アビスパ福岡下部組織から高校No.1サイドバックへ 村上慶が大津高校で手にした“ブラッシング”とは|インターハイで見つけた原石たち
2025.08.06 12:00 Wed
ユース教授こと安藤隆人が、2025年のインターハイで才能の原石を発見。GK・DF・MF・FWの4ポジションから1人ずつを紹介する。第2回は準優勝で今大会を終えた、大津高校のDF村上慶だ。
(第2回/全4回)
守備もできて、ビルドアップもできて、チャンスメークもフィニッシュワークもできる。大津高の3年生DF村上慶のスペックの高さは、今大会で一番と言っていいほど大きな驚きを与えてくれたものだった。
1回戦の丸岡高戦、0ー1で迎えた31分に中央でMF岩﨑天利がドリブルを仕掛けると、村上は右サイドから一気に駆け上がり、岩﨑のスルーパスを右ポケットで受けて豪快に蹴り込んで、チームのオープニングゴールを叩き出した。
続く2回戦の八戸学院大野辺地西高戦でも、1ー0で迎えた32分にDF松野秀亮の対角のロングフィードに抜け出すと、ドリブルで持ち込んでGKとの1対1を制し、FW顔負けの強烈なシュートをニア上に突き刺した。
3回戦の高知中央高戦で1アシストを記録し、準々決勝の昌平高戦でも先制点の起点となると、流通経済大柏高との準決勝では守備面で力を発揮。優勝候補筆頭をクリーンシートに抑えた。
チームはPK戦の末に敗れて、悲願のインターハイ初優勝は叶わなかった。だが、村上は決勝という大舞台での1アシストを含め、サイドバックながら6試合でセットプレーなしの2ゴール2アシスト、2つのゴールの起点となり、4試合のクリーンシートにも貢献し、攻守両面で頭抜けた存在感を放った。
もともと能力は非常に高く、すでにJ1複数クラブが獲得オファーを出すなど、高卒プロは間違いない存在だった。
アビスパ福岡U-15ではスピードを生かした攻撃参加が武器の右サイドバックとして活躍し、U-18の昇格を断って「小学生からずっとアビスパにいたので、高校は環境を変えて成長したいと思った」と、『公立の雄』と呼ばれる大津高の門を叩いた。
小学生の時から徹底して磨いた利き足ではない左足のキックと、182cmのサイズとスピード、対人能力の高さを買われ、大津では1年生からレギュラーを奪取。左右のサイドバックに加えて4バックと3バックのセンターバックと、ディフェンスラインの全ポジションを経験している。
2024年はセンターバックをメインにプレーし、プレミアリーグWESTを制覇。勢いそのままにチャンピオンシップも制して、『ユース年代真の日本一』に輝いている。2025年は右サイドバックがメインポジションとなり、状況に応じて左サイドバックに切り替わることが増えた。
インターハイでも左右のサイドバックをこなしていたが、驚くのは左右どちらでもプレースタイルが変わることなく、プレーのクオリティーを維持できることだ。
守備面では1対1でも自分の間合いにして、相手が仕掛けてきたところで巧みに身体をねじ込み奪い取ったり、後ろの状況を確認してから中を切るのか、縦を切るのかを的確に判断してポジショニングを取り相手の侵入を防いだりと、駆け引きと身体能力で相手を上回ることができる。
攻撃面ではスピードに乗った縦突破からのクロスと、ボランチラインまで持ち出してビルドアップに関わるプレーに留まらない。ボランチラインを肥えてドライブしてサイドに展開したり、トップ下やFWとのワンツーで抜け出したり、ドリブルで剥がしてからスルーパスやシュートまで持ち込むなど、フィニッシャーとして能力を発揮することも可能だ。
「2024年からビルドアップに関わったり、カットインして左右の足でクロスを上げたりするイメージは持っていましたが、2025年に入って山城(朋大)監督から『もう一つ奥に入って、ブラッシング(パスを出した方向に動きリターンパスなどを受ける一連のパス交換)をかけろ』と言われて、意識的に取り入れるようになりました」
これまではサイドでブロックができている状態での仕掛けや、ボランチラインでボールを離す前提でボールを受けたり、運んだりしていたことで、見える景色が限定されていた。しかし、もう一つ中に入ることで、自分の視野とプレーの幅が一気に広がった。
「より左の奥のサイドハーフやサイドバックの動きも把握できることで、サイドチェンジや逆のポケットに対する反応が格段に良くなったし、FWとトップ下の選手とポジションが近くなることで、ワンツーやスルーパス、そのままドリブル突破など、前の選手の動きに応じて、常にラインブレイクする選択肢を持ちながらプレーできるようになりました」
スピードに乗った中でいろいろなことができる。それは同時にポジショナルプレーの整理にもつながった。
