今は嵐の前の静けさだけど…/原ゆみこのマドリッド
2025.02.15 00:30 Sat
「これじゃバルサ祭りだわ」そんな風に私が嘆いていたのは木曜日、前日にコパ・デル・レイ準決勝のカードが決まったため、アトレティコの先の予定を見ていた時のことでした。いやあ、リーガ前節でも引き分けたばかりだった、ファンの心臓に悪いマドリーダービー祭りこそ、お隣さんの相手がレアル・ソシエダに決まって避けられたんですけどね。バルサvsアトレティコ戦1stレグは2月25日、2ndレグは4月2日と離れているものの、シメオネ監督のチームは3月16日の週末にもリーガで彼らをメトロポリターノに迎えるって、3月は各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)もあることを考えると、ほぼ隔週でバルサ戦がある?
いえ、昨年の12月にはモンジュックでセルロートが後半ロスタイム6分に勝ち越しゴールを挙げ、1-2の土壇場逆転勝ちをしたのはまだ、記憶に新しいんですけどね。といっても、シメオネ監督がバルサとのアウェイゲームで白星を挙げたのは就任以来、それが初めてで、準決勝1stレグでリピートできるかどうかは怪しいところ。救いは2ndレグをメトロポリターノでプレーできることですが、え?コパの狭間に当たる3月4、5日と11、12日に開催されるCL16強対決がマドリーダービーになる可能性も今では一層、大きくなったんじゃないかって?
まさにその通りで、そうなると2月末から4月の頭まで、アトレティコは延々と強敵と戦い続けることになりますからね。この2週間こそ、レアル・マドリーがCL16強対決を懸けたプレーオフでマンチェスター・シティと死闘を繰り広げているのを高見の見物で済んでいる彼らですが、もしかしたら、その先が恐ろしくハードになりそうなのはかなり、怖いですよね。
まあ、そんなことはともかく、そのCL16強マドリーダービー実現に向けて、お隣さんが一歩前進した火曜の試合がどんなだったか、お話ししていくことにすると。昨今、毎年のようにマンチェスター・シティと対戦していたマドリーだったんですが、Decimoquinta(デシモキンタ/15回目のCL優勝のこと)を達成した昨季は準々決勝2ndレグをPK戦で制して突破。とはいえ、エティハド・スタジアムでは未だに普通に勝ったことがなかったため、ええ、しかも現在、負傷者多発でDF4人のラインがかつて誰も想像したことのないメンバーになっていましたからね。
この日は先日のマドリーダービーで右SBを務めたルーカス・バスケスもハムストリングのケガでおらず、MFのバルベルデが代行。CBコンビはカンテラーノのアセンシオと本職ボランチのチュアメニ、左SBのメンディだけがDFのレギュラーという、「Los cuatro de atrás nunca habían jugado juntos, y nunca ni siquiera habían entrenado juntos/ロス・クアトロ・デ・アトラス・ヌンカ・アビアン・フガードー・フントス、イ・ヌンカ・ニ・シキエラ・アビアン・エントレナードー・フントス(後ろの4人は一度も一緒にプレーしたことがない。練習すらしことがなかった)」(アンチェロッティ監督)という急造カルテットだったため、マドリーファンは心配していたかもしれないんですが、これが意外と大丈夫だったんです。
それが、正確にはわからなくても、挑発されたと感じた当人が序盤からハッスルし、エリア内に突っ込んで、GKエデルソンに倒されながら、オフサイドでPKを取ってもらないなんてことがあった後、19分にはハーランドに先制点を奪われてしまったから、さあ大変!そう、この時はグリーリッシュが入れた浮き球をグヴァルディオルが胸で落とし、そのボールをハーランドが近距離シュートで決めたんですが、とにかくVAR(ビデオ審判)によるオフサイドチェックが長くってねえ。その間、試合開始の45分前に入って、かろうじてカウンターの席を私が確保できた近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で観戦するファンもジリジリしながら待っていたんですが、結果は凶と出ることに。
ただ、シティもあまり運に恵まれておらず、30分にはグリーリッシュが負傷して、早々とフォーデンと交代したんですけどね。とにかく撃つには撃っていたマドリーながら、ビニシウスのシュートがゴールバーに当たってしまったりと、前半のうちには追いつくことができず。挙句の果てには、クルトワがparadon(パラドン/スーパーセーブ)でフォーデンを止めるなんてこともあったため、ハーフタイムにはアンチェロッティ監督がスタメンの選手たち、とりわけ守備に協力的でなかった前線の4人を、「Si en cinco minutos, no hacéis lo que se dice, llegarán los cambios/シー・エン・シンコ・ミヌートス、ノー・アセイス・ロ・ケ・セ・ディセ、ジェガラン・ロス・カンビオス(5分以内に言われたことができてなかったら、交代だ)」と脅したところ…。
その効果があったんでしょうかね。後半頭にもアカンジがルイスと代わったシティは再開早々、ハーランドがシュートをゴールバーに当てて、ヒヤリとさせられたりしたものの、15分には待望の同点ゴールが入ったんですよ。そう、FKが敵の壁に当たって戻って来たのをセバージョスがエリア内に送り、エムバペがアクロバティックなtigera(ティヘラ/シザースシュート)で決めたんですが、いやあ、彼、あんな特異な体勢からゴールが入れられるのに、普通のシュートをよく外しているのは一体、何故?
