昨季みたいになるかもしれない…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.01 22:00 Tue
                「あまりいい予感はしないよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、各国代表戦週間明けのマドリッド勢のリーガ戦も終わり、いよいよコパ・デル・レイ準決勝2ndレグが目前に迫っているのに気がついた時のことでした。いやあ、一足先の火曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)にサンティアゴ・ベルナベウに乗り込んで、レアル・マドリー戦1stレグでの0-1負けから逆転しないといけないレアル・ソシエダのイマノル監督は、「Los jugadores y yo estamos convencidos de que vamos a ser nosotros los que vamos a estar en la final/ロス・フガドーレス・イ・ジョ・エスタモス・コンベンシードス・デ・ケ・バモス・ア・セル・ノソトロス・ロス・ケ・バモス・ア・エスタル・エン・ラ・フィナル(決勝にいるのがウチであることを私も選手たちも確信している)」と微塵の揺らぎも見せていなかったんですけどね。
実際、彼らは3月のparon(パロン/リーガの停止期間)前、EL16強対決マンチェスター・ユナイテッド戦で敗退したものの、そのショックを乗り越え、土曜の29節ではバジャドリーに2-1と勝利。現在、10位ながら、来季もヨーロッパの大会に出場できる可能性がない訳でもないとあって、久保建英選手を始め、チーム全員が張り切っているということでしょうけどね。はい、マドリーとの1stレグ1点差負けを同点にするまでは、アトレティコだって、CL16強対決ダービーでできたんですよ。
それがCLの呪いというか、マドリーにしてみれば、得意の大会での強運というか、もつれ込んだPK戦で、フリアン・アルバレスの成功したPKが両足でボールに触れたとして、認められないという青天の霹靂が発生。まあ、最後はジョレンテが枠に当ててしまったせいなんですが、おかげでCL敗退となったアトレティコは延長戦120分の影響で、次のリーガ優勝争いに残る望みを懸けたバルサ戦でも2点リードしながら、終盤に4点を喰らって逆転負けという大きなトラウマに晒されることに。
挙句の果てに、さすがに2週間も空けば、選手たちだって、気を取り直したはずと思いながら、バル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた土曜のエスパニョール戦も、いえ、開始2分で入ったジョレンテのゴールはオフサイドで認められず、25分にはリーガのシーズン前半マドリーダービーでチュアメニと頭をぶつけ、2カ月の休場となったル・ノルマンがエル・ヒラリと激突。用心のためにヒメネスと交代になるという逆境が起こった後、38分にアスピリクエタがエリア外からvolea(ボレア/ボレーシュート)を決めて先制はしたんですけどね。1点リードした途端、チームがバケーションモードに入っちゃったんですよ。
そのピッチをノロノロと動く姿には、昨季後半から今季10月頃まで続いたアウェイ弱者時代のデジャブをヒシヒシと感じていた私でしたが、案の定、後半26分には敵のFKの際、ラポールがカブレラに喰いついて離れず、相手を倒してPKを献上。プアドに同点ゴールを決められてしまい、いえ、もうその時にはアルゼンチン代表帰りでスタメンを外れていたフリアン・アルバレスとデ・パウルもピッチにいたんですけどね。逆に土壇場のゴールが多いセルロートが交代で下がったせいか、何せ、今は最後の頼みの綱、コレアも出場停止5試合の2試合目でいませんからね。
まあ、先週末はアスレティックもオサスナと引き分けたため、勝ち点差は4で変わらなかったんですけどね。その一方でバルサは木曜の延期分のオサスナ戦(3-0)、日曜のジローナ戦(4-1)と連勝し、リーガでここ3試合白星のないアトレティコとの差はとうとう9ポイントに拡大。要はフリック監督のチームはゴールづいているため、水曜午後9時30分のメトロポリターノで再び、4点も取られたら、今のアトレティコではコパ準決勝1stレグのように追いつくことなど、夢のまた夢かと。僅かでもすがれるものがあるとすれば、W杯南米予選で先日、ブラジルに4-1の大勝をしたアルゼンチン代表メンバーがシメオネ監督のチームには5人(コレアは出られない)いるため、ラフィーニャが日和ってくれるかもしれないことぐらいでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、先週末の残りの試合も見ていくことにすると、土曜はアトレティコの後、ラージョもアウェイでアラベスと対戦したんですが、この2週間のおかげで、負傷していたエヌテカとイシ、メンタル疾患から回復したRdT(ラウール・デ・トマス)も遠征に参加できることに。ただ、ゴールを挙げたのは他の選手で、開始3分にはCKから、パテ・シスがヘッドで先制点を挙げると、いえまあ、12分にはチャバリアがテナグリアをエリア内で倒して、PKを献上しちゃったんですけどね。