ボランチラインで素直にボールを離す時と一つ奥に運ぶ判断、縦突破とカットインの選択、仕掛ける場所の把握。そして、仕掛けた後にどこに戻るべきかという守備のポジショニングの質が格段に増した。
例えばブラッシングをかけてボールを奪われた時、自分が上がってできたスペースをスライドで埋めてくれるからこそ、無理に元のポジションに戻ろうとする必要がない。奪われたボールのアプローチに行くか、その距離が遠ければ、スライドによって生まれたスペースを埋めるという選択肢の中から選べる。そうなると、より高い位置で守備をすることになり、奪い返した時に攻撃の中継点になったり、再びブラッシングを仕掛けたりと、ショートカウンターで攻撃に厚みをもたらすことができるのだ。
「周りがサポートをしてくれるからこそ、僕は奪われたらすぐにボールにアプローチをして即時奪還に行くことができるし、そのまま残って次のチャンスを狙うこともできる。こうした動きは自分がセンターバックをやっている時に、相手にされたら嫌なことで、コーチングなどで注意を払っていたところなので、その経験も役に立っていると思います」
90分間持続できる体力強化と終盤でのギアアップも含め、身体と技術、頭脳も着実に成長のステップを踏んでいる。大津高での変貌を目の当たりにしてきただけに、今後の成長が非常に楽しみでならない。
取材・文=安藤隆人
(第2回/全4回)
守備もできて、ビルドアップもできて、チャンスメークもフィニッシュワークもできる。大津高の3年生DF村上慶のスペックの高さは、今大会で一番と言っていいほど大きな驚きを与えてくれたものだった。
1回戦の丸岡高戦、0ー1で迎えた31分に中央でMF岩﨑天利がドリブルを仕掛けると、村上は右サイドから一気に駆け上がり、岩﨑のスルーパスを右ポケットで受けて豪快に蹴り込んで、チームのオープニングゴールを叩き出した。
3回戦の高知中央高戦で1アシストを記録し、準々決勝の昌平高戦でも先制点の起点となると、流通経済大柏高との準決勝では守備面で力を発揮。優勝候補筆頭をクリーンシートに抑えた。
そして神村学園高との決勝戦では右サイドバックとして攻撃を活性化させると、後半頭から左サイドバックにポジションを移してからもプレーの質は一切変わらず。49分には左サイドでボールを受けると、カットインで1人を剥がしてから右足でクロス。これをFW山本翼が決めて先制点をアシストした。1ー2で迎えた延長後半2分には中央でビルドアップに関与していく。、素早くボールを左足でオープンに持って持ち運び、左サイドを駆け上がったMF松岡凛へ展開。松岡のクロスから岩﨑が同点ヘッドを叩き込んだ。
チームはPK戦の末に敗れて、悲願のインターハイ初優勝は叶わなかった。だが、村上は決勝という大舞台での1アシストを含め、サイドバックながら6試合でセットプレーなしの2ゴール2アシスト、2つのゴールの起点となり、4試合のクリーンシートにも貢献し、攻守両面で頭抜けた存在感を放った。
もともと能力は非常に高く、すでにJ1複数クラブが獲得オファーを出すなど、高卒プロは間違いない存在だった。
アビスパ福岡U-15ではスピードを生かした攻撃参加が武器の右サイドバックとして活躍し、U-18の昇格を断って「小学生からずっとアビスパにいたので、高校は環境を変えて成長したいと思った」と、『公立の雄』と呼ばれる大津高の門を叩いた。
小学生の時から徹底して磨いた利き足ではない左足のキックと、182cmのサイズとスピード、対人能力の高さを買われ、大津では1年生からレギュラーを奪取。左右のサイドバックに加えて4バックと3バックのセンターバックと、ディフェンスラインの全ポジションを経験している。
2024年はセンターバックをメインにプレーし、プレミアリーグWESTを制覇。勢いそのままにチャンピオンシップも制して、『ユース年代真の日本一』に輝いている。2025年は右サイドバックがメインポジションとなり、状況に応じて左サイドバックに切り替わることが増えた。
インターハイでも左右のサイドバックをこなしていたが、驚くのは左右どちらでもプレースタイルが変わることなく、プレーのクオリティーを維持できることだ。
守備面では1対1でも自分の間合いにして、相手が仕掛けてきたところで巧みに身体をねじ込み奪い取ったり、後ろの状況を確認してから中を切るのか、縦を切るのかを的確に判断してポジショニングを取り相手の侵入を防いだりと、駆け引きと身体能力で相手を上回ることができる。
攻撃面ではスピードに乗った縦突破からのクロスと、ボランチラインまで持ち出してビルドアップに関わるプレーに留まらない。ボランチラインを肥えてドライブしてサイドに展開したり、トップ下やFWとのワンツーで抜け出したり、ドリブルで剥がしてからスルーパスやシュートまで持ち込むなど、フィニッシャーとして能力を発揮することも可能だ。