これで1-1となり、まあ、引分けならば、来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでどうにでもなると思ったんですが、うーん、もしかしてUEFAのVARはリーガより厳しいんでしょうか。何と32分、先日はマドリーダービーでバリオスの足首を踏みながら、レッドカードを免れたセバージョスがフォーデンをエリアのライン上で倒し、ペナルティを取られてしまうとは!当然ながら、ハーランドがしっかりゴールに変え、2-1で再びリードされてるって、困ったもんじゃないですか。
え、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)が売りのマドリーなんだから、そのまま負けたって、2ndレグで引っくり返すのに全然、問題ないんじゃないかって?まあ、そうですが、今季はシティ自体が負の連鎖に陥っているようでねえ。あとでグァルディオラ監督も「Tras el 2-1, pasó lo que ha pasado muchas veces esta temporada. Lo regalamos/トラス・エル・ドス・ウノ、パソ・ロ・ケ・ア・パサードー・ムーチャス・ベセス・エスタ・テンポラーダ。ロ・レガラモス(2-1になった後、今季何度も起こっていることが起きた。ウチがプレゼントしてしまった)」と言っていたんですが、だからって、その逆転ドラマを最後の最後まで取っておく辺りはいかにもマドリーらしかったかと。
そう、PKが決まった直後にセバージョスはモドリッチと交代となり、更にはロドリゴがブライムと代わっても、しばし変化は見られなかったんですけどね。いよいよ残り5分を切った41分、ビニシウスのシュートはエデルソンに弾かれたものの、こぼれたボールをブライムが撃ち込んで、マドリーは同点をゲット。ロスタイムに入ると、ええ、アンチェロッティ監督もイーブンで2ndレグを始められれば、満足だったんでしょう。エムバペをフラン・ガルシアにして、守備固めに入ったんですが、まさにその1分後のことでした。マドリーのレモンターダが完成したのは。
いえ、敵陣でボールを奪ったビニシウスが、エデルソンが飛び出してくる前で放ったvaselina(バセリーナ/ループシュート)は枠を外れていたんですけどね。そこにベリンガムが脱兎のように駆けつけ、コースを変えてゴールに入れてしまったから、ビックリしたの何のって。だってえ、90分プレーした後であのダッシュ力ですよ。やっぱり一流選手は体力も込みで一流なんだと再確認させられた私でしたが、もちろん、このゴールに店内のファンたちが狂喜乱舞していたのは言うまでもありませんって。
ちなみに2-3で勝った後のアンチェロッティ監督は、今更ながら土壇場のゴール力には驚いてはいなかったものの、「No pensaba que en este momento el equipo pudiese tener un sacrificio así/ノー・ペンサバ・ケ・エン・エステ・モメントー・エル・エキポ・プディエセ・テネール・ウン・サクリフィシオ・アシー(この瞬間にチームにあんな献身的なプレーができるとは思わなかった)」と、後半は選手たちが真剣に守っていたことを評価。要はビニシウス、エムバペ、ロドリゴ、ベリンガムがいれば、ほっといても点は入るため、失点を防ぐ方が大事ってことでしょうが、となると、来週の2ndレグにリュディガーとアラバが戻って来られそうなのは大きいかと。
ただ、その前、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、エル・サダルでプレーするオサスナ戦はわからないんですけどね。辛いのは今、リーガの方もマドリーは首位とはいえ、2位のアトレティコ、3位のバルサが勝ち点1差で続いているため、まったく気が抜けないことで、何せ、ライバル2チームはCL16強対決に直接進出。今週来週はミッドウィークフリーと、体力十分で週末の試合に挑めるため、マドリーも躓いてはいられないんですよ。
