藤倉寛

Hiroshi Fujikura
ポジション 監督
国籍 日本
生年月日 1980年04月24日(44歳)
利き足
身長 178cm
体重 72kg
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藤倉寛のニュース一覧

12月28日に開幕した第103回全国高校サッカー選手権は、29日に1回戦の16試合を終了。屈指の好カードとなった東福岡対尚志は0-0からのPK戦で東福岡が5-3で勝って2回戦に進出。ともに優勝経験のある滝川第二対山梨学院は、滝川第二が2-1で競り勝った。 そんな1回戦で取り上げたいのは、やはり開幕戦となった帝京対 2024.12.31 20:30 Tue
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帝京高校の守備を支えたDF田所莉旺が、開幕戦となった京都橘高校戦を振り返った。 帝京は28日、第103回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦で京都橘と対戦。戦後最多の6度優勝を誇りながら、15大会ぶりの出場となったなか、劇的に2-1で勝利を収めた。 試合早々にCKからDFラビーニ未蘭のゴールで先制した帝京は、 2024.12.29 00:07 Sun
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帝京高校を勝利に導いたFW宮本周征が試合を振り返った。 28日に開幕した第103回全国高校サッカー選手権大会。15大会ぶりの出場を叶えた帝京が開幕戦で京都橘高校と対戦し、2-1で勝利を収めた。 DFラビーニ未蘭のゴールで序盤からリードするも、73分に追いつかれる苦しい展開に。しかし、試合を決めたのが52分か 2024.12.28 23:51 Sat
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帝京高校の藤倉寛監督が劇的な展開での勝利を振り返った。 28日、第103回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦が国立競技場で行われ、帝京高校が京都橘高校相手に2-1で勝利。序盤で先制しながら73分に追いつかれたが、2分後に宮本周征が右足で流し込み、そのまま逃げ切った。 戦後最多6度の優勝を誇る強豪ながら、15 2024.12.28 21:00 Sat
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「すごくハラハラするゲーム」15大会ぶり出場で劇的な開幕戦勝利、帝京の藤倉寛監督が伝統校の強み語る「残り1分でひっくり返してきた大先輩の映像が今でも残っている」

帝京高校の藤倉寛監督が劇的な展開での勝利を振り返った。 28日、第103回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦が国立競技場で行われ、帝京高校が京都橘高校相手に2-1で勝利。序盤で先制しながら73分に追いつかれたが、2分後に宮本周征が右足で流し込み、そのまま逃げ切った。 戦後最多6度の優勝を誇る強豪ながら、15大会ぶりの出場となった帝京。藤倉監督は京都橘にも多くのチャンスがあった試合について、「1試合を通して言えば、すごくハラハラするようなゲームだったなという感想です」と述べつつ、伝統あるチームゆえのプレッシャーについて語った。 「いろんな人たちの思いを背負って来ていますので、何年ぶりに出ただとか、伝統ある学校を背負ってきたとか、そういったものを加味してこの1試合だけをコメントするのはすごく難しいなという試合でした」 「選手はあまり伝統校だとか、先輩たちが築き上げたとか、そこをそんなに重く感じるような素振りとか言動はなく、逆に良い緊張感でずっとやってきました。この試合に限らず、それを選手たちが感じながらやっていた場面はあまりなかったように思います」 また、一度は追いつかれた試合展開にも言及。チームの対応や、52分に送り出し、2年生ながら決勝ゴールをもたらした宮本などに触れた。 「思い出せば、おそらく失点した後に声をかけることすらもできないでゲームスタートしたと思います。