昨季みたいになるかもしれない…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.01 22:00 Tue
「あまりいい予感はしないよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、各国代表戦週間明けのマドリッド勢のリーガ戦も終わり、いよいよコパ・デル・レイ準決勝2ndレグが目前に迫っているのに気がついた時のことでした。いやあ、一足先の火曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)にサンティアゴ・ベルナベウに乗り込んで、レアル・マドリー戦1stレグでの0-1負けから逆転しないといけないレアル・ソシエダのイマノル監督は、「Los jugadores y yo estamos convencidos de que vamos a ser nosotros los que vamos a estar en la final/ロス・フガドーレス・イ・ジョ・エスタモス・コンベンシードス・デ・ケ・バモス・ア・セル・ノソトロス・ロス・ケ・バモス・ア・エスタル・エン・ラ・フィナル(決勝にいるのがウチであることを私も選手たちも確信している)」と微塵の揺らぎも見せていなかったんですけどね。
実際、彼らは3月のparon(パロン/リーガの停止期間)前、EL16強対決マンチェスター・ユナイテッド戦で敗退したものの、そのショックを乗り越え、土曜の29節ではバジャドリーに2-1と勝利。現在、10位ながら、来季もヨーロッパの大会に出場できる可能性がない訳でもないとあって、久保建英選手を始め、チーム全員が張り切っているということでしょうけどね。はい、マドリーとの1stレグ1点差負けを同点にするまでは、アトレティコだって、CL16強対決ダービーでできたんですよ。
それがCLの呪いというか、マドリーにしてみれば、得意の大会での強運というか、もつれ込んだPK戦で、フリアン・アルバレスの成功したPKが両足でボールに触れたとして、認められないという青天の霹靂が発生。まあ、最後はジョレンテが枠に当ててしまったせいなんですが、おかげでCL敗退となったアトレティコは延長戦120分の影響で、次のリーガ優勝争いに残る望みを懸けたバルサ戦でも2点リードしながら、終盤に4点を喰らって逆転負けという大きなトラウマに晒されることに。
挙句の果てに、さすがに2週間も空けば、選手たちだって、気を取り直したはずと思いながら、バル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた土曜のエスパニョール戦も、いえ、開始2分で入ったジョレンテのゴールはオフサイドで認められず、25分にはリーガのシーズン前半マドリーダービーでチュアメニと頭をぶつけ、2カ月の休場となったル・ノルマンがエル・ヒラリと激突。用心のためにヒメネスと交代になるという逆境が起こった後、38分にアスピリクエタがエリア外からvolea(ボレア/ボレーシュート)を決めて先制はしたんですけどね。1点リードした途端、チームがバケーションモードに入っちゃったんですよ。
そのピッチをノロノロと動く姿には、昨季後半から今季10月頃まで続いたアウェイ弱者時代のデジャブをヒシヒシと感じていた私でしたが、案の定、後半26分には敵のFKの際、ラポールがカブレラに喰いついて離れず、相手を倒してPKを献上。プアドに同点ゴールを決められてしまい、いえ、もうその時にはアルゼンチン代表帰りでスタメンを外れていたフリアン・アルバレスとデ・パウルもピッチにいたんですけどね。逆に土壇場のゴールが多いセルロートが交代で下がったせいか、何せ、今は最後の頼みの綱、コレアも出場停止5試合の2試合目でいませんからね。
まあ、先週末はアスレティックもオサスナと引き分けたため、勝ち点差は4で変わらなかったんですけどね。その一方でバルサは木曜の延期分のオサスナ戦(3-0)、日曜のジローナ戦(4-1)と連勝し、リーガでここ3試合白星のないアトレティコとの差はとうとう9ポイントに拡大。要はフリック監督のチームはゴールづいているため、水曜午後9時30分のメトロポリターノで再び、4点も取られたら、今のアトレティコではコパ準決勝1stレグのように追いつくことなど、夢のまた夢かと。僅かでもすがれるものがあるとすれば、W杯南米予選で先日、ブラジルに4-1の大勝をしたアルゼンチン代表メンバーがシメオネ監督のチームには5人(コレアは出られない)いるため、ラフィーニャが日和ってくれるかもしれないことぐらいでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、先週末の残りの試合も見ていくことにすると、土曜はアトレティコの後、ラージョもアウェイでアラベスと対戦したんですが、この2週間のおかげで、負傷していたエヌテカとイシ、メンタル疾患から回復したRdT(ラウール・デ・トマス)も遠征に参加できることに。ただ、ゴールを挙げたのは他の選手で、開始3分にはCKから、パテ・シスがヘッドで先制点を挙げると、いえまあ、12分にはチャバリアがテナグリアをエリア内で倒して、PKを献上しちゃったんですけどね。
