すんなりとは終わらなかった…/原ゆみこのマドリッド
2020.07.22 18:30 Wed
「最後の最後で躓いたわね」そんな風に私が残念がっていたのは火曜日、日曜のリーガ1部に続き、2部も月曜には全節終了するはずだったにも関わらず、この後に及んで、新型コロナウィルス感染により、初めて試合が延期された翌日のことでした。いやあ、まだスペイン全土が警戒事態の中、5月に各チームが練習を再開したばかりの頃は選手や関係者らの検査がよく話題になったものでしたけどね。さすがに2カ月以上も経過すると、世間もあまり関心示さないようになったんですが、どこも試合48時間前のPCR検査はずっと続けていたようで、実は土曜のテストでマドリッド2部の弟分、フエンラブラダから陽性者が1人発生。
それはまあ仕方ないんですが、日曜にも関係者に3人、見つかったチームは月曜朝にも検査を繰り返し、その結果が出るのを待たずにラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)に移動。午後5時半には更に7人の選手に陽性反応が現れたと連絡を受け、ラ・リーガやスペイン・サッカー協会が協議した結果、夜9時に統一されていた11試合中、デポルティーボvsフエンラブラダ戦のみ延期という決断がなされたんですが、その後、幾つもクラブが巻き込まれる騒動に発展したのは、このカードが降格と昇格プレーオフ出場順位の両方に関わっていたから。
え、でも元々、19位の降格圏にいたデポルティーボはたとえ、フエンラに勝っても残留できるか、わからなかったんだろうって?その通りで、この日は勝ち点差1上にいたアルバセテがカディスに勝ち、2部優勝のトロフィーを岡崎慎司選手のいるウエスカに贈ったのはともかく、ルーゴもミランデスに勝利。サラゴサに負けたポンフェラディーナが18位に落ちたんですが、デポルティーボの勝ち点が3増えて並んでも、直接対決のゴールアベレージで負けているため、最後の試合を戦わずして2部B降格が決定することに。
これではフェルナンド・バスケス監督から、「ウチがプレーしていてれば、アルバセテもルーゴも試合中のプレッシャーが違ったはず」と抗議が出るのも当然ですが、デポルティーボは最終節全部のやり直し、もしくは24チームでの来季開催を求め、そうでなければ、現在、ラ・コルーニャの滞在先ホテルで隔離中のフエンラが規定の期間を経た後、とりあえず30日にリスケジュールされた試合を放棄するとラ・リーガに宣言。ええ、そりゃそうでしょう。すでに降格決定済みとなれば、柴崎岳選手だって、さっさと日本に戻りたいのでは?
実際、大ごとなのはフエンラの関わる昇格プレーオフ順位決定の方も同じで、いえ、同じ2部弟分仲間のラージョはすでに降格しているラシングを下したものの、エルチェがオビエドに勝ったため、7位で届かず。アルコルコンもプレーオフ出場が確定していたジローナをサント・ドミンゴで2-0と破り、有終の美を飾ったんですが、10位とかなり離れているのでまあ、関係ないんですが、フエンラとエルチェは勝ち点差1しかないんですよ。つまりフエンラがデポルティーボ戦で引き分け以上となれば、6位に上がって、3位のサラゴサとプレーオフ準決勝を戦う権利を得られるんですが、本来なら今週木曜からのはずだったプレーオフの予定もおかげで8月までずれ込む始末。
え、それより1部の最終節がどうだったのかの方が気になるって?いやあ、実はこちらも弟分には悲しい結果になってしまったんですが、ブタルケでは前節、リーガ優勝が決まったレアル・マドリーをレガネスがpasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)を作ってお出迎え。またしても私がパソコンの画面を分割して見ていたワンダ・メトロポリターノでは、今季限りでシメオネ監督と袂を分かち、自身でチームを率いることを発表していた”モノ”・ブルゴス第2監督へのお別れセレモニーが行われていましたが、前半、先手を取ったのはどちらもすでに目標を達成していたチームの方でした。