ただ、今年のチームは1年間を通して、そういった時にキャプテンの砂押(大翔)を中心に、チームがピッチ内で解決した場面を何度も見てきました」 「ゲームの前に『今日はセットプレーとかカウンターとかで失点することは想定して入ろう』とか、『想定しながらいつもやられているから、失点も許容範囲のなかで』とか、『残り5分でリードされるかもしれないから劣勢の準備を』というところは話していたので、そういった部分に選手たちが落ち着いて対応したかなという印象でした」 「宮本に関しては元々FWの選手で、点を取るというミッションを毎回クリアしてくれる選手なので、送り出すメッセージとしてはゴールを取ってほしいとか、そこに関わる部分。本人はザ・ストライカーみたいなタイプ」 「最初ボールを持った時にとんでもないシュートを打っていましたけど、それが彼の良さで。3年生のなかに入って、2年生でもそれができる。この大舞台で『早く俺の出番ないかな』とか、そういう感じの選手なので、そういったところを私たちは期待して送り出しました」 「そこに関して何か指示をしたわけではなく、宮本が入ることによってチームも『そういうことなんだな』とわかりやすい選手。本来FWで並んでいる森田(晃)とメンバー交代するイメージは持っていたのですが、橘さんがタフに戦ってくるこの試合のなかで森田は代えられなかったというのがあって。代わった選手が悪かったわけではないですが、今日はそういう采配になりました」 「森田の良さと宮本の良さはちょっと違って、切磋琢磨しながらこの1年やってきた。正直どっちがスタートで出ても良いくらい。指導者としては嬉しい悩みではあるのですが、各ポジションに誰がスタートで出てもトップパフォーマンスを出せるぐらいの選手がいるなか、毎回スタート選びに悩まされているポジションの2人です」 さらに、宮本の決勝点に繋がったキャプテン砂押のプレーについても語った藤倉監督。中盤でボールを奪い返し、前線の森田へ浮き球のパスを送るダイレクトなプレーだったが、選手たち主導で生み出した形のようだ。 「練習でやってきたというよりは、ゴールへの近道を自分たちで見つけ出せるようになってきた。こっちが形を求めるというか、どこが空いて、どこを突くんだというものをみんなでゲーム中に感じながらやるというのがこのチームの集大成。なので、形というよりは自分たちで感じて。ゴールに繋がるのはやっぱりそこだったなというのが今日の結果だったのだと思います」 「リーグ戦とか予選を通じると、もう少しゆっくり相手を動かす場面が見られたなか、割と速攻や森田の縦の動きの良さとか、このゲームではこっちが活きるなと変化させているような場面があった。彼らから出てくる言葉のなかにもありました」 伝統ある帝京の強みにも言及。サッカーのスタイルを含めて時代は変わっているが、「勝負強さが伝統だということであれば、それは私も感じています」と、OBの戦いぶりを受け継いでいる。 「残り1分でもひっくり返してきた大先輩の映像は今でも残っていて、選手のなかでも『選手権は引き分けもないし、ドラマチックになるよ』と。選手権だし国立だからそうなってしまうという、そんな話はしましたけど、正にそれが宮本のゴールに繋がった」 「リーグ戦を通して、今年はそこでトーンダウンするというのがやっぱりありました。追いつかれて、もしくは逆転されたというのを何回も見てきました。こういう舞台でやらせてもらえて、この1試合ですごく成長したなと思います」 「あれだけ(京都橘の)セットプレーがあって、ロングスローがあって、いつもそれでやられていた。1個で収まったというところで言うと、彼らが成長した1試合でした。歴代のOBの方たちも大会を通してたくましくなったというのを見てきましたので、そういった伝統に乗っかりたいな、乗っかれる形を作らないとなと思います」 <span class="paragraph-title">【動画】伝統の勝負強さを大舞台で発揮! 帝京vs京都橘 ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">\ダイジェスト公開中/ <br>開幕戦で生まれたゴールをチェック<br><br>第103回全国高校サッカー選手権<br>【開幕戦】<br><br>動画はこちら<br>TVer<a href="https://t.co/JP4lvnasG2">https://t.co/JP4lvnasG2</a><br>SPORTS BULL<a href="https://t.co/T7dZgW3jBv">https://t.co/T7dZgW3jBv</a><br><br>地上波日テレ<br>『開会式開幕戦ハイライト』<br>12/28(土) 深夜24時25分 <a href="https://t.co/y0tErV4tVR">pic.twitter.com/y0tErV4tVR</a></p>&mdash; 高校サッカー日テレ公式 (@ntv_hss) <a href="https://twitter.com/ntv_hss/status/1872931458777792945?ref_src=twsrc%5Etfw">December 28, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.28 21:00 Sat
