まさかそこまでザルだったとは…/原ゆみこのマドリッド
2025.01.14 19:00 Tue
「踏んだり蹴ったりってまさにこのことじゃ…」そんな風に私が呆気に取られていたのは日曜日、レアル・マドリーがスペイン・スーパーカップ決勝でバルサに大敗するのを見た時のことでした。いやあ、先週末、国内ではシーズン前半戦最後となるリーガ19節があったんですが、サウジアラビア遠征組の4チームは互いの間でこのカードを12月に先行開催。その際、アンチェロッティ監督のチームがアスレティックに負けていたのはともかく、年明けに順延されていたバレンシア戦で勝った彼らは消化試合が1つ多い状態で首位に立ったんですけどね。鬼の居ぬ間にお隣さんに抜かれ、スーパーカップ決勝前には再び2位に逆戻りすることに。
それでも前人未踏のSeptete(セプテテ/1シーズン7冠優勝のこと)の望みは捨てず、今季前半戦のリーガ・クラシコのリベンジを期して、宿命のライバルと相まみえてみれば、サンティアゴ・ベルナベウで喰らった0-4より酷い、2-5の惨敗をしてしまったから、驚いたの何のって!こうなると、あとはサッカー史上、2009年にグァルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)がバルサで、そしてまさにバルサの現指揮官、フリック監督がバイエルンを率いて2020年に達成しただけのSextete(セクステテ/1シーズン6冠優勝)を目指すしかありませんが、残るタイトルはリーガ、CL、コパ・デル・レイ、クラブW杯と難易度の高い大会ばかり。今のマドリーのメンバーでそれが成し遂げられるかどうか、不安に思うファンは決して少なくない?
まあ、そんなことはともかく、とりあえず順番に先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると。今年のリーガ初試合も金曜に当たったラージョは、平日開催にずっと抗議しているブカネーロス(ウルトラグループ)が応援ストでまだ、エスタディオ・バジェカスのゴール裏席を埋めていなかった前半5分、GKグァイタのパンチングしたボールをvolea(ボレア/ボレーシュート)でエンバルバが撃ち込んで、セルタに先制する幸先のいいスタートを切ることに。ええ、この時、カメージョがグァイタの後ろを通り、相手のバランスを崩していたにも関わらず、問題視されずにスコアに挙がったからでもありますが、26分にはボルハ・イグレシアスに同点ゴールを決められてしまってはねえ。
でも大丈夫、後半18分には年明け最初のコパ32強対決ラシン・フェロル(2部)戦でも2得点した、好調デ・フルートスがエリア内から勝ち越しゴールを奪い、マルコス・アロンソが2枚目のイエローカードで退場したセルタを抑えて、そのまま2-1で勝利。10月末以来のホームでの白星を、「Vida de piratas/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌うラージョファンと共に祝ったんですが、おかげで彼らはとうとう、来季のヨーロッパの大会出場圏7位と勝ち点3差に接近することに。
まあ、ラージョの付ける9位近辺は同じ勝ち点で3、4チームが並ぶ激戦区のため、たとえ、週末のオサスナ戦に勝ったとしても、簡単には上に行けないんですけどね。未だに補強はないものの、そのライバルの1つでもあるレアル・ソシエダと当たる、木曜のコパ16強対決で波乱を起こせれば、リーガも勢いに乗れるかもしれない?