幸いキッカーのジョルダンが、「solo él puede explicar qué se le ha cruzado por la cabeza para ejecutar de esa manera/ソロ・エル・プエデ・エクスピリカール・ケ・セ・レ・ア・クルサードー・ポル・ラ・カベッサ・パラ・エヘクタル・デ・エサ・マネラ(あの方法で蹴るのに何が頭をよぎったかを説明できるのは彼だけ)」(コウデ監督)という、パネンカ風PKにトライ。動かなかったGKバタジャが簡単にキャッチして、同点を避けられたのが明暗を分けましたかね。後半13分にもパブロ・ディアスの3試合連続ゴールでスコアを0-2にしたラージョはそのまま勝利し、ようやくここ5試合白星なしの足踏みから抜け出すことに。
その上、これで勝ち点が残留セーフゾーンの40に到達し、順位もコンフェレンスリーグ出場圏の7位に上昇。同時にレガネスと同じ勝ち点で降格圏外17位にいるアラベスに勝ち点を与えなかったことで、弟分仲間を援護射撃することもできたんですが、ラージョには今週末金曜、エスタディオ・バジェカスでのエスパニョール戦でも情けない兄貴分に代わって、16位の相手を降格圏から遠ざけないようにする任務が到来。イニゴ・ペレス監督もヨーロッパの大会参加に前向きなため、残り9試合もきっと、張り切ってくれるんじゃないでしょうか。
そして土曜の夜は、その自助努力も必要なレガネスとの兄弟分ダービーのため、ベルナベウを3週間ぶりに訪れた私だったんですが、何せ3月の各国代表戦週間に大量16人もの選手を派遣していたマドリーですからね。南米組のビニシウス、ロドリゴ、バルベルデらを控えスタートにしたものの、ヨーロッパ組まで休ませる訳にはいかず、日曜にネーションズリーグ準々決勝2ndレグで120分の死闘を演じたエムバペ、カマビンガ(フランス)、モドリッチ(クロアチア)、加えて、リュディガー(ドイツ)、ギュレル(トルコ)、ベリンガム(イングランド)らもスタメンに入ることに。
更にネーションズリーグのグループ入れ替えプレーオフで対戦し、2ndレグを不具合でお休みしたクルトワ(ベルギー)がおらず、ルニン(ウクライナ)がゴールを守っていたんですが、まさかこの日は審判がマドリーの最大の味方になるとは!そう、まずは前半30分、今季バルサにモンジュイックで、アトレティコにはブタルケで勝利したのと同じ作戦で堅く守っていたレガネスだったんですが、オスカル・ロドリゲスがギュレルをエリア内で倒したとして、PKを献上。実際はギュレルのpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)が疑われる怪しい判定ではあったんですが、まだこの時は運が悪かったぐらいの気持だったレガネスファンも多かったかと。
というのも、そのPKをエムバペが決めた後、即座にボルハ・ヒメネス監督のチームはカウンター攻撃を発動。34分には右SBのロジエが上がり、エリア内右からゴール前にラストパスを送ったところ、オスカルは撃てなかったものの、その先の左側にいたディエゴ・ガルシアが同点ゴールを決めてくれたんですよ。それだけではなく、41分にもロジエからオスカルがもらうと、1度はアセンシオの体に当たりながら、戻って来たボールをゴール左前のラバに折り返しパス。こちらもしっかり撃ちこんで、とうとう1-2と逆転してしまったから、ビックリしたの何のって。
とはいえ、そこは天下のマドリー、リードされて始まった後半2分にはもう、ベリンガムが同点にしているんですから、さすがです。それも最初はエリア内左の角から撃ったシュートをGKドミトロビッチに弾かれながら、続いてブライムのシュートもゴールライン上のタピアの体に弾かれたものの、ボールがゴールバーに当たって落ちてきたところに真っ先に駆けつける俊敏さを見せてのゴールでしたからね。2-2になったのにはまったく文句はつけられないんですが、そのほんの2分後、当人が同じダッシュ力でディエゴ・ガルシアに追いすがり、ルニンと1対1のシュート直前だった彼を倒してもペナルティにならないなんて、あっていい?