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「PKもよぎった…」帝京DF田所莉旺、終盤の失点も見事な勝利に感謝「前線の選手に助けられた」

帝京高校の守備を支えたDF田所莉旺が、開幕戦となった京都橘高校戦を振り返った。 帝京は28日、第103回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦で京都橘と対戦。戦後最多の6度優勝を誇りながら、15大会ぶりの出場となったなか、劇的に2-1で勝利を収めた。 試合早々にCKからDFラビーニ未蘭のゴールで先制した帝京は、試合の主導権を握りながら後半へ。しかし73分に追いつかれてしまうことに。それでも、75分に宮本周征が落ち着いて流し込み、勝ち越し。2-1で勝利を収めた。 15年ぶりに出場した帝京の一員として国立の舞台に立った田所。「お客さんもたくさん入っていましたし、素晴らしい環境でできる中で、入場するまでは緊張していないと思っていたんですけど、入ってから今までにないぐらい観客がいたので、その面で多少緊張しました」と、1万8000人を超える観客に予想外の緊張があったと明かした。 前半どこか不安定さを見せていたのは緊張があったという田所。「ハーフタイムで帰った時に藤倉監督からも『笑っちゃうぐらい硬くなってるよ』って言われた」と、藤倉寛監督からも指摘されたと明かしたが「そこは自分たちもわかっていましたし、上手くいっていないなと思っていながらも、良いタイミングで先制点が入ったので、自分たちは後半の立ち上がりからは少し楽な気持ちでゲームに入れたと思います」と、リードして前半を終えられたことでリラックスできたとした。 後半は攻め込まれるシーンがありながらも、主導権を与えないまま進めていたが、73分に失点。田所は「実際にPKもよぎりましたし、時間を見た時に嫌なタイミングだなと思いました」と、残り時間が少ない中での失点は堪えたという。 「73分ぐらいだったと思うんですけど、自分は円陣組んだ時に『まだ大丈夫だよ』と言ったんですが、内心後ろの選手としてはここで失点するかという気持ちがありました」 「ただ、追加点の時は、(砂押)大翔が球際で当たってボールを奪った瞬間に自分からも縦パスのコースが見えたので、これは点が入るかもと思って、しっかりと(宮本)周征が決めてくれました。後ろの選手としては前の選手に感謝しています」と、すぐに勝ち越してくれたチームメイトに感謝した。 選手権ではドラマチックな展開になる試合も例年多く、その予想もしていたという田所。「こういった大会はヒーローになるのが、誰か1人か日替わりかというところで、そういったところが出た試合かなと思います。難しい展開になりましたが、前線の選手に助けられました」と、改めて感謝を口にした。 自身のパフォーマンスについては「自分は試合前にあまり相手の情報を入れないタイプで、やった中でうまくクセとか特徴を掴んでやりたいと思っていた中で、ファーストプレーで相手9番の選手(伊藤湊太)に体を一回入れても取りきれなくて、そこから後半も後手に回るシーンがあって、自分としては反省しなければいけないポイントだったと思いますし、DFとしてあそこまで行かれてしまったことは少し反省点です」とコメント。勝利したものの、反省点もあった試合だったと振り返った。 2024.12.29 00:07 Sun
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「嬉しいですけど悔しい気持ち」途中出場から値千金の決勝弾、帝京FW宮本周征が得点量産へ意欲「6ゴール決めるという目標がある」