幸いキッカーのジョルダンが、「solo él puede explicar qué se le ha cruzado por la cabeza para ejecutar de esa manera/ソロ・エル・プエデ・エクスピリカール・ケ・セ・レ・ア・クルサードー・ポル・ラ・カベッサ・パラ・エヘクタル・デ・エサ・マネラ(あの方法で蹴るのに何が頭をよぎったかを説明できるのは彼だけ)」(コウデ監督)という、パネンカ風PKにトライ。動かなかったGKバタジャが簡単にキャッチして、同点を避けられたのが明暗を分けましたかね。後半13分にもパブロ・ディアスの3試合連続ゴールでスコアを0-2にしたラージョはそのまま勝利し、ようやくここ5試合白星なしの足踏みから抜け出すことに。
その上、これで勝ち点が残留セーフゾーンの40に到達し、順位もコンフェレンスリーグ出場圏の7位に上昇。同時にレガネスと同じ勝ち点で降格圏外17位にいるアラベスに勝ち点を与えなかったことで、弟分仲間を援護射撃することもできたんですが、ラージョには今週末金曜、エスタディオ・バジェカスでのエスパニョール戦でも情けない兄貴分に代わって、16位の相手を降格圏から遠ざけないようにする任務が到来。イニゴ・ペレス監督もヨーロッパの大会参加に前向きなため、残り9試合もきっと、張り切ってくれるんじゃないでしょうか。
そして土曜の夜は、その自助努力も必要なレガネスとの兄弟分ダービーのため、ベルナベウを3週間ぶりに訪れた私だったんですが、何せ3月の各国代表戦週間に大量16人もの選手を派遣していたマドリーですからね。南米組のビニシウス、ロドリゴ、バルベルデらを控えスタートにしたものの、ヨーロッパ組まで休ませる訳にはいかず、日曜にネーションズリーグ準々決勝2ndレグで120分の死闘を演じたエムバペ、カマビンガ(フランス)、モドリッチ(クロアチア)、加えて、リュディガー(ドイツ)、ギュレル(トルコ)、ベリンガム(イングランド)らもスタメンに入ることに。
更にネーションズリーグのグループ入れ替えプレーオフで対戦し、2ndレグを不具合でお休みしたクルトワ(ベルギー)がおらず、ルニン(ウクライナ)がゴールを守っていたんですが、まさかこの日は審判がマドリーの最大の味方になるとは!そう、まずは前半30分、今季バルサにモンジュイックで、アトレティコにはブタルケで勝利したのと同じ作戦で堅く守っていたレガネスだったんですが、オスカル・ロドリゲスがギュレルをエリア内で倒したとして、PKを献上。実際はギュレルのpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)が疑われる怪しい判定ではあったんですが、まだこの時は運が悪かったぐらいの気持だったレガネスファンも多かったかと。
というのも、そのPKをエムバペが決めた後、即座にボルハ・ヒメネス監督のチームはカウンター攻撃を発動。34分には右SBのロジエが上がり、エリア内右からゴール前にラストパスを送ったところ、オスカルは撃てなかったものの、その先の左側にいたディエゴ・ガルシアが同点ゴールを決めてくれたんですよ。それだけではなく、41分にもロジエからオスカルがもらうと、1度はアセンシオの体に当たりながら、戻って来たボールをゴール左前のラバに折り返しパス。こちらもしっかり撃ちこんで、とうとう1-2と逆転してしまったから、ビックリしたの何のって。
とはいえ、そこは天下のマドリー、リードされて始まった後半2分にはもう、ベリンガムが同点にしているんですから、さすがです。それも最初はエリア内左の角から撃ったシュートをGKドミトロビッチに弾かれながら、続いてブライムのシュートもゴールライン上のタピアの体に弾かれたものの、ボールがゴールバーに当たって落ちてきたところに真っ先に駆けつける俊敏さを見せてのゴールでしたからね。2-2になったのにはまったく文句はつけられないんですが、そのほんの2分後、当人が同じダッシュ力でディエゴ・ガルシアに追いすがり、ルニンと1対1のシュート直前だった彼を倒してもペナルティにならないなんて、あっていい?
