ローテしても勝てるのは凄いけど…/原ゆみこのマドリッド
2025.02.08 19:00 Sat
「だからって、トップチームに行ける訳じゃないのよね」そんな風に私が達観していたのは木曜日、前日夜のブタルケで英雄になったレアル・マドリーのカンテラーノ(下部組織の選手)、ゴンサロが誰かに似ていることに気がついた時のことでした。いやあ、コパ・デル・レイ準々決勝開催の今週は火水とマドリッドの兄弟分ダービーが続き、連日帰りが午前様に。午前1時までメトロがあるメトロポリターノはともかく、レガネスのホームはマドリッド南部の郊外にあるため、終電を逃したらどうしようと心配しながら、試合を見ていたところ、まさにその危険な延長戦入りを回避してくれたのが、後半ロスタイムにゴールを挙げた、その20才のFWだったんですけどね。
それでふと思い出したのが、2年前の本家マドリーダービーで1-1に追いつくゴールを決め、アンチェロティ監督のチームに勝ち点1をもたらした当時18才のアルバロ・ロドリゲスで、ええ、その頃は監督も来季はトップチームに昇格予定と言っていたんですけどね。実際はそんなことにはまったくならず、2023-24シーズンはRMカスティージャでの出番も減って、とうとう昨夏には弟分のヘタフェにレンタル修行で出ることに。
そのアルバロが火曜のアトレティコとのコパ・ダービーのピッチにいなかったのは16強対決でレッドカードをもらい、出場停止だったせいですが、今の様子を見る限り、この夏、マドリーから帰還を望まれるかも微妙ですしね。中にはカルバハル(レバークーゼン)やルーカス・バスケス(エスパニョール)、フラン・ガルシア(ラージョ)のように他チームで実力をつけてから、復帰を果たした例もなくはないんですが、大型補強の多いFWはかなり難易度が高いのも事実。それだけにゴンサロがマドリーのトップチームで花を咲かすことができるのかどうか、かなり疑問に思えてしまうんですが…。
まあ、そんなことはともかく、2つの兄弟分ダービーがどうだったか、お伝えしていくことにすると。火曜にヘタフェをメトロポリターノに迎えたアトレティコは、うーん、一応、リーガ前節のマジョルカ戦とは6人もスタメンを変えていたんですけどね。とはいえ、前線コンビはフリアン・アルバレスとグリーズマンでしたし、他の面々もGKムッソ以外、レギュラーと言って差し支えない選手を並べ、コパへの意欲をガッツリ見せていたんですが、それと対照的だったのが弟分の方。
例のアルバロに加え、ディエゴ・リコ、コバも出場停止、ルイス・ミジャも回復していなかったとはいえ、主力のアランバリとジェネがベンチだった上、前日の冬の移籍市場クローズ間際に移籍が決まったベルナトとテラツ(どちらもシーズン前半はビジャレアルでプレー)がいきなりスタメン入りしているんですから、凄いじゃないですか。リーガ前節のセビージャ戦でまったく同じデビューを果たしたファンミ(ベティスからレンタル)こそ、ええ、彼はFWですからね。新しいチームメートとの連携ができなくてもそれ程、害はなかったものの、左SBとボランチがそれでは前半8分にはもう、ネンザが治ってサプライズスタメン復帰となったガランのクロスをジュリアーノにヘッドで決められていても仕方なかった?
おかげで3-0という余裕のスコアで折り返したアトレティコだったんですが、うーん、この日は珍しく、ヘタフェファンもかなり大勢詰めかけていましたからね。「Nuestra plantilla es limitada en cuanto a efectivos/ヌエストラ・プランティージャ・エス・リミターダ・エン・クアントー・ア・エフェクティーボス(ウチは使える選手が限られていて)、プレー時間過多になっている者もいる」と、ローテーションを正当化していたボルダラス監督も一矢ぐらいは報いたいと思ったんでしょうね。後半頭から、マジョラル、カルロス・ペレス、そしてファンミのアタッカー3人を一斉に投入したんですが、再開早々の4分にはガランのラストパスから、ジュリアーノが3本目のゴールを決めて、出鼻をくじかれることに。
いえまあ、こちらはガランのオフサイドがあって、スコアには上がらず、シメオネ監督の三男はハットトリックを逃してしまったんですけどね。どちらにしろ、これだけ点差があれば、アトレティコも主力選手の温存ができるってもので、16分にはフリアン、ジュリアーノ、ガランをコレア、ギャラガー、アスピリクエタに代えると、28分にはグリーズマンもセルロートと交代。そこまで行っても1点も返せなかったため、ボルダラス監督の方はカンテラーノのイスマとルカを入れて、イグレシアスとアルデレテを休ませていましたが、ゆったりモードに移行しながらも、アトレティコは控え選手までがゴール欲を忘れてなかったんです!
そう、33分にはコレアがエリア前からシュートを決めて、スーパーサブの面目を示すと、デ・パウルがリケルメに代わった後の41分にはセルロートにアシストして、とうとう5-0になってしまったから、ビックリしたの何のって。いやあ、確かにヘタフェは元々、アトレティコに弱くて、ボルダラス監督など、これまで1度もシメオネ監督に勝ったことがないぐらいだったとはいえ、リーガの対戦では今季前半は1-0の僅差勝利。その前はメトロポリターノで2引分けとかなり拮抗していましたからね。
こんなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になるとは予想せず、というか、そこまで弟分をいじめなくてもいいのにと思ってしまったぐらいだったんですが、まあ、こればっかりはねえ。おかげでファンも強気になって、「Que se enteren los vikingos, quién manda en la capital/ケ・セ・エンテレン・ロス・ビキンゴス、キエン・マンダ・エン・ラ・カピタル(首都を牛耳るのが誰か、バイキング/マドリディスタたちが知るように)」と歌って、ダービー前の景気づけをしていましたし、何より、フリアンとグリーズマン以外の選手がゴールを挙げて、いい気分になれたのは良かったかと。
そして水曜の夜はまた完全防寒してブタルケに向かった私だったんですが、こちらはマドリーの方が強制ローテーション状態でねえ。別に出場停止選手がいる訳ではなかったものの、負傷者多発で、前節エスパニョール戦で3週間の太もも肉離れとなったリュディガーを始め、レッドカードにならなかったロメロのタックルのせいでエムバペは打撲、ベリンガムもお休みに。そこへいよいよ先発復帰予定だったアラバまでが練習中にケガをしてしまうという不幸の連鎖が起こり、CB2人がカンテラーノのアセンシオとハコボだったのは仕方ないんですけどね。ルーカス・バスケスも痛みを抱えていたため、右SBもバルベルデとメンディ以外、トップチームの本職がいない守備陣を見た時は、シーズン前半戦で0-3と負けていたレガネスでも行けるんじゃないかと思ったのは私だけではない?
それが前半18分にはアタッカーのレギュラーで唯一、先発したロドリゴが送ったパスに誰より早く駆けつけたモドリッチに決められてしまってねえ。続いて25分にもブライムのパスがタピアに当たり、丁度いいコースに来ていたエンドリックが押し込んで、早くも2点リードされているって、バルサとアトレティコを1-0で下し、サン・マメスでアスレティックとスコアレスドローした、あの堅守はどこに行った?まあ、それにはコパのお祭りムードも影響していたのかもしれませんが、ミゲール・デ・ラ・フエンテやラバがベンチスタートだった中、意地を見せたレガネスの選手が1人いたんですよ。
それはファン・クルスで早いうちから撃っていたのも彼だったんですが、39分にはそのシュートがエリア内でハコボの手に当たり、レガネスがPKをゲット!ええ、先日のラージョとのリーガ弟分ダービーでは後半ロスタイムにミゲールが1度ならず、やり直しを命じられた2本目までGKバタジャに弾かれ、同点のチャンスをフイにしたばかりだった彼らなんですが、大丈夫。ミゲールがベンチから見守る中、ファン・クルスがしっかりGKルニンを破ってくれたため、試合は1-2となって、ブタルケのファンも後半に望みを繋ぐことができるように。
実際、プレー時間配分でロドリゴがビニシウスに代わった後半、14分にはファン・クルスが撃ったシュートがメンディに当たり、レガネスは2-2の同点に追いつけましたしね。もちろん、スタンドも行け行けのムードになって、その後はラバやミゲールもピッチに入ったホームチームが優勢に見えたものですが…出ちゃったんですよ、マドリーの土壇場の強さが。そう、すでに誰もが延長戦入りを見据えていた後半ロスタイム3分、もうトップチームのアタッカーはいないため、エンドリックに代わって入っていたゴンサロがまさか、ブライムのクロスからヘッドで勝ち越し点を決めるとは一体、誰が予想した?