うーん、何せ勝ち点1でもあれば、アラベスを超えて降格圏を脱出できるレガネスでしたからね。そのまま引分けられれば良かったんですが、29分には再び、主審がロドリゴからボールを綺麗にタックルで奪ったタピアのプレーをファールとして、エリアすぐ前からのFKをマドリーにプレゼントされてはねえ。もちろん、間接FKでフラン・ガルシアが一旦、止めた後、エムバペが蹴った時、レガネスの壁が割れて隙間ができたのもツイていなかったんですが、それがゴールに入ったため、とうとうマドリーは3-2のremontada(レモンターダ/逆転劇)を達成することに。
結局、試合はそのまま終わったため、これで3連敗となったボルハ・ヒメネス監督もかなりおかんむりでねえ。「ジャッジミスに対して他のクラブもやっているように、上層部が声を上げることを期待している」と言っていたんですが、どうやら、レガネスはその方向には動かないよう。というのも2019-20シーズンに審判テクニカル委員会に正式に苦情を申し立てたところ、以降はより冷遇されるように。あまつさえ、マドリーとの最終戦ではヨビッチ(現ミラン)のエリア内ハンドがVAR(ビデオ審判)によりペナルティと認められず、2-2の引き分けに終わって、2部降格した歴史があるからだとか。
自前のTV局で毎回、ジャッジミスを数え上げたり、2月のエスパニョール戦でエムバペに後ろからタックルを見舞ったロメロが退場にならず、そのゴールで負けた後など、4ページに渡るスペイン審判界腐敗批判の文書を送り付けた兄貴分に比べると、はなはだ消極的に見えますが、小さなクラブではできることに限りがあるのは当たり前ですしね。早いところ、気を取り直して、レガネスの残留争いの主戦場、来週月曜のブタルケでのオサスナ戦に備えるしかありません。
そしてマドリーがコパ2ndレグの準備を相変わらず、クルトワ抜きで、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始めた日曜、またしても午後2時試合に当たったのがレガネスのお隣さんヘタフェで、コリセウムでのビジャレアル戦に挑むことに。それが、あの3週間以上続いた雨季が嘘のように、このところのマドリッドには青空が戻って来ていてねえ。気温も上がって、いかにも春らしくなってきたんですが、残念ながら、ボルダラス監督のチームがラージョのように春を迎えるのはもう少し、待たないといけないよう。
だってえ、前半15分ぐらいまでは珍しく、ボールを握って攻めていたヘタフェだったにも関わらず、いきなりブキャナンのアシストでアジョセに先制ゴールを喰らっているんですよお。それはまだ29分に敵エリア付近でボールを奪い、カルレス・ペレスが同点弾を挙げ、何とかなったんですが、以降はマルセリーノ監督のチームが本領を発揮することに。33分にはアジョセのクロスでエリア内に入ったバリーに見事なボレーシュートで勝ち越し点を奪われているようでは、先が思いやられるってもんですって。
実際、その後もハーフタイムまでにバリーに守備陣の背後を取られ、2度もシュートを決められていたヘタフェだったんですが、かろうじて相手のファールとハンドで命拾いしていましたからね。前半が1-2で終わり、後半はマジョラルやベルナトを投入したものの、この各国代表戦週間に8連休を取った選手たちが目覚めることはなし。最後はペドロサのゴールもオフサイドでスコアには上がらなかったものの、そのまま1点差で負けてしまいましたっけ。