そう、速攻だったのはマドリーで9分、イスコのFKをセルヒオ・ラモスが頭でゴールに。マークしていたレガネスのキャプテン、ブスティンサへのファールも疑われたんですが、元々、今季はセットプレーからの失点で大打撃を受けている彼らですからね。大体、これでクラブ公式戦100得点目となる、頭自慢のラモスに小柄なブスティンサが付いていたところから、間違っていたような気がしますが、粘って最終節まで2部降格を回避してきたとなれば、レガネスの選手たちもこんなところでギブアップはできません。ええ、その日はカルバハルに代わり、ルーカス・バスケスが右SBとして入ったサイドを執拗に狙い、ハーフタイムに入る直前、ジョナタン・シウバのスルーパスから、ブライアン・ヒルがGKアレオラを破り、同点に追いつけたため、後半に望みを繋げることに。
ただねえ、やっぱりレガネスの守備には難があって、後半7分にはイスコが送ったパスをアセンシオが決めて、再びリードを許してしまったんですよ。アギーレ監督はようやくケガが治ったらしいオスカル、そしてゲレロを後半頭から投入したのに続き、ロケ・メサとアサレも入れて反撃。33分にはそのアサレが再び、ジョナタン・シルバのアシストで同点弾を放ったんですが、いやあ。その2分後の絶好機にも彼がシュートを決めてくれていれば、もしくは38分のCKでヨビッチの手にボールが当たったのがVAR(ビデオ審判)でペナルティに取ってもらえていれば、もしくは普段は3部のレガネスBでプレーしているアビレスのゴール前からのvolea(ボレア/ボレーシュート)が変なところに飛ばなければ、レガネスが勝ち越し点を奪うのも可能だったはずなんですが…。
17位のセルタも一時はエンバルバにゴールを決められて、エスパニョールに負けかねなかったんですけどね。それもVARで認められず、最後は0-0で分けたんですが、どちらにしろ、レガネスは自身が勝ち点3を獲得する他に残留の道がなかったのが災い。普通でしたら、エン・ネシリ(セビージャに移籍)もブライトワイテ(同バルサ)もいない中、兄貴分のマドリー相手に2-2の引き分けたのは立派の一言とはいえ、「問題はこの90分じゃない。その前の26試合にある」(アギーレ監督)というのが全てでした。ええ、1節前にベティスに勝って、残留を確定したアラベスがその日はバルサに0-5とコテンパンにのされながら、ムニス監督が笑顔だったのがその証拠です。
そして選手たちが涙で4シーズンの1部生活に別れを告げ、翌月曜にはアギーレ監督の退団も発表されたレガネスなんですが、大丈夫。ラージョなんて何度も落ちては上がってきていますし、ヘタフェだって3年前には最速Uターンしてきているんですから、また彼らに1部で会える日も来ますって。一方、再開後11連勝は逃したものの、無敗を保ったマドリーはジダン監督も「Ahora toca descansar, no vacaciones, pero sí desconectar/アオラ・トカ・デスカンサール、ノー・バカシオネス、ペロ・シー・デスコネクタル(今は休む時。バケーションではないが、離れないと)」と言っていた通り、翌日から1週間、練習はお休みに。何せ、8月7日にはマンチェスター・シティとのCL16強対決2ndレグが待っていますからね。1-2で敗戦という1stレグの結果を覆すため、また猛暑のマドリッドでのトレーニングになりますが、ホント、熱中症が心配ですよね。
一方、前半30分、トリッピアーのクロスから始まったプレーでエレラが頭でボールを落とし、ジエゴ・コスタのシュートが逸れてモラタに渡ったところ、その後ろ蹴りでラストパスを受けたコケがゴールを挙げ、この日ものらりくらりとリードを守ってしまいそうだったお隣さんはというと。いやあ、相性のいいヘタフェにはそれで良かったんですが、この日のライバルはレアル・ソシエダ。リーガ中断前までCL出場圏の4位にいながら、再開後は調子を落とし、EL出場権を最終節で争わないとならなくなったため、必死でしたからね。
「En el descanso, les he dicho a los jugadores que lo íbamos a conseguir/エン・エル・デスカンソ、レス・エ・ディッチョー・ア・ロス・フガドーレス・ケ・ロ・イバモス・ア・コンセギール(ハーフタイム、選手たちにウチは目標を達成すると言った)。80分にもそう言って、最後は86分だった」とイマノル監督も後で語っていた通り、後半41分、ヤヌザイが右サイドからFKを放ったところ、敵と味方の動きに幻惑されたんでしょうかね。GKオブラクが止め損ね、同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変!
いや、大変なのは実はアトレティコではなく、同じ時間、アリカンテ(スペイン南部)のラ・ヌシアでレバンテと戦っていたヘタフェで、グラナダがアスレティックに4-0とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝っていたこともあり、0-0だった彼らはこの瞬間、EL出場圏外の8位に落ちてしまうことに。それまでも思いっきり不運の塊のような展開で、前半にはマタがオフサイド、アンヘルがGKへのファールと、どちらもゴールをVARで取り消されてしまうとは如何に。まあ、レバンテもロジェールのゴールが認められませんでしたが、後半、ようやくゲットしたPKまで、25回連続で成功させていたマタがゴールポストに当ててしまうとは一体、どこまで呪われている?
結局、不甲斐ない兄貴分はそのまま1-1で引き分け、バレンシアに勝ったセビージャに勝ち点で並ばれたものの、ゴールアベレージで定位置の3位を確保。勝ち点1ゲットのレアル・ソシエダがまるで優勝したみたいにピッチで喜び、更にはロッカールームでも大騒ぎしているのを尻目に、「Mala suerte por el empate/マラ・スエルテ・ポル・エル・エンパテ(ドローだったのは運が悪かったね)」とコケが飄々と話していたのも何ですけどね。数々のVAR判定で試合が長引いていたヘタフェの方はワンタからの報に落胆したか、ロスタイム8分にはジェネが弾いたボールがレバンテのコケに当たり、土壇場で1-0の負け、2年連続のEL出場を逃すという最悪の結果になってしまいましたっけ。
うーん、ボルダラス監督に言わせると、「Un octavo puesto para un conjunto como el nuestro es una buena clasificación/ウン・オクタボ・プエストー・パラ・ウン・コンフントー・コモ・エル・ヌエストロ・エs・ウナ・ブエナ・クラシフィカシオン(ウチのようなチームにとって、8位というのはいい順位だ)」そうですが、何せリーガ中断前が前でしたからね。「Después del parón no hemos reaccionado/デスプエス・デル・パロン・ノー・エモス・レアクシオナードー(ボクらは中断期間が終わった後、リアクションできなかった)。11試合で1つしか勝てなくてはヨーロッパの大会に行けないのも当然」(アンヘル)とはいえ、ファンの期待も高かっただけに悔しいところかと。
そんなヘタフェには8月5日のEL16強対決インテル戦一発勝負が残っているんですが、今の状態を見ると、とてもELに優勝すれば、来季はCLに出られるなんて夢物語は口にできないですよね。とりあえず、ここ数日休んだら、練習再開だそうですが、気分的には中断直前、リバプールを破り、すでにCL準々決勝進出を決定。8月13日のライプツイヒ戦に向け、来週からは毎年、真夏の地獄キャンプが行われるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入るアトレティコの方が何倍も良さそう。
いえ、レアル・ソシエダ戦で交代を頼んだトマスがミニ肉離れで全治3週間という懸念もあるんですけどね。7月にロス・アンヘレスへ行くのは選手たちも慣れていますし、試合が近づく頃にはリスボンにあるベンフィカのトレーニング施設で練習とこれもまた、ジョアン・フェリックスが古巣に戻り、アトレティコが昨夏、大枚1憶2700万ユーロ(約160億円)の移籍金を払った理由を思い出してくれるキッカケになるかもしれないのは吉でしょうか。
ちなみにレアル・ソシエダ戦の後、「ウチはリーガ終盤、最高の仕事をして7勝4分け、マドリーは10勝1分けだった。我々は全ての大会に勝利を義務付けられている2チームと争っている。Estamos buscando siempre nuestro espacio y lugar y vamos a insistir hasta que tengamos nuestra oportunidad/エスタモス・ブスカンドー・シエンプレ・ヌエストロ・エスパシオ・イ・ルガール・イ・バモス・ア・インシスティル・アスタ・ケ・テンガモス・ヌエストラ・オポルトゥニダッド(自分たちの居場所を探して、ウチはチャンスを掴むまで戦い続けるよ)」とはシメオネ監督の言葉。いや本当に、お隣さんもバルサもまだ準々決勝進出が決まっていない、この異例のシーズンが念願のCL優勝に繋がってくれるといいですよね。
それはまあ仕方ないんですが、日曜にも関係者に3人、見つかったチームは月曜朝にも検査を繰り返し、その結果が出るのを待たずにラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート都市)に移動。午後5時半には更に7人の選手に陽性反応が現れたと連絡を受け、ラ・リーガやスペイン・サッカー協会が協議した結果、夜9時に統一されていた11試合中、デポルティーボvsフエンラブラダ戦のみ延期という決断がなされたんですが、その後、幾つもクラブが巻き込まれる騒動に発展したのは、このカードが降格と昇格プレーオフ出場順位の両方に関わっていたから。
え、でも元々、19位の降格圏にいたデポルティーボはたとえ、フエンラに勝っても残留できるか、わからなかったんだろうって?その通りで、この日は勝ち点差1上にいたアルバセテがカディスに勝ち、2部優勝のトロフィーを岡崎慎司選手のいるウエスカに贈ったのはともかく、ルーゴもミランデスに勝利。サラゴサに負けたポンフェラディーナが18位に落ちたんですが、デポルティーボの勝ち点が3増えて並んでも、直接対決のゴールアベレージで負けているため、最後の試合を戦わずして2部B降格が決定することに。
実際、大ごとなのはフエンラの関わる昇格プレーオフ順位決定の方も同じで、いえ、同じ2部弟分仲間のラージョはすでに降格しているラシングを下したものの、エルチェがオビエドに勝ったため、7位で届かず。アルコルコンもプレーオフ出場が確定していたジローナをサント・ドミンゴで2-0と破り、有終の美を飾ったんですが、10位とかなり離れているのでまあ、関係ないんですが、フエンラとエルチェは勝ち点差1しかないんですよ。つまりフエンラがデポルティーボ戦で引き分け以上となれば、6位に上がって、3位のサラゴサとプレーオフ準決勝を戦う権利を得られるんですが、本来なら今週木曜からのはずだったプレーオフの予定もおかげで8月までずれ込む始末。
要はエルチェにしたって、万が一に備えてバケーションに入ることはできませんし、サラゴサの香川真司選手だって、相手が決まるまで待たないといけないとなれば、もうただでさえ、paron(パロン/リーガの中断期間)のせいで終了が大幅に遅れている今季。プレーオフ準決勝のもう1戦、アルメリアとジローナだって、1部昇格が決まる決勝が8月開催となったら、チームは休めませんしね。今のところ、ラス・パルマスに勝ちながら、18位で降格が決まったヌマンシア、大会の整合性がなくなるからプレーしたくないと言ったものの、ラ・リーガに勝ち点3はく奪を示唆されたというラージョなどを含め、影響を受けた複数のクラブが訴えを起こすと言っているため、先行きが何とも不透明なんですが、リーガ再開が100点満点で終わらなかったのは本当に残念だったかと。
え、それより1部の最終節がどうだったのかの方が気になるって?いやあ、実はこちらも弟分には悲しい結果になってしまったんですが、ブタルケでは前節、リーガ優勝が決まったレアル・マドリーをレガネスがpasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)を作ってお出迎え。またしても私がパソコンの画面を分割して見ていたワンダ・メトロポリターノでは、今季限りでシメオネ監督と袂を分かち、自身でチームを率いることを発表していた”モノ”・ブルゴス第2監督へのお別れセレモニーが行われていましたが、前半、先手を取ったのはどちらもすでに目標を達成していたチームの方でした。
そう、速攻だったのはマドリーで9分、イスコのFKをセルヒオ・ラモスが頭でゴールに。マークしていたレガネスのキャプテン、ブスティンサへのファールも疑われたんですが、元々、今季はセットプレーからの失点で大打撃を受けている彼らですからね。大体、これでクラブ公式戦100得点目となる、頭自慢のラモスに小柄なブスティンサが付いていたところから、間違っていたような気がしますが、粘って最終節まで2部降格を回避してきたとなれば、レガネスの選手たちもこんなところでギブアップはできません。ええ、その日はカルバハルに代わり、ルーカス・バスケスが右SBとして入ったサイドを執拗に狙い、ハーフタイムに入る直前、ジョナタン・シウバのスルーパスから、ブライアン・ヒルがGKアレオラを破り、同点に追いつけたため、後半に望みを繋げることに。