いえ、RMカスティージャ(RFEF1部/実質3部)で今季19得点、先週末もアルヘシラス戦で4ゴールを挙げていたゴンサロによると、これは「Hablé con Brahim una jugada de antes y le dije que la colgase, que iba a estar en el área/アブレ・コン・ブライム・ウナ・フガダ・デ・アンテス・イ・レ・ディヘ・ケ・ラ・コルガセ、ケ・イバ・ア・エスタル・エン・エル・アレア(1つ前のプレーでブライムと話して、ボールを上げてくれ、自分はエリアにいるからと言った)」という、打ち合わせ済みの連携だったようなんですけどね。おかげで2-3の勝利で準決勝進出が決まり、その上、「Evitamos una prórroga que hubiera costado más recuperar/エビタモス・ウナ・プロロガ・ケ・ウビエラ・コスタードー・マス・レクペラル(回復するのがより大変になる延長戦を避けることができた)」(アンチェロティ監督)となれば、もう心置きなく土曜午後9時(日本時間翌午前5時)にアトレティコをサンティアゴ・ベルナベウに迎えられる?
といってもエムバペやベリンガム、そしてカマビンガは戻って来るとはいえ、勝ち点1差のお隣さん相手に首位を守らないといけない試合でも、CB問題はまったく解決していないんですけどね。対してアトレティコは出場停止のル・ノルマン以外、体調不良でコパをお休みしたバリオスも含め、全選手が出場可能。たとえ、先日は最低得点差で負けたとはいえ、基本的に攻撃力はレガネスの数倍あるシメオネ監督のチームだけに、たとえ、アセンシオ&ハコボがアセンンシオ&チュアメニに代わっても、かなり怪しい気がしますが、さて。来週はCL16強対決出場プレーオフのマンチェスター・シティ戦1stレグも控えているとなると、早くもマドリーに正念場がやって来たという感じでしょうか。
そして弟分たちのこの週末の予定も伝えておくと、リーガ23節はまたラージョが金曜試合に当たって、エスタディオ・バジェカスで最下位のバジャドリーと対戦。誰もこの冬の市場で新顔が来なかったイニゴ・ペレス監督のチームと違い、さすがに残留ゾーンと勝ち点8差にもなると、フロントも考えたんでしょうね。DF中心にこの市場で4人程、補強している相手なんですが、そんなすぐに効果が出るのかというのもありますし、ラージョは前節の勝利でいよいよ、コンフェレンスリーグ出場圏の6位に上昇と現在は好調期。とはいえ、7位のジローナとはたった勝ち点1しか離れていないため、下位チームにはしっかり勝っていかないと。
一方、コパがなくなって、ようやくリーガでの残留の戦いに専念できるようになったヘタフェとレガネスはどちらも日曜にアウェイゲームで、前者はアラベス戦。ええ、こちらも相手は18位の降格圏にいるんですが、14位でもボルダラス監督のチームとは勝ち点3差しかありませんからね。それこそ、コパで温存された選手たちが頑張って、白星をつかめるといいのですが、全てはゴールが入るか入らないか次第かと。サラリーキャップ内に補強選手2人の余裕を作るため、市場最終日にレンタルに出されたアレニャと早くも再会というのもちょっと皮肉かもしれません。
その横でレガネスはバレンシアをメスタジャに訪ねるんですが、こちらも19位の降格圏チームが相手というのはなかなか珍しい偶然もあったもの。更に兄貴分を前に善戦したボルハ・ヒメネス監督のチームと真逆で、向こうは2節前にモンジュイックで7-1の大敗をしたバルサに、木曜のコパでも0-5と叩きのめされる悲惨な目にあったばかりなんですよ。まさにコパ敗退で味わった悔しい思いを晴らすには最適な試合になりそうですが、実際のところ、降格圏と勝ち点2差しかないレガネスもそれ程、余裕がある訳じゃありませんからね。中日も1日多いですし、バレンシアのショック状態をしっかり利用できるといいのですが。
それでふと思い出したのが、2年前の本家マドリーダービーで1-1に追いつくゴールを決め、アンチェロティ監督のチームに勝ち点1をもたらした当時18才のアルバロ・ロドリゲスで、ええ、その頃は監督も来季はトップチームに昇格予定と言っていたんですけどね。実際はそんなことにはまったくならず、2023-24シーズンはRMカスティージャでの出番も減って、とうとう昨夏には弟分のヘタフェにレンタル修行で出ることに。
そのアルバロが火曜のアトレティコとのコパ・ダービーのピッチにいなかったのは16強対決でレッドカードをもらい、出場停止だったせいですが、今の様子を見る限り、この夏、マドリーから帰還を望まれるかも微妙ですしね。中にはカルバハル(レバークーゼン)やルーカス・バスケス(エスパニョール)、フラン・ガルシア(ラージョ)のように他チームで実力をつけてから、復帰を果たした例もなくはないんですが、大型補強の多いFWはかなり難易度が高いのも事実。それだけにゴンサロがマドリーのトップチームで花を咲かすことができるのかどうか、かなり疑問に思えてしまうんですが…。
例のアルバロに加え、ディエゴ・リコ、コバも出場停止、ルイス・ミジャも回復していなかったとはいえ、主力のアランバリとジェネがベンチだった上、前日の冬の移籍市場クローズ間際に移籍が決まったベルナトとテラツ(どちらもシーズン前半はビジャレアルでプレー)がいきなりスタメン入りしているんですから、凄いじゃないですか。リーガ前節のセビージャ戦でまったく同じデビューを果たしたファンミ(ベティスからレンタル)こそ、ええ、彼はFWですからね。新しいチームメートとの連携ができなくてもそれ程、害はなかったものの、左SBとボランチがそれでは前半8分にはもう、ネンザが治ってサプライズスタメン復帰となったガランのクロスをジュリアーノにヘッドで決められていても仕方なかった?
実際、ヘタフェも運がなくて、何せこの日のアトレティコは、後でシメオネ監督も「Hicimos un partido con una intensidad alta y buscando lo que queríamos, que era pasar/イシモス・ウン・パルティードー・コン・ウナ・インテンシダッド・アルタ・イ・ブスカンドー・ロ・ケ・ケリアモス、ケ・エラ・パサール(強度の高いプレーをした試合で、ウチのしたいこと、突破することを追求した)」と言っていたように、滅多にない程、攻撃に意欲的でねえ。フリアンとグリーズマンはシュートに失敗していたものの、またしても17分にはフリアンのパスをデ・パウルがワンタッチで繋ぎ、ジュリアーノがdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成。更には42分にもサムエル・リノがフリアンからボールをもらい、ファン・イグレシアスを切り返してから、落ち着いて3点目を挙げているって、もしやとうとう、彼もゴール力を会得した?
おかげで3-0という余裕のスコアで折り返したアトレティコだったんですが、うーん、この日は珍しく、ヘタフェファンもかなり大勢詰めかけていましたからね。「Nuestra plantilla es limitada en cuanto a efectivos/ヌエストラ・プランティージャ・エス・リミターダ・エン・クアントー・ア・エフェクティーボス(ウチは使える選手が限られていて)、プレー時間過多になっている者もいる」と、ローテーションを正当化していたボルダラス監督も一矢ぐらいは報いたいと思ったんでしょうね。後半頭から、マジョラル、カルロス・ペレス、そしてファンミのアタッカー3人を一斉に投入したんですが、再開早々の4分にはガランのラストパスから、ジュリアーノが3本目のゴールを決めて、出鼻をくじかれることに。
いえまあ、こちらはガランのオフサイドがあって、スコアには上がらず、シメオネ監督の三男はハットトリックを逃してしまったんですけどね。どちらにしろ、これだけ点差があれば、アトレティコも主力選手の温存ができるってもので、16分にはフリアン、ジュリアーノ、ガランをコレア、ギャラガー、アスピリクエタに代えると、28分にはグリーズマンもセルロートと交代。そこまで行っても1点も返せなかったため、ボルダラス監督の方はカンテラーノのイスマとルカを入れて、イグレシアスとアルデレテを休ませていましたが、ゆったりモードに移行しながらも、アトレティコは控え選手までがゴール欲を忘れてなかったんです!
