「経験がものを言った」なでしこのパリ五輪決定に佐々木則夫女子委員長、ブラジル遠征が糧に 移動の経緯は過去の事例踏まえ「強行時は体調を崩す選手も」
2024.02.29 21:50 Thu
パリオリンピック出場を決め、サポーターと記念撮影をするなでしこジャパンの選手・スタッフ
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)がパリオリンピック出場を決めた試合後、日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長もミックスゾーンに姿を見せ、ブラジル遠征や過去の経験が今回の勝利に繋がったとコメントした。なでしこジャパンは28日、パリ・オリンピックアジア最終予選第2戦となる北朝鮮女子代表戦を国立競技場で行い、2-1で勝利。2戦合計スコアを2-1とし、2大会連続6度目のオリンピック出場権を獲得した。
同じ相手と中3日で連戦という、女子サッカーでは希少な条件だったが、これを見据えて行ったのが昨年12月のブラジル遠征。佐々木委員長は「(ブラジルでは)アウェイで2試合でしたけど、同じ相手と続けざまに2試合行うことをシミュレーションして、初戦は3-4で敗れたが、そのあとは(2-0で)勝って、得失点差もうちの方が上でした。今回の1戦目も厳しい状況ではあったけれど、経験がものを言ったのではないか。今日の試合は特にそれを感じました」と饒舌だった。
第1戦では直前まで開催地が決まらないというイレギュラーな事態に。ただ、それも「逆にそういうエクスキューズが、現場のスタッフや選手の気を引き締めることにつながった。そういった状況の中で力を合わせての、チームとしての勝ちだったではないか。昔もそうでしたけど、エクスキューズを力に変えて結束する、そういうところはでしこジャパンのいいところ」と、なでしこジャパンのチームとして、伝統として、逆境を乗り越える力が備わっているとコメントした。
さらに、第1戦後の移動についても経験を踏まえてのものだったと語る。
「コンディションは全員ケガもなく、病気等もなく、風邪をひくこともなく、非常に良い状況でこられました。これも前に経験しているんですが、強行ですぐヨーロッパから帰ってきたときに、ちょっと体調を崩した選手もいたんです。なので、何事もシミュレーションや遠征の経験などが、今日の、今回のゲームにつながったのではないか。いい準備の中の、いい結果だったのではないかなと思います」
同じ相手と中3日で連戦という、女子サッカーでは希少な条件だったが、これを見据えて行ったのが昨年12月のブラジル遠征。佐々木委員長は「(ブラジルでは)アウェイで2試合でしたけど、同じ相手と続けざまに2試合行うことをシミュレーションして、初戦は3-4で敗れたが、そのあとは(2-0で)勝って、得失点差もうちの方が上でした。今回の1戦目も厳しい状況ではあったけれど、経験がものを言ったのではないか。今日の試合は特にそれを感じました」と饒舌だった。
さらに、第1戦後の移動についても経験を踏まえてのものだったと語る。
北朝鮮が24日の試合後、すぐに移動したのに対し、日本は翌日に現地でのリカバリートレーニングを挟んで26日に帰国。過去には直後の移動も経験したが、その際に体調を崩した選手もいたことから、今回は回復を挟んでの移動を選択したと明かした。
「コンディションは全員ケガもなく、病気等もなく、風邪をひくこともなく、非常に良い状況でこられました。これも前に経験しているんですが、強行ですぐヨーロッパから帰ってきたときに、ちょっと体調を崩した選手もいたんです。なので、何事もシミュレーションや遠征の経験などが、今日の、今回のゲームにつながったのではないか。いい準備の中の、いい結果だったのではないかなと思います」
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最終予選A組はイラン代表がW杯本大会へ王手。ウズベキスタン代表は夢舞台へ次戦が最大のヤマ場となる。カタール『ガルフ・タイムズ』がA組の大局を伝える。 20日、W杯アジア最終予選第7節が各地で開催され、C組では首位の日本代表が本大会ストレートインを確定。一方、B組首位の韓国代表は、試合終盤の被弾でオマーン代表とドロー…B組は3試合を残して大勢がハッキリしない。 A組に目を移すと、首位のイラン代表がUAE代表を順当に撃破し、3位と勝ち点「9」差に。残り3試合で勝ち点「1」を積めば、4大会連続7度目のW杯出場が決まる運びとなった。 イランのアルデシル・アミール・ガレノエイ監督は「アジア杯後、国家が困難な状況に陥った時期もあったが、そんななかでもこの道を歩めたことに感謝しなければ。私は良い選手たちにも恵まれて幸せ者だ」などとコメント。すでにW杯行きを確信しているのだろう。 一方、W杯初出場を目指す2位・ウズベキスタン代表も、20日のキルギス代表戦で勝利。3位との勝ち点差を「6」へ広げることに成功した。 ただし、25日の第8節は、敵地テヘランのアザディ・スタジアムにて、引き分け以上でW杯出場が決まるイランとの対戦に。ウズベクは対イラン過去15試合で1勝4分け10敗と大きく負け越し、唯一の白星は2012年まで遡る。 ここでイランに勝てば、残り2試合で少なくとも3位と勝ち点「6」差と、W杯初出場が限りなく濃厚に。だが、イランに敗れて3位UAEも北朝鮮代表に勝てば、勝ち点差が再び「3」まで縮まることに…まさに正念場のウズベクだ。 なお、A組全体を見渡すと、すでに5位キルギス、6位北朝鮮の脱落は濃厚か。両者とも25日に5位以下=敗退が決定する可能性がある。 ◆A組(残り3試合) 1位 イラン | 勝ち点19 | +9 2位 ウズベキスタン | 勝ち点16 | +4 ---本大会--- 3位 UAE | 勝ち点10 | +6 4位 カタール | 勝ち点10 | -3 ---アジアプレーオフ--- 5位 キルギス | 勝ち点3 | -8 6位 北朝鮮 | 勝ち点2 | -8 2025.03.22 19:31 Sat4