そうそう、今節はマドリーを援護射撃できるかもしれない弟分がいて、それは月曜午後9時(日本時間翌午前5時)にモンジュイックに乗り込むラージョ。いやまあ、このところ、コパ準々決勝でバレンシアに0-5、前節もセビージャに1-4とまたgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)基調に戻ってしまったバルサだけに、ここ9試合連続無敗とクラブ最長記録を打ち立てているイニゴ・ペレス監督のチームでも難しいかもしれないんですけどね。その上、メンタル系の疾患で2カ月半程、休んでいたRdT(ラウール・デ・トマス)が練習再開したという知らせはあったものの、実戦復帰はまだ先のことですし、前節のバジャドリー戦ではカメージョが中足骨を骨折。
丁度、オサスナのブライアン・サラゴサが同じケガを12月にして、復帰したのが最近ですから、カメージョも同じく、回復には2カ月ぐらいかかりそうですが、せめてもの慰みは出場停止だったエヌテカが戻って来ること。ええ、彼と前節に決勝ゴールを挙げたアルバロ・ガルシアは今週、どちらも2026年までの契約延長をして、きっと張り切っているはずですからね。最近、来季のコンフェレンスリーグ出場圏の6位に定着したラージョは後続と勝ち点4差ありますし、バルサに勝てなくても、せめて引き分けてくれれば、喜ぶのはもう1つの兄貴分も一緒かと。
そのアトレティコは日月火と3連休を取って、グリーズマンとコケがスーパーボウルを見にアメリカまで行ったり、フリアン・アルバレスは彼女とベネチアでロマンチックな休日を過ごすなど、皆、しっかりリフレッシュができたようですが、まあ土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのセルタ戦はメトロポリターノ開催ですからね。今度はダービーで出場停止だったル・ノルマンも戻り、お隣さんと対照的にケガ人がまったくいない彼らですし、ホームのファンの前でまた強いところを見せてくれるかと思いますが、こればっかりはねえ。
一方、一部残留の戦いをしている弟分たちでは、ヘタフェが金曜試合でジローナと対戦。前節、アラベスに勝って、降格圏との差を勝ち点5に広げたボルダラス監督のチームですが、実は彼ら、今年になってからのリーガのアウェイ戦で3連勝中なんですよ。ホームでは引き分けて、5試合無敗と好調なんですが、何せ、相手のジローナもCLに敗退して、今週は休養十分ですからね。ルイス・ミジャ以外、負傷者がおらず、ベルナト(ビジャレアルと契約解消)、テラツ(ビジャレアルからレンタル)、ファンミ(ベティスからレンタル)も加わって、選手層がやや厚くなった効用をモンテリビでも見せられるといいのですが。
そしてそのお隣さんのレガネスは土曜にブタルケでアラベス戦なんですが、こちらは先日、コパ準々決勝で兄貴分のマドリーに土壇場敗退した後、前節のバレンシア戦でも負けて、少々ショックが尾を引いている感も。おまけにその試合では入団したてだったバリシッチ(トラブゾンスポルからレンタル)がデビュー早々、ヒザの靭帯を断裂し、今季絶望になるという悲劇も発生。今は降格圏から1つ上の17位とはいえ、18位のバレンシア、19位のアラベスとこちらも勝ち点1ずつ差という、かなり切羽詰まった状態ですしね。そんな時こそ、初心に帰って、12月からバルサ、アトレティコ、アスレティックを零封した鉄壁の守備力を取り戻し、勝利に繋げてもらえたらと思いますが、果たしてどうなるんでしょうね。
いえ、昨年の12月にはモンジュックでセルロートが後半ロスタイム6分に勝ち越しゴールを挙げ、1-2の土壇場逆転勝ちをしたのはまだ、記憶に新しいんですけどね。といっても、シメオネ監督がバルサとのアウェイゲームで白星を挙げたのは就任以来、それが初めてで、準決勝1stレグでリピートできるかどうかは怪しいところ。救いは2ndレグをメトロポリターノでプレーできることですが、え?コパの狭間に当たる3月4、5日と11、12日に開催されるCL16強対決がマドリーダービーになる可能性も今では一層、大きくなったんじゃないかって?
まさにその通りで、そうなると2月末から4月の頭まで、アトレティコは延々と強敵と戦い続けることになりますからね。この2週間こそ、レアル・マドリーがCL16強対決を懸けたプレーオフでマンチェスター・シティと死闘を繰り広げているのを高見の見物で済んでいる彼らですが、もしかしたら、その先が恐ろしくハードになりそうなのはかなり、怖いですよね。
この日は先日のマドリーダービーで右SBを務めたルーカス・バスケスもハムストリングのケガでおらず、MFのバルベルデが代行。CBコンビはカンテラーノのアセンシオと本職ボランチのチュアメニ、左SBのメンディだけがDFのレギュラーという、「Los cuatro de atrás nunca habían jugado juntos, y nunca ni siquiera habían entrenado juntos/ロス・クアトロ・デ・アトラス・ヌンカ・アビアン・フガードー・フントス、イ・ヌンカ・ニ・シキエラ・アビアン・エントレナードー・フントス(後ろの4人は一度も一緒にプレーしたことがない。練習すらしことがなかった)」(アンチェロッティ監督)という急造カルテットだったため、マドリーファンは心配していたかもしれないんですが、これが意外と大丈夫だったんです。
いえまあ、キックオフ前にCLアンセムが鳴る時には、シティの応援団がバロンドールをもらうロドリゴの写真に「Stop Crying Your Heart Out/心から泣くのは止めて」という、オアシスの歌のタイトルを添えた大幕を用意。GKクルトワなど、「ボクは見たけど、no sé si Vini entiende bien el inglés para saber lo que era/ノー・セ・シ・ビニ・エンティエンデ・ビエン・エル・イングレス・パラ・サベール・ロ・ケ・エラ(何のことかわかるぐらい、ビニが英語をよく理解しているかは知らないよ)」なんて、失礼なことを言っていたんですけどね。
それが、正確にはわからなくても、挑発されたと感じた当人が序盤からハッスルし、エリア内に突っ込んで、GKエデルソンに倒されながら、オフサイドでPKを取ってもらないなんてことがあった後、19分にはハーランドに先制点を奪われてしまったから、さあ大変!そう、この時はグリーリッシュが入れた浮き球をグヴァルディオルが胸で落とし、そのボールをハーランドが近距離シュートで決めたんですが、とにかくVAR(ビデオ審判)によるオフサイドチェックが長くってねえ。その間、試合開始の45分前に入って、かろうじてカウンターの席を私が確保できた近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で観戦するファンもジリジリしながら待っていたんですが、結果は凶と出ることに。
ただ、シティもあまり運に恵まれておらず、30分にはグリーリッシュが負傷して、早々とフォーデンと交代したんですけどね。とにかく撃つには撃っていたマドリーながら、ビニシウスのシュートがゴールバーに当たってしまったりと、前半のうちには追いつくことができず。挙句の果てには、クルトワがparadon(パラドン/スーパーセーブ)でフォーデンを止めるなんてこともあったため、ハーフタイムにはアンチェロッティ監督がスタメンの選手たち、とりわけ守備に協力的でなかった前線の4人を、「Si en cinco minutos, no hacéis lo que se dice, llegarán los cambios/シー・エン・シンコ・ミヌートス、ノー・アセイス・ロ・ケ・セ・ディセ、ジェガラン・ロス・カンビオス(5分以内に言われたことができてなかったら、交代だ)」と脅したところ…。
その効果があったんでしょうかね。後半頭にもアカンジがルイスと代わったシティは再開早々、ハーランドがシュートをゴールバーに当てて、ヒヤリとさせられたりしたものの、15分には待望の同点ゴールが入ったんですよ。そう、FKが敵の壁に当たって戻って来たのをセバージョスがエリア内に送り、エムバペがアクロバティックなtigera(ティヘラ/シザースシュート)で決めたんですが、いやあ、彼、あんな特異な体勢からゴールが入れられるのに、普通のシュートをよく外しているのは一体、何故?
