コスタリカ戦に向けたメンバーについて手倉森監督「どういったことを表現できるかテストしたい」《国際親善試合》
2015.06.22 17:03 Mon
▽日本サッカー協会(JFA)は22日、7月1日にユアテックスタジアム仙台で開催される国際親善試合(U-22コスタリカ代表戦)に向けたU-22日本代表メンバー21名を発表した。
◆手倉森誠監督(U-22日本代表)
「1次予選以来のU-22の活動になる。まずはコスタリカ戦をマッチメイクしてくれたJFA、そして国際部にお礼を言いたいし、この時期に来てくれるコスタリカにも感謝したい」
「1次予選が終わってから、選手たちが所属クラブでどれかけやれるかというところを見させてもらってきた。その中でこの21人を選んだ。そしてコスタリカ戦でどういったことを表現できるかテストしたい」
「今回のメンバーで1次予選にも出場していたのは12人。約半数は1次予選に出ていないメンバーになる。そのメンバーの中には、自チームで出場している選手、五輪強化の一環として取り組んでいるJ-22選抜で成長が見てとれる選手、このメンバーで言えば、MF井手口陽介(G大阪)とDF高橋壮也。高橋などは、良い選手かと聞かれれば『そうや』と言ってくれればいい(笑)」
「このメンバー構成は、いろいろな角度から選ばせてもらった。要するに、このメンバーが全てではなく、これからも色々な見方、出場時間やU-22選抜(Jリーグ・アンダー22選抜)でのプレー、所属クラブでの活躍をしっかりと見て、視察して、検証して、今後の強化や人選につなげていければ良いと思っている」
「選ばれた選手たちは、ここで何かを成し遂げなければ次は無いという試合になる。今回のメンバーに選ばれなかった選手に関しては、今回の試合を見て自分なら何ができるのかを見極めてもらって、自分の成長につなげてほしい。そして、2次予選には絶対に絡むんだという部分を意識してもらいたい
「このコスタリカ戦は、今の時点で自分たちがやろうとしていることがやれるかどうか。いわば、スクラッチのクジみたいなもので、擦って当たるか(コスッテアタルカ)、外れるかというようなところで、トライさせたいなと思う」
◆質疑応答
――今後の選考の中で、所属クラブで出ていることがどのような影響を与えるか? 選考の基準の変化について
「所属クラブで苦しんでいる選手もいる。その状況の中で何ができるかをトライさせこそ、出てないやつがダメなのかどうかがわかると思う。なので、そういった部分もしっかり見極めたい。U-22の過去の大会でしっかりとパフォーマンスを披露したが、所属クラブで出番がないという選手には、手倉森ジャパンでの実績もあるので、この辺りまではチャンスを与えたいと考えている」
――1次予選で課題に挙げていた柔軟性と割り切りという部分をコントロールするつもりか? 大島(川崎F)はケガなのか?
「大島に関しては、今一緒にプレーしていないので今日の発表は見送った。サッカーに関しては、U-22が取り組んできた戦いの中での柔軟性と、やろうとしたことができないときの割り切りという部分は、継続してやっていきたい。A代表の指揮官にハリルホジッチ監督が就任して、縦へのスピードが非常に早くなっている。自分もA代表のトレーニングに絡みながら、物凄くスピードが上がっているなと感じており、U-22もスピード面を上積みしていかなければいけないと思っている」
「攻撃の優先順位として縦への早さをトライさせた中で、やれる時とやれない時を見極めて戦術を選ぶことを、今回のコスタリカ戦でやりたい。ただ、トレーニングの時間は限られているので、ミーティングでの理解力が大事になってくると思う。その部分でも、これまで継続して呼んできたメンバーが半分は必要だった。メリハリの利いたサッカーを示せればいい」
――前田の成長について。また、所属クラブで50%以上の試合に出場しているMF関根貴大(浦和)、MF小泉慶(新潟)、FW小屋松(名古屋)が選ばれていないのは、現メンバーに実績面で劣るという評価なのか?
「いや、そこ(J1とJ2のクラブに所属するU-22日本代表対象選手が所属クラブの試合(今季)に出場した時間と出場率を記載した資料)に乗っている選手は私の中で全員が候補。前田に関しては、昨年の3月以来の招集になる。東京Vから松本に移籍し、自分を高めるためにもがいた結果、松本でポジションを手にした。プレーの判断も早くなっているし、守備面の貢献度など、自分の弱点を克服しようとしていることがプレーから見て取れる」
「そのポジション(2列目)には良い選手がたくさんいる。関根も小屋松もそう。その中で、コスタリカに対してどの武器を選ぶかという部分で前田を選んだ。選ばれていない選手にも、意識を切らさないで欲しいという部分をメッセージとして送りたい。同じポジションのライバルとして、『オレだったらこういったことができる』という気持ちを奮い起して、その悔しさ所属クラブでのプレーにぶつけてもらいたい」
――相手に引かれた場合の戦術、手倉森監督が持っているマジックややり方などを教えてもらいたい
「私が持っているマジックは、筆入れの中に油性ペン1本しかない(笑)。引かれた相手に対しては、この前の1次予選がある程度シミュレーションできたと思う。得点はそれほど奪えなかったが、あの環境の中で攻め続け、攻め急いで体力を消耗するよりはというゲーム。ある程度のところで点がとれた時に、試合をコントロールした部分もあった。もしコスタリカに引かれたとすれば、これまで取り組んできたことを今回の試合で表現したい。攻撃のコンビネーション、選手たちの出入り、広がりが必要だという意味を、U-22の選手たちは理解していると思う」
「ただ、コスタリカは、そういったものをやる時と、前から来る時のメリハリがあるチーム。戦術面の駆け引きもあると思うので、その辺りは私も楽しみにしている。どちらか一辺倒という試合にはならないと思うし、引いて守ってきても弱いチームではない。相手が引いたときに仕留められれば確実に出てくるし、私たちにやらせておいて最後にカウンターで仕留めてくる。もしくは、ポゼッションしてくるというところは、中南米のチームのしたたかさでもあるので、そういった罠にかからないようにしたい」
――出場記録のリストにある数値を4年前などと比較してどう評価しているか
◆霜田正浩技術委員長
「私はロンドン(五輪)のチームにも付いていた。(当時の)関塚監督と色々な話をする中で、この年代の選手がなかなか公式でプレーできないという問題があった。本当に見たい選手を見に行く場所がないので、選手をセレクションする試合にすら苦労していた。なので、あの頃に比べれば数値的には高くなっている。J1、J2を通じて30~40%以上の試合に出ている選手が増えてきた、あとは、試合に出るのが当然で、その後にどういったパフォーマンスを披露するのかという次のステップにきているのかなと。ただ、所属クラブで出場していれば自動的に五輪代表のメンバーに選ばれるわけではない。私たちが望んでいるのは、五輪に出場するような年代の選手がたくさん試合に出ていて、その中で良いパフォーマンスを披露した選手たちが競争して代表に入ってくる形が理想だと思っているが、そこにいくにはまだまだ時間がかかるかなと思っている」
「日本サッカー界の課題として、18~20歳の選手になかなか公式戦を経験させられない。これがブンデスリーガであれば、18歳や19歳の選手もどこかしらで90分は公式戦に出場している。そういった環境を日本にも早く作らなければならない。Jリーグの強化担当者とも話をしている。ただ五輪の強化だけでなく、19、20、21の選手を公式戦に出す環境を日本サッカー界全体で、国全体で考えていかなければいけない。そういった中、選手たちも頑張って試合に出られるようになってきた。その中で良いパフォーマンスを見せた選手が、今回の手倉森監督の目に留まったのだと思う」
◆手倉森誠監督
「出場時間などを見ると、この世代はやっぱり(出場時間が)少ないなとは思う。ただ、出る出ないはチームの事情にもよる。必ずしも、悪い選手だから出ていないというわけではない。私のチームで活躍できるかどうかも大事。もちろん、出ていればコンディション面のアドバンテージはあると思うが、呼んだときに私が求める戦術を理解して表現できるかも大事になってくる。例に挙げれば、MF中島翔哉(FC東京)などは理解力があり、このチームではよくやってくれている。なので、自分のところでは活躍するだろうとは思っている」
