソン・パルミエリのように、ブラジル人ながらイタリア代表でプレーする可能性も十分にあったが、手続の問題でなれずにいた。 その後リーズでの活躍が認められ、2021年10月にブラジル代表デビュー。イタリア代表を逃してから1年後に心の底にあった夢を叶え、現在では主軸としてプレーしている。 2025.05.05 23:05 Mon
3

コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語

バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun
4

浦和がバルサ、リバプールと並ぶ!! 『世界の熱狂的なサポーター5選』に浦和サポーターが選出!

▽世界各国のフットボールシーンにおいて、熱狂的なサポーターを抱えることで知られるクラブがいくつかある。日本を代表する熱狂的なサポーターと言えば、浦和レッズサポーターだが、『Fox Sports』が選ぶ『世界の熱狂的なサポーター5選』に見事選ばれた。 ▽浦和が選ばれた『世界の熱狂的なサポーター5選』には、リーベル・プレート(アルゼンチン)、ガラタサライ(トルコ)、リバプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)が入っており、浦和サポーターは世界でも“熱狂的”なファンで知られるクラブと肩を並べることとなった。 ▽浦和については「Jリーグの20シーズン中、14シーズンで最高の平均入場者数を誇り、サポーターが作る最高のコレオグラフィーがある」と紹介。「次東京に行く際は、埼玉スタジアムでの試合を観て欲しい」と、観戦を勧めている。以下、4クラブのサポーターの特徴を紹介。 ◆リーベル・プレート(アルゼンチン) ▽リーベル・プレートは、アルゼンチンで最もサポーターが多いクラブの1つで、ボカ・ジュニアーズとの激しいライバル関係は有名だ。ロス・ミジョナリオス(億万長者)の愛称でも知られ、ボカ・ジュニアーズとのダービーは、死人が出るほどの激しい試合になるとも言われている。 ◆ガラタサライ(トルコ) ▽ガラタサライは、ファンの大声援が地響きを起こすとも称されるほど。悪名高い「Wellcome to Hell(地獄へようこそ)」というバナーは広く知られている。1993年のマンチェスター・ユナイテッド戦、2001年のパリ・サンジェルマン戦ではサポーターが衝突し、まさに“地獄”となってしまった。 ◆リバプール(イングランド) ▽サポーターを「12人目の男」と考えるリバプール。「You'll Never Walk Alone」の大合唱は有名であり、スタジアムが素晴らしい雰囲気で包まれる。2005年のチャンピオンズリーグ決勝のミラン戦では、ビハインドで迎える後半にサポーターの大声援が選手の背中を後押しし、逆転での優勝に繋がったとも。 ◆バルセロナ(スペイン) ▽かつては「ソシオ」がチームを支えるほど、サポーターとの関係が重要視されているバルセロナ。近年、胸スポンサーを入れるようになったが、それまではサポーターの会員費と入場料収入でクラブは運営されていた。かつて、レアル・マドリーへ禁断の移籍をしたルイス・フィーゴが凱旋した時には、豚の頭が投げ込まれるほど熱狂的だ。 2017.10.12 22:45 Thu

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly