東京Vの城福監督が練習環境改善へ切実な訴え…「我々が戦っているのは今日明日。自分の立場として声を大にして言いたい」
2024.08.04 19:00 Sun
中断明けの戦いへ準備進める城福監督
東京ヴェルディの城福浩監督が、練習環境改善への切実な思いを語った。
就任2年目となった昨シーズンのJ2リーグを3位フィニッシュさせ、昇格プレーオフを制して緑の名門を16年ぶりのJ1リーグ復帰へ導いた城福監督。就任3年目となった今シーズンも、伸びしろ豊かなJ1最年少スカッドをしっかりと鍛え上げ、今夏の中断期間をトップハーフの9位で迎えている。
その躍進を支えるのは、百戦錬磨の指揮官が資金力、経験値で大きく差があるライバルクラブとの差を埋めるべく標榜する“日本一のトレーニング”。
日々のトレーニングセッションでは、若き才能たちが指揮官の求めるハイインテンシティのアグレッシブなフットボールを体現すべく、公式戦以上の強度でしのぎを削り、全体練習後も“エクストラ”と呼ばれる基礎技術の向上や、個々の課題克服を目的とした熱のこもったトレーニングが行われている。
すべてのフットボールクラブにおいて重要性が高いのはもちろんのこと、とりわけ「トレーニングがすべて」と常々語る城福監督にとって練習環境は何よりも重要視する要素だ。
現在、東京Vは東京都稲城市のよみうりランドに隣接するヴェルディグラウンドでトレーニングを行っている。ただ、Jリーグ黎明期にメインで使用していたクラブハウス横のプリメーラと呼ばれる天然芝グラウンドではなく、現在はよみうりランド近くのレセルバと呼ばれる天然芝グラウンドをメインに使用。
そのメイングラウンドは他クラブのグラウンドや前述のプリメーラと違ってピッチのサイズが規定より小さく、芝への過剰な負担を回避するために逃げられる場所がないという構造上の問題があり、シーズンを通してフル稼働は事実上不可能。そのため、クラブは多摩市立陸上競技場、本拠地味の素スタジアムに隣接するAGFフィールドの2か所もトレーニングで使用している。
先日のブライトン戦前の囲み取材においても、「グラウンドが今ギリギリの状態で、多摩陸やAGFを借りながらグラウンド整備をしている。再開後に良い芝生の状態で練習をやりたい」とメイングラウンドの状態を気遣うコメントを残していた城福監督だったが、その希望とは裏腹に3日にメディア向けに公開されたトレーニングでは酷暑やここ最近のゲリラ豪雨などの影響もあったか、約2週間の養生の効果は窺えず、一見して厳しいピッチコンディションに見受けられた。
東京Vの就任前後から現在に至るまで練習環境の改善に関してクラブ首脳陣と忌憚なく意見を交わしてきた指揮官だが、3日の囲み取材の場では「僕はどんなふうに思われても、僕が言えなかったら誰も言えない」と、現場を代表して改めて練習環境の改善の必要性を強く訴えた。
「これ(メイングラウンドの状態)は我々が抱える構造的な問題で、他の場所があるかというと、行政の力を借りなければいけない。多摩陸にはやっぱり限界があって、夏休みだったり、週末だったりというのは、年初に年度のところで申請していないと、なかなか難しいとか、フレキシブルにやってもらっているところもありますが、AGFも使用頻度が高い」
「もう1個は本当に選手はグラウンドに行ってプレーして帰ってくればいいですけど、スタッフですね。エキップとかメディカルというのは、もうずっと物を運んでいる。結局、練習をやるということは、ここと同じものを全部用意しなければいけないので、我々もゴールを運んだり、人工芝を運んだりはしていますけど、トータルの負担を考えたら、かなりギリギリのセーフ…」
「ここのグラウンドがよくなるためだったら、多少我慢するということでやってきて、やっぱりこの状態だと厳しいものがあります」
「2年前に比べたら遥かに状態はいい」と、グラウンドの構造上の問題による管理の難しさ、限られた予算における努力については感謝と共に就任時からの大幅な改善を認めるが、やはり日本一の練習を標榜し、J1残留へ強い危機感を抱くなかでクラブに対して根本的な改善を求めている。
「僕らにとってグラウンドというのは今日明日の話。5年先、10年先のクラブの規模の話ではないので、あれだけ我々は練習が全てで、練習で日本一になって対等に戦いたいということをずっと言ってきたなかで、この状況は厳しい…。つい先日に練習試合をやってきた相手のグラウンドと比べて選手がどう思うのかと、それをクラブの幹部がどう考えているのかと。おそらくその差さえも知らないのではないかという意味では、僕は中長期の戦略のことは何も否定しないですし、それはクラブの幹部がやってくれればいい話であって、我々が戦っているのは今日明日。それは僕の立場として声を大にして言いたい」
さらに、レアル・ソシエダ戦、ブライトン戦を現場として受け入れた際に、その収入をチームに還元したいとの考えも語っていた指揮官は「僕らが稼いだブライトン戦などの資金も何もかも全部つぎ込んでもらってもいいので、どうにかしてくれと言いたいです。新しく選手を獲得するお金を放棄してもいいからどうにかしてほしいと、もうそれぐらいのところに来ています」と、より強い言葉で窮状を訴えた。
「現実として他のチームのグラウンドと差があるということ。現実として僕らがジプシー(練習場を渡り歩く)をやっているときにスタッフに大きな負担があると。そこのところを言うとしたら僕が言うしかない。僕はどんなふうに思われても、僕が言えなかったら誰も言えないので、それをわかった上でクラブが最善の努力を。今現在の最善の努力をしていると思いますが、それは今現在の動いているお金のなかでの最善の努力であって、これで十分ですかと言われれば、僕らはそう思っていないというのはずっと言ってきていますし、緊急ですよというのはずっと言ってきています」
「まずはこのチームがJ1に残ることが一番大事だと。僕の立場からいくと、だから日々が大事。選手にも言いましたけど、この中断期間で1週間休んでいるクラブが山のようにあると。一方で僕らは積み上げたいし、競争したいから休ませない。だから、現場では僕らが与えられた環境で、今やれることは全てやろうと思っています。そうでないと、J1には残れないので」
「僕らの下の順位を見たら、たぶん5試合先がどうなっているかわからないという危機感を感じざるを得ない。我々がやれることはピッチの上なので、そこの環境に僕が危機感を持たずして誰が理解するんだと、誰が気づいて必死になって戦うんだと。グラウンドを全部借りてくださいという無茶なことはできないですし、無茶なことを言うつもりはないし、どこかに移転しろ、移転するグラウンドがないのか、みたいなことを言うつもりはないですけど、このままでやれと言うんですかと…」
「2年前に比べたら遥かにグラウンドの状態はいいですが、それは今の範囲のなかで努力してもらっているのだけども、J1仕様でいろんなことを考えたときに、クオリティを要求する前にエクスキューズがあるという状態で、これを年間通してというのは、いつも思っていますけど、僕らが2週間ジプシーしてやってきた後なので、余計にそれでこれかという思いがあります」
現場を預かるものとして強い思いを語ってきた城福監督は、就任時に練習場8か所を渡り歩いたヴァンフォーレ甲府時代の苦労話にも触れ、「すごくいい経験ができた」、「苦労はもちろん買ってでもするもの」とも語ったが、「各々のセクションが最大限の努力をするということで、そこで信頼関係を築いていくということも大事だと思います」と、問題解決に向けてクラブ全体として各々のプロフェッショナルな対応を求めている。
就任2年目となった昨シーズンのJ2リーグを3位フィニッシュさせ、昇格プレーオフを制して緑の名門を16年ぶりのJ1リーグ復帰へ導いた城福監督。就任3年目となった今シーズンも、伸びしろ豊かなJ1最年少スカッドをしっかりと鍛え上げ、今夏の中断期間をトップハーフの9位で迎えている。
その躍進を支えるのは、百戦錬磨の指揮官が資金力、経験値で大きく差があるライバルクラブとの差を埋めるべく標榜する“日本一のトレーニング”。
すべてのフットボールクラブにおいて重要性が高いのはもちろんのこと、とりわけ「トレーニングがすべて」と常々語る城福監督にとって練習環境は何よりも重要視する要素だ。
しかし、2週間ほどの中断期間を経てリーグ再開が間近に迫るなか、63歳の指揮官はクラブを巡る練習環境への大きな懸念を訴えている。
現在、東京Vは東京都稲城市のよみうりランドに隣接するヴェルディグラウンドでトレーニングを行っている。ただ、Jリーグ黎明期にメインで使用していたクラブハウス横のプリメーラと呼ばれる天然芝グラウンドではなく、現在はよみうりランド近くのレセルバと呼ばれる天然芝グラウンドをメインに使用。
そのメイングラウンドは他クラブのグラウンドや前述のプリメーラと違ってピッチのサイズが規定より小さく、芝への過剰な負担を回避するために逃げられる場所がないという構造上の問題があり、シーズンを通してフル稼働は事実上不可能。そのため、クラブは多摩市立陸上競技場、本拠地味の素スタジアムに隣接するAGFフィールドの2か所もトレーニングで使用している。
先日のブライトン戦前の囲み取材においても、「グラウンドが今ギリギリの状態で、多摩陸やAGFを借りながらグラウンド整備をしている。再開後に良い芝生の状態で練習をやりたい」とメイングラウンドの状態を気遣うコメントを残していた城福監督だったが、その希望とは裏腹に3日にメディア向けに公開されたトレーニングでは酷暑やここ最近のゲリラ豪雨などの影響もあったか、約2週間の養生の効果は窺えず、一見して厳しいピッチコンディションに見受けられた。
東京Vの就任前後から現在に至るまで練習環境の改善に関してクラブ首脳陣と忌憚なく意見を交わしてきた指揮官だが、3日の囲み取材の場では「僕はどんなふうに思われても、僕が言えなかったら誰も言えない」と、現場を代表して改めて練習環境の改善の必要性を強く訴えた。
「これ(メイングラウンドの状態)は我々が抱える構造的な問題で、他の場所があるかというと、行政の力を借りなければいけない。多摩陸にはやっぱり限界があって、夏休みだったり、週末だったりというのは、年初に年度のところで申請していないと、なかなか難しいとか、フレキシブルにやってもらっているところもありますが、AGFも使用頻度が高い」
「もう1個は本当に選手はグラウンドに行ってプレーして帰ってくればいいですけど、スタッフですね。エキップとかメディカルというのは、もうずっと物を運んでいる。結局、練習をやるということは、ここと同じものを全部用意しなければいけないので、我々もゴールを運んだり、人工芝を運んだりはしていますけど、トータルの負担を考えたら、かなりギリギリのセーフ…」
「ここのグラウンドがよくなるためだったら、多少我慢するということでやってきて、やっぱりこの状態だと厳しいものがあります」
「2年前に比べたら遥かに状態はいい」と、グラウンドの構造上の問題による管理の難しさ、限られた予算における努力については感謝と共に就任時からの大幅な改善を認めるが、やはり日本一の練習を標榜し、J1残留へ強い危機感を抱くなかでクラブに対して根本的な改善を求めている。
「僕らにとってグラウンドというのは今日明日の話。5年先、10年先のクラブの規模の話ではないので、あれだけ我々は練習が全てで、練習で日本一になって対等に戦いたいということをずっと言ってきたなかで、この状況は厳しい…。つい先日に練習試合をやってきた相手のグラウンドと比べて選手がどう思うのかと、それをクラブの幹部がどう考えているのかと。おそらくその差さえも知らないのではないかという意味では、僕は中長期の戦略のことは何も否定しないですし、それはクラブの幹部がやってくれればいい話であって、我々が戦っているのは今日明日。それは僕の立場として声を大にして言いたい」
さらに、レアル・ソシエダ戦、ブライトン戦を現場として受け入れた際に、その収入をチームに還元したいとの考えも語っていた指揮官は「僕らが稼いだブライトン戦などの資金も何もかも全部つぎ込んでもらってもいいので、どうにかしてくれと言いたいです。新しく選手を獲得するお金を放棄してもいいからどうにかしてほしいと、もうそれぐらいのところに来ています」と、より強い言葉で窮状を訴えた。
「現実として他のチームのグラウンドと差があるということ。現実として僕らがジプシー(練習場を渡り歩く)をやっているときにスタッフに大きな負担があると。そこのところを言うとしたら僕が言うしかない。僕はどんなふうに思われても、僕が言えなかったら誰も言えないので、それをわかった上でクラブが最善の努力を。今現在の最善の努力をしていると思いますが、それは今現在の動いているお金のなかでの最善の努力であって、これで十分ですかと言われれば、僕らはそう思っていないというのはずっと言ってきていますし、緊急ですよというのはずっと言ってきています」
「まずはこのチームがJ1に残ることが一番大事だと。僕の立場からいくと、だから日々が大事。選手にも言いましたけど、この中断期間で1週間休んでいるクラブが山のようにあると。一方で僕らは積み上げたいし、競争したいから休ませない。だから、現場では僕らが与えられた環境で、今やれることは全てやろうと思っています。そうでないと、J1には残れないので」
「僕らの下の順位を見たら、たぶん5試合先がどうなっているかわからないという危機感を感じざるを得ない。我々がやれることはピッチの上なので、そこの環境に僕が危機感を持たずして誰が理解するんだと、誰が気づいて必死になって戦うんだと。グラウンドを全部借りてくださいという無茶なことはできないですし、無茶なことを言うつもりはないし、どこかに移転しろ、移転するグラウンドがないのか、みたいなことを言うつもりはないですけど、このままでやれと言うんですかと…」
「2年前に比べたら遥かにグラウンドの状態はいいですが、それは今の範囲のなかで努力してもらっているのだけども、J1仕様でいろんなことを考えたときに、クオリティを要求する前にエクスキューズがあるという状態で、これを年間通してというのは、いつも思っていますけど、僕らが2週間ジプシーしてやってきた後なので、余計にそれでこれかという思いがあります」
現場を預かるものとして強い思いを語ってきた城福監督は、就任時に練習場8か所を渡り歩いたヴァンフォーレ甲府時代の苦労話にも触れ、「すごくいい経験ができた」、「苦労はもちろん買ってでもするもの」とも語ったが、「各々のセクションが最大限の努力をするということで、そこで信頼関係を築いていくということも大事だと思います」と、問題解決に向けてクラブ全体として各々のプロフェッショナルな対応を求めている。
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東京ヴェルディの城福浩監督が、ガンバ大阪戦で負傷した3選手の状態について言及した。 東京Vは2日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第4節でG大阪と対戦し、0-1で敗戦した。 FC町田ゼルビア戦での初勝利の勢いを活かして連勝を目指した味スタでのホーム開幕戦だったが、同試合ではDF千田海人、FW山田剛綺、MF福田湧矢の3選手が相次いで負傷し、プレー続行不可能となる悪夢のようなアクシデントに見舞われた。 そのG大阪戦後の会見では「詳細はまだ聞いていない」と3選手の状態について明言を避けた指揮官だったが、5日に行われたトレーニング後の囲み取材の場で改めてケガの状態に言及。 いずれも前半に負傷した2選手に関して厳しい見通しを明かした。 前半10分過ぎの守備対応の際にハムストリングを痛めた千田に関しては、「(MRIの)画像も撮って診断もされたので、クラブからリリースを出さなければいけないぐらいのレベルの長さ」と、詳細への言及は避けたものの数週間以上の離脱となる見込みであると語った。 また、競り合いの際の着地で左ヒザを強く捻り、自力歩行が不可能で担架にのせられてピッチを後にした山田に関しては、負傷の様子を見た多くの人たちの予想通り、長期の離脱となることを認めている。 「ヒザの1箇所ではなくて、何箇所かの損傷がある。今は患部が腫れていることもあり、今はどの程度ということは言えない。もう少し様子を見て、どういう手法(治療法)が一番いいのかというのはジャッジするということになります」 一方、後半終盤に相手のシュートを至近距離から顔面に受け、脳震とう疑いでの交代となった福田については、G大阪時代に加え、東京V加入後も脳震とうを経験していたこともあり、状態が危ぶまれるところだ。 城福監督はそういった過去の経緯や福田自身の感覚を踏まえ、慎重な対応が必要であるとしながらも、今回のケースに関しては大事に至らなかったと説明。その上で最善を尽くしながら、復帰へのプロセスを進めていきたいと語った。 「彼のこれまでの経緯も含めて、ああいう状況に非常に過敏な状況であることは確か。今年に入っても何度かあったなかで、脳震とうと診断するかどうかというところが、ギリギリのところです」 「ただ、やっぱり慎重に対応しなければいけないし、慎重にジャッジしなければいけない。本人の症状とか、本人の感覚をしっかりとヒアリングしながら対応しなければいけないと思うので、メディカル的なジャッジと本人の認識というか自覚。ここを照らし合わせながら最短で復帰していくと」 「少なくとも過敏になっている部分と、脳震とうというのは違うので、そこはメディカル的にしっかり診断をしてもらって、あとはなるべく離れないように復帰させていくかというところのジャッジになっていくかなと考えています。ただ日々の彼の症状というか、状況を把握しながら、一歩ずつ進めていく感じなのかなと思います」 各選手の状況は異なるものの、少なくとも今後しばらくは主力クラスの3選手が不在となる上、開幕から1勝3敗と厳しいスタートとなった現状を鑑みれば、ここまでベンチを温める選手やメンバー外の選手たちのより一層の奮起が求められるところ。 そんななか、G大阪戦の翌日にはヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×2)を実施。結果は0-0と、得点力不足に喘ぐ状況において芳しいものとは言えなかったが、それでも指揮官は内容を含め、緊急事態の状況で選手たちが見せた姿勢に満足感を示した。 「チームがこういう状況だからこそ、『助けになりたい』、『その一員になりたい』という思いは、みんなが持って試合に臨んだと思います。内容としたら悪くなかったと思いますし、勝っておかしくない試合だったと思います。極寒の中で試合をやりましたが、集中を切らさずにやってくれたなというふうに思います」 「点が取れなかったところは反省しなければいけないですけど、姿勢としたら悪くなかったなと。(3選手の)ああいうケガもあって、それをどういうふうに受け止めて、もっと言えば、山田剛綺と千田海人、福田湧矢の心情も踏まえて、彼らがどうやって、どういうパフォーマンスを、どういう姿勢を示してくれるかなと思って見てましたけど、そこは彼らでしっかり思うところがあるな、という思いが伝わってきたし、それは大事なことかなと思います」 昨季の6位躍進からのJ1での2年目で不振と主力の相次ぐ負傷と、いきなり逆風に見舞われる東京Vだが、逆境でこそ手腕を発揮する闘将とともにチーム一丸となってここからの巻き返しを図る。 2025.03.05 15:38 Wed3
「6位は誰もが驚く結果」東京Vの江尻強化部長が躍進の今季総括…レンタル組の去就や来季展望に言及
東京ヴェルディの江尻篤彦強化部長が、9日に2024シーズンの総括会見を実施した。 就任2年目となった城福浩監督の下、昨シーズンは16年ぶりのJ1昇格という悲願を果たした緑の名門。今シーズンはJ1残留を至上命令に臨んだなか、開幕時点で“20番目のチーム”と目された下馬評を痛快に覆す快進撃で、4節を残して残留を確定。さらに、クラブとしての予算規模、スカッドの経験値で上回る多くのクラブを退け、最終的に東京移転後では最高位となる6位で2024シーズンの明治安田J1リーグの戦いを締めくくった。 2020年に東京V入りした江尻強化部長は、自身の出身である明治大学の選手を中心に、近年のクラブにはルートや選択肢としてなかった大卒の有望株の獲得、2022シーズン途中に招へいした城福監督との二人三脚によって、限られた予算のなかで的確な補強でJ1昇格、今季の6位フィニッシュを成し遂げた。 今回の会見では城福監督の手腕への評価を含めた、今季の振り返りとともに、さらなる躍進を目指す来シーズンに向けた展望を語った。 「昨年の12月2日に染野選手のPKで我々が16年ぶりのJ1を獲得できた」という昇格プレーオフを制してのJ1昇格決定からスタートした今シーズンの戦い。 昇格の可能性がある昨年の終盤の段階から「J1バージョンとJ2バージョンの両方を考えながら進めていた」と語る補強責任者は、開幕前の段階で降格候補の最有力と目されたなか、指揮官とともに「2024シーズンはサプライズを起こせるようなチームになりたい」とチーム作りを進めた。 そのなかで「チームとしてどういう色で戦うのか」、「そのなかで質の高い選手がいないと勝てない」という2つのポイントを重視。ハイインテンシティのアグレッシブな城福監督の明確なスタイルを体現する“質の高い選手”という部分ではJ2昇格に貢献した現有戦力に加え、「J1リーグでも若い選手がチームの考え方とか、監督の戦う戦術で少し試合時間に恵まれてない選手をピックアップ」。 