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▽今年3月に行われたリオ五輪のアジア1次予選(AFC U-23選手権2016予選)のメンバーが約半数を占めた一方で、所属クラブやU-22選抜での成長が認められたMF前田直輝(松本)やDF高橋壮也(広島)といった選手も選出された。▽J1とJ2に所属するU-22日本代表の対象選手が、所属クラブで上半期の試合に出場した時間と出場率を記載した資料を用意して会見に臨んだ手倉森誠監督は、今回のコスタリカ戦を、「アジア2次予選に向けた良いシミュレーション」と捉え、「今のU-22が何をできるのかというテストの場と位置付けている」ことを明かした。「1次予選以来のU-22の活動になる。まずはコスタリカ戦をマッチメイクしてくれたJFA、そして国際部にお礼を言いたいし、この時期に来てくれるコスタリカにも感謝したい」
「1次予選が終わってから、選手たちが所属クラブでどれかけやれるかというところを見させてもらってきた。その中でこの21人を選んだ。そしてコスタリカ戦でどういったことを表現できるかテストしたい」
「コスタリカに関しては何試合か見たが、次のアジア2次予選での対戦国、そして本大会に出ればコスタリカも出てくるかもしれない。そういったところに対して良いシミュレーションになるチームだと考えている。戦術的な部分、フィジカル的な部分、そして狡猾さなども含めたメンタル的な部分を持ったチームと対戦したときに、今のU-22が何をできるのかというテストと位置付けている。そのなかで、日本の可能性を追求するような試合にしたい」
「今回のメンバーで1次予選にも出場していたのは12人。約半数は1次予選に出ていないメンバーになる。そのメンバーの中には、自チームで出場している選手、五輪強化の一環として取り組んでいるJ-22選抜で成長が見てとれる選手、このメンバーで言えば、MF井手口陽介(G大阪)とDF高橋壮也。高橋などは、良い選手かと聞かれれば『そうや』と言ってくれればいい(笑)」
「このメンバー構成は、いろいろな角度から選ばせてもらった。要するに、このメンバーが全てではなく、これからも色々な見方、出場時間やU-22選抜(Jリーグ・アンダー22選抜)でのプレー、所属クラブでの活躍をしっかりと見て、視察して、検証して、今後の強化や人選につなげていければ良いと思っている」
「選ばれた選手たちは、ここで何かを成し遂げなければ次は無いという試合になる。今回のメンバーに選ばれなかった選手に関しては、今回の試合を見て自分なら何ができるのかを見極めてもらって、自分の成長につなげてほしい。そして、2次予選には絶対に絡むんだという部分を意識してもらいたい
「このコスタリカ戦は、今の時点で自分たちがやろうとしていることがやれるかどうか。いわば、スクラッチのクジみたいなもので、擦って当たるか(コスッテアタルカ)、外れるかというようなところで、トライさせたいなと思う」
◆質疑応答
――今後の選考の中で、所属クラブで出ていることがどのような影響を与えるか? 選考の基準の変化について
「所属クラブで苦しんでいる選手もいる。その状況の中で何ができるかをトライさせこそ、出てないやつがダメなのかどうかがわかると思う。なので、そういった部分もしっかり見極めたい。U-22の過去の大会でしっかりとパフォーマンスを披露したが、所属クラブで出番がないという選手には、手倉森ジャパンでの実績もあるので、この辺りまではチャンスを与えたいと考えている」
――1次予選で課題に挙げていた柔軟性と割り切りという部分をコントロールするつもりか? 大島(川崎F)はケガなのか?
「大島に関しては、今一緒にプレーしていないので今日の発表は見送った。サッカーに関しては、U-22が取り組んできた戦いの中での柔軟性と、やろうとしたことができないときの割り切りという部分は、継続してやっていきたい。A代表の指揮官にハリルホジッチ監督が就任して、縦へのスピードが非常に早くなっている。自分もA代表のトレーニングに絡みながら、物凄くスピードが上がっているなと感じており、U-22もスピード面を上積みしていかなければいけないと思っている」
「攻撃の優先順位として縦への早さをトライさせた中で、やれる時とやれない時を見極めて戦術を選ぶことを、今回のコスタリカ戦でやりたい。ただ、トレーニングの時間は限られているので、ミーティングでの理解力が大事になってくると思う。その部分でも、これまで継続して呼んできたメンバーが半分は必要だった。メリハリの利いたサッカーを示せればいい」
――前田の成長について。また、所属クラブで50%以上の試合に出場しているMF関根貴大(浦和)、MF小泉慶(新潟)、FW小屋松(名古屋)が選ばれていないのは、現メンバーに実績面で劣るという評価なのか?