そう、33分にはコレアがエリア前からシュートを決めて、スーパーサブの面目を示すと、デ・パウルがリケルメに代わった後の41分にはセルロートにアシストして、とうとう5-0になってしまったから、ビックリしたの何のって。いやあ、確かにヘタフェは元々、アトレティコに弱くて、ボルダラス監督など、これまで1度もシメオネ監督に勝ったことがないぐらいだったとはいえ、リーガの対戦では今季前半は1-0の僅差勝利。その前はメトロポリターノで2引分けとかなり拮抗していましたからね。
こんなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になるとは予想せず、というか、そこまで弟分をいじめなくてもいいのにと思ってしまったぐらいだったんですが、まあ、こればっかりはねえ。おかげでファンも強気になって、「Que se enteren los vikingos, quién manda en la capital/ケ・セ・エンテレン・ロス・ビキンゴス、キエン・マンダ・エン・ラ・カピタル(首都を牛耳るのが誰か、バイキング/マドリディスタたちが知るように)」と歌って、ダービー前の景気づけをしていましたし、何より、フリアンとグリーズマン以外の選手がゴールを挙げて、いい気分になれたのは良かったかと。
そして水曜の夜はまた完全防寒してブタルケに向かった私だったんですが、こちらはマドリーの方が強制ローテーション状態でねえ。別に出場停止選手がいる訳ではなかったものの、負傷者多発で、前節エスパニョール戦で3週間の太もも肉離れとなったリュディガーを始め、レッドカードにならなかったロメロのタックルのせいでエムバペは打撲、ベリンガムもお休みに。そこへいよいよ先発復帰予定だったアラバまでが練習中にケガをしてしまうという不幸の連鎖が起こり、CB2人がカンテラーノのアセンシオとハコボだったのは仕方ないんですけどね。ルーカス・バスケスも痛みを抱えていたため、右SBもバルベルデとメンディ以外、トップチームの本職がいない守備陣を見た時は、シーズン前半戦で0-3と負けていたレガネスでも行けるんじゃないかと思ったのは私だけではない?
それが前半18分にはアタッカーのレギュラーで唯一、先発したロドリゴが送ったパスに誰より早く駆けつけたモドリッチに決められてしまってねえ。続いて25分にもブライムのパスがタピアに当たり、丁度いいコースに来ていたエンドリックが押し込んで、早くも2点リードされているって、バルサとアトレティコを1-0で下し、サン・マメスでアスレティックとスコアレスドローした、あの堅守はどこに行った?まあ、それにはコパのお祭りムードも影響していたのかもしれませんが、ミゲール・デ・ラ・フエンテやラバがベンチスタートだった中、意地を見せたレガネスの選手が1人いたんですよ。
それはファン・クルスで早いうちから撃っていたのも彼だったんですが、39分にはそのシュートがエリア内でハコボの手に当たり、レガネスがPKをゲット!ええ、先日のラージョとのリーガ弟分ダービーでは後半ロスタイムにミゲールが1度ならず、やり直しを命じられた2本目までGKバタジャに弾かれ、同点のチャンスをフイにしたばかりだった彼らなんですが、大丈夫。ミゲールがベンチから見守る中、ファン・クルスがしっかりGKルニンを破ってくれたため、試合は1-2となって、ブタルケのファンも後半に望みを繋ぐことができるように。
実際、プレー時間配分でロドリゴがビニシウスに代わった後半、14分にはファン・クルスが撃ったシュートがメンディに当たり、レガネスは2-2の同点に追いつけましたしね。もちろん、スタンドも行け行けのムードになって、その後はラバやミゲールもピッチに入ったホームチームが優勢に見えたものですが…出ちゃったんですよ、マドリーの土壇場の強さが。そう、すでに誰もが延長戦入りを見据えていた後半ロスタイム3分、もうトップチームのアタッカーはいないため、エンドリックに代わって入っていたゴンサロがまさか、ブライムのクロスからヘッドで勝ち越し点を決めるとは一体、誰が予想した?