いずれも京都サンガF.Cから期限付き移籍で加入したFW木村勇大とMF山田楓喜、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入したFW山見大登が攻撃の主軸として覚醒した。 一方で、江尻強化部長は「夏以降に成長した」とディフェンスラインで活躍したMF綱島悠斗、DF千田海人の2人に言及。改めて編成の責任者として気付かされる部分があったという。 「今年でいうと、綱島悠斗、千田海人とかディフェンスの選手が夏以降に成長し、千田はベテランと呼ばれてもおかしくない年齢の選手で、J2のときに秋田から取ってきて、J2時代はあまりフィットしなかったですが、このJ1に向けて彼自身が成長した。彼の例を挙げると、年齢はあまり関係ないんだなと、いかに我々のやりたい、目指しているところと、あとは何よりも城福監督が目指しているようなサッカーにフィットするかしないかというところが、改めて編成の責任者をしている側としたら、すごく大切なところだなというのは思いました」 また、今季のスカッドはDF宮原和也を除き多くの選手がJ1初挑戦やJ1で出場経験が少ない選手で構成された点が大きな特徴だった。百戦錬磨の指揮官を含め、経験豊富なコーチ陣の存在はあるとはいえ、J1で経験豊富な選手を“メンター”や“ロールモデル”として若きスカッドに組み込む選択肢も当然あり得たはずだ。 その点について江尻強化部長は「あるときにはそういう選択をするかもしれない」、「これが来年も続くかといえば、これは本当にわからない」としながらも、クラブの哲学や自身の考え方として、今季のチーム作りが適したものだったと感じているという。 「当然経験が少ない選手ばかりのチームでしたけど、そこに何を見いだして我々が戦いを挑んだというところが大きなポイント。城福監督が求めるサプライズを起こせるようなチーム。本当にひたむきにアグレッシブに戦うチームというのが作れれば、そういうところに挑めるということを、今年は証明できたのかなと思っています」 「今年は選手も少なくとも同じ考えを持って、こういうメンバーでもやり遂げられると、同じ方向へ向いたということを考えると、経験がある選手がいるのといないのとで、ダメなところをうまくいい方向に、みんなの意識が向いた結果かなと思っているので、そこは大事にしていきたいです。20チームのJ1のクラブのなかで、こういうチームもあってもいいのではないかなと思っています」 「僕らヴェルディの哲学としたら育てるチームというのが大きなキーワードになる。城福監督は基準をぶれずにチーム作りをしてくれたというのと、僕も基準をぶれずに、育てることを貫き通せているというのも、ぶれてない部分だと思っています。そういう若い選手をエージェントさんが紹介してくれたりとか、高校生、大学生がここへ来れば試合に使ってもらえそうだというところを、ひとつブランドとして作れている部分もあると思っている。このクラブの哲学として、そこはぶらしたくないというのはあるので、基本そっちの方をその哲学を大事にしながらチーム作りをしていこうかなと思っています」 その結果が「今シーズンの6位という順位は、誰もが驚くびっくりするような結果」に繋がった。 「今年1年はクラブ全体で、本当にみんなで力を合わせた結果がこういう結果になった。我々もこれまで支援していただいているスポンサー様、自治体の方々が本当にJ1の16年ぶりの舞台で皆さんが後押しをしてくれた。何よりも苦しいときもわかってくれているサポーターの皆さんが、また味スタのスタジアムに戻ってきてくれた。私は2020年から来ましたけど、あのときのゴール裏と今のゴール裏とでは、もう比べようがないぐらいお客さんが入っていて、それに応えるために、我々が一生懸命努力したということが、本当に良かったと思います」 ただ、J1での戦いが甘いものではないことを知る江尻強化部長は「これを中長期的にどういうふうに継続していくかというところが、このヴェルディの未来にも繋がると思いますし、いま頭を悩ましているところ。動いている足を止めるわけにはいかないので、これからが本当の意味でのヴェルディになっていくというふうに思っているので、大変かもしれないですけど、やっていこうかなと思います」と、早くも来季以降の厳しい戦いへ気を引き締め直した。 2022シーズンの途中から名門再建へ二人三脚で取り組んできた城福監督については、「結果も含めて我々が目指している、育てながら、勝ち点を積み上げていくということの体現をできる監督であり、何よりも経験とチームのマネジメント力の部分は、本当に日本でも指折りの監督だと思っている」と、クラブのフィロソフィーを体現できる監督だとその手腕を評価。 とりわけ、元ジェフユナイテッド千葉の指揮官はオフ明けの振り返りのミーティングを含め、卓越したマネジメント能力を称賛している。 「オフ明けの振り返りのミーティング。ここは本当に素晴らしいミーティングを毎回している。自分がチームとして作った基準に達していなければ、それはダメだというところをしっかり持っていらっしゃる監督で、これは僕も監督をやったからよくわかりますが、どこかしら何かに忖度してしまう場面が多々ある。忖度が起こってしまうというのが、一番マネジメントに影響してくる。城福さんは、そこは絶対に誰が何であろうが、自分らが築き上げた、その基準に達しなければ、みんなに平等に話をする」 「個でもチーム全体でもしっかりとしたハードルがあるので、そこは本当にぶれずに話をするというのは、素晴らしい監督。これをやらなかったらダメだという基準をしっかり示し、誰もがその基準に達しないとピッチに立てない、試合に使ってもらえないというところがあり、トレーニングがその象徴であって、トレーニングでやれない選手は出られないというところの基準をしっかり作れる方だと思っています」 その上で「今はいいお話もできていますし、そういうものが近々発表されればいいかなと。ただ城福さんも妥協なき方なので、来年の補強はしっかり見たいというのも、オーダーとしてありますので、僕の補強次第なのかなと。ただ苦戦しています(笑)」と、近日中の来季続投発表を示唆した。 今季の6位という順位を踏まえると、来季はJ1定着という当初からの目標に加え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権獲得、そしてリーグ、天皇杯、ルヴァンカップでのタイトル獲得も視野に入ってくる。 江尻強化部長はそういった野心を理解しつつも、「それができるような補強ができないと、高い目標を設定すぎて全く違う形になるというのが多い。そこはプロフェッショナルとしてしっかりとしたところは定めたい」と自らの仕事に直結する補強の結果を鑑みて、来年の新体制発表の際に目標を発表したいと慎重な姿勢を示した。 その補強の進捗状況については「我々の選手で他クラブから評価されているのも現実で、なおかつ我々も残ってもらえる努力はしながら、補強のポイントを、よそから取ってくるなりをしなければいけないところの苦しさはあります」とコメント。 