これで1-1となり、まあ、引分けならば、来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでどうにでもなると思ったんですが、うーん、もしかしてUEFAのVARはリーガより厳しいんでしょうか。何と32分、先日はマドリーダービーでバリオスの足首を踏みながら、レッドカードを免れたセバージョスがフォーデンをエリアのライン上で倒し、ペナルティを取られてしまうとは!当然ながら、ハーランドがしっかりゴールに変え、2-1で再びリードされてるって、困ったもんじゃないですか。
え、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)が売りのマドリーなんだから、そのまま負けたって、2ndレグで引っくり返すのに全然、問題ないんじゃないかって?まあ、そうですが、今季はシティ自体が負の連鎖に陥っているようでねえ。あとでグァルディオラ監督も「Tras el 2-1, pasó lo que ha pasado muchas veces esta temporada. Lo regalamos/トラス・エル・ドス・ウノ、パソ・ロ・ケ・ア・パサードー・ムーチャス・ベセス・エスタ・テンポラーダ。ロ・レガラモス(2-1になった後、今季何度も起こっていることが起きた。ウチがプレゼントしてしまった)」と言っていたんですが、だからって、その逆転ドラマを最後の最後まで取っておく辺りはいかにもマドリーらしかったかと。
そう、PKが決まった直後にセバージョスはモドリッチと交代となり、更にはロドリゴがブライムと代わっても、しばし変化は見られなかったんですけどね。いよいよ残り5分を切った41分、ビニシウスのシュートはエデルソンに弾かれたものの、こぼれたボールをブライムが撃ち込んで、マドリーは同点をゲット。ロスタイムに入ると、ええ、アンチェロッティ監督もイーブンで2ndレグを始められれば、満足だったんでしょう。エムバペをフラン・ガルシアにして、守備固めに入ったんですが、まさにその1分後のことでした。マドリーのレモンターダが完成したのは。
いえ、敵陣でボールを奪ったビニシウスが、エデルソンが飛び出してくる前で放ったvaselina(バセリーナ/ループシュート)は枠を外れていたんですけどね。そこにベリンガムが脱兎のように駆けつけ、コースを変えてゴールに入れてしまったから、ビックリしたの何のって。だってえ、90分プレーした後であのダッシュ力ですよ。やっぱり一流選手は体力も込みで一流なんだと再確認させられた私でしたが、もちろん、このゴールに店内のファンたちが狂喜乱舞していたのは言うまでもありませんって。
ちなみに2-3で勝った後のアンチェロッティ監督は、今更ながら土壇場のゴール力には驚いてはいなかったものの、「No pensaba que en este momento el equipo pudiese tener un sacrificio así/ノー・ペンサバ・ケ・エン・エステ・モメントー・エル・エキポ・プディエセ・テネール・ウン・サクリフィシオ・アシー(この瞬間にチームにあんな献身的なプレーができるとは思わなかった)」と、後半は選手たちが真剣に守っていたことを評価。要はビニシウス、エムバペ、ロドリゴ、ベリンガムがいれば、ほっといても点は入るため、失点を防ぐ方が大事ってことでしょうが、となると、来週の2ndレグにリュディガーとアラバが戻って来られそうなのは大きいかと。
ただ、その前、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、エル・サダルでプレーするオサスナ戦はわからないんですけどね。辛いのは今、リーガの方もマドリーは首位とはいえ、2位のアトレティコ、3位のバルサが勝ち点1差で続いているため、まったく気が抜けないことで、何せ、ライバル2チームはCL16強対決に直接進出。今週来週はミッドウィークフリーと、体力十分で週末の試合に挑めるため、マドリーも躓いてはいられないんですよ。
そうそう、今節はマドリーを援護射撃できるかもしれない弟分がいて、それは月曜午後9時(日本時間翌午前5時)にモンジュイックに乗り込むラージョ。いやまあ、このところ、コパ準々決勝でバレンシアに0-5、前節もセビージャに1-4とまたgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)基調に戻ってしまったバルサだけに、ここ9試合連続無敗とクラブ最長記録を打ち立てているイニゴ・ペレス監督のチームでも難しいかもしれないんですけどね。その上、メンタル系の疾患で2カ月半程、休んでいたRdT(ラウール・デ・トマス)が練習再開したという知らせはあったものの、実戦復帰はまだ先のことですし、前節のバジャドリー戦ではカメージョが中足骨を骨折。
丁度、オサスナのブライアン・サラゴサが同じケガを12月にして、復帰したのが最近ですから、カメージョも同じく、回復には2カ月ぐらいかかりそうですが、せめてもの慰みは出場停止だったエヌテカが戻って来ること。ええ、彼と前節に決勝ゴールを挙げたアルバロ・ガルシアは今週、どちらも2026年までの契約延長をして、きっと張り切っているはずですからね。最近、来季のコンフェレンスリーグ出場圏の6位に定着したラージョは後続と勝ち点4差ありますし、バルサに勝てなくても、せめて引き分けてくれれば、喜ぶのはもう1つの兄貴分も一緒かと。
そのアトレティコは日月火と3連休を取って、グリーズマンとコケがスーパーボウルを見にアメリカまで行ったり、フリアン・アルバレスは彼女とベネチアでロマンチックな休日を過ごすなど、皆、しっかりリフレッシュができたようですが、まあ土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのセルタ戦はメトロポリターノ開催ですからね。今度はダービーで出場停止だったル・ノルマンも戻り、お隣さんと対照的にケガ人がまったくいない彼らですし、ホームのファンの前でまた強いところを見せてくれるかと思いますが、こればっかりはねえ。
一方、一部残留の戦いをしている弟分たちでは、ヘタフェが金曜試合でジローナと対戦。前節、アラベスに勝って、降格圏との差を勝ち点5に広げたボルダラス監督のチームですが、実は彼ら、今年になってからのリーガのアウェイ戦で3連勝中なんですよ。ホームでは引き分けて、5試合無敗と好調なんですが、何せ、相手のジローナもCLに敗退して、今週は休養十分ですからね。ルイス・ミジャ以外、負傷者がおらず、ベルナト(ビジャレアルと契約解消)、テラツ(ビジャレアルからレンタル)、ファンミ(ベティスからレンタル)も加わって、選手層がやや厚くなった効用をモンテリビでも見せられるといいのですが。
そしてそのお隣さんのレガネスは土曜にブタルケでアラベス戦なんですが、こちらは先日、コパ準々決勝で兄貴分のマドリーに土壇場敗退した後、前節のバレンシア戦でも負けて、少々ショックが尾を引いている感も。おまけにその試合では入団したてだったバリシッチ(トラブゾンスポルからレンタル)がデビュー早々、ヒザの靭帯を断裂し、今季絶望になるという悲劇も発生。今は降格圏から1つ上の17位とはいえ、18位のバレンシア、19位のアラベスとこちらも勝ち点1ずつ差という、かなり切羽詰まった状態ですしね。そんな時こそ、初心に帰って、12月からバルサ、アトレティコ、アスレティックを零封した鉄壁の守備力を取り戻し、勝利に繋げてもらえたらと思いますが、果たしてどうなるんでしょうね。
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IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が、21世紀で最もプレーした選手のランキングを発表。トップ10には日本人選手もランクインした。 様々な統計を行うIFFHS。2022年までのデータを集計し、21世紀に入ってからのプレーした試合数をもとにランキングを作成した。 対象となるのは、各国のリーグ戦やカップ戦、国際カップ戦、代表チームの試合も含まれ、全ての公式戦が対象になっている。 今回の統計では1000試合以上プレーした選手が3人に増加。首位は昨年と変わらず、サウジアラビアへ活躍の場を移したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)となり、1145試合を記録した。 2022年に1000試合を突破したのは、ブラジル代表DFダニエウ・アウベス(UNAMプーマス)とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。アウベスは1033試合、メッシは1003試合となった。メッシはカタール・ワールドカップ(W杯)での試合で1000試合を超えたことになる。 そんな中、8位には日本人がランクイン。941試合に出場したMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)だ。遠藤はガンバ大阪と磐田、そして日本代表での試合が21世紀に含まれている。なお、アジア人でも唯一となり、900試合以上を達成しているのも12名となっている。 ◆21世紀の出場試合数ランキング 合計(国内リーグ/国内カップ/国際カップ/代表) 1位:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 1145試合(651/93/205/196) 2位:ダニエウ・アウベス(ブラジル) 1033試合(620/115/172/126) 3位:リオネル・メッシ(アルゼンチン) 1003試合(559/102/170/172) 4位:イケル・カシージャス(スペイン) 974試合(585/57/171/161) 5位:ジョアン・モウティーニョ(ポルトガル) 958試合(563/107/142/146) 6位:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン) 948試合(603/72/152/121) 7位:ルカ・モドリッチ(クロアチア) 947試合(569/69/146/162) 8位:遠藤保仁(日本) 941試合(606/117/66/152) 9位:チャビ・エルナンデス(スペイン) 937試合(536/95/174/132) 10位:セルヒオ・ラモス(スペイン) 935試合(534/70/151/180) 11位:アンドレス・イニエスタ(スペイン) 933試合(552/98/152/131) 12位:ロジェリオ・セニ(ブラジル) 904試合(675/71/149/9) 2023.01.12 12:45 Thu3
リオ州政府が“ヴィニ・ジュニオール法”を制定…マドリーFWにちなんだ反人種差別法
ブラジルのリオデジャネイロ州政府が、“ヴィニ・ジュニオール法”と呼ばれる反人種差別法を制定した。『ロイター通信』が伝えている。 5日に発表された同法は、レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールにちなんだ反人種差別法で、人種差別行為があった場合にスポーツイベントの中断あるいは中止を決定できる趣旨の法律だ。 ヴィニシウスは、今年5月に行われたラ・リーガでのバレンシア戦で一部のホームサポーターから人種的虐待を受けた。ラ・リーガが同シーズンに検察に報告した同様の事件は10件目となった。 リオデジャネイロの地元メディアによると、この法律はバレンシアのメスタージャで起きた、前述の事件に対するヴィニシウスの対応に触発されたものだという。 リオデジャネイロ州政府が6月に全会一致で承認した“ヴィニ・ジュニオール法”には、人種差別の苦情処理や教育キャンペーンの義務化に関する議定書も含まれている。 リオデジャネイロのスポーツ長官を務めるラファエル・ピッチャーニ氏は、「リオデジャネイロで生まれ育ったブラジルフットボール界のアイドル」に敬意を表するのは光栄だとコメント。 「ヴィニシウスはフットボーラーとしてのここまでのキャリアのすべての功績に加えて、人種差別との戦いの象徴にもなった」 2023.07.06 15:38 Thu4
エジル氏の答えは「アルダ・ギュレル」、メッシorロナウドの質問に縁ある19歳推す
元ドイツ代表MFメスト・エジル氏は、やはりレアル・マドリーのトルコ代表MFアルダ・ギュレルがお気に入りのようだ。 かつてマドリーやアーセナルといったビッグクラブで活躍し、2023年3月にイスタンブール・バシャクシェヒルで現役を退いたエジル氏。最近では引退後の肉体改造も話題を呼んだ。 そんななか、エジル氏は出席したイベントで「メッシorロナウド?」というサッカー界でお馴染みの質問を受けることに。笑いながら「アルダ・ギュレル」と答え、場内を沸かせた。 自身と同じレフティの天才肌とはフェネルバフチェ時代に共闘。16歳の若さでファーストチームデビューを飾った神童に対し、移籍のタイミングに関するアドバイスを送ったという報道もあった。 エジル氏にとってはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドも元同僚だが、今回は自らのルーツでもあるトルコの期待の星を選択。自身と同様にマドリーでプレーするなど、縁の深い19歳を気にかけている。 <span class="paragraph-title">【動画】会場が沸く! エジル氏の回答</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="mmx__lcXPtA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.10.17 17:20 Thu5