帝京高校を勝利に導いたFW宮本周征が試合を振り返った。 28日に開幕した第103回全国高校サッカー選手権大会。15大会ぶりの出場を叶えた帝京が開幕戦で京都橘高校と対戦し、2-1で勝利を収めた。 DFラビーニ未蘭のゴールで序盤からリードするも、73分に追いつかれる苦しい展開に。しかし、試合を決めたのが52分からピッチに立っていた宮本。追いつかれた2分後、縦パスを前線で収めたFW森田晃からボックス内でラストパスを受け、ワンタッチでゴール右隅に流し込んだ。 帝京を2回戦に導いた宮本だが、素直には喜べず。後半アディショナルタイムに外したGKとの一対一を悔いている。 「決勝点を決められましたけど、最後のGKとの一対一だったり。嬉しいですけど悔しい気持ち。そういうところを決めきっていかないと、もっとスーパーな選手にはなれません」 試合を決定づけるゴールを逃した宮本は左ウイングで起用される形に。決勝ゴールをお膳立てしてくれた森田との関係性にも言及し、良き仲間であると同時に、越えるべき壁と捉えているようだ。 「本当は(自分のポジションは)1トップとか2トップなんですが、今年は森田くんだったりFWに良い選手がいます。そこで本当は勝負したいですけど、出場時間を増やすために左とか右とかサイドも、全部やらなければいけないです」 「練習とかでは森田くんと2トップをやることがあったりして、森田くんがパスを出してくれるというのはわかっているので、シュートを打つ準備をして、しっかり決められて良かったです」 「選手権でもスタメンを取る気でいますし、森田くんから取るというのは今シーズンずっと意識していました。だけど、まだちゃんと越えられていないと思うので、選手権で森田くんを越えられるようにしたいです」 さらに、終盤に追いつかれた際の心境も告白。キャプテンのMF砂押大翔の言葉が響いたという。 「自分もマジかとなっていましたが、砂押くんがみんなを集めて『笑え笑え、笑顔でやれ』と言ってくれて、それで正気を取り戻せました。まだ7分もあるし、いけるだろうとしっかり切り替えました」 「劣勢の試合は取りこぼしてしまうことが多かったですが、今年は練習から強度高くやれていて、最後の強度も落とさずにいられます。自分たちが一番良い時というのは、たくさん声を出して、中で盛り上げて、。自分が入った時はもう出来上がっていたので、絶対勝てるだろうと思っていました」 今大会については「明確に6ゴール決めるという目標がある」とも語った宮本。スタメンの座とともに大会得点王を狙う。 「1試合1ゴールもそうですが、藤倉先生(藤倉寛監督)にどこかで出番あるよと言われていたので、スタメンで出た時は2ゴールくらい入れられればと思います」 <span class="paragraph-title">【動画】宮本が追いつかれた直後に勝ち越しゴール! 帝京vs京都橘 ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">\ダイジェスト公開中/ <br>開幕戦で生まれたゴールをチェック<br><br>第103回全国高校サッカー選手権<br>【開幕戦】<br><br>動画はこちら<br>TVer<a href="https://t.co/JP4lvnasG2">https://t.co/JP4lvnasG2</a><br>SPORTS BULL<a href="https://t.co/T7dZgW3jBv">https://t.co/T7dZgW3jBv</a><br><br>地上波日テレ<br>『開会式開幕戦ハイライト』<br>12/28(土) 深夜24時25分 <a href="https://t.co/y0tErV4tVR">pic.twitter.com/y0tErV4tVR</a></p>&mdash; 高校サッカー日テレ公式 (@ntv_hss) <a href="https://twitter.com/ntv_hss/status/1872931458777792945?ref_src=twsrc%5Etfw">December 28, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.28 23:51 Sat
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15年ぶりの帝京復活で思い出したシーン/六川亨の日本サッカーの歩み