補強戦略の部分では「全ポジション」を対象に、外国籍選手の獲得の可能性を含め、“活きがいい若手”を軸に、パーソナリティを含め現スタイルに合致した選手を獲得していきたいと語る。 「(求める特徴は)戦える選手。そのなかで走れるとかスピードがあるとか、強いとか、そこはポジションによって変わってくるし、求めているものによって変わってきます。ただ、満遍なく全部持っているよりは、特徴がある選手をそのポジションに配置してチーム作りをしてきたつもりで、ポジションによってそういうものを変えていけたらなと思います」 「我々はここまで何年か僕と城福監督を中心に積み上げた若い選手が成長するというのは、ひとつの売りやブランドになり始めてきていると思うので、求人募集ではないですけど、若くて活きのいい選手に対して、ターゲットはもちろん絞ってますけど『ここなら試合出れて、やれるぞ』という、求人募集したいぐらいです(笑)」 新戦力補強とともに重要なのが、今季の躍進に貢献したレンタル組の去就。今季は前述した木村、山田楓、山見の3選手に加え、鹿島アントラーズから2シーズン連続期限付き移籍で加入したDF林尚輝、FW染野唯月が主力としてプレーし、MF松村優太も鹿島から今季途中に加入している。 江尻強化部長はそのレンタル組の完全移籍での買い取り、来季のレンタル移籍を用いた補強プランについて言及。交渉の進捗に関して明言を避けながらも、クラブとして「全力を尽くしている」と説明した。 「レンタル選手の買い取りは考えています。ただ、あくまでも考えているところで成立するかどうかはわからないですけど、クラブには(資金面のバックアップを)頑張っていただけているとは思っていますし、そこと買い取りには全力を尽くします」 「ただ、クラブがものすごく急にお金をかけて何かできるというようなことはないとは思いますので、引き続きレンタル選手を視野にも入れて編成しているのも事実。僕らがもらっている予算、バジェットのなかでどういう編成をできるかというのは、すごく大切なことだと思っているので、少しずつ自分たち保有の選手にしていけたらなと思っていますし、今年の例で言うと、そういうレンタルで借りた選手の価値も上げられていると思うので、育てるところも含めていい流れで来ているかなと思います」 2024.12.10 17:26 Tue4
大敗町田戦から悲壮な思いで再起誓う東京V…城福浩監督「今変われないと、今季は変われない…」
FC町田ゼルビア戦での大敗を受け、東京ヴェルディの城福浩監督が、「昨日の試合をターニングポイントにしなければいけない」と再起を誓った。 東京Vは19日、リーグ戦11試合無敗で臨んだ町田との東京クラシックで0-5の敗戦。敵地で完敗し、12戦ぶりの黒星を喫したチームは、今シーズン最多失点に加え、昨年6月4日のベガルタ仙台戦の0-2の敗戦以来、約1年ぶりとなる複数得点差での敗戦となった。 そのため、城福監督は試合後の会見で「完敗でした」、「この歴然とした差をどう埋めていくかが、我々のやるべきこと」とコメント。真摯に昨季J1昇格を争ったライバルとの実力差を認めた。 その厳しい敗戦から一夜明け、チームは22日に控えるJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦のサンフレッチェ広島戦に向けて再始動。 練習後にクラブハウスで行われた会見で城福監督は、「選手は我々の鏡なので、町田の選手にできて我々にできていないというのは、我々ができてないということ」と、自身の手腕やコーチングスタッフに対する厳しい自己批判を含め、「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われない」と強い想いと共に再スタートを切った。 「(リーグ12戦ぶりの敗戦…)負けていなかったというのは、ほぼほぼ意識してなかったです。それよりも、この前の我々と町田さんの差ですよね。そこをどう埋めていくかというのは、これが自分に課されたタスクだなと思いました。昨日の試合をターニングポイントにしなければいけないので、このチームにとってあの試合があったからこそ、それこそ今日からの取り組みが変わらないといけないと思っていましたし、その前にまずスタッフが変わらなければいけないということで、かなり話し合いました」 「我々が本当に日本一のトレーニングと胸を張れる準備をしたのか、そういうアラートさを出したのかと、スタッフにもかなり厳しく、今までの仕事ぶりを振り返ってもらって、我々が変わらないと選手も変われないので、そこのところの確認と、選手にもチームにとっての大枠は変えないけど、規律と自由というところの枠組みをもう1回確認すること。我々のスタンダードを上げること。そのためには、ウォームアップから、今日のウォームアップから変えていこうと。スタッフがそれを見せるはずだからと言って送り出しました」 「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われないと思います。昨日の負けを経験した翌日が変わらなかったら、このクラブは何も変わらない。ある意味で、今日のチャンスを逃したくないという思いでここに来ましたし、選手は今日だけではなくて今日からまた1個上のステージでの練習をするというつもりで、スタートしてくれました」 好調時に比べてこういったショックが残る大敗後は、悔しさや憤りを示す者、普段通りに黙々と仕事をこなす者、ショックを引きずる者、ここが序列を変えるチャンスだとギラギラした様子を見せる者と、選手個々のキャラクターを確認できる重要な場でもある。 その大敗翌日の選手たちの表情、姿勢について問われた指揮官は、「選手は僕をまず見ている」とまずは自身の振る舞いについて語った。 「1人1人と向き合って話をできたわけではないですけど、まずひとつは、おそらく選手は僕をまず見ています。今日の朝の僕の表情を見ていると思うし、このチームがどうなっていくんだろうというぐらいの大敗なので、不安感を持った選手もいるだろうし、ひょっとしたら切り替えた選手もいるだろうし。ここから先、チームをどう導いていくかというのは、自分の手腕が問われるところかなと思っています」 さらに、相手のクオリティの高さ、予算規模を含めたクラブとしての歴然とした差という外的要因に目を向けることなく、“矢印を自分に向ける”、その上で「膝を突き合わせる距離が近くなるようなチーム」にしていきたいと、ここからの巻き返しに向けた自身の考えを語った。 「大事なのは、できていなかったこと、できなかったことをしっかり受け入れて、それが過ちという言い方がいいか、まずは監督である自分ですが、選手もこれを受け入れて、次に繋げていくということが大事。矢印が自分に向かないというのが一番良くないと思う」 「矢印を自分に向けるチームにしたいし、それは些細なミスでもいいし、大枠のチームのやり方の中で、自分が何ができたかという見方でもいいですけど、失点シーンで自分が何ができたかという見方でもいいですけど、矢印がしっかり自分に向くことで、それをオープンにという言い方がいいか、お互いがまずは自分に矢印を向けた上で、お互いに意見を出し合ったり、間違いを指摘し合ったり、鼓舞し合ったりとか、そういう一皮むけたチームメイトの中での付き合い方ができるといいかなと…」 「そこは途上です。今、僕はこの機を逃したくないので、若いチームだからこそ、こういう大敗というのはいろんな動揺が出るので、ある意味チャンスだと思って、ひとつ膝を突き合わせる距離が近くなるようなチームになれるように過ごさせたいなと思います」 町田戦で露呈したチームとしての徹底度の差、それができた上での“型破り”と表現すべき、主に攻撃面でのユニット、個々の個性を最大限に表現するという、非常に困難な両立の部分では、「何かをやれば、急激に変わるのであれば、もう既にやっている」と一朝一夕にクリアできる問題ではないとし、やはり日々のトレーニングの向上が重要だと主張。 「僕らは徹底すべきところを徹底したのか、させられたのかということ。ただこれには、徹底するということを極めていけば、逆からすれば判断を奪うということになる。このさじ加減が僕らは常に悩むというか、落としどころというのが、我々の手腕が問われるところ。ただ、我々が徹底してほしいところを徹底できなかったのは、それこそ自分たちのウォームアップの仕切りからスタートしていると思っています。もうそこからウォームアップの次のパス&コントロールの集中のさせ方含め、そこの甘さが徹底をさせ切れない。そこの現象に至っていると思うので、全てにおいてコーチングスタッフも選手もやはり意識を変えるところが、まずひとつです」 「あとは徹底と判断の判断のところというのは、最後は我々が普段やっている水準の高さによって、より良い判断ができると思うので、そこはスタンダードを上げるというところが大事。競争のレベルを上げることもそうですし、練習の質のレベルを上げること。練習のパス1本に対して、ひょっとしたら選手にストレスかかるぐらい、我々は指摘するかもしれないと。ただ、なぜストレスかかるかと言えば、それは習慣になっていないからです。習慣になれば、おそらく我々も指摘することもなければ、ストレスがかかることもない。ただ、習慣になるまで我々は諦めずにそれをアプローチするし、それを我々ができなければ、このクラブは変われないと思います」 「相手は優勝争いをするバジェットのクラブだから、我々はどういうレベルの争いをするクラブだからというのを、果たしてそんな思考を俺らはするのかと選手に問いかけました。俺らが何を目指すんだと、昨日の試合のリベンジをしなくてどうすんだと、その気概は今日から持ち続けないといけないなと思います」 その“ターニングポイント”となる一戦から中2日で臨む古巣とのカップ戦に向けては、「僕らが求めるものをやり続けている選手に、チャンスを与えるべき」と、先発11人を入れ替えて臨んだ前ラウンドの鹿児島ユナイテッドFC戦同様に、大幅なターンオーバーの可能性を明言。 「練習だけやっている選手と、試合をやってそこから得たものをまた次に活かしていける場がある選手との差を埋めるというのは簡単ではない」とターンオーバーの弊害を認めながらも、「練習でやり続けている選手にチャンスを与えるということが、このチームにとっては高いレベルの競争のひとつのきっかけになる」と、町田戦後にも語ったチーム競争力の向上という明確な課題についての自身の考えを改めて語った。 「非常にインテンシティの高さと、相手の隙を突いていくような、ゴールに直結するようなプレーを表現できるチーム」と高く評価する古巣に対しては、「タイトルを取りに来ている強豪に打ち勝つぐらいではないと、胸を借りるぐらいのつもりで行ったら、また大敗する。何とかこっちに勝ちを手繰り寄せるぐらいの難しい時間があるのだったら、そこを全員で耐え切る中で、終盤に勝負に持ち込むぐらいのタフなメンタルを持たないと、なかなか勝負にならない」と難しい展開を予想。 それでも、「まずここを抜ければ、ルヴァンのプレーオフのホーム&アウェイができる。我々が競争力を上げる、選手層を厚くしていくという意味では、ここは絶対抜けたい」と、クラブとして再起を図る一戦での勝利を誓った。 2024.05.21 20:00 Tue5
広島、今季途中から指揮の沢田謙太郎氏がアカデミー部長に就任 「発展できるように尽力」
サンフレッチェ広島は14日、沢田謙太郎氏(51)のアカデミー部長就任を発表した。 沢田氏は2003年に現役引退後、広島で指導者に転身。その後、一貫して広島で指導者キャリアを積むなか、2020年からトップチームのヘッドコーチに就任した。 今季もヘッドコーチとしてスタートしたが、今年10月に城福浩監督の退任を受けて、今季残りのチームを指揮。チームは先月11日に来季からドイツ人のミヒャエル・スキッべ氏(56)を新指揮官として招へいを発表している。 今後も広島にとどまり、来季からアカデミー部長としてチームの発展に尽力する沢田氏はクラブを通じて意気込みを語っている。 「この度、アカデミー部長に就任することになりました。サンフレッチェ広島のアカデミーがこれまで積み上げたものを大切にし、日頃から支えていただいているサッカー関係者の皆様、指導者の皆様と協力しながら少しでも発展できるように尽力していきます。よろしくお願いします」 2021.12.14 12:55 Tue東京ヴェルディの人気記事ランキング
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J1昇格の明暗を分けたシーン、主審のジャッジは妥当と審判委員会が見解…あくまでもVARの介入は「明白な間違い」と「見逃された重大な事象」
日本サッカー協会(JFA)は8日、第10回レフェリーブリーフィングを開催した。 2023シーズンも、Jリーグは全ての日程が終了。残すは、9日に行われる天皇杯の決勝のみとなった中、2023シーズンのレフェリングの総括を行った。 ブリーフィングには、扇谷健司 JFA審判委員会 委員長、東城穣 JFA審判マネジャー Jリーグ担当統括、佐藤隆治 JFA審判マネジャー VAR担当の3名が出席。様々なデータや事象を共有した。 その中で、事象についての質問が飛び、注目された1つは2023J1昇格プレーオフ決勝の東京ヴェルディvs清水エスパルスの最後のシーン。清水の高橋祐治が東京Vの染野唯月にスライディングタックルをして東京VにPKが与えられ、これが決まり1-1の同点に。東京Vが16年ぶりのJ1昇格を掴んでいた。 このシーンは多くの議論を生み、SNS上ではPKが妥当という見方と、ファウルではないという見方が混在。ただ、通常VARが導入されていないJ2の試合で、この試合はVARも導入されていた中でのジャッジとなった。 特に話題となったのは、このシーンにVARが介入しなかったという点。ただ、あくまでもVARが介入するのは、「得点」、「PKの有無」、「退場」、「警告の人間違い」に限られている。 このシーンはPKの有無ではあるが、そもそもVARは上記のシーンにおいて「はっきりとした、明白な間違い」、「見逃された重大な事象」とされており、すぐにPKのジャッジを下した池内明彦主審のジャッジは「明白な間違い」でも、「見逃された重大な事象」でもないと判断されたということだ。 