うーん、何せ勝ち点1でもあれば、アラベスを超えて降格圏を脱出できるレガネスでしたからね。そのまま引分けられれば良かったんですが、29分には再び、主審がロドリゴからボールを綺麗にタックルで奪ったタピアのプレーをファールとして、エリアすぐ前からのFKをマドリーにプレゼントされてはねえ。もちろん、間接FKでフラン・ガルシアが一旦、止めた後、エムバペが蹴った時、レガネスの壁が割れて隙間ができたのもツイていなかったんですが、それがゴールに入ったため、とうとうマドリーは3-2のremontada(レモンターダ/逆転劇)を達成することに。
結局、試合はそのまま終わったため、これで3連敗となったボルハ・ヒメネス監督もかなりおかんむりでねえ。「ジャッジミスに対して他のクラブもやっているように、上層部が声を上げることを期待している」と言っていたんですが、どうやら、レガネスはその方向には動かないよう。というのも2019-20シーズンに審判テクニカル委員会に正式に苦情を申し立てたところ、以降はより冷遇されるように。あまつさえ、マドリーとの最終戦ではヨビッチ(現ミラン)のエリア内ハンドがVAR(ビデオ審判)によりペナルティと認められず、2-2の引き分けに終わって、2部降格した歴史があるからだとか。
自前のTV局で毎回、ジャッジミスを数え上げたり、2月のエスパニョール戦でエムバペに後ろからタックルを見舞ったロメロが退場にならず、そのゴールで負けた後など、4ページに渡るスペイン審判界腐敗批判の文書を送り付けた兄貴分に比べると、はなはだ消極的に見えますが、小さなクラブではできることに限りがあるのは当たり前ですしね。早いところ、気を取り直して、レガネスの残留争いの主戦場、来週月曜のブタルケでのオサスナ戦に備えるしかありません。
そしてマドリーがコパ2ndレグの準備を相変わらず、クルトワ抜きで、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始めた日曜、またしても午後2時試合に当たったのがレガネスのお隣さんヘタフェで、コリセウムでのビジャレアル戦に挑むことに。それが、あの3週間以上続いた雨季が嘘のように、このところのマドリッドには青空が戻って来ていてねえ。気温も上がって、いかにも春らしくなってきたんですが、残念ながら、ボルダラス監督のチームがラージョのように春を迎えるのはもう少し、待たないといけないよう。
だってえ、前半15分ぐらいまでは珍しく、ボールを握って攻めていたヘタフェだったにも関わらず、いきなりブキャナンのアシストでアジョセに先制ゴールを喰らっているんですよお。それはまだ29分に敵エリア付近でボールを奪い、カルレス・ペレスが同点弾を挙げ、何とかなったんですが、以降はマルセリーノ監督のチームが本領を発揮することに。33分にはアジョセのクロスでエリア内に入ったバリーに見事なボレーシュートで勝ち越し点を奪われているようでは、先が思いやられるってもんですって。
実際、その後もハーフタイムまでにバリーに守備陣の背後を取られ、2度もシュートを決められていたヘタフェだったんですが、かろうじて相手のファールとハンドで命拾いしていましたからね。前半が1-2で終わり、後半はマジョラルやベルナトを投入したものの、この各国代表戦週間に8連休を取った選手たちが目覚めることはなし。最後はペドロサのゴールもオフサイドでスコアには上がらなかったものの、そのまま1点差で負けてしまいましたっけ。
まあ、それでも彼らは勝ち点36と目標の40に近づいていますし、12位で降格圏とは9差ありますからね。おまけに週末は日曜にダントツ最下位のバジャドリー戦とあって、ボルダラス監督も「La palabra Europa no puede entrar en la mente del Getafe, tenemos que pelear por la salvación/ラ・パラブラ・エウロッパ・ノー・プエデ・エントラル・エン・ラ・メンテ・デル・ヘタフェ、テネモス・ケ・ペレアル・ポル・ラ・サルバシオン(ヘタフェのメンタルにヨーロッパの言葉は入らない。ウチは残留を争わないといけないのだから)」と言っていた通り、選手たちが気を散らさず、頑張ってくれれば、それ程、問題はないはずですが、さて。ただあまり早く目標達成すると、シーズン終了まで消化試合が続くことになるのはちょっと、ファンとして嫌かもしれません。
                    
