【質疑応答】手倉森誠監督「軸になりたければ選手自身が頑張る」…注目のOA枠については「縁のある人がここに組み込まれる」
2016.05.06 17:25 Fri
▽日本サッカー協会(JFA)は6日、11に予定される『MS&ADカップ2016~九州 熊本地震復興支援チャリティーマッチ がんばるばい熊本~』に向けたU-23日本代表メンバーを発表した。
▽このメンバー発表会見に出席したU-23日本代表の手倉森誠監督は、記者との質疑応答の中で、震災後のU-23日本代表としての活動意義や、負傷者が相次ぐ現状の他、注目のオーバーエイジ枠について口を開いた。
◆手倉森誠監督(U-23日本代表)
――今回選ばれたメンバーは今後も本大会を含めて軸となるのか
「(選手たちが)軸になりたければ、頑張るでしょうと。頑張れ。間違いなく、ここで選ばれているメンバーは、そのチャンスがある。そのチャンスを十二分に生かす覚悟を示してほしいし、本大会に向けてこれからの試合を想定していく必要がある。非常に過酷でタフな本大会が待っている。求められるのはタフさ。環境の整った日本で試合をするのであれば、今ある力、スピード、パワーを発揮する選手が生き残ってくるだろうと」
――クラブで主力として出ているMF遠藤航(浦和レッズ)やGK中村航輔(柏レイソル)が選ばれていない理由は?※霜田正浩技術委員長が返答
「色んな理由がある。ここで呼ばなくても、この後に控えているトゥーロンでしっかりと見れる選手もいれば、クラブで日本の代表としてACLを戦う過密日程を控える選手もいる。一人ひとりの理由が違う。遠藤航と中村航輔に関しては、それらが(招集外の)理由となる」
――チャリティーマッチの意義とは?
「打撃を受けた被災地では、悔しさ、悲しみに溢れている。悪いことが起きるのも人生だが、良いことが起きるのも人生。良いことも人間の手で起こさなければならない。スポーツの力で明るいニュースを届けられるっていうのは、ベガルタ仙台でものすごく感じた」
「そういったところをしっかりと認識して、打撃を受けた被災地、九州の力、日本の力を、我々がたくましさという部分で示したい」
――ケガ人が多いだけでなく、オーバーエイジ枠として海外組を呼べない可能性が高いようだが
「この立場で仕事をさせてもらっていて、私なりにこれまでの五輪代表監督の感情であったり、仕事ぶりを検証してきたつもり。オーバーエイジを呼ぶことは非常に困難な仕事。だから、自分の中では“こんなん”でしょと(笑)」
「勝負を挑むときの戦う仲間には、必ず縁があるもの。今、ケガしているメンバーにも縁が決してないわけじゃなく、『果たして誰が戻ってくるんだろうか』という期待感も自分の中にある」
「私の中では、オーバーエイジありきじゃなく、U-23世代の大会であるという認識がしっかりとある。リオでこのU-23世代を次のロシアの選手選考に食い込ませたいし、困難であってもそのプロジェクトは大きく進む。私はなるようになると思っている」
「ただ7月1日まで時間がある。やるべきことを色んな情報を取りながらやっていければ、その先のやることが明確になってくるだろうと。最終予選では色々と試行錯誤しながら、苦しみながら『最後に勝てば良いだろう』との思いで、最終的にアジア王者になれた」
――このガーナ戦で想定するフォーメーションや戦い方はあるか
「このメンバー構成を見れば、[4-4-2]。[4-4-2]でいきます。アフリカ勢を含め、予選を勝ち抜いてきた国々を見ると、若さからくるゲームコントロール能力の部分で間延びする傾向がある」
「特に、アフリカ勢はそう。彼らに付き合うと、絶対に身体能力でやられる。コンパクトさで戦うのであれば、[4-4-2]だろうと。これはあくまで自分の中での考えでしかないが、それに確信が持てるように、今回の試合でトライしたい」
――このガーナ戦も含め、今後トライしようと考えていることはあるか
「選手一人ひとりに、もっとポリバレント性を植え付けなければならないなと。それと、割り切りの部分で、体力の分散、集中力の分散に関して、少し彼らに理解させなければならないと思っている」
「あとはスピードの向上も。柔軟性、割り切り、メリハリの部分が本大会で重要になってくる。暑い環境の中で、パワーを出し続けるのは難しい。いつパワーを出すのかという部分で、メリハリをもったチームにならないと」
「そういったものを理解し合えるグループを形成していかなければならないと思う。3分の1以上の選手は、複数のポジションでプレーできる選手がいないといけないと、今のところは考えている」
――トゥーロンに向けて今回のメンバーから3人が削られることになる。どの段階で選手に伝えるのか
「トゥーロンでは入れ替わる。入れ替わることを選手たちに話しながら、このキャンプをやっていく。置いていく人にとっては、このガーナ戦が大事になってくるだろうし、その意識の中で選手たちを戦わせたい」
「柔軟性、バリエーションを持たせるために、他の選手にもまだまだチャンスを与えたいいし、入れ替えながら5月を過ごしたい。選手たちにはそういった話を理解してもらいながら、チームとして動いていきたいと思っている」
――ガーナ戦での起用法やゲームプランは?