佐藤氏は「染野選手が体を入れているという意見があるが、スローで見ればそう見える」と語り、「不自然な動きかと言われるとどちらとも言えない」と見解。また「攻撃側のボールでありアドバンテージがあった」と、あのボールは染野が持ち出したボールであり、イーブンなボールやルーズボールではなかったとして、「接触があったことも事実」と高橋のスライディングがボールに行っているとは言え、足にも接触していることは明白。「PKではないないというジャッジだったとしても、VARは介入はしなかったと思う」と、どちらとも取れるシーンだったため、池内主審のジャッジを尊重する結果となったと説明した。 なお、VARは介入せずとも、全てのゴールやPKのシーンのチェックは行っていることは忘れてはいけない。ジャッジが間違っていると見受けられた場合にのみ介入するが、VARが見逃したというわけではなく、主審のジャッジを妥当だと考えたに過ぎないということだ。 染野が攻撃側のボールをキープしに行くことは自然であり、高橋にぶつかりに行ってファウルをもらいに行っているとは言い切れないシーン。池内主審がしっかりと素早くジャッジできたということになる。 <span class="paragraph-title">【動画】後半ATに痛恨のPKとなった高橋祐治のプレー、主審のジャッジは正当</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="sNd2tmUnkXk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.12.08 22:45 Fri2
Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue3
東京Vが清水とのTMで敗戦…城福監督は味スタ開催こぎ着けた尽力に感謝、平川怜は勝負へのこだわり口に
東京ヴェルディは9日、味の素スタジアムで清水エスパルスとのトレーニングマッチ(45分×2)を戦い、2-3で敗れた。 今月にJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦(20日)を控え、若手や控え組の底上げも図りたい東京Vは、明治安田J1リーグ開幕節ですでに対戦した清水とトレーニングマッチを実施した。 ともに前日にアルビレックス新潟、ガンバ大阪とアウェイゲームを戦っており、同試合のベンチ入りメンバーや招集外のメンバーを中心としたメンバー構成での戦いとなった。 そのなかで東京Vは前日の新潟戦に出場した山見大登、稲見哲行、鈴木海音、松橋優安に、招集外だった山本丈偉、熊取谷一星、内田陽介らが1本目からプレー。立ち上がりこそ行ったり来たりの展開となったが、時間の経過とともにアグレッシブな守備からリズムを掴んだ。 そして、ショートカウンターや山見、熊取谷の背後への飛び出しから幾つか良いシーンを作り出すと、41分には左CKの場面でキッカーの山見の正確な右足インスウィングのクロスをゴール前の深澤大輝が頭で合わせて先制点を奪った。 若干メンバーを入れ替えた2本目は開始直後にボックス内で弓場将輝に左足のグラウンダーシュートを左隅に流し込まれて早々に失点。ただ、すぐさま反発力を示すと、良い崩しから白井亮丞らに決定機が訪れたが、ここで仕留め切れない。 この間にギリギリの人数で戦っていたチームは深澤がアクシデントによってベンチへ下がると、10人でプレーを継続。数的不利を背負いながらも直後の23分に味方からのスルーパスに抜け出した白井が冷静に右足シュートを流し込む。だが、26分には左サイドを突破してゴールライン際をえぐった西原源樹に2点目を奪われた。 そんななか、城福浩監督は2023シーズンまで現役としてプレーし、コーチ就任後も現役さながら選手たちに混じって一部トレーニングに参加している奈良輪雄太コーチを急遽投入。不測の事態に備えて清水側に確認を取るも、秋葉忠宏監督は11人対11人の戦いを希望し、この申し出を快諾。異例の形で残り10数分間の戦いが行われたなか、41分にはミドルシュートをGK中村圭佑が好守ではじいたこぼれを嶋本悠大に押し込まれて3失点目を喫し、2本目は1-3のスコアで終了となった。 試合後に囲み取材に対応した城福浩監督は、「開幕前から清水さんがやりたいと言ってくれていた」と今回のトレーニングマッチの経緯を説明。 本拠地である味スタでの異例の開催については、普段の練習場での実施が不可能な状況において会場探しに奔走。使用可能な山梨県や千葉県の施設や清水の練習場に出向く選択肢も考慮したなか、最終的にクラブの運営スタッフの粘り強い交渉、味の素スタジアムの配慮によって本拠地での開催にこぎ着けたという。 そのため、指揮官は「味スタには本当に感謝したいですし、担当者が頑張ってくれたなと思います」と感謝を伝えた。 さらに、「ギリギリのスカッドの中でやっているので、ちょっとしたアクシデントでも、コーチを出さざるを得なかったのは清水さんに申し訳なかった」とスクランブルの状況を受け入れた対戦相手の配慮に改めて感謝した。 「コーチと接触があって、向こうの選手がケガをしたら申し訳ないので、コーチを出してもいいかと一応断りに行きました。そしたら、僕もそうですけど、わざわざ11対10をやりに来てるわけではないので、そうしてくださいと言ってくれたので、そういう意味であの時間帯はちょっと清水さんには申し訳なかったなというふうに思っています」 肝心の試合内容に関しては、「前半はすごく良かったと思いますし、疲れのある選手もいましたが、締まったゲームができた」と1本目のパフォーマンスを評価。一方で、より経験が少ない選手で戦った2本目に関しては「後半はまだチーム内で差があるところを痛感するようなゲームになった」と、個々の成長を促す。 それでも、「彼らにも当事者意識を持たせるためのこの(ミニマムな)スカッドだと思っているので、彼らが多くの時間出られるということが、どれだけありがたいことかも含めて、我々がしっかりアプローチをもう1回し直さなければいけないなと思います」と、レベルの高い相手とのトレーニングマッチでしか養えない経験や危機感を各自が実感できたことへの手応えを語っている。 ゲームキャプテンとしてボランチ、3バックの一角でフル出場した稲見は「勝てたゲームを落としてしまって悔しい」と振り返りつつも、「自分自身も味スタで試合をやること自体久しぶりですし、初めての選手もいたのではないかなと思うので、より全員がメンバーに絡んでいくためにはポジティブなゲームになったのではないかなと思います」と、味スタでのJ1クラブ相手のトレーニングマッチがいい刺激になったと感じている。 個人としても本職のポジション、ゲームキャプテンとしてのプレーを通じて得るものはあった。 「久しぶりのボランチで潰せた部分あったので、そこの強みの部分というのは多少なりとも出せたかなという手応えはありました」 「そこ(リーダーシップ)は自分の成長できるポイントというのは感じていますし、より周りを動かして自分を活かすだったり、周りの選手とのコミュニケーションだったり、最近後ろのポジションもやっているので、試行錯誤しながらですけどリーダーシップを持ってチャレンジしていきたいです」 その稲見とボランチでコンビを組み、1本目では出足鋭い潰しや正確なラストパスでショートカウンターの起点を担い、自らもフィニッシュに絡む場面を見せた平川怜。 