「2024年からビルドアップに関わったり、カットインして左右の足でクロスを上げたりするイメージは持っていましたが、2025年に入って山城(朋大)監督から『もう一つ奥に入って、ブラッシング(パスを出した方向に動きリターンパスなどを受ける一連のパス交換)をかけろ』と言われて、意識的に取り入れるようになりました」
これまではサイドでブロックができている状態での仕掛けや、ボランチラインでボールを離す前提でボールを受けたり、運んだりしていたことで、見える景色が限定されていた。しかし、もう一つ中に入ることで、自分の視野とプレーの幅が一気に広がった。
「より左の奥のサイドハーフやサイドバックの動きも把握できることで、サイドチェンジや逆のポケットに対する反応が格段に良くなったし、FWとトップ下の選手とポジションが近くなることで、ワンツーやスルーパス、そのままドリブル突破など、前の選手の動きに応じて、常にラインブレイクする選択肢を持ちながらプレーできるようになりました」
スピードに乗った中でいろいろなことができる。それは同時にポジショナルプレーの整理にもつながった。
ボランチラインで素直にボールを離す時と一つ奥に運ぶ判断、縦突破とカットインの選択、仕掛ける場所の把握。そして、仕掛けた後にどこに戻るべきかという守備のポジショニングの質が格段に増した。
例えばブラッシングをかけてボールを奪われた時、自分が上がってできたスペースをスライドで埋めてくれるからこそ、無理に元のポジションに戻ろうとする必要がない。奪われたボールのアプローチに行くか、その距離が遠ければ、スライドによって生まれたスペースを埋めるという選択肢の中から選べる。そうなると、より高い位置で守備をすることになり、奪い返した時に攻撃の中継点になったり、再びブラッシングを仕掛けたりと、ショートカウンターで攻撃に厚みをもたらすことができるのだ。
「周りがサポートをしてくれるからこそ、僕は奪われたらすぐにボールにアプローチをして即時奪還に行くことができるし、そのまま残って次のチャンスを狙うこともできる。こうした動きは自分がセンターバックをやっている時に、相手にされたら嫌なことで、コーチングなどで注意を払っていたところなので、その経験も役に立っていると思います」
90分間持続できる体力強化と終盤でのギアアップも含め、身体と技術、頭脳も着実に成長のステップを踏んでいる。大津高での変貌を目の当たりにしてきただけに、今後の成長が非常に楽しみでならない。
取材・文=安藤隆人
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波乱の2回戦! 王者・青森山田が10年ぶり初戦敗退、高岡伶颯擁する日章学園も敗退…大津、静岡学園、流通経済大柏、東福岡、前橋育英らはベスト16進出【全国高校サッカー選手権大会】
31日、第103回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が各地で行われた。 28日に開幕を迎えた高校サッカー選手権。ここで勝利すればベスト16に進出する中、各地で波乱が起こった。 2回戦シードとなっていた前回王者の青森山田(青森)は、NACK5スタジアム大宮で高川学園(山口)と対戦。連覇を目指して登場したが、前半はゴールレスに。すると後半、高川学園の大森風牙に先制を許すと、73分には大森に2点目を許す展開に。2点ビハインドとなった中、76分に麓萊凜が1点を返す。 残りわずかな時間の中で同点を目指したものの1点が遠く、1-2で敗戦。10年ぶりに初戦敗退となり、連覇の夢がいきなり潰えてしまった。 また、フクダ電子アリーナでは、サウサンプトンに加入が内定し、1回戦でハットトリックを達成したU-19日本代表FW高岡伶颯を擁する日章学園(宮崎)が伝統的に堅守が持ち味の矢板中央(栃木)と対戦した。 2回戦も活躍が期待された中、試合は13分に加藤神人のゴールで矢板中央が先制。それでも25分に高岡がゴールを奪い同点とする。しかし、その後ゴールが続かず。60分には朴大温がゴールを決めて矢板中央が勝ち越すと、そのまま逃げ切り2-1で勝利。最注目選手である高岡は2回戦で別れを告げることとなった。 2回戦シード組では、阪南大高(大阪)が新潟明訓(新潟)相手に0-6と圧勝。帝京大可児(岐阜)は大分鶴崎(大分)に5-1、堀越(東京A)が津工(三重)に2-0、流通経済大柏(千葉)が佐賀東(佐賀)に5-0、上田西(長野)が徳島市立(徳島)に2-1、明秀日立(茨城)が近大和歌山(和歌山)に2-0、初出場の東海大相模(神奈川)が草津東(滋賀)に2-1で勝利を収めた。 