話題の中心は北朝鮮の暴走/六川亨の日本サッカー見聞録
杭州・アジア大会のサッカー男子準決勝は日本が香港に4-0と圧勝したことよりも、決勝は18年に続いて2大会連続して日韓対決になったことよりも、北朝鮮が準々決勝の日本戦で見せたラフプレーや日本スタッフに左拳を突き上げて脅した仕草、さらには試合後の主審への抗議を非難する記事の方が圧倒的に多い。 それだけ許されざる行為であり、当該選手や監督には一定期間の出場停止など厳罰が下されたとしても当然だろう。来年3月には北中米W杯2次予選のアウェー北朝鮮戦が予定されている。こちらのホームゲームも開催されるのかどうか、FIFAやAFCの裁定待ちになるかもしれない。 かつてはアジア最大のスタジアムと言われた8万人収容の金日成競技場。日本がここで初めてプレーしたのは1985年のメキシコW杯1次予選だった。シンガポールとの3か国によるリーグ戦で、予選突破の本命は66年のイングランドW杯に出場経験のある北朝鮮だった。 それというのも日本は過去に北朝鮮に勝ったことは一度もなく、74年にはピョンヤン4・25という単独の軍隊チームにも0-4で完敗を喫していた。ところが85年はホームの国立競技場で、雨でぬかるんだピッチにボールが止まると、「アジアの核弾頭」と言われた原博実が起用に足先で浮かしてDFのタックルをかわし、値千金の決勝点をスライディングしながら流し込んだのだ。このプレーには、観客はもちろんチームメイトも驚かされた。「利き足はヘディング」とも言われたヘッドでのゴールではなく、テクニックを発揮してのゴールだったからだ。 そして約1ヶ月後には平壌へ乗り込む。金日成競技場は人工芝という情報は得ていた。しかし事前に乗り込んでチェックできるわけでもない。取り替え式のスパイクは使えないだろうから、固定式に加えてアップシューズも持参してのアウェー戦だった。日本からの報道陣は記者とカメラマンを合わせて10人で、北京経由での平壌入りだった。 ダイジェストからはカメラマンだけを派遣したが、現地では常にクルマでの移動で、役員がエスコートと至れり尽くせりだったという。裏を返せば、エスコートした場所以外は見せないということで、犬の肉を専門に扱うレストランにも案内されたそうだ。 試合は午前中から詰めかけた観衆がゲートを壊して侵入したため、警備員との小競り合いもあったから、8万人以上が詰めかけたかもしれない(85年の韓国との最終予選のアウェー戦でも、ピッチの周りには自動小銃を携えた軍人が観衆の乱入を阻止しようと目を光らせていた)。そして日本はGK松井清隆の活躍もあり0-0でしのいで2次予選進出に王手をかけた。 ところがジーコ・ジャパンで臨んだ05年のW杯予選では、3月に平壌で行われたイラン戦で0-2と敗れると、主審の判定に選手が取り囲んで抗議したことで観衆がエキサイト。ピッチにイスを投げ込むなどしたため審判団は身の危険を感じたほどだった。事態を重く見たFIFAは、6月8日に予平壌で開催が予定されていた日本戦を、第3国であるタイのバンコクで、無観客で開催というペナルティーを科した。 バンコク最大の繁華街であるサイアム・スクウェア(銀座と新宿と上野を合わせたような感じ)近くにある旧ナショナルスタジアム。無観客試合と知りながら、日本からは“ウルトラス"を始め多くのサポーターが訪れ、試合前からスタジアムを囲んで日本に声援を送っていた。そして試合は柳沢敦と大黒将志のゴールで2-0の完勝を収めた。 不思議だったのは、無観客試合にもかかわらず、メインスタンド右側に北朝鮮の観客と思しい一団がいたことだった。役員席や記者席ではなく、一般のスタンドにいて声援を送っている。タイ在住の北朝鮮の関係者なのか不明だが、何があってもおかしくないと思ったものだ。 それを考えると、11年11月のアウェー北朝鮮戦は何事もなく終わった。すでに北朝鮮はアジア3次予選で敗退していたし、試合も日本に1-0の勝利を収めたからだろう。 北朝鮮代表は、85年から『在日朝鮮人枠』を導入し、同年の代表には在日朝鮮蹴球団の大型FWキム・ガンホを、その後も仙台で長く活躍したテクニシャンの梁勇基や、新潟や大宮で献身的にプレーした安英学らが代表選手として日本と対戦してきた。試合後に彼らを取材して感じたのは「礼儀正しさ」と「サッカーへのリスペクト」だった。そうした伝統が、国際舞台から遠ざかることで失われたとしたら、あるいは指導者の経験不足なのか詳細は不明だが、残念に思うのは僕だけではないだろう。 2023.10.05 20:05 Thu5