個人として課題を意識しつつある程度の手応えを得たというが、「その形を出して最後にシュートまで行ったところで、もうひとつ逆を突いて決め切るとか、そういうところはしないといけない」と、ポジション奪取へ自らが課すハードルは高い。 「もちろん結果を残してポジションを掴み取らないといけないですし、それがいつ来るかは自分でコントロールできないので、そこに向けて常にいいを準備していくことがチームにもプラスになっていくと思うので、いい準備をしたいと思います」 また、24歳という年齢ながらも、2017年のトップチームデビューからの8年で様々な経験をしてきただけに、「もっと勝負にこだわるところはやっていかないといけない」と指揮官も指摘した2本目のパフォーマンスに関して苦言も呈した。 「イレギュラーな時間もありましたけど、それを言い訳にしてはいけないですし、点を取ってリードした時間帯もあったので、守り切ったりとか、もっと勝負にこだわるところはやっていかないと。若い選手も多いですし、そこはこの練習試合の勝ち負けというのをもっと意識してプレーして欲しかったですし、自分もそこにもっとエネルギーを費やしたかった気持ちがあります」 「自分はキャリアもありますし、こういったチームがあまり良くない状況での練習試合という部分では、もっとやらないといけないですし、まずは勝たないと意味がないと思うので、チームとして一つ一つのプレーを大事にしていかなければいけないと思います」 開幕から1勝1分け3敗の16位と、J1復帰2年目は厳しいスタートとなった東京V。離脱者続出の苦境において早くも“総緑戦”の状況だが、今回のトレーニングマッチを通じて新たな力の台頭が待たれるところだ。 東京ヴェルディ 2-3 清水エスパルス ▽1本目 1-0 得点者 41分 深澤大輝(東京V) ▽2本目 1-3 得点者 1分 弓場将輝(清水) 23分 白井亮丞(東京V) 26分 西原源樹(清水) 41分 嶋本悠大(清水) 2025.03.10 06:55 Mon4
G大阪戦で悪夢の3選手負傷…東京Vの城福監督が負傷者の状況を説明…「何箇所かの損傷がある」山田剛綺の長期離脱の可能性認める
東京ヴェルディの城福浩監督が、ガンバ大阪戦で負傷した3選手の状態について言及した。 東京Vは2日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第4節でG大阪と対戦し、0-1で敗戦した。 FC町田ゼルビア戦での初勝利の勢いを活かして連勝を目指した味スタでのホーム開幕戦だったが、同試合ではDF千田海人、FW山田剛綺、MF福田湧矢の3選手が相次いで負傷し、プレー続行不可能となる悪夢のようなアクシデントに見舞われた。 そのG大阪戦後の会見では「詳細はまだ聞いていない」と3選手の状態について明言を避けた指揮官だったが、5日に行われたトレーニング後の囲み取材の場で改めてケガの状態に言及。 いずれも前半に負傷した2選手に関して厳しい見通しを明かした。 前半10分過ぎの守備対応の際にハムストリングを痛めた千田に関しては、「(MRIの)画像も撮って診断もされたので、クラブからリリースを出さなければいけないぐらいのレベルの長さ」と、詳細への言及は避けたものの数週間以上の離脱となる見込みであると語った。 また、競り合いの際の着地で左ヒザを強く捻り、自力歩行が不可能で担架にのせられてピッチを後にした山田に関しては、負傷の様子を見た多くの人たちの予想通り、長期の離脱となることを認めている。 「ヒザの1箇所ではなくて、何箇所かの損傷がある。今は患部が腫れていることもあり、今はどの程度ということは言えない。もう少し様子を見て、どういう手法(治療法)が一番いいのかというのはジャッジするということになります」 一方、後半終盤に相手のシュートを至近距離から顔面に受け、脳震とう疑いでの交代となった福田については、G大阪時代に加え、東京V加入後も脳震とうを経験していたこともあり、状態が危ぶまれるところだ。 城福監督はそういった過去の経緯や福田自身の感覚を踏まえ、慎重な対応が必要であるとしながらも、今回のケースに関しては大事に至らなかったと説明。その上で最善を尽くしながら、復帰へのプロセスを進めていきたいと語った。 「彼のこれまでの経緯も含めて、ああいう状況に非常に過敏な状況であることは確か。今年に入っても何度かあったなかで、脳震とうと診断するかどうかというところが、ギリギリのところです」 「ただ、やっぱり慎重に対応しなければいけないし、慎重にジャッジしなければいけない。本人の症状とか、本人の感覚をしっかりとヒアリングしながら対応しなければいけないと思うので、メディカル的なジャッジと本人の認識というか自覚。ここを照らし合わせながら最短で復帰していくと」 「少なくとも過敏になっている部分と、脳震とうというのは違うので、そこはメディカル的にしっかり診断をしてもらって、あとはなるべく離れないように復帰させていくかというところのジャッジになっていくかなと考えています。ただ日々の彼の症状というか、状況を把握しながら、一歩ずつ進めていく感じなのかなと思います」 各選手の状況は異なるものの、少なくとも今後しばらくは主力クラスの3選手が不在となる上、開幕から1勝3敗と厳しいスタートとなった現状を鑑みれば、ここまでベンチを温める選手やメンバー外の選手たちのより一層の奮起が求められるところ。 そんななか、G大阪戦の翌日にはヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×2)を実施。結果は0-0と、得点力不足に喘ぐ状況において芳しいものとは言えなかったが、それでも指揮官は内容を含め、緊急事態の状況で選手たちが見せた姿勢に満足感を示した。 「チームがこういう状況だからこそ、『助けになりたい』、『その一員になりたい』という思いは、みんなが持って試合に臨んだと思います。内容としたら悪くなかったと思いますし、勝っておかしくない試合だったと思います。極寒の中で試合をやりましたが、集中を切らさずにやってくれたなというふうに思います」 「点が取れなかったところは反省しなければいけないですけど、姿勢としたら悪くなかったなと。(3選手の)ああいうケガもあって、それをどういうふうに受け止めて、もっと言えば、山田剛綺と千田海人、福田湧矢の心情も踏まえて、彼らがどうやって、どういうパフォーマンスを、どういう姿勢を示してくれるかなと思って見てましたけど、そこは彼らでしっかり思うところがあるな、という思いが伝わってきたし、それは大事なことかなと思います」 昨季の6位躍進からのJ1での2年目で不振と主力の相次ぐ負傷と、いきなり逆風に見舞われる東京Vだが、逆境でこそ手腕を発揮する闘将とともにチーム一丸となってここからの巻き返しを図る。 2025.03.05 15:38 Wed5