試行錯誤のトップ2 〜CLグループB展望〜

◎本命:レアル・マドリー(スペイン)
○対抗:リバプール(イングランド)
▲注意:バーゼル(スイス)
…大穴:ルドゴレツ(ブルガリア)

▽昨季のチャンピオンズリーグ(CL)を制した“王者”レアル・マドリーの所属するグループBには、5シーズンぶりのCL参戦となるリバプール、スイス・スーパーリーグを5連覇中のバーゼル、近年急速に力をつけているブルガリア王者のルドゴレツが同居している。

▽本命としたレアル・マドリーだが、昨季までの中心選手だったMFディ・マリアとMFシャビ・アロンソがチームを離れたことにより、チームとしてのバランスが不安定な状況。直近のリーグ戦2試合では連敗を喫している。新たに獲得したMFクロースとMFハメス・ロドリゲスを組み込んだ新システムを模索している最中であり、当面は苦しい状況が続くかもしれない。グループステージ(GS)の首位通過をリバプールに明け渡す可能性も十分に考えられる。また、序盤戦で勝ち点を積み重ねることができなければ、最終節まで突破が決まらない状況に陥る可能性もあるだろう。

▽久々のCLとなるリバプールだが、実力は十分。今夏の移籍市場では得点源であるFWスアレスを放出したものの、その資金を元手にFWバロテッリやFWランバート、FWマルコビッチといった選手を補強した。また、その他のポジションにも厚みを加えており、CLでも戦っていけるだけの陣容は整っている。レアル・マドリーの現状を考えれば、グループBを首位で通過する可能性も少なくない。ただ、こちらも新加入選手や負傷者の影響から新システムを模索している状況。早い段階で基本となる形を定められるかが、今後の鍵となる。

▽日本代表FW柿谷の所属するバーゼルは、マンチェスター・ユナイテッドを蹴落とした2011-12シーズン以来の決勝トーナメント進出を目論む。昨季はGSでチェルシー相手に2勝するなど、ジャイアントキリングを起こす力は備えている。新監督の下で新たなスタートを切るなか、昨季までのチームを支えたMFシュトッカーの移籍による戦力低下をどこまで食い止められるかがポイント。今夏の移籍市場で獲得した昨季のスイスリーグ得点王であるFWガシや柿谷、FWデルリス・ゴンサレスといった攻撃陣の新戦力に期待がかかる。

▽昨季のブルガリア王者であるルドゴレツは、2011-12シーズンにブルガリアのトップリーグ初昇格を果たしたばかりの新興勢力。ステアウア・ブカレストとのプレーオフでは壮絶なPK戦の末、初のCL出場を勝ち取った。昨季のヨーロッパリーグ(EL)ではPSVなどと同居したグループステージを首位で通過(5勝1分け)しており、決勝トーナメント1回戦ではラツィオを下すなど、欧州でも存在感を高め始めている。しかし、レアル・マドリーやリバプールといったメガクラブとの対戦経験はなく、現実的にはELに参戦できる3位が目標か。バーゼルとの直接対決で勝ち点を稼げるかが重要になりそうだ。