まあ、それでも彼らは勝ち点36と目標の40に近づいていますし、12位で降格圏とは9差ありますからね。おまけに週末は日曜にダントツ最下位のバジャドリー戦とあって、ボルダラス監督も「La palabra Europa no puede entrar en la mente del Getafe, tenemos que pelear por la salvación/ラ・パラブラ・エウロッパ・ノー・プエデ・エントラル・エン・ラ・メンテ・デル・ヘタフェ、テネモス・ケ・ペレアル・ポル・ラ・サルバシオン(ヘタフェのメンタルにヨーロッパの言葉は入らない。ウチは残留を争わないといけないのだから)」と言っていた通り、選手たちが気を散らさず、頑張ってくれれば、それ程、問題はないはずですが、さて。ただあまり早く目標達成すると、シーズン終了まで消化試合が続くことになるのはちょっと、ファンとして嫌かもしれません。
実際、彼らは3月のparon(パロン/リーガの停止期間)前、EL16強対決マンチェスター・ユナイテッド戦で敗退したものの、そのショックを乗り越え、土曜の29節ではバジャドリーに2-1と勝利。現在、10位ながら、来季もヨーロッパの大会に出場できる可能性がない訳でもないとあって、久保建英選手を始め、チーム全員が張り切っているということでしょうけどね。はい、マドリーとの1stレグ1点差負けを同点にするまでは、アトレティコだって、CL16強対決ダービーでできたんですよ。
それがCLの呪いというか、マドリーにしてみれば、得意の大会での強運というか、もつれ込んだPK戦で、フリアン・アルバレスの成功したPKが両足でボールに触れたとして、認められないという青天の霹靂が発生。まあ、最後はジョレンテが枠に当ててしまったせいなんですが、おかげでCL敗退となったアトレティコは延長戦120分の影響で、次のリーガ優勝争いに残る望みを懸けたバルサ戦でも2点リードしながら、終盤に4点を喰らって逆転負けという大きなトラウマに晒されることに。
そのピッチをノロノロと動く姿には、昨季後半から今季10月頃まで続いたアウェイ弱者時代のデジャブをヒシヒシと感じていた私でしたが、案の定、後半26分には敵のFKの際、ラポールがカブレラに喰いついて離れず、相手を倒してPKを献上。プアドに同点ゴールを決められてしまい、いえ、もうその時にはアルゼンチン代表帰りでスタメンを外れていたフリアン・アルバレスとデ・パウルもピッチにいたんですけどね。逆に土壇場のゴールが多いセルロートが交代で下がったせいか、何せ、今は最後の頼みの綱、コレアも出場停止5試合の2試合目でいませんからね。
やはりリケルメでは奇跡を起こすことはできず、試合は1-1の引き分けで終了。コケが戻っていなかったため、またしてもキャプテンを務めるGKオブラクが悲しそうな顔で、「No estamos teniendo la regularidad necesaria para poder pelear LaLiga/ノー・エスタモス・テニエンドー・ラ・レグラリダッド・ネセサリア・パラ・ポデール・ペレアル・ラ・リーガ(ボクらにはリーガ優勝を争うのに必要な規則性がない)」と言い訳コメントを担当することに。それどころか、「ウチは勝ち点を失っていて、後ろから来るチームが近づいてきている」って、もしやそれ、ジローナに3位の座を奪われた昨季のリピートを、昨季は彼らのコパ決勝進出を阻んだアスレティックにされるかもしれないってこと?