そのためにはこの水曜のコパ、アルメリア(2部)戦は重荷になるかもしれませんが、同様なのは日曜のデーゲームでラス・パルマスに勝利したお隣さんのヘタフェ。いえ、グラン・カナリアではGKダビド・ソリアがサンドロのPKを弾くなどして、最善の0-0を後半25分までキープした後、ついにボルダラス監督の辛抱が実って、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のコバがトップチームでの初ゴールをゲット。40分にはコパ32強対決グラナダ(2部)戦に続いて途中出場したマジョラルが2点目を挙げ、相手をヤヌザイの1点だけに留めて1-2で勝利。今季初となるアウェイでの白星を挙げたんですが、何せこちらも土曜はバルサがコリセウムに来ますからね。
それこそ水曜のコパ、ポンテベドラ(RFEF2部/実質4部)戦は控えとカンテラーノの総動員で賄って、バルサ戦を全員守備のスコアレスドローで乗り切れれば御の字といったところですが、何より大切なのはせっかく15位に上昇して、勝ち点3になった降格圏との差をキープすること。ここ2試合連続得点となったマジョラルもとうとう、真の復活を遂げたように見えますが、それと並行して、前線の補強もしっかり進めてもらいたいところです。
一方、日曜の次の時間帯にメトロポリターノでオサスナ戦を迎えたのが兄貴分のアトレティコだったんですが、何せ昨年から、ここまで破竹の13連勝中でしたからね。リーガも年内最終戦ではバルサに土壇場の逆転勝ちという、意気軒昂ぶりだったため、前半7分、モリーナがエリア内右から出したパスをグリーズマンが早くもゴールに入れた時はさもありなんという感じだったんですが、そうは問屋が卸さず。後ろにカテナにピッタリくっつかれたアトレティコの重鎮は上半身をよじることもできず、ボールが肘に当たってゴールに入ったため、VAR(ビデオ審判)注進でモニターチェックとなり、ハンドで得点を認められないことに。
その後はフリアン・アルバレスが3度程、シュートを撃ったにも関わらず、ことごとくGKセルヒオ・エレーラに止められてしまい、両チーム無得点でハーフタイムとなったんですが、スペイン・スーパーカップがなく、先週はミッドウィークフリーとなったのが幸いしたんですよ。ええ、後半10分、グリーズマンのショートCKから始まったプレーで、ラポールが頭で落としたボールをゴール前から決めたフリアンも「Era una de las jugadas que practicamos en estos días, tuvimos varios días para trabajarlo y salió/エラ・ウナ・デ・ラス・フガダス・ケ・プラクティカモス・エン・エストス・ディアス、トゥビモス・バリオス・ディアス・パラ・トラバハル・イ・サリオ(ここ数日、練習していたプレーで、ウチには何日も取り組む時間があったから、上手くいった)」と言っていたんですけどね。
結局、アトレティコの得点はこの1点だけだったんですが、うーん、コパ生き残り組のオサスナも今週は近隣のライバル、アスレティックとの16強対決が控えているせいで、ビセンテ・モレノ監督も考えてしまったんでしょうか。エースのブドミルを始め、レギュラーのアイマール・オロスやモンカジョラを控えにしたせいもあって、GKオブラクの手を煩わすことはできず。シメオネ監督もいつもなら、早々に使い切る交代枠をサムエル・リノ、ジョレンテ、コレアの3人を入れただけで、セルロートもコケも出さず、そのまま1-0でクラブ史上最長となる14連勝を達成していたんですが、いやあ。
だってえ、10月末にはベティスに負けて、首位と勝ち点10差という最低の日々を送っていたアトレティコなのに、これでcampeon de invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン、シーズン前半戦王者)になっちゃったんですよ。しかもこの先、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)のコパは2部のエルチェと対戦、続いてレガネスとの兄弟分ダービーとなると、21日(火)にCLリーグフェーズ7節のレバークーゼン戦が来るまでは、記録を16連勝に伸ばせそうな気がするんですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、勝利を重ねるにつれ、選手たちの自信も増してきましたし、今はこのまま、シーズン後半も突っ走ってくれることを願うばかりかと。
そして日曜の夜、満を持して、スペイン・スーパーカップクラシコが始まったんですが、序盤からGKクルトワがジャマルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)したと思いきや、2度目にラフィーニャをセーブした後にはマドリーの速攻カウンターが発動。ビニシウスからエムバペがボールを受け取り、最後はバルデをかわして先制弾を決めたのを見た時には、リーガクラシコで8度もバルサのオフサイドトラップに嵌った彼も進歩したのかと安心したんですが、とんでもない。再び、クルトワがラフィーニャのシュートを防いだ後の21分には、17才のジャマルに同点ゴールを決められてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。
