バイエルン、年内最終戦を勝利で締め 酒井フル宏出場のハノーファーはPK献上に泣く《ブンデスリーガ》

19日、ブンデスリーガ第17節が行われ、首位に立つバイエルンは敵地でのハノーファー戦に1-0で勝利、年内最後のリーグ戦を勝利で締めくくっている。ハノーファーでは長期離脱中の清武弘嗣が欠場しているものの、酒井宏樹は右サイドバックでフル出場を果たし、再三あったコマンとの1対1の場面でも粘り強い守備で奮闘を見せた。

前節の勝利でヘルプストマイスター(前半戦の王者)を確定させていたバイエルンだが、主力に負傷者が続出していた。ロッベン、リベリ、ドグラス・コスタ、ゲッツェ、アラバ、さらに主将のラームまでも離脱し、この日のベンチには4人しか置いていなかった。

特に響いたのが、D・コスタやロッベンといった仕掛けられる選手の不在だった。この日のスタメンでは右サイドのコマンにその役割が集中。ハノーファーもそこは重々理解しており、コマンが左右にポジションを変えようと、しっかりと2人以上で対応し、簡単には突破を許さなかった。

ボールを支配しながらも、思うようにチャンスをつくり出せないバイエルンに対し、8分にはハノーファーに決定機が訪れる。バイエルンの中盤での連係ミスを突いてカウンターを仕掛け、左サイドからのクロスをアンドレアセンが頭で合わせるが、クロスバーに嫌われてしまう。

立ち上がりに肝を冷やしたバイエルンは、徐々に反撃に移る。30分、バイタルエリアで前を向いたレヴァンドフスキが左足で巻いたシュートを放つと、左のポストに当たって跳ね返ったボールに反応したのはミュラー。無人のゴールにダイレクトで流し込むが、素早く戻ったGKツィーラーがかろうじてライン上でクリアした。

ツィーラーの好守を含むハノーファーの粘り強い守備に手を焼いたバイエルンだったが、40分にようやく均衡を破る。右サイドで仕掛けたコマンの低いクロスを、思わずシュルツが手で防いでしまいPKを献上。これをミュラーがツィーラーの逆を突いて右隅に沈めた。

1点ビハインドで後半を迎えることとなったハノーファーだが、前半同様に引き気味の守備でバイエルンの高いボールポゼッションに備える。後半はコマンが左サイドにポジションを移して酒井宏樹とのマッチアップの機会が増えるものの、酒井も簡単には抜かせず、周りと連係しながら、囲い込んでボールを奪う場面も見られた。

55分、レヴァンドフスキのDFの間を狙ったシュートはGKが防ぎ、こぼれ球をチアゴが拾うも押し込めず。57分にはFKからのトリックプレーを見せ、チアゴのチップキックをエリア内右のミュラーが落とし、最後はハビ・マルティネスがボレーで押し込むもゴール左へ。バイエルンが後半立ち上がりにスコアを突き放しにかかったが、ここはハノーファーもしっかりと耐え抜いた。

逆に67分には、ハノーファーが攻めに移る。プリブが中盤でボールを奪い、そのまま強烈なミドルシュートを放ったが、ゴール上へとわずかに外れる。ハノーファーの攻撃は単発なものが多く、なかなか酒井も高い位置を取る場面が少なかった。

73分、バドシュトゥバーに代えてキミッヒ、さらに88分にはハムストリングを痛めたビダルに代わってローデを投入したバイエルンが無理せず試合をコントールして終わらせようとするが、アディショナルタイムに酒井の粘りからハノーファーがCKを獲得。GKのツィーラーも上がってラストチャンスに賭けたが、最後のセットプレーも跳ね返され万事休す。バイエルンが年内最後のリーグ戦を勝利で飾っている。
提供:goal.com