前東京V指揮官のホワイト監督、英『スカイ』で中国サッカー界の現状語る

2020.03.13 18:17 Fri
©︎J.LEAGUE
現在、世界規模で猛威を振るう新型コロナウイルス。その発生源とされる中国サッカー界の現状をよく知る人物の1人である、南通支雲のギャリー・ジョン・ホワイト監督が母国イギリスの『スカイ・スポーツ』のインタビューに答えた。
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イングランドサッカー協会(FA)が立ち上げた特別な指導者養成コースの出身者のホワイト監督は、これまでバハマ代表、グアム代表、上海申鑫、チャイニーズタイペイ代表、香港代表を指揮し、2019年には東京ヴェルディの指揮官に就任。東京VではJ1リーグ昇格を目標に掲げた中、成績に不振に伴い昨年7月に途中解任。その後、同年8月に就任した中国サッカー・甲級リーグ(2部)の南通支雲では降格圏に沈んでいたチームを最終節での劇的残留に導く、見事な手腕を発揮していた。
しかし、南通支雲での新シーズンに向けて準備を進めていた中、武漢で流行した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在中国のすべてのカテゴリーでは開幕延期の厳しい状況が続いている。

そして、イギリス国内での感染拡大によってプレミアリーグの一時中断の可能性が高まった中、ホワイト監督は母国のメディアに対して中国の現状や新型コロナウイルスによる影響について語った。
「現状は自分たちから何かできることはないよ」

「中国政府は事態を収束するために全力を尽くしている。誰もが最善を尽くしている」

「イギリス政府が中国に滞在するイギリス人全員が中国を去るべきだと言っていたが、それは何の助けにもならなかった」

「ここにいる外国人コミュニティにパニックを広げただけで、ポジティブな面はなかったと思う。家族や仕事、自宅がある人たちは簡単にこの地を立ち去ることはできないからだ」

「我々は全体の出来事についてより実践的に対処するように努めている。冷静に前向きな姿勢を保ち、家族と一緒の時間を楽しむようにしているんだ」

また、現在日本人の妻と日本生まれの4歳の息子と共に上海を拠点に生活しているホワイト監督は、息子と過ごす時間を大切にし多くの不安を紛らわせているという。

「息子にはできるだけアクティブでいるようにさせているんだ。我々は時々、散歩に出かけて一緒にサッカーをしたりしている。ただ、私の居住区でそういったことをしているのは我々の親子ぐらいだ。あまり遠くに出歩くことはないが、自宅での暮らしに満足している」

「今までにないぎらい息子との時間を過ごしているし、今はサッカー監督では決して経験できない、普通の家族としての濃密な時間を過ごしているんだ。今、我々にできることは与えられたものを最大限に楽しむだけだ」

家族との充実した時間について非常にポジティブに語った一方、1人の指揮官として再開の見通しが立たない中でのチームマネジメントの難しさを正直に認めている。

「我々は昨シーズンの最後の6試合で最も勝ち点を獲得したチームだった。プレシーズンの段階でも中国スーパーリーグのチームを破るなど、その勢いを継続していた。しかし、開幕直前に活動の停止を余儀なくされた」

「そして、それまでに積み上げてきたものを突然失うことになった。新たな再開日が決定すれば、動き出すことができるが、プレシーズンをやり直す必要がある」

「中国全土にプレーヤーが散らばっている中、影響の少ない地域と外出も許されないという厳しい環境のプレーヤーという全く異なる状態のプレーヤーがいる。そのため、チーム戦略以前に個別のトレーニングプログラムを組む必要がある。現在、我々は各プレーヤーと頻繁に連絡を取り合って状態を確認しようとしているが、再開時期が決まるまでは様々な面で難しい」

「4月末を目途に再開の日時を設定しようとしているが、明確な日付は決まっていない」

現在、中国では日に日に新たな感染者数の減少、感染者の回復が報じられているが、それでもリーグ再開に向けては多くの問題をクリアする必要があるようだ。

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