まあ、先週末はアスレティックもオサスナと引き分けたため、勝ち点差は4で変わらなかったんですけどね。その一方でバルサは木曜の延期分のオサスナ戦(3-0)、日曜のジローナ戦(4-1)と連勝し、リーガでここ3試合白星のないアトレティコとの差はとうとう9ポイントに拡大。要はフリック監督のチームはゴールづいているため、水曜午後9時30分のメトロポリターノで再び、4点も取られたら、今のアトレティコではコパ準決勝1stレグのように追いつくことなど、夢のまた夢かと。僅かでもすがれるものがあるとすれば、W杯南米予選で先日、ブラジルに4-1の大勝をしたアルゼンチン代表メンバーがシメオネ監督のチームには5人(コレアは出られない)いるため、ラフィーニャが日和ってくれるかもしれないことぐらいでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、先週末の残りの試合も見ていくことにすると、土曜はアトレティコの後、ラージョもアウェイでアラベスと対戦したんですが、この2週間のおかげで、負傷していたエヌテカとイシ、メンタル疾患から回復したRdT(ラウール・デ・トマス)も遠征に参加できることに。ただ、ゴールを挙げたのは他の選手で、開始3分にはCKから、パテ・シスがヘッドで先制点を挙げると、いえまあ、12分にはチャバリアがテナグリアをエリア内で倒して、PKを献上しちゃったんですけどね。
幸いキッカーのジョルダンが、「solo él puede explicar qué se le ha cruzado por la cabeza para ejecutar de esa manera/ソロ・エル・プエデ・エクスピリカール・ケ・セ・レ・ア・クルサードー・ポル・ラ・カベッサ・パラ・エヘクタル・デ・エサ・マネラ(あの方法で蹴るのに何が頭をよぎったかを説明できるのは彼だけ)」(コウデ監督)という、パネンカ風PKにトライ。動かなかったGKバタジャが簡単にキャッチして、同点を避けられたのが明暗を分けましたかね。後半13分にもパブロ・ディアスの3試合連続ゴールでスコアを0-2にしたラージョはそのまま勝利し、ようやくここ5試合白星なしの足踏みから抜け出すことに。
その上、これで勝ち点が残留セーフゾーンの40に到達し、順位もコンフェレンスリーグ出場圏の7位に上昇。同時にレガネスと同じ勝ち点で降格圏外17位にいるアラベスに勝ち点を与えなかったことで、弟分仲間を援護射撃することもできたんですが、ラージョには今週末金曜、エスタディオ・バジェカスでのエスパニョール戦でも情けない兄貴分に代わって、16位の相手を降格圏から遠ざけないようにする任務が到来。イニゴ・ペレス監督もヨーロッパの大会参加に前向きなため、残り9試合もきっと、張り切ってくれるんじゃないでしょうか。
そして土曜の夜は、その自助努力も必要なレガネスとの兄弟分ダービーのため、ベルナベウを3週間ぶりに訪れた私だったんですが、何せ3月の各国代表戦週間に大量16人もの選手を派遣していたマドリーですからね。南米組のビニシウス、ロドリゴ、バルベルデらを控えスタートにしたものの、ヨーロッパ組まで休ませる訳にはいかず、日曜にネーションズリーグ準々決勝2ndレグで120分の死闘を演じたエムバペ、カマビンガ(フランス)、モドリッチ(クロアチア)、加えて、リュディガー(ドイツ)、ギュレル(トルコ)、ベリンガム(イングランド)らもスタメンに入ることに。
更にネーションズリーグのグループ入れ替えプレーオフで対戦し、2ndレグを不具合でお休みしたクルトワ(ベルギー)がおらず、ルニン(ウクライナ)がゴールを守っていたんですが、まさかこの日は審判がマドリーの最大の味方になるとは!そう、まずは前半30分、今季バルサにモンジュイックで、アトレティコにはブタルケで勝利したのと同じ作戦で堅く守っていたレガネスだったんですが、オスカル・ロドリゲスがギュレルをエリア内で倒したとして、PKを献上。実際はギュレルのpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)が疑われる怪しい判定ではあったんですが、まだこの時は運が悪かったぐらいの気持だったレガネスファンも多かったかと。
というのも、そのPKをエムバペが決めた後、即座にボルハ・ヒメネス監督のチームはカウンター攻撃を発動。34分には右SBのロジエが上がり、エリア内右からゴール前にラストパスを送ったところ、オスカルは撃てなかったものの、その先の左側にいたディエゴ・ガルシアが同点ゴールを決めてくれたんですよ。それだけではなく、41分にもロジエからオスカルがもらうと、1度はアセンシオの体に当たりながら、戻って来たボールをゴール左前のラバに折り返しパス。こちらもしっかり撃ちこんで、とうとう1-2と逆転してしまったから、ビックリしたの何のって。
とはいえ、そこは天下のマドリー、リードされて始まった後半2分にはもう、ベリンガムが同点にしているんですから、さすがです。それも最初はエリア内左の角から撃ったシュートをGKドミトロビッチに弾かれながら、続いてブライムのシュートもゴールライン上のタピアの体に弾かれたものの、ボールがゴールバーに当たって落ちてきたところに真っ先に駆けつける俊敏さを見せてのゴールでしたからね。2-2になったのにはまったく文句はつけられないんですが、そのほんの2分後、当人が同じダッシュ力でディエゴ・ガルシアに追いすがり、ルニンと1対1のシュート直前だった彼を倒してもペナルティにならないなんて、あっていい?