「ゲームの状況に応じて、システムを動かせる選手がいるのであれば、それを実行していきたい。特に、劣勢のときは、そういった違った顔を見せなければならないなと」
「あと、金曜日にJリーグを戦うクラブの選手がいる。その辺はコントロールしなければならない。その分、色んな選手にチャンスを分け与えられるのではと」
――柏レイソルから伊東純也を呼んだが、どのポジションの選手として見ているのか
「サッカー選手として見ていますね(笑)。今の彼は、中盤に上がってからゴールに直結するプレーができている。[4-4-2]のサイドアタッカーやFW起用も考えている。アフリカ勢を驚かせるスピードスターとして使えれればと思っている」
――海外組のオーバーエイジは依然として選択肢に入っているのか
「北京のときは、使おうとして使えなかったということも把握している。そういうことも起こり得るのかなと。今、このグループではものすごく正しい競争がある。だからこそ、短い期間の中で成長してきている」
「オーバーエイジを使うことになれば、選手たちはもっと成長スピードを上げなければならない。そういうことも考えたとき、最初から使わないとは言い切れない。U-23の選手に何かがあったときにはオーバーエイジというルールがあるということも把握しておかなければならない」
「幅を持たせるために、こういったことを進めてきた。協会に色んな情報も取ってもらいながら動いてもらっている。最後は、縁のある人がここに組み込まれるだろうという話をしている」
▽このメンバー発表会見に出席したU-23日本代表の手倉森誠監督は、記者との質疑応答の中で、震災後のU-23日本代表としての活動意義や、負傷者が相次ぐ現状の他、注目のオーバーエイジ枠について口を開いた。
◆手倉森誠監督(U-23日本代表)
――今回選ばれたメンバーは今後も本大会を含めて軸となるのか
「(選手たちが)軸になりたければ、頑張るでしょうと。頑張れ。間違いなく、ここで選ばれているメンバーは、そのチャンスがある。そのチャンスを十二分に生かす覚悟を示してほしいし、本大会に向けてこれからの試合を想定していく必要がある。非常に過酷でタフな本大会が待っている。求められるのはタフさ。環境の整った日本で試合をするのであれば、今ある力、スピード、パワーを発揮する選手が生き残ってくるだろうと」
「色んな理由がある。ここで呼ばなくても、この後に控えているトゥーロンでしっかりと見れる選手もいれば、クラブで日本の代表としてACLを戦う過密日程を控える選手もいる。一人ひとりの理由が違う。遠藤航と中村航輔に関しては、それらが(招集外の)理由となる」
――チャリティーマッチの意義とは?