いえ、RMカスティージャ(RFEF1部/実質3部)で今季19得点、先週末もアルヘシラス戦で4ゴールを挙げていたゴンサロによると、これは「Hablé con Brahim una jugada de antes y le dije que la colgase, que iba a estar en el área/アブレ・コン・ブライム・ウナ・フガダ・デ・アンテス・イ・レ・ディヘ・ケ・ラ・コルガセ、ケ・イバ・ア・エスタル・エン・エル・アレア(1つ前のプレーでブライムと話して、ボールを上げてくれ、自分はエリアにいるからと言った)」という、打ち合わせ済みの連携だったようなんですけどね。おかげで2-3の勝利で準決勝進出が決まり、その上、「Evitamos una prórroga que hubiera costado más recuperar/エビタモス・ウナ・プロロガ・ケ・ウビエラ・コスタードー・マス・レクペラル(回復するのがより大変になる延長戦を避けることができた)」(アンチェロティ監督)となれば、もう心置きなく土曜午後9時(日本時間翌午前5時)にアトレティコをサンティアゴ・ベルナベウに迎えられる?
といってもエムバペやベリンガム、そしてカマビンガは戻って来るとはいえ、勝ち点1差のお隣さん相手に首位を守らないといけない試合でも、CB問題はまったく解決していないんですけどね。対してアトレティコは出場停止のル・ノルマン以外、体調不良でコパをお休みしたバリオスも含め、全選手が出場可能。たとえ、先日は最低得点差で負けたとはいえ、基本的に攻撃力はレガネスの数倍あるシメオネ監督のチームだけに、たとえ、アセンシオ&ハコボがアセンンシオ&チュアメニに代わっても、かなり怪しい気がしますが、さて。来週はCL16強対決出場プレーオフのマンチェスター・シティ戦1stレグも控えているとなると、早くもマドリーに正念場がやって来たという感じでしょうか。
そして弟分たちのこの週末の予定も伝えておくと、リーガ23節はまたラージョが金曜試合に当たって、エスタディオ・バジェカスで最下位のバジャドリーと対戦。誰もこの冬の市場で新顔が来なかったイニゴ・ペレス監督のチームと違い、さすがに残留ゾーンと勝ち点8差にもなると、フロントも考えたんでしょうね。DF中心にこの市場で4人程、補強している相手なんですが、そんなすぐに効果が出るのかというのもありますし、ラージョは前節の勝利でいよいよ、コンフェレンスリーグ出場圏の6位に上昇と現在は好調期。とはいえ、7位のジローナとはたった勝ち点1しか離れていないため、下位チームにはしっかり勝っていかないと。
一方、コパがなくなって、ようやくリーガでの残留の戦いに専念できるようになったヘタフェとレガネスはどちらも日曜にアウェイゲームで、前者はアラベス戦。ええ、こちらも相手は18位の降格圏にいるんですが、14位でもボルダラス監督のチームとは勝ち点3差しかありませんからね。それこそ、コパで温存された選手たちが頑張って、白星をつかめるといいのですが、全てはゴールが入るか入らないか次第かと。サラリーキャップ内に補強選手2人の余裕を作るため、市場最終日にレンタルに出されたアレニャと早くも再会というのもちょっと皮肉かもしれません。
その横でレガネスはバレンシアをメスタジャに訪ねるんですが、こちらも19位の降格圏チームが相手というのはなかなか珍しい偶然もあったもの。更に兄貴分を前に善戦したボルハ・ヒメネス監督のチームと真逆で、向こうは2節前にモンジュイックで7-1の大敗をしたバルサに、木曜のコパでも0-5と叩きのめされる悲惨な目にあったばかりなんですよ。まさにコパ敗退で味わった悔しい思いを晴らすには最適な試合になりそうですが、実際のところ、降格圏と勝ち点2差しかないレガネスもそれ程、余裕がある訳じゃありませんからね。中日も1日多いですし、バレンシアのショック状態をしっかり利用できるといいのですが。
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かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun4
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