うーん、何せ勝ち点1でもあれば、アラベスを超えて降格圏を脱出できるレガネスでしたからね。そのまま引分けられれば良かったんですが、29分には再び、主審がロドリゴからボールを綺麗にタックルで奪ったタピアのプレーをファールとして、エリアすぐ前からのFKをマドリーにプレゼントされてはねえ。もちろん、間接FKでフラン・ガルシアが一旦、止めた後、エムバペが蹴った時、レガネスの壁が割れて隙間ができたのもツイていなかったんですが、それがゴールに入ったため、とうとうマドリーは3-2のremontada(レモンターダ/逆転劇)を達成することに。
結局、試合はそのまま終わったため、これで3連敗となったボルハ・ヒメネス監督もかなりおかんむりでねえ。「ジャッジミスに対して他のクラブもやっているように、上層部が声を上げることを期待している」と言っていたんですが、どうやら、レガネスはその方向には動かないよう。というのも2019-20シーズンに審判テクニカル委員会に正式に苦情を申し立てたところ、以降はより冷遇されるように。あまつさえ、マドリーとの最終戦ではヨビッチ(現ミラン)のエリア内ハンドがVAR(ビデオ審判)によりペナルティと認められず、2-2の引き分けに終わって、2部降格した歴史があるからだとか。
自前のTV局で毎回、ジャッジミスを数え上げたり、2月のエスパニョール戦でエムバペに後ろからタックルを見舞ったロメロが退場にならず、そのゴールで負けた後など、4ページに渡るスペイン審判界腐敗批判の文書を送り付けた兄貴分に比べると、はなはだ消極的に見えますが、小さなクラブではできることに限りがあるのは当たり前ですしね。早いところ、気を取り直して、レガネスの残留争いの主戦場、来週月曜のブタルケでのオサスナ戦に備えるしかありません。
そしてマドリーがコパ2ndレグの準備を相変わらず、クルトワ抜きで、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で始めた日曜、またしても午後2時試合に当たったのがレガネスのお隣さんヘタフェで、コリセウムでのビジャレアル戦に挑むことに。それが、あの3週間以上続いた雨季が嘘のように、このところのマドリッドには青空が戻って来ていてねえ。気温も上がって、いかにも春らしくなってきたんですが、残念ながら、ボルダラス監督のチームがラージョのように春を迎えるのはもう少し、待たないといけないよう。
だってえ、前半15分ぐらいまでは珍しく、ボールを握って攻めていたヘタフェだったにも関わらず、いきなりブキャナンのアシストでアジョセに先制ゴールを喰らっているんですよお。それはまだ29分に敵エリア付近でボールを奪い、カルレス・ペレスが同点弾を挙げ、何とかなったんですが、以降はマルセリーノ監督のチームが本領を発揮することに。33分にはアジョセのクロスでエリア内に入ったバリーに見事なボレーシュートで勝ち越し点を奪われているようでは、先が思いやられるってもんですって。
実際、その後もハーフタイムまでにバリーに守備陣の背後を取られ、2度もシュートを決められていたヘタフェだったんですが、かろうじて相手のファールとハンドで命拾いしていましたからね。前半が1-2で終わり、後半はマジョラルやベルナトを投入したものの、この各国代表戦週間に8連休を取った選手たちが目覚めることはなし。最後はペドロサのゴールもオフサイドでスコアには上がらなかったものの、そのまま1点差で負けてしまいましたっけ。
まあ、それでも彼らは勝ち点36と目標の40に近づいていますし、12位で降格圏とは9差ありますからね。おまけに週末は日曜にダントツ最下位のバジャドリー戦とあって、ボルダラス監督も「La palabra Europa no puede entrar en la mente del Getafe, tenemos que pelear por la salvación/ラ・パラブラ・エウロッパ・ノー・プエデ・エントラル・エン・ラ・メンテ・デル・ヘタフェ、テネモス・ケ・ペレアル・ポル・ラ・サルバシオン(ヘタフェのメンタルにヨーロッパの言葉は入らない。ウチは残留を争わないといけないのだから)」と言っていた通り、選手たちが気を散らさず、頑張ってくれれば、それ程、問題はないはずですが、さて。ただあまり早く目標達成すると、シーズン終了まで消化試合が続くことになるのはちょっと、ファンとして嫌かもしれません。