12月28日に開幕した第103回全国高校サッカー選手権は、29日に1回戦の16試合を終了。屈指の好カードとなった東福岡対尚志は0-0からのPK戦で東福岡が5-3で勝って2回戦に進出。ともに優勝経験のある滝川第二対山梨学院は、滝川第二が2-1で競り勝った。 そんな1回戦で取り上げたいのは、やはり開幕戦となった帝京対京都橘の試合だ。ご存知のように帝京は、戦後最多タイの6度の優勝を誇る名門校である。しかし近年は低迷し、09年の第88回大会を最後に選手権からは遠ざかっていた。 第88回大会はFW加部未蘭を擁した山梨学院が初優勝を遂げた大会でもあったが、帝京の記憶はまるでない。1回戦でルーテル学院に1-3で敗れたのだから仕方ないだろう。しかし今年はかつての名門が15年ぶりに選手権に復活した。 「カナリア軍団」といわれたブラジルと同じイエローのユニホームに懐かしさを感じたオールドファンも多かったのではないだろうか。さすがに全盛時の帝京で選手たちが愛用していたYASUDA製の、駿河台にあった“ミナミスポーツ”オリジナルのサッカーシューズ、ペラーダスター(青に黄色のライン)を履いている選手はいなかったのは個人的に残念だった。 試合は開始5分に左CKからラビーニ未蘭のヘッドで帝京が先制したものの、京都橘もテクニシャンのドリブラーであるFW伊藤湊太を中心に反撃を開始。73分には左CKから桐原惺琉が頭で押し込み同点に追いついた。ところが2分後、帝京は交代出場のFW宮本周征がカウンターから抜け出して決勝点を流し込み熱戦に終止符を打った。 実は、決勝点を流し込むシーンは目撃したものの、その前の展開は京都橘の同点ゴールをノートに書き写していたため見逃してしまった。後で映像を確認したところ、センターサークル付近でMF砂押大翔が前線へロングフィード。バイタルエリアには3人のDFがいたものの、クリアしきれずFW森田晃、宮本とつながれて失点した。 試合後の米澤一成監督はカウンターからの失点について「2点目を取りに行ってひっくり返された。後半は3BKにしたので、サイドが戻りきれなかった」と敗因を指摘していた。 高校選手権で決勝点を見逃したのは2回目の経験だった。初めては80年度の第59回大会1回戦、駒沢陸上競技場で行われた西目農対北陽戦で、北陽が1-1の同点に追いついた直後だった。今回と同じように北陽の同点ゴールをノートに書いていたところ、急に歓声があがったので視線をピッチに戻すと、北陽ゴールにボールが入っている。 いまなら記者席のパソコンで映像を確認することもできるが、当時はそんなものはないし、オーロラビジョンでのリプレーもなかった。目撃した記者に確認すると、キックオフから西目農のFW小松晃が50メートルのロングシュートを放ち、それが見事に決まったという。 小松は1月に現役高校生ながら当時の日本代表の監督だった川淵三郎に招集され、30日のポーランド選抜戦に代表デビュー(現在は国際Bマッチ)を果たしている。卒業後はヤンマー(現C大阪)に入社し、釜本2世と期待されたものだった。 この第59回大会決勝は、インターハイと国体を制して高校3冠と選手権初優勝を狙った清水東を、カウンターの古河一が2-1で制して2度目の選手権優勝を果たした。古河一のキャプテンでチームを牽引したDF小宮雄二は、卒業後は法政大に進み、現在は流経大サッカー部の監督を務めている(現姓は中野雄二)。 話を帝京に戻すと、藤倉寛監督は「(プリンス)リーグ戦ではもっとゆっくりボールをつなぐが、選手権という舞台と国立ということでタテに急ぎすぎた」というような感想を述べていた。これが引き分けのあるリーグ戦と、一発勝負のトーナメント戦の違いだろう。 ただ、それでも帝京はパスをつないで攻めようとした。しかし攻撃に時間をかけて両SBを押し上げても、京都橘はしっかり守備を固めているのでなかなか決定機を作れない。ポゼッションスタイルではよほどの実力差か、飛び抜けたストライカーがいない限り、相手を圧倒するのは難しいような気がしてならない。 実際、帝京のゴールはセットプレーとカウンターからだった。前述の古河一にしても帝京にしても、かつてはカウンターで静岡勢の挑戦を退けてきた。単独優勝では最後となる4度目の全国制覇も、MF平岡和徳(元大津高校監督)のロングパスをFW前田治(全日空と横浜Fで活躍)が豪快なボレーで突き刺し前年覇者の清水東を1-0で下した。 古沼貞雄監督が築いた帝京スタイルは、その後は国見や市立船橋、そして現在は青森山田に受け継がれていると感じるのは僕だけだろうか。 最後に高校サッカーのブラスバンドによる応援も、Jリーグ誕生でJクラブのチャントを採用している高校がほとんどだ。しかし帝京はリードした試合終盤の78分から、懐かしいアントニオ猪木の登場テーマ曲「炎のファイター・イノキボンバイエ」を演奏し始めた。元々はモハメド・アリのテーマ曲で、異種格闘技で対戦したことから猪木に贈られた曲であり、かつては清水東の定番で、反撃のテーマ曲でもあった。 果たして古豪復活となるのか。31日は2回戦で初出場の金沢学院大附と対戦し、5-0と粉砕して02年の第81回大会以来となる22年ぶりの3回戦進出を果たした。1月2日の対戦相手は昨年のインターハイ覇者の明秀日立。好ゲームとなることは必至だろう。 文・六川亨 2024.12.31 20:30 Tue