ただねえ、やっぱりレガネスの守備には難があって、後半7分にはイスコが送ったパスをアセンシオが決めて、再びリードを許してしまったんですよ。アギーレ監督はようやくケガが治ったらしいオスカル、そしてゲレロを後半頭から投入したのに続き、ロケ・メサとアサレも入れて反撃。33分にはそのアサレが再び、ジョナタン・シルバのアシストで同点弾を放ったんですが、いやあ。その2分後の絶好機にも彼がシュートを決めてくれていれば、もしくは38分のCKでヨビッチの手にボールが当たったのがVAR(ビデオ審判)でペナルティに取ってもらえていれば、もしくは普段は3部のレガネスBでプレーしているアビレスのゴール前からのvolea(ボレア/ボレーシュート)が変なところに飛ばなければ、レガネスが勝ち越し点を奪うのも可能だったはずなんですが…。
17位のセルタも一時はエンバルバにゴールを決められて、エスパニョールに負けかねなかったんですけどね。それもVARで認められず、最後は0-0で分けたんですが、どちらにしろ、レガネスは自身が勝ち点3を獲得する他に残留の道がなかったのが災い。普通でしたら、エン・ネシリ(セビージャに移籍)もブライトワイテ(同バルサ)もいない中、兄貴分のマドリー相手に2-2の引き分けたのは立派の一言とはいえ、「問題はこの90分じゃない。その前の26試合にある」(アギーレ監督)というのが全てでした。ええ、1節前にベティスに勝って、残留を確定したアラベスがその日はバルサに0-5とコテンパンにのされながら、ムニス監督が笑顔だったのがその証拠です。
そして選手たちが涙で4シーズンの1部生活に別れを告げ、翌月曜にはアギーレ監督の退団も発表されたレガネスなんですが、大丈夫。ラージョなんて何度も落ちては上がってきていますし、ヘタフェだって3年前には最速Uターンしてきているんですから、また彼らに1部で会える日も来ますって。一方、再開後11連勝は逃したものの、無敗を保ったマドリーはジダン監督も「Ahora toca descansar, no vacaciones, pero sí desconectar/アオラ・トカ・デスカンサール、ノー・バカシオネス、ペロ・シー・デスコネクタル(今は休む時。バケーションではないが、離れないと)」と言っていた通り、翌日から1週間、練習はお休みに。何せ、8月7日にはマンチェスター・シティとのCL16強対決2ndレグが待っていますからね。1-2で敗戦という1stレグの結果を覆すため、また猛暑のマドリッドでのトレーニングになりますが、ホント、熱中症が心配ですよね。
一方、前半30分、トリッピアーのクロスから始まったプレーでエレラが頭でボールを落とし、ジエゴ・コスタのシュートが逸れてモラタに渡ったところ、その後ろ蹴りでラストパスを受けたコケがゴールを挙げ、この日ものらりくらりとリードを守ってしまいそうだったお隣さんはというと。いやあ、相性のいいヘタフェにはそれで良かったんですが、この日のライバルはレアル・ソシエダ。リーガ中断前までCL出場圏の4位にいながら、再開後は調子を落とし、EL出場権を最終節で争わないとならなくなったため、必死でしたからね。
「En el descanso, les he dicho a los jugadores que lo íbamos a conseguir/エン・エル・デスカンソ、レス・エ・ディッチョー・ア・ロス・フガドーレス・ケ・ロ・イバモス・ア・コンセギール(ハーフタイム、選手たちにウチは目標を達成すると言った)。80分にもそう言って、最後は86分だった」とイマノル監督も後で語っていた通り、後半41分、ヤヌザイが右サイドからFKを放ったところ、敵と味方の動きに幻惑されたんでしょうかね。GKオブラクが止め損ね、同点ゴールを奪われてしまったから、さあ大変!
いや、大変なのは実はアトレティコではなく、同じ時間、アリカンテ(スペイン南部)のラ・ヌシアでレバンテと戦っていたヘタフェで、グラナダがアスレティックに4-0とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝っていたこともあり、0-0だった彼らはこの瞬間、EL出場圏外の8位に落ちてしまうことに。それまでも思いっきり不運の塊のような展開で、前半にはマタがオフサイド、アンヘルがGKへのファールと、どちらもゴールをVARで取り消されてしまうとは如何に。まあ、レバンテもロジェールのゴールが認められませんでしたが、後半、ようやくゲットしたPKまで、25回連続で成功させていたマタがゴールポストに当ててしまうとは一体、どこまで呪われている?