実際、その時も急造CBチュアメニがジャマルの前を塞げなかったんですが、35分にはフランス代表同僚のカマビンガもエリア内でガビを倒し、レバンドフスキがPKで勝ち越しゴールを挙げるのに貢献。前半残りはまさに悪夢で、39分にはルーカス・バスケスもチュアメニもラフィーニャをマークしていなかったせいで、クンデのロングクロスからヘッドを決められてしまうわ、9分と長いロスタイムの最後には今度はバルサのカウンターが成功。バルデのシュートでとうとう4点まで取られてしまうって、天下のマドリーがここまで守備崩壊して言い訳ありませんって。
ただそれでも彼らには伝家の宝刀、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)があったため、カマビンガがセバージョスに代わった後半、どこまで追いすがれるのか、少しは期待していたんですけどね。それが早くも2分にはカサドーが自陣から出したスルーパスを追ったラフィーニャをまたしてもチュアメニが止められず、クルトワはとうとう5失点目をしてしまうことに。ようやくそれでアンチェロッティ監督もルーカス・バスケスをカンテラーノ(RMカスティージャの選手)の本職DF、アセンシオにして、それ以上の被害を防ぐ方向に動いたんですが、すでに時遅し。
9分にはエリアを出てエムバペの突進を防ごうとしたGKシュシェスニーが相手を倒し、レッドカードで退場したバルサでしたが、いえ、それで得たFKをロドリゴはピッチに入ったばかりのGKイニャキ・ペナの手が届かないゴール隅に決め、2-5にはしたんですけどね。その後、アンチェロッティ監督もようやくチュアメニをモドリッチに、30分にはビニシウスヲブライムに代えてみたものの、10人になって、逆にコンパクトに守れるようになったフリック監督のチームからは追加点を奪えず。8分と後半も長かったロスタイム、最後はエムバペのシュートも弾かれて、そのまま完敗してしまいましたっけ。
うーん、準決勝でアスレティックを破った日にサウジアラビアにCSD(スポーツ上級委員会)から、ラ・リーガの登録抹消措置を一時停止という朗報が届いたダニ・オルモも出場でき、昨年11月以降の不調でリーガ首位からも陥落して、3位に落ちていたバルサがスペイン・スーパーカップ優勝を盛大に祝っていたのはともかく、これは特に先に繋がらない大会ですから、マドリーが負けることがあってもいいんですけどね。実際、モドリッチも「Si hay que perder una final... mejor que sea ésta/シー・アイ・ケ・ペルデル・ウナ・フィナル…メホール・ケ・セア・エスタ(決勝に負けないといけないなら、この決勝が一番マシ)」と言っていたんですが、心配なのはこの日、長期リハビリが終わったアラバもついにベンチ入りしたものの、あからさまに弱点が露呈した守備陣。
いえ、アンチェロッティ監督も「ウチは前半、ロングボールを多用して、サッカーをプレーしていなかったから、ハーフタイムにはサッカーをするようにと言った」と苦言を呈していたように、エムバペ、ビニシウス、ベリンガム、ロドリゴを並べながら、効率的に点が奪えなかったのも何ですが、そのせいで守備的に破綻していた感もありましたからね。やはりこの1月は方針を変えて、守備力のある選手を獲るなり、チームとして、しっかり皆が守りに協力するように意識改革するなり、何か手を打たないと、そう、たった1敗で世間にクライシスと言われてしまうのがマドリーの常。
まずは木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコパのセルタ戦、日曜のリーガ、ラス・パルマス戦、そして来週水曜のCLザルツブルク戦のサンティアゴ・ベルナベウ3連戦で立て直せないと、それこそ、今季はUEFAスーパーカップとインターコンティネンタルカップの2冠だけで終わってしまう恐れもなきにしろあらず。少なくとも1月いっぱいは週2試合ペースが続くマドリーだけになかなか、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でじっくりトレーニングする時間もありませんが、このままで終わる訳にはいきませんよね。
それでも前人未踏のSeptete(セプテテ/1シーズン7冠優勝のこと)の望みは捨てず、今季前半戦のリーガ・クラシコのリベンジを期して、宿命のライバルと相まみえてみれば、サンティアゴ・ベルナベウで喰らった0-4より酷い、2-5の惨敗をしてしまったから、驚いたの何のって!こうなると、あとはサッカー史上、2009年にグァルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)がバルサで、そしてまさにバルサの現指揮官、フリック監督がバイエルンを率いて2020年に達成しただけのSextete(セクステテ/1シーズン6冠優勝)を目指すしかありませんが、残るタイトルはリーガ、CL、コパ・デル・レイ、クラブW杯と難易度の高い大会ばかり。今のマドリーのメンバーでそれが成し遂げられるかどうか、不安に思うファンは決して少なくない?