その他、常連校では静岡学園(静岡)、東福岡(福岡)は順当に勝ち上がり。前橋育英(群馬)は愛工大名電(愛知)に土壇場で追いつかれてしまうも、PK戦の末に勝利。大津(熊本)は、清水エスパルスに加入内定の嶋本悠大のゴールが決勝点となり、1-2で勝利を収め、ベスト16に進出した。 3回戦は1月2日(木)に4会場で開催される。 <h3>◆全国高校サッカー選手権大会</h3> 【2回戦】 ▽12/31(火) 《Aブロック》 ◼︎NACK5スタジアム大宮 [12:05] 青森山田(青森) 1-2 高川学園(山口) [14:10] 新潟明訓(新潟) 0-6 阪南大高(大阪) ■浦和駒場スタジアム [12:05] 静岡学園(静岡) 2-0 高知(高知) [14:10] 東福岡(福岡) 2-0 正智深谷(埼玉) 《Bブロック》 ◼︎味の素フィールド西が丘 [12:05] 帝京大可児(岐阜) 5-1 大分鶴崎(大分) [14:10] 松山北(愛媛) 1-0 龍谷富山(富山) ◼︎駒沢陸上競技場 [12:05] 前橋育英(群馬) 2-2(PK:6-5) 愛工大名電(愛知) [14:10] 津工(三重) 0-2 堀越(東京A) 《Cブロック》 ◼︎県立柏の葉公園総合競技場 [12:05] 流通経済大柏(千葉) 5-0 佐賀東(佐賀) [14:10] 札幌大谷(北海道) 1-2 大津(熊本) ◼︎フクダ電子アリーナ [12:05] 矢板中央(栃木) 2-1 日章学園(宮崎) [14:10] 上田西(長野) 2-1 徳島市立(徳島) 《Dブロック》 ◼︎ニッパツ三ツ沢球技場 [12:05] 明秀日立(茨城) 2-0 近大和歌山(和歌山) [14:10] 東北学院(宮城) 1-0 滝川第二(兵庫) ◼︎Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu [12:05] 東海大相模(神奈川) 2-1 草津東(滋賀) [14:10] 帝京(東京B) v5-0金沢学院大附(石川) 【3回戦】 ▽1/2(木) 《Aブロック》 ◼︎浦和駒場スタジアム [12:05] 東福岡(福岡) vs 阪南大高(大阪) [14:10] 高川学園(山口) vs 静岡学園(静岡) 《Bブロック》 ◼︎駒沢陸上競技場 [12:05] 松山北(愛媛) vs 堀越(東京A) [14:10] 帝京大可児(岐阜) vs 前橋育英(群馬) 《Cブロック》 ◼︎フクダ電子アリーナ [12:05] 矢板中央(栃木) vs 上田西(長野) [14:10] 流通経済大柏(千葉) vs 大津(熊本) 《Dブロック》 ◼︎Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu [12:05] 東北学院(宮城) vs 東海大相模(神奈川) [14:10] 明秀日立(茨城) vs 帝京(東京B) 【1回戦】 ▽12/28(土)※開幕戦 帝京(東京B) 2-1 京都橘(京都) [国立競技場] ▽12/29(日) 《Aブロック》 ◼︎浦和駒場スタジアム [12:05] 専大北上(岩手) 0-2 高知(高知) [14:10] 静岡学園(静岡) 2-0 広島国際学院(広島) ◼︎NACK5スタジアム大宮 [12:05] 正智深谷(埼玉) 2-1 長崎総科大附(長崎) [14:10] 尚志(福島) 0-0(PK:3-5) 東福岡(福岡) 《Bブロック》 ◼︎駒沢陸上競技場 [12:05] 前橋育英(群馬) 2-0 米子北(鳥取) [14:10] 愛工大名電(愛知) 6-3 明誠(島根) ◼︎味の素フィールド西が丘 [12:05] 龍谷富山(富山) 0-0(PK:5-4) 那覇西(沖縄) ◼︎Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu [14:10] 東海大山形(山形) 0-1 松山北(愛媛) 《Cブロック》 ◼︎県立柏の葉公園総合競技場 [12:05] 福井商(福井) 0-4 大津(熊本) [14:10] 札幌大谷(北海道) 1-1(PK:12-11) 寒川(香川) ◼︎フクダ電子アリーナ [12:05] 矢板中央(栃木) 2-1 岡山学芸館(岡山) [14:10] 西目(秋田) 1-6 日章学園(宮崎) 《Dブロック》 ◼︎Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu [12:05] 金沢学院大附(石川) 0-0(PK:4-3) 鹿児島城西(鹿児島) ◼︎ニッパツ三ツ沢球技場 [12:05] 山梨学院(山梨) 1-2 滝川第二(兵庫) [14:10] 東北学院(宮城) 3-1 奈良育英(奈良) 2024.12.31 17:20 Tue3