結局、不甲斐ない兄貴分はそのまま1-1で引き分け、バレンシアに勝ったセビージャに勝ち点で並ばれたものの、ゴールアベレージで定位置の3位を確保。勝ち点1ゲットのレアル・ソシエダがまるで優勝したみたいにピッチで喜び、更にはロッカールームでも大騒ぎしているのを尻目に、「Mala suerte por el empate/マラ・スエルテ・ポル・エル・エンパテ(ドローだったのは運が悪かったね)」とコケが飄々と話していたのも何ですけどね。数々のVAR判定で試合が長引いていたヘタフェの方はワンタからの報に落胆したか、ロスタイム8分にはジェネが弾いたボールがレバンテのコケに当たり、土壇場で1-0の負け、2年連続のEL出場を逃すという最悪の結果になってしまいましたっけ。
うーん、ボルダラス監督に言わせると、「Un octavo puesto para un conjunto como el nuestro es una buena clasificación/ウン・オクタボ・プエストー・パラ・ウン・コンフントー・コモ・エル・ヌエストロ・エs・ウナ・ブエナ・クラシフィカシオン(ウチのようなチームにとって、8位というのはいい順位だ)」そうですが、何せリーガ中断前が前でしたからね。「Después del parón no hemos reaccionado/デスプエス・デル・パロン・ノー・エモス・レアクシオナードー(ボクらは中断期間が終わった後、リアクションできなかった)。11試合で1つしか勝てなくてはヨーロッパの大会に行けないのも当然」(アンヘル)とはいえ、ファンの期待も高かっただけに悔しいところかと。
そんなヘタフェには8月5日のEL16強対決インテル戦一発勝負が残っているんですが、今の状態を見ると、とてもELに優勝すれば、来季はCLに出られるなんて夢物語は口にできないですよね。とりあえず、ここ数日休んだら、練習再開だそうですが、気分的には中断直前、リバプールを破り、すでにCL準々決勝進出を決定。8月13日のライプツイヒ戦に向け、来週からは毎年、真夏の地獄キャンプが行われるロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿に入るアトレティコの方が何倍も良さそう。
いえ、レアル・ソシエダ戦で交代を頼んだトマスがミニ肉離れで全治3週間という懸念もあるんですけどね。7月にロス・アンヘレスへ行くのは選手たちも慣れていますし、試合が近づく頃にはリスボンにあるベンフィカのトレーニング施設で練習とこれもまた、ジョアン・フェリックスが古巣に戻り、アトレティコが昨夏、大枚1憶2700万ユーロ(約160億円)の移籍金を払った理由を思い出してくれるキッカケになるかもしれないのは吉でしょうか。
ちなみにレアル・ソシエダ戦の後、「ウチはリーガ終盤、最高の仕事をして7勝4分け、マドリーは10勝1分けだった。我々は全ての大会に勝利を義務付けられている2チームと争っている。Estamos buscando siempre nuestro espacio y lugar y vamos a insistir hasta que tengamos nuestra oportunidad/エスタモス・ブスカンドー・シエンプレ・ヌエストロ・エスパシオ・イ・ルガール・イ・バモス・ア・インシスティル・アスタ・ケ・テンガモス・ヌエストラ・オポルトゥニダッド(自分たちの居場所を探して、ウチはチャンスを掴むまで戦い続けるよ)」とはシメオネ監督の言葉。いや本当に、お隣さんもバルサもまだ準々決勝進出が決まっていない、この異例のシーズンが念願のCL優勝に繋がってくれるといいですよね。
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かつて日本代表を指揮したメキシコ人指揮官のハビエル・アギーレ氏(60)が、レガネスの監督就任が間近に迫っているという。スペイン『マルカ』が伝えた。 10月21日にマウリシオ・ペジェグリーノ前監督を成績不振によって、更迭したレガネス。Bチームのルイス・センブラーノス監督を暫定的に指揮させているが、ホームで行われたラ・リーガ第12節のエイバル戦を1-2で落としたことで、正式な監督を招へいすることを決めたという。 その中で、レガネスはアギーレ氏との交渉が大詰めをを迎えており、早けれ4日にも正式発表がある模様。