【プレミア注目プレビュー】昨季王者と今季首位によるミッドウィーク開催の首位攻防戦!

2020.12.16 12:00 Wed
Getty Images
プレミアリーグ第13節、リバプールvsトッテナムが日本時間16日29:00にアンフィールドでキックオフされる。今季初のミッドウィーク開催による、注目の首位攻防戦だ。現在、2位のリバプール(勝ち点25)は前節、下位に沈むフルアムとのアウェイゲームで大苦戦。攻守に圧倒された前半にビハインドを負うと、後半も序盤こそ決定機を作れたものの徐々に攻撃が停滞。それでも、相手のハンドで得たPKをエースFWサラーがきっちり決めて同点に追いついた。しかし、勝ち越しゴールを奪うまでには至らず、下位相手の痛恨のドローで首位浮上のチャンスを逃した。

一方、首位のトッテナム(勝ち点25)はマンチェスター・シティ、チェルシー、アーセナルとの強豪3連戦を2勝1分けという上々の戦績で終えた。だが、前節は中位のクリスタル・パレスにFWケインのゴールで先制に成功も、やや消極的な試合運びが続くと試合終盤に相手のセットプレーから同点に追いつかれ、リバプール同様に格下相手の痛恨の取りこぼしとなった。
リバプールは第4節のアストン・ビラ戦での敗戦以降、4戦4分けの8戦無敗、トッテナムは開幕戦のエバートン戦での敗戦以降、7勝4分けの11戦無敗と、いずれも下位相手の取りこぼしはあるものの好調を維持。ただ、ケガ人の少なさやここ最近の戦いぶりでは今回のアウェイチームに分があると言える。

しかし、両者の直近の公式戦の対戦成績ではリバプールが目下5連勝中と圧倒。また、ホームでのリーグ無敗記録を「65」に更新中のマージーサイドクラブが、トッテナムにホームで敗れたのは2011年5月の対戦(0-2)が最後と、10年近く無敗を維持している。さらに、クロップ監督とモウリーニョ監督の通算対戦成績でもドイツ人指揮官の5勝2敗4分けと大きく勝ち越しており、相性を考えれば今回のホームチームが圧倒的優位だ。
今季の充実ぶりでトッテナムが昨季王者を敵地で撃破するか、リバプールが相性の良さ、地の利を生かして現首位チームを破り、首位奪還を果たすか。その結末はいかに…。

◆リバプール◆
【4-3-3】
▽リバプール予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:アリソン
DF:アレクサンダー=アーノルド、マティプ、ファビーニョ、ロバートソン
MF:カーティス・ジョーンズ、ヘンダーソン、ワイナルドゥム
FW:サラー、フィルミノ、マネ

負傷者:DFジョー・ゴメス、ファン・ダイク、マティプ、ツィミカス、MFチアゴ、ミルナー、シャキリ、ナビ・ケイタ、FWジョタ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはファン・ダイクやチアゴ、ミルナー、ジョタといった長期離脱組が引き続き欠場となる。また、背中に問題を抱えるマティプ、軽傷を抱えるナビ・ケイタに関しては試合当日までコンディションをチェックする必要がある。

スタメンに関しては直近のフルアム戦と同じメンバーが起用される見込みだが、マティプが間に合わない場合、フィリップスとリース・ウィリアムズの若手センターバック、あるいはフルアム戦の後半と同様にヘンダーソンをセンターバックで起用し、南野やナビ・ケイタ、オックスレイド=チェンバレンをインサイドハーフに回すことになりそうだ。

◆トッテナム◆
【4-2-3-1】
▽トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ロリス
DF:オーリエ、アルデルヴァイレルト、ダイアー、レギロン
MF:ムサ・シソコ、ホイビュルク
MF:ベルフワイン、エンドンベレ、ソン・フンミン
FW:ケイン

負傷者:DFタンガンガ、MFラメラ、FWベイル
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはラメラに加え、肩を負傷したタンガンガと体調不良から回復したばかりのベイルが欠場となる見込みだ。

アンフィールドでのリバプール戦ということもあり、[5-3-2]の守備的な布陣の採用も十分に考えられる。だが、スタートは[4-2-3-1]を継続して試合の状況次第でロドンやベン・デイビスを投入する形を予想する。

スタメンに関しては直近のパレス戦をベースに、コンディション次第でエンドンベレ、ベルフワインに代えてロ・チェルソ、ルーカス・モウラを起用する可能性がある。また、レギロンを左ウイングに置きベン・デイビスをサイドバックに置く守備的重視の用兵も想定されるところだ。

★注目選手
◆リバプール:MFジョーダン・ヘンダーソン
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リバプールの注目プレーヤーはビッグマッチで存在感を放つ頼れるスキッパーだ。ここ数シーズンは細かい負傷に悩まされているものの、昨シーズンのリバプールファン選出の年間MVP、FWA選出の年間MVPをダブル受賞した30歳MFはファン・ダイクと共にチームの出来を左右する替えの利かないプレーヤーの1人。直近のフルアム戦は思わぬ形で取りこぼしたものの、今季のチームが公式戦で喫した2敗、下位相手に取りこぼしたドローはいずれもヘンダーソンが欠場、あるいは先発を外れた試合だ。

守護神アリソンや強烈な個性を持つアタッカー陣と異なり、一人で試合を決める仕事はできないが、その卓越した戦術眼とリーダーシップを武器にチーム全体のパフォーマンスを向上させ、悪い流れを断ち切るという稀有な働きをこなしている。とりわけ、ビッグマッチでの勝負強さは絶大で、今季対ビッグ6相手に好成績を収めている難敵スパーズとの一戦においてもその働きが勝敗のカギを握る。

アンカーあるいはインサイドハーフでの起用が予想される中、アンカーに入れば代表のチームメイトであるケイン、インサイドハーフではホイビュルクとムサ・シソコというフィジカルモンスターを相手に肝心要の中盤の主導権争いでの奮闘が求められる。

◆トッテナム:FWハリー・ケイン
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トッテナムの注目プレーヤーは世界屈指の万能型ストライカーだ。両足、頭を自由自在に操り、ワンタッチ、ミドルシュート、ドリブル突破と、あらゆる形でゴールを決められるパーフェクトフィニッシャーは、今季チャンスメーカーとしての才能を完全に開花。ここまでのプレミアリーグ12試合で9ゴール10アシストと圧巻のパフォーマンスを継続している。

昨シーズンの解説者時代にリバプールの3トップの機能美を絶賛していたモウリーニョ監督は、自身の戦術を本格的に浸透させつつある今季にサラー、フィルミノ、マネをベルフワイン(ルーカス・モウラ)、ケイン、ソン・フンミンにそっくり置き換えて、本家と比肩する強力なアタッキングユニットを形成。その中でケインはフィルミノが担う偽CFとも言える新たな役割を完璧にこなしており、敵将クロップも“対戦相手のフィルミノ”への強い警戒の言葉を前日会見の場で語っていた。そのため、今回の一戦ではそのメカニズムを誰よりも知る対戦相手から徹底監視を受け、いつも以上に難しいプレーが予想される。

ただ、これまでの対戦で苦戦を強いられてきたファン・ダイクは今回ピッチにおらず、中盤に落ちた際にマッチアップするアンカーのファビーニョも今回はセンターバックの一角としてマッチアップする可能性が高く、個人としてはこれまでの対戦に比べて与しやすい一戦となるはずだ。また、リバプール相手の個人成績は11戦6ゴール2アシストと相性は悪くなく、絶好調のソン・フンミンと共に難攻不落のアンフィールド攻略に導きたい。

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