「研ぎ澄まされた刀」「日本経由で歴史的エイバルに」…現地メディアが乾を絶賛、ジダンとともに今節の主役として扱われる
2016.01.11 11:51 Mon
10日のリーガエスパニョーラ第19節エスパニョール戦で、リーガ初得点及びPK獲得によってエイバルを2-0の勝利に導いたMF乾貴士だが、現地メディアは同選手の活躍を絶賛している。
乾はこの試合の15分、ペナルティエリア角から右足を振り抜き、ゴール右上隅に突き刺してリーガ初得点を記録。さらに72分にはペナルティエリア内でDFハビ・ロペスに倒されてPKを獲得し、チーム2点目のきっかけとなった。スペイン『モビスタール・プルス』でこの試合を解説していた元スペイン代表GKサンティアゴ・カニサレス氏は、乾の得点を「並外れている」「今節のベストゴールの一つ」と絶賛したほか、「ゴールのほか、自身のサイドで見事な仕事を実現しているね」と試合を通して良質なパフォーマンスを見せていたとの見解を述べている。
しかし乾を讃えるのは、カニサレス氏だけではない。その後にスペインメディアの電子版がアップしたこの試合に関する記事の見出しは、すべてが乾絡みだった。
まず一般紙含めスペインで最大の発行部数を誇るスポーツ新聞『マルカ』は、電子版と紙面共通の採点で、乾にこの試合の単独最高点となる8(10点満点)を付けた。電子版の試合レポートでは「日本経由で歴史的エイバルに」とのタイトルを記し、ヨーロッパリーグ出場圏6位でリーグ前半戦を終えたエイバルの躍進に、乾が絡んだことを強調。本文では次のように記している。
「ゴールはタカシ・イヌイの天才的なシュートによって訪れた。日本人はそのクラスを少しずつ示してはいたが、(左サイドのレギュラー格とされる)サウール・ベルホンにその道を塞がれていた。だが(S・ベルホンが出場した)コパ・デル・レイによってリーガで2試合連続で先発出場し、その2試合目で道を切り拓いた」
「そして、またイヌイだった。見事な切り返しでハビ・ロペスに尻餅をつかせると、このDFは理解不能なことにペナルティエリア内でイヌイにダイビングした。メンディリバル監督のチームは、19節終了時点で欧州カップ出場圏に位置している。驚くばかりだ」
一方でスポーツ新聞『アス』は、試合レポートのタイトルで「イヌイ、バターのようなエスパニョールを前に研ぎ澄まされた刀」と、乾の活躍ぶりとエスパニョールの不甲斐なさを強調。同紙のエスパニョール担当記者が記した本文は、このような調子だ。
「イヌイ、悪夢だ。1-0(ゴラッソ)の著者であり、2-1とするペナルティの被害者である。イヌイはエスパニョールにとって、正真正銘の悩みの種だったのだ。日本人はサイドから切れ込み、研ぎ澄まされた刀でもって脆弱なバターを切って捨てた」
「ニューチーム(キャプテン翼における南葛SC)を前にした日本人だ。エイバル史上最高額で加入したイヌイは、エスパニョールのアウェイ6連敗を後押しした。普段は青白のエスパニョールが白の、オリベル・アトム(大空翼)を擁するニューチームを連想させるユニフォームを着た日だった。『ボールは友達』と、あの架空の人物は言い切った。そしてイプルーア(エイバルの本拠地)で、そのことが示されたのだった。エイバルはボールを丁重に扱い、勝ち点3を獲得した」
またスペイン最大の通信社『EFE通信』は、レアル・マドリー指揮官としてデビューを果たしたジネディーヌ・ジダン監督や、レアル・ソシエダFWジョナタス、アトレティコ・マドリーMFアウグスト・フェルナンデスとともに乾を「今節の主役たち」に選定。選定理由を次のように記している。
「少し前までは、アジア選手のスペインサッカーへの到着は、巨大なる市場に向けた目配せと捉えられていた。選手がスペインサッカーのレベルにあるかを考える人間は、ほんのわずかだったのだ。だが時代は変わり、タカシ・イヌイのような選手がそのことを証明する」
「彼はサッカーという言語をよく理解している。エイバル史上最高額の選手となった日本人は、トップ下、サイドにおいて、エイバルファンにとってのセンセーションとなっている」