そして、8日に行われるレアル・ソシエダ戦で指揮を振る可能性が高いようだ。 なお、アギーレ氏との契約には、現在最下位に沈むレガネスをラ・リーガ1部に残留させた場合、1年間の契約延長が行使されるオプションが付随しているとのことだ。 2014年に日本代表監督の就任したアギーレ氏は、過去に八百長に関与した疑いでわずか半年で契約を解消。その後、アル・ワフダ(カタール)、エジプト代表を指揮していたが、現在はフリーとなっている。 なお、スペイン国内ではオサスナ、アトレティコ・マドリー、レアル・サラゴサ、エスパニョールを指揮していた経験を持っている。 2019.11.04 11:40 Mon4
「最適なアイデアではない」ブラジルに善戦も強豪との差を感じる柴崎岳、戦い方の策は「キャラクターを考慮した戦い方も1つあり」
日本代表のMF柴崎岳(レガネス/スペイン)が、ブラジル代表戦を振り返った。 日本は6日、キリンチャレンジカップ2022でブラジルと対戦。4年半ぶりの対戦となった中、立ち上がりに大ピンチを迎えるも凌ぐと、その後は強度の高い守備を見せてブラジルを相手に善戦する。 一方で、攻撃面はあまり上手くいかず、後半に入って選手交代で活性化させにいくも、枠内シュート「0」という結果に。また、ビルドアップのボールを奪われるとPKを与えてしまい、ネイマールに決められて0-1で敗戦となった。 この試合、途中出場を果たした柴崎。「自分自身のプレーに関しては10分足らずのプレーだったので、特に言うことはないかなと思います」と、話すだけの時間プレーしていないと語った。 その柴崎は2014年10月にシンガポールで行われたブラジル戦に出場。当時との差については「2014年との比較に関してですが、場所も違いますし、もちろんメンバーも違います。当時はそこまで代表にまだ関わりのないメンバー構成で戦ったということ、今回は限りなくベストメンバーに近いメンバーで戦いました」と、状況が違うと語り、「ここが僕らのホームであることが一番大きいと思います」と、環境面が1つ善戦できた理由だとした。 また、「ブラジルとの差については、様々な評価軸だったり、論調があることは良いことで、ポジティブな側面もあれば、批判的な側面もあって、僕が見る限りどちらもあるなという感じで、それ自体は悪くないと思います」と評価についてコメント。「とはいえ、こういったホームで僕らのモチベーションだったり、状況的には勝つという目標に対しては、限りない条件が揃っていたと思いますけど、それでも試合内容としては十分ではなかったかなと思います」と、色々と整った中でも勝てなかったことは反省した。 「彼らもどれほどの気持ちだったり、モチベーションを持ってこの試合に臨んだのかは分からないですが、結果を彼らが手にしたのは間違いないですし、内容を見ても、運に助けられたというか、少しのあやで失点もするし、1点、0で抑えられた可能性もあったと思います」とブラジルのスタンスを考えても、勝利したブラジルが上だとしながら、わずかな差で結果は変わっていたとコメント。「ああいった流れで日本が1点を取れたかというとそうではないので、本大会であったり、違ったシチュエーションになった場合では、攻勢に回ったときに点が取れるとまだかなと思います」と、攻撃面で結果が出なかったことは大きな課題だと感じているようだ。 4年前のロシア・ワールドカップを経験している柴崎。ラウンド16ではベルギー代表を追い込むものの、最後に押し切られて敗れた。 残り5カ月で本番を迎えるが「5カ月で世界のトップと互角にすることは無理だと思います」とキッパリ。「日本の現状を考えても、それは最適なアイデアではないと思います」と、互角に渡り合おうと考えることが良い判断ではないとした。 ただ、「とはいえ、何が起こるのか分からないのがサッカーで、今の自分たちの力、日本が持っている力をどう引き出して、相手とどう戦っていくかを探し続けていくこと」と、プランを練る必要があるとし「その中でW杯の開幕戦や2戦目、3戦目と可能性を見出していくことが大事だと思います」と、3試合を通してのプランニングが大事だとした。 柴崎はこの試合ではダブルボランチの一角としてプレー。3月のベトナム戦ではアンカーでプレーした。 