「打撃を受けた被災地では、悔しさ、悲しみに溢れている。悪いことが起きるのも人生だが、良いことが起きるのも人生。良いことも人間の手で起こさなければならない。スポーツの力で明るいニュースを届けられるっていうのは、ベガルタ仙台でものすごく感じた」
「そういうのをわかっている指揮官として、被災地への思い、オリンピックへの国民の思いを胸に刻むことで、大きなパワーを注ぐことができる。日本の歴史を変えるべくメダルを目標にする中で、一つまた大きなものを背負って戦う」
「そういったところをしっかりと認識して、打撃を受けた被災地、九州の力、日本の力を、我々がたくましさという部分で示したい」
――ケガ人が多いだけでなく、オーバーエイジ枠として海外組を呼べない可能性が高いようだが
「この立場で仕事をさせてもらっていて、私なりにこれまでの五輪代表監督の感情であったり、仕事ぶりを検証してきたつもり。オーバーエイジを呼ぶことは非常に困難な仕事。だから、自分の中では“こんなん”でしょと(笑)」
「勝負を挑むときの戦う仲間には、必ず縁があるもの。今、ケガしているメンバーにも縁が決してないわけじゃなく、『果たして誰が戻ってくるんだろうか』という期待感も自分の中にある」
「私の中では、オーバーエイジありきじゃなく、U-23世代の大会であるという認識がしっかりとある。リオでこのU-23世代を次のロシアの選手選考に食い込ませたいし、困難であってもそのプロジェクトは大きく進む。私はなるようになると思っている」
「ただ7月1日まで時間がある。やるべきことを色んな情報を取りながらやっていければ、その先のやることが明確になってくるだろうと。最終予選では色々と試行錯誤しながら、苦しみながら『最後に勝てば良いだろう』との思いで、最終的にアジア王者になれた」
――このガーナ戦で想定するフォーメーションや戦い方はあるか
「このメンバー構成を見れば、[4-4-2]。[4-4-2]でいきます。アフリカ勢を含め、予選を勝ち抜いてきた国々を見ると、若さからくるゲームコントロール能力の部分で間延びする傾向がある」
「特に、アフリカ勢はそう。彼らに付き合うと、絶対に身体能力でやられる。コンパクトさで戦うのであれば、[4-4-2]だろうと。これはあくまで自分の中での考えでしかないが、それに確信が持てるように、今回の試合でトライしたい」
――このガーナ戦も含め、今後トライしようと考えていることはあるか
「選手一人ひとりに、もっとポリバレント性を植え付けなければならないなと。それと、割り切りの部分で、体力の分散、集中力の分散に関して、少し彼らに理解させなければならないと思っている」
「あとはスピードの向上も。柔軟性、割り切り、メリハリの部分が本大会で重要になってくる。暑い環境の中で、パワーを出し続けるのは難しい。いつパワーを出すのかという部分で、メリハリをもったチームにならないと」
「そういったものを理解し合えるグループを形成していかなければならないと思う。3分の1以上の選手は、複数のポジションでプレーできる選手がいないといけないと、今のところは考えている」
――トゥーロンに向けて今回のメンバーから3人が削られることになる。どの段階で選手に伝えるのか
「トゥーロンでは入れ替わる。入れ替わることを選手たちに話しながら、このキャンプをやっていく。置いていく人にとっては、このガーナ戦が大事になってくるだろうし、その意識の中で選手たちを戦わせたい」
「柔軟性、バリエーションを持たせるために、他の選手にもまだまだチャンスを与えたいいし、入れ替えながら5月を過ごしたい。選手たちにはそういった話を理解してもらいながら、チームとして動いていきたいと思っている」
――ガーナ戦での起用法やゲームプランは?
「ゲームの状況に応じて、システムを動かせる選手がいるのであれば、それを実行していきたい。特に、劣勢のときは、そういった違った顔を見せなければならないなと」
「あと、金曜日にJリーグを戦うクラブの選手がいる。その辺はコントロールしなければならない。その分、色んな選手にチャンスを分け与えられるのではと」
――柏レイソルから伊東純也を呼んだが、どのポジションの選手として見ているのか
「サッカー選手として見ていますね(笑)。今の彼は、中盤に上がってからゴールに直結するプレーができている。[4-4-2]のサイドアタッカーやFW起用も考えている。アフリカ勢を驚かせるスピードスターとして使えれればと思っている」
――海外組のオーバーエイジは依然として選択肢に入っているのか
「北京のときは、使おうとして使えなかったということも把握している。そういうことも起こり得るのかなと。今、このグループではものすごく正しい競争がある。だからこそ、短い期間の中で成長してきている」
「オーバーエイジを使うことになれば、選手たちはもっと成長スピードを上げなければならない。そういうことも考えたとき、最初から使わないとは言い切れない。U-23の選手に何かがあったときにはオーバーエイジというルールがあるということも把握しておかなければならない」
「幅を持たせるために、こういったことを進めてきた。協会に色んな情報も取ってもらいながら動いてもらっている。最後は、縁のある人がここに組み込まれるだろうという話をしている」
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