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                    
                    
                                        
                                            実際、彼らは3月のparon(パロン/リーガの停止期間)前、EL16強対決マンチェスター・ユナイテッド戦で敗退したものの、そのショックを乗り越え、土曜の29節ではバジャドリーに2-1と勝利。現在、10位ながら、来季もヨーロッパの大会に出場できる可能性がない訳でもないとあって、久保建英選手を始め、チーム全員が張り切っているということでしょうけどね。はい、マドリーとの1stレグ1点差負けを同点にするまでは、アトレティコだって、CL16強対決ダービーでできたんですよ。
それがCLの呪いというか、マドリーにしてみれば、得意の大会での強運というか、もつれ込んだPK戦で、フリアン・アルバレスの成功したPKが両足でボールに触れたとして、認められないという青天の霹靂が発生。まあ、最後はジョレンテが枠に当ててしまったせいなんですが、おかげでCL敗退となったアトレティコは延長戦120分の影響で、次のリーガ優勝争いに残る望みを懸けたバルサ戦でも2点リードしながら、終盤に4点を喰らって逆転負けという大きなトラウマに晒されることに。
そのピッチをノロノロと動く姿には、昨季後半から今季10月頃まで続いたアウェイ弱者時代のデジャブをヒシヒシと感じていた私でしたが、案の定、後半26分には敵のFKの際、ラポールがカブレラに喰いついて離れず、相手を倒してPKを献上。プアドに同点ゴールを決められてしまい、いえ、もうその時にはアルゼンチン代表帰りでスタメンを外れていたフリアン・アルバレスとデ・パウルもピッチにいたんですけどね。逆に土壇場のゴールが多いセルロートが交代で下がったせいか、何せ、今は最後の頼みの綱、コレアも出場停止5試合の2試合目でいませんからね。
やはりリケルメでは奇跡を起こすことはできず、試合は1-1の引き分けで終了。コケが戻っていなかったため、またしてもキャプテンを務めるGKオブラクが悲しそうな顔で、「No estamos teniendo la regularidad necesaria para poder pelear LaLiga/ノー・エスタモス・テニエンドー・ラ・レグラリダッド・ネセサリア・パラ・ポデール・ペレアル・ラ・リーガ(ボクらにはリーガ優勝を争うのに必要な規則性がない)」と言い訳コメントを担当することに。それどころか、「ウチは勝ち点を失っていて、後ろから来るチームが近づいてきている」って、もしやそれ、ジローナに3位の座を奪われた昨季のリピートを、昨季は彼らのコパ決勝進出を阻んだアスレティックにされるかもしれないってこと?
まあ、先週末はアスレティックもオサスナと引き分けたため、勝ち点差は4で変わらなかったんですけどね。その一方でバルサは木曜の延期分のオサスナ戦(3-0)、日曜のジローナ戦(4-1)と連勝し、リーガでここ3試合白星のないアトレティコとの差はとうとう9ポイントに拡大。要はフリック監督のチームはゴールづいているため、水曜午後9時30分のメトロポリターノで再び、4点も取られたら、今のアトレティコではコパ準決勝1stレグのように追いつくことなど、夢のまた夢かと。僅かでもすがれるものがあるとすれば、W杯南米予選で先日、ブラジルに4-1の大勝をしたアルゼンチン代表メンバーがシメオネ監督のチームには5人(コレアは出られない)いるため、ラフィーニャが日和ってくれるかもしれないことぐらいでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、先週末の残りの試合も見ていくことにすると、土曜はアトレティコの後、ラージョもアウェイでアラベスと対戦したんですが、この2週間のおかげで、負傷していたエヌテカとイシ、メンタル疾患から回復したRdT(ラウール・デ・トマス)も遠征に参加できることに。ただ、ゴールを挙げたのは他の選手で、開始3分にはCKから、パテ・シスがヘッドで先制点を挙げると、いえまあ、12分にはチャバリアがテナグリアをエリア内で倒して、PKを献上しちゃったんですけどね。