自身のポジションについては「サッカーのポジション論調みたいなものにあまり加担したくなく、ブラジルも[4-4-2]という見方もできますが、[4-3-3]というシチュエーションもありましたし、[4-4-2]でも誰が開くかで見方も変わると思います」とシステムと実態はあまり関連しないとコメント。「ブラジル戦に関していえば、僕が入った時は[4-2-3-1]、その前は[4-3-3]とシステム的にはなりますが、相手を見てどのように立ち位置を取っていくかというのは、型にハメる必要はないと思います」と、システムはあまり関係ないと主張した。 「どこが最適かというのは、僕と(遠藤)航ではプレースタイルが全く違いますし、インサイドハーフというポジションでも、(田中)碧、守田(英正)、(原口)元気くん、(鎌田)大地とそれぞれのキャラクターがあって、どのようなシチュエーションで与えていくかが大事。僕にできるプレーがあれば、できないプレーもあるので、自分が出た時に理解して、どのポジションでも最大限努力していくということを考えています」とし、それぞれの特徴を出せるようにすることが大事であり、型にハメることは正解ではないとした。 ここからのポジション争いについては「当落線上にいるのか、残るためにどうするかということに関しては、あまり考えていません」とし、「当落線上にいるかどうかは別にして、残るためにプレーしている訳ではなく、あくまでも自分が常にベストを尽くして、その時に思っていること、自分がピッチ出てきたことに対して周りがどう判断するか。日本代表チームが自分というキャラクターを必要とするかどうかだと思います」とあくまでも自分がやるべきことをやり続けて、選ばれるかどうかだとした。 柴崎は「メンバーに入る、入らないは気にしていません。日本代表はW杯に向けて良い準備をしなければいけなく、個人のパフォーマンス、チームのパフォーマンスをよくしようとする時期です」とし、「自分が最大限できることをして、オンザピッチでもオフザピッチでも出して、それを見守ろうと思っているので、期待も不安もないです」と、気にしていないことを強調した。 レガネスではチームは昇格を果たせず。シーズンについては「レガネスではチームの目標である昇格も達成できず、契約もあと1年あって、これからいろいろなことが起きる可能性もあります」と去就についてもコメント。「僕としてはなるようになるかなと。そこを気にせず、自分がやれることをやろうと思っています。あとは流れに任せてと考えています」とし、「日本代表に自分のプレーが必要であれば、自分の置かれた場所でベストを尽くしたいといつも思っています」と、やることをやって行きたいとした。 形を作っていくという点については「今は代表チームとしてある程度の形を持って守備も攻撃も自分たちの中でイメージを持ってできるようになっている反面、その型にハマりすぎるという危険性もあります」と語り、「とりわけ、そのパターンになってしまうと相手もそれを分かりやすく対応できる訳で。うちでいえばサイド攻撃だったり。ブラジル戦では中のコンビネーションは皆無で、どちらかというと外からでしか突破口を見出せなかったと思います」と、形を作ることは悪くないが、意識しすぎてもダメだとした。 その中でのポイントは「1つは選手のキャラクターを変えて違う戦い方を模索していくこともあると思っています」と語り、「今までであれば大迫選手がメインでやっていて、彼のキャラクターと、亨梧、大然、綺世のキャラクターは全く違います。この3人の中でも違うキャラクターがあって、彼らが出た時に同じサッカーが期待できるかというとそれはまた違うレベルの話です」と、選手のキャラクターを生かすことが大事だと持論を展開。「誰が出ても同じレベルの戦いができるということを追求するのは良いと思いますが、誰かが出て違う戦い方ができるという戦い方じゃないと変化は生まれないかなと思います」と、選手の起用によって変化を生むことの方が良いとした。 現状については「今のサッカーは(三笘)薫が出たら彼の強みを引き出すというのはチームのやり方としてアクセントになっていて、逆の(伊東)純也も近いです」とし、「システムを変えれば中のコミュニケーションが変わると思います。綺世、大然、亨梧はポストプレーよりも前線の抜け出しとか他の強みがあって、彼らにどういうボールを配給するか。ブラジル戦だけを見ていても感じました。キャラクターを考慮した戦い方も1つありかなと感じました」と、日本が強豪国と戦うための策を提案した。 2022.06.08 14:15 Wed5