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ブラジル代表のドリヴァウ・ジュニオール監督が、レアル・マドリーのFWエンドリッキの状況について語った。『ESPN』が伝えた。 20日に行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)南米予選の第13節では、コロンビア代表を2-1で下したブラジル。5位から2位に順位を上げたなか、25日の第14節では宿敵アルゼンチン代表との一戦に臨む。 そんなか、マドリーでなかなかプレータイムを伸ばせていないエンドリッキは、FWネイマール(サントス)らの辞退を受けて追加招集。コロンビア戦は出番が訪れなかった。 元ブラジル代表FWロマーリオ氏とのインタビューでは、「ワールドカップに出場できないのはとても怖いよ。そういう不安がある」とコメントした18歳。ドリヴァウ監督はアルゼンチン戦に向けた記者会見で、マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督とエンドリッキについて話し合ったことを明かしている。 「選手を招集した時にこう言った。突然、ある選手がチームでそれほど多くプレーしなくなった。第二に、エンドリッキには大きな注意が払われている。この前の(ヨーロッパへの)遠征では、アンチェロッティと2時間半ほど話した。多くの話題があったが、何よりも話したのはエンドリッキが経験している今の状況についてだ」 「彼は1年前に比べて大きく成長した。パウメイラスでは非常によくやっていたし、成果も出した。そしてエンドリッキははるかに成熟している。自然なことだ。ヨーロッパで1年過ごし、こういったことが起きたのだと思う。もし残っていたら、もう少し違った形で成長していただろう」 また、「エンドリッキはどのトレーニングでも目を引いている。あとは時間の問題だ」とも述べた指揮官。高く評価しているものの、「ボールをもっと保持する必要がある」とチームスタイルの問題にも触れた。 「よりバランスが取れて、規則正しくなれば、エンドリッキの持つクオリティをより引き出すことができるだろう」 2025.03.25 19:14 Tue4
アレクサンダー=アーノルドのレアル・マドリーへの今夏フリー加入、契約交渉は最終段階へ
リバプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルド(26)が今夏、レアル・マドリーへフリーで加入する契約交渉の最終段階に入っているようだ。移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏や、イギリス『BBC』、『スカイ・スポーツ』など複数メディアが報じている。 今季終了後にリバプールとの契約が満了するアレクサンダー=アーノルドには今冬の移籍市場でもマドリーが獲得に乗り出していたが、プレミアリーグ優勝を見据えるリバプールは2500万ユーロと報じられた移籍金を断り、残留させていた。 なお、年俸1500万ユーロ(約24億円)の5年契約を締結するとのこと。 リバプールの下部組織出身であるアレクサンダー=アーノルドはこれまで公式戦349試合に出場。22ゴール87アシストを記録し、2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ優勝、2019-20シーズンのプレミアリーグ優勝に貢献。今季はプレミアリーグ28試合2ゴール6アシストを記録し、5季ぶりの優勝へ邁進するチームを牽引している。 2025.03.26 07:30 Wed5