幸いキッカーのジョルダンが、「solo él puede explicar qué se le ha cruzado por la cabeza para ejecutar de esa manera/ソロ・エル・プエデ・エクスピリカール・ケ・セ・レ・ア・クルサードー・ポル・ラ・カベッサ・パラ・エヘクタル・デ・エサ・マネラ(あの方法で蹴るのに何が頭をよぎったかを説明できるのは彼だけ)」(コウデ監督)という、パネンカ風PKにトライ。動かなかったGKバタジャが簡単にキャッチして、同点を避けられたのが明暗を分けましたかね。後半13分にもパブロ・ディアスの3試合連続ゴールでスコアを0-2にしたラージョはそのまま勝利し、ようやくここ5試合白星なしの足踏みから抜け出すことに。
その上、これで勝ち点が残留セーフゾーンの40に到達し、順位もコンフェレンスリーグ出場圏の7位に上昇。同時にレガネスと同じ勝ち点で降格圏外17位にいるアラベスに勝ち点を与えなかったことで、弟分仲間を援護射撃することもできたんですが、ラージョには今週末金曜、エスタディオ・バジェカスでのエスパニョール戦でも情けない兄貴分に代わって、16位の相手を降格圏から遠ざけないようにする任務が到来。イニゴ・ペレス監督もヨーロッパの大会参加に前向きなため、残り9試合もきっと、張り切ってくれるんじゃないでしょうか。
そして土曜の夜は、その自助努力も必要なレガネスとの兄弟分ダービーのため、ベルナベウを3週間ぶりに訪れた私だったんですが、何せ3月の各国代表戦週間に大量16人もの選手を派遣していたマドリーですからね。南米組のビニシウス、ロドリゴ、バルベルデらを控えスタートにしたものの、ヨーロッパ組まで休ませる訳にはいかず、日曜にネーションズリーグ準々決勝2ndレグで120分の死闘を演じたエムバペ、カマビンガ(フランス)、モドリッチ(クロアチア)、加えて、リュディガー(ドイツ)、ギュレル(トルコ)、ベリンガム(イングランド)らもスタメンに入ることに。
更にネーションズリーグのグループ入れ替えプレーオフで対戦し、2ndレグを不具合でお休みしたクルトワ(ベルギー)がおらず、ルニン(ウクライナ)がゴールを守っていたんですが、まさかこの日は審判がマドリーの最大の味方になるとは!そう、まずは前半30分、今季バルサにモンジュイックで、アトレティコにはブタルケで勝利したのと同じ作戦で堅く守っていたレガネスだったんですが、オスカル・ロドリゲスがギュレルをエリア内で倒したとして、PKを献上。実際はギュレルのpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)が疑われる怪しい判定ではあったんですが、まだこの時は運が悪かったぐらいの気持だったレガネスファンも多かったかと。
というのも、そのPKをエムバペが決めた後、即座にボルハ・ヒメネス監督のチームはカウンター攻撃を発動。34分には右SBのロジエが上がり、エリア内右からゴール前にラストパスを送ったところ、オスカルは撃てなかったものの、その先の左側にいたディエゴ・ガルシアが同点ゴールを決めてくれたんですよ。それだけではなく、41分にもロジエからオスカルがもらうと、1度はアセンシオの体に当たりながら、戻って来たボールをゴール左前のラバに折り返しパス。こちらもしっかり撃ちこんで、とうとう1-2と逆転してしまったから、ビックリしたの何のって。
とはいえ、そこは天下のマドリー、リードされて始まった後半2分にはもう、ベリンガムが同点にしているんですから、さすがです。それも最初はエリア内左の角から撃ったシュートをGKドミトロビッチに弾かれながら、続いてブライムのシュートもゴールライン上のタピアの体に弾かれたものの、ボールがゴールバーに当たって落ちてきたところに真っ先に駆けつける俊敏さを見せてのゴールでしたからね。2-2になったのにはまったく文句はつけられないんですが、そのほんの2分後、当人が同じダッシュ力でディエゴ・ガルシアに追いすがり、ルニンと1対1のシュート直前だった彼を倒してもペナルティにならないなんて、あっていい?
うーん、何せ勝ち点1でもあれば、アラベスを超えて降格圏を脱出できるレガネスでしたからね。そのまま引分けられれば良かったんですが、29分には再び、主審がロドリゴからボールを綺麗にタックルで奪ったタピアのプレーをファールとして、エリアすぐ前からのFKをマドリーにプレゼントされてはねえ。もちろん、間接FKでフラン・ガルシアが一旦、止めた後、エムバペが蹴った時、レガネスの壁が割れて隙間ができたのもツイていなかったんですが、それがゴールに入ったため、とうとうマドリーは3-2のremontada(レモンターダ/逆転劇)を達成することに。
結局、試合はそのまま終わったため、これで3連敗となったボルハ・ヒメネス監督もかなりおかんむりでねえ。「ジャッジミスに対して他のクラブもやっているように、上層部が声を上げることを期待している」と言っていたんですが、どうやら、レガネスはその方向には動かないよう。というのも2019-20シーズンに審判テクニカル委員会に正式に苦情を申し立てたところ、以降はより冷遇されるように。あまつさえ、マドリーとの最終戦ではヨビッチ(現ミラン)のエリア内ハンドがVAR(ビデオ審判)によりペナルティと認められず、2-2の引き分けに終わって、2部降格した歴史があるからだとか。
自前のTV局で毎回、ジャッジミスを数え上げたり、2月のエスパニョール戦でエムバペに後ろからタックルを見舞ったロメロが退場にならず、そのゴールで負けた後など、4ページに渡るスペイン審判界腐敗批判の文書を送り付けた兄貴分に比べると、はなはだ消極的に見えますが、小さなクラブではできることに限りがあるのは当たり前ですしね。早いところ、気を取り直して、レガネスの残留争いの主戦場、来週月曜のブタルケでのオサスナ戦に備えるしかありません。
そしてマドリーがコパ2ndレグの準備を相変わらず、クルトワ抜きで、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始めた日曜、またしても午後2時試合に当たったのがレガネスのお隣さんヘタフェで、コリセウムでのビジャレアル戦に挑むことに。それが、あの3週間以上続いた雨季が嘘のように、このところのマドリッドには青空が戻って来ていてねえ。気温も上がって、いかにも春らしくなってきたんですが、残念ながら、ボルダラス監督のチームがラージョのように春を迎えるのはもう少し、待たないといけないよう。
だってえ、前半15分ぐらいまでは珍しく、ボールを握って攻めていたヘタフェだったにも関わらず、いきなりブキャナンのアシストでアジョセに先制ゴールを喰らっているんですよお。それはまだ29分に敵エリア付近でボールを奪い、カルレス・ペレスが同点弾を挙げ、何とかなったんですが、以降はマルセリーノ監督のチームが本領を発揮することに。33分にはアジョセのクロスでエリア内に入ったバリーに見事なボレーシュートで勝ち越し点を奪われているようでは、先が思いやられるってもんですって。
実際、その後もハーフタイムまでにバリーに守備陣の背後を取られ、2度もシュートを決められていたヘタフェだったんですが、かろうじて相手のファールとハンドで命拾いしていましたからね。前半が1-2で終わり、後半はマジョラルやベルナトを投入したものの、この各国代表戦週間に8連休を取った選手たちが目覚めることはなし。最後はペドロサのゴールもオフサイドでスコアには上がらなかったものの、そのまま1点差で負けてしまいましたっけ。
まあ、それでも彼らは勝ち点36と目標の40に近づいていますし、12位で降格圏とは9差ありますからね。おまけに週末は日曜にダントツ最下位のバジャドリー戦とあって、ボルダラス監督も「La palabra Europa no puede entrar en la mente del Getafe, tenemos que pelear por la salvación/ラ・パラブラ・エウロッパ・ノー・プエデ・エントラル・エン・ラ・メンテ・デル・ヘタフェ、テネモス・ケ・ペレアル・ポル・ラ・サルバシオン(ヘタフェのメンタルにヨーロッパの言葉は入らない。ウチは残留を争わないといけないのだから)」と言っていた通り、選手たちが気を散らさず、頑張ってくれれば、それ程、問題はないはずですが、さて。ただあまり早く目標達成すると、シーズン終了まで消化試合が続くことになるのはちょっと、ファンとして嫌かもしれません。
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ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig's head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed3
    カシージャスの心臓発作後に最初に連絡を入れたのはモウリーニョ! 「最初に心配してくれた人」
かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
    コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
    