「いや、そこ(J1とJ2のクラブに所属するU-22日本代表対象選手が所属クラブの試合(今季)に出場した時間と出場率を記載した資料)に乗っている選手は私の中で全員が候補。前田に関しては、昨年の3月以来の招集になる。東京Vから松本に移籍し、自分を高めるためにもがいた結果、松本でポジションを手にした。プレーの判断も早くなっているし、守備面の貢献度など、自分の弱点を克服しようとしていることがプレーから見て取れる」
「そのポジション(2列目)には良い選手がたくさんいる。関根も小屋松もそう。その中で、コスタリカに対してどの武器を選ぶかという部分で前田を選んだ。選ばれていない選手にも、意識を切らさないで欲しいという部分をメッセージとして送りたい。同じポジションのライバルとして、『オレだったらこういったことができる』という気持ちを奮い起して、その悔しさ所属クラブでのプレーにぶつけてもらいたい」
――相手に引かれた場合の戦術、手倉森監督が持っているマジックややり方などを教えてもらいたい
「私が持っているマジックは、筆入れの中に油性ペン1本しかない(笑)。引かれた相手に対しては、この前の1次予選がある程度シミュレーションできたと思う。得点はそれほど奪えなかったが、あの環境の中で攻め続け、攻め急いで体力を消耗するよりはというゲーム。ある程度のところで点がとれた時に、試合をコントロールした部分もあった。もしコスタリカに引かれたとすれば、これまで取り組んできたことを今回の試合で表現したい。攻撃のコンビネーション、選手たちの出入り、広がりが必要だという意味を、U-22の選手たちは理解していると思う」
「ただ、コスタリカは、そういったものをやる時と、前から来る時のメリハリがあるチーム。戦術面の駆け引きもあると思うので、その辺りは私も楽しみにしている。どちらか一辺倒という試合にはならないと思うし、引いて守ってきても弱いチームではない。相手が引いたときに仕留められれば確実に出てくるし、私たちにやらせておいて最後にカウンターで仕留めてくる。もしくは、ポゼッションしてくるというところは、中南米のチームのしたたかさでもあるので、そういった罠にかからないようにしたい」
――出場記録のリストにある数値を4年前などと比較してどう評価しているか
◆霜田正浩技術委員長
「私はロンドン(五輪)のチームにも付いていた。(当時の)関塚監督と色々な話をする中で、この年代の選手がなかなか公式でプレーできないという問題があった。本当に見たい選手を見に行く場所がないので、選手をセレクションする試合にすら苦労していた。なので、あの頃に比べれば数値的には高くなっている。J1、J2を通じて30~40%以上の試合に出ている選手が増えてきた、あとは、試合に出るのが当然で、その後にどういったパフォーマンスを披露するのかという次のステップにきているのかなと。ただ、所属クラブで出場していれば自動的に五輪代表のメンバーに選ばれるわけではない。私たちが望んでいるのは、五輪に出場するような年代の選手がたくさん試合に出ていて、その中で良いパフォーマンスを披露した選手たちが競争して代表に入ってくる形が理想だと思っているが、そこにいくにはまだまだ時間がかかるかなと思っている」
「日本サッカー界の課題として、18~20歳の選手になかなか公式戦を経験させられない。これがブンデスリーガであれば、18歳や19歳の選手もどこかしらで90分は公式戦に出場している。そういった環境を日本にも早く作らなければならない。Jリーグの強化担当者とも話をしている。ただ五輪の強化だけでなく、19、20、21の選手を公式戦に出す環境を日本サッカー界全体で、国全体で考えていかなければいけない。そういった中、選手たちも頑張って試合に出られるようになってきた。その中で良いパフォーマンスを見せた選手が、今回の手倉森監督の目に留まったのだと思う」
◆手倉森誠監督
「出場時間などを見ると、この世代はやっぱり(出場時間が)少ないなとは思う。ただ、出る出ないはチームの事情にもよる。必ずしも、悪い選手だから出ていないというわけではない。私のチームで活躍できるかどうかも大事。もちろん、出ていればコンディション面のアドバンテージはあると思うが、呼んだときに私が求める戦術を理解して表現できるかも大事になってくる。例に挙げれば、MF中島翔哉(FC東京)などは理解力があり、このチームではよくやってくれている。なので、自分のところでは活躍するだろうとは思っている」
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