ほかにも「日本人がエスパニョールをなぎ倒す」「イヌイがエイバルを3連勝に導く」など、スペインメディアでは「イヌイ」の文字が躍る。憧れの地スペインに到着して以来、求め続けた結果をようやく出した乾だが、今後もコンスタントに活躍することはできるのだろうか。いずれにしても、現地での期待は最大限に膨れ上がった。
提供:goal.com
乾はこの試合の15分、ペナルティエリア角から右足を振り抜き、ゴール右上隅に突き刺してリーガ初得点を記録。さらに72分にはペナルティエリア内でDFハビ・ロペスに倒されてPKを獲得し、チーム2点目のきっかけとなった。スペイン『モビスタール・プルス』でこの試合を解説していた元スペイン代表GKサンティアゴ・カニサレス氏は、乾の得点を「並外れている」「今節のベストゴールの一つ」と絶賛したほか、「ゴールのほか、自身のサイドで見事な仕事を実現しているね」と試合を通して良質なパフォーマンスを見せていたとの見解を述べている。
しかし乾を讃えるのは、カニサレス氏だけではない。その後にスペインメディアの電子版がアップしたこの試合に関する記事の見出しは、すべてが乾絡みだった。
まず一般紙含めスペインで最大の発行部数を誇るスポーツ新聞『マルカ』は、電子版と紙面共通の採点で、乾にこの試合の単独最高点となる8(10点満点)を付けた。電子版の試合レポートでは「日本経由で歴史的エイバルに」とのタイトルを記し、ヨーロッパリーグ出場圏6位でリーグ前半戦を終えたエイバルの躍進に、乾が絡んだことを強調。本文では次のように記している。
「ゴールはタカシ・イヌイの天才的なシュートによって訪れた。日本人はそのクラスを少しずつ示してはいたが、(左サイドのレギュラー格とされる)サウール・ベルホンにその道を塞がれていた。だが(S・ベルホンが出場した)コパ・デル・レイによってリーガで2試合連続で先発出場し、その2試合目で道を切り拓いた」
「そして、またイヌイだった。見事な切り返しでハビ・ロペスに尻餅をつかせると、このDFは理解不能なことにペナルティエリア内でイヌイにダイビングした。メンディリバル監督のチームは、19節終了時点で欧州カップ出場圏に位置している。驚くばかりだ」
一方でスポーツ新聞『アス』は、試合レポートのタイトルで「イヌイ、バターのようなエスパニョールを前に研ぎ澄まされた刀」と、乾の活躍ぶりとエスパニョールの不甲斐なさを強調。同紙のエスパニョール担当記者が記した本文は、このような調子だ。
「イヌイ、悪夢だ。1-0(ゴラッソ)の著者であり、2-1とするペナルティの被害者である。イヌイはエスパニョールにとって、正真正銘の悩みの種だったのだ。日本人はサイドから切れ込み、研ぎ澄まされた刀でもって脆弱なバターを切って捨てた」
「ニューチーム(キャプテン翼における南葛SC)を前にした日本人だ。エイバル史上最高額で加入したイヌイは、エスパニョールのアウェイ6連敗を後押しした。普段は青白のエスパニョールが白の、オリベル・アトム(大空翼)を擁するニューチームを連想させるユニフォームを着た日だった。『ボールは友達』と、あの架空の人物は言い切った。そしてイプルーア(エイバルの本拠地)で、そのことが示されたのだった。エイバルはボールを丁重に扱い、勝ち点3を獲得した」
またスペイン最大の通信社『EFE通信』は、レアル・マドリー指揮官としてデビューを果たしたジネディーヌ・ジダン監督や、レアル・ソシエダFWジョナタス、アトレティコ・マドリーMFアウグスト・フェルナンデスとともに乾を「今節の主役たち」に選定。選定理由を次のように記している。
「少し前までは、アジア選手のスペインサッカーへの到着は、巨大なる市場に向けた目配せと捉えられていた。選手がスペインサッカーのレベルにあるかを考える人間は、ほんのわずかだったのだ。だが時代は変わり、タカシ・イヌイのような選手がそのことを証明する」
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提供:goal.com
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