東京Vは観客動員で早くも貢献?/六川亨の日本サッカーの歩み
2024.03.05 18:15 Tue
Jリーグは3月4日、今シーズンの開幕期(J1、J2、J3の第1節:2月23日~25日、第2節:3月1日~3日)でトータル683,587人と過去最多の入場者数を更新したと発表した。とりわけJ1リーグは前年の33万2,440人から45万8,039人と前年比138パーセントを記録。国立競技場での第1節、東京ヴェルディ対横浜F・マリノス戦には53,026人もの観衆が集まったし、第2節の浦和レッズ対東京V戦にも50,863人の観衆が詰めかけた。
元々、浦和の集客力はJリーグ屈指であるが、やはり東京Vの16年ぶりのJ1復帰という“名門復活”を楽しみにスタジアムへ足を運んだファン・サポーターも多かったのではないだろうか。23年の東京Vの平均観客数は7,982人。ホームである味の素スタジアムのゴール裏には緑のユニホームを着た熱心なサポーターが声援を送っていたものの、「閑古鳥が鳴いていた」と言われても仕方ないだろう。
それが国立競技場では、ゴール裏はオーロラビジョンの下まで、さらにバックスタンドの大部分をヴェルディ・サポーターが占めていた。アジアカップは不本意な結果に終わっただけに、Jリーグにも悪影響が出ないか心配していたが、どうやら杞憂に終わったようだ。16日は味の素スタジアムで新潟戦があるが、何人のファン・サポーターが詰めかけるか楽しみでならない。
ただ、横浜FM戦に続いて浦和戦でも先制しながらJ1初勝利はお預けとなってしまった。試合終了間際、クロスボールのこぼれ球をDF山越康平が振り向きざまにクリアしようとしたところ、先にボールにコンタクトしたDF大畑歩夢を蹴り倒してしまいPKの判定。こぼれ球に反応した山越だったが、周囲の状況を確認する余裕がなかったのだろう。大畑がマイボールにしても、シュートを打てたかどうか微妙だし、カバーに入っている選手もいただけに、無理してアタックする必要はなかったのではないか。
それでも昨シーズン2位の横浜FMと4位の浦和を相手にしての善戦だけに「アウェーの勝点1だし、悲観することはない。来週につなげたい」とキャプテンの森田晃樹も前を見据えていたように、自信にしてもいい2試合と捕らえることもできるだろう。むしろ重傷なのはヘグモ新監督を迎えて新戦術や新布陣にトライしながら、決定力不足にあえぐ浦和と言える。次節は同じく1分け1敗で19位に沈む札幌が相手。かつての指揮官から今シーズン初勝利を奪うことができるのか。
【文・六川亨】
元々、浦和の集客力はJリーグ屈指であるが、やはり東京Vの16年ぶりのJ1復帰という“名門復活”を楽しみにスタジアムへ足を運んだファン・サポーターも多かったのではないだろうか。23年の東京Vの平均観客数は7,982人。ホームである味の素スタジアムのゴール裏には緑のユニホームを着た熱心なサポーターが声援を送っていたものの、「閑古鳥が鳴いていた」と言われても仕方ないだろう。
ただ、横浜FM戦に続いて浦和戦でも先制しながらJ1初勝利はお預けとなってしまった。試合終了間際、クロスボールのこぼれ球をDF山越康平が振り向きざまにクリアしようとしたところ、先にボールにコンタクトしたDF大畑歩夢を蹴り倒してしまいPKの判定。こぼれ球に反応した山越だったが、周囲の状況を確認する余裕がなかったのだろう。大畑がマイボールにしても、シュートを打てたかどうか微妙だし、カバーに入っている選手もいただけに、無理してアタックする必要はなかったのではないか。
それでも昨シーズン2位の横浜FMと4位の浦和を相手にしての善戦だけに「アウェーの勝点1だし、悲観することはない。来週につなげたい」とキャプテンの森田晃樹も前を見据えていたように、自信にしてもいい2試合と捕らえることもできるだろう。むしろ重傷なのはヘグモ新監督を迎えて新戦術や新布陣にトライしながら、決定力不足にあえぐ浦和と言える。次節は同じく1分け1敗で19位に沈む札幌が相手。かつての指揮官から今シーズン初勝利を奪うことができるのか。
名古屋や浦和が下位に沈んでいると、Jリーグ開幕当時を思い出してしまうのは私だけではないだろう。
【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた
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