まあ、そんなことはともかく、とりあえず順番に先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると。今年のリーガ初試合も金曜に当たったラージョは、平日開催にずっと抗議しているブカネーロス(ウルトラグループ)が応援ストでまだ、エスタディオ・バジェカスのゴール裏席を埋めていなかった前半5分、GKグァイタのパンチングしたボールをvolea(ボレア/ボレーシュート)でエンバルバが撃ち込んで、セルタに先制する幸先のいいスタートを切ることに。ええ、この時、カメージョがグァイタの後ろを通り、相手のバランスを崩していたにも関わらず、問題視されずにスコアに挙がったからでもありますが、26分にはボルハ・イグレシアスに同点ゴールを決められてしまってはねえ。
まあ、ラージョの付ける9位近辺は同じ勝ち点で3、4チームが並ぶ激戦区のため、たとえ、週末のオサスナ戦に勝ったとしても、簡単には上に行けないんですけどね。未だに補強はないものの、そのライバルの1つでもあるレアル・ソシエダと当たる、木曜のコパ16強対決で波乱を起こせれば、リーガも勢いに乗れるかもしれない?
そして翌土曜には弟分仲間のレガネスがアウェイでエスパニョール戦に挑み、こちらは初っ端、開始2分にCKからカブレラのヘッドで1点を先行されてしまったものの、16分にはもう、シセのゴールで同点に。ただそれ以降は敵GKジョアン・ガルシアに何度もシュートを阻まれてしまい、結局、1-1で引分けて帰って来ることになったんですが、それでもボルハ・ヒメネス監督のチームは前半戦で勝ち点19と最低ノルマは果たしましたからね。週末土曜には兄貴分のアトレティコをブタルケに迎えるため、あまり期待できないとはいえ、この調子で直接ライバルに無敗を続けることができれば、何とか1部残留は達成できるのではないかと。
そのためにはこの水曜のコパ、アルメリア(2部)戦は重荷になるかもしれませんが、同様なのは日曜のデーゲームでラス・パルマスに勝利したお隣さんのヘタフェ。いえ、グラン・カナリアではGKダビド・ソリアがサンドロのPKを弾くなどして、最善の0-0を後半25分までキープした後、ついにボルダラス監督の辛抱が実って、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のコバがトップチームでの初ゴールをゲット。40分にはコパ32強対決グラナダ(2部)戦に続いて途中出場したマジョラルが2点目を挙げ、相手をヤヌザイの1点だけに留めて1-2で勝利。今季初となるアウェイでの白星を挙げたんですが、何せこちらも土曜はバルサがコリセウムに来ますからね。
それこそ水曜のコパ、ポンテベドラ(RFEF2部/実質4部)戦は控えとカンテラーノの総動員で賄って、バルサ戦を全員守備のスコアレスドローで乗り切れれば御の字といったところですが、何より大切なのはせっかく15位に上昇して、勝ち点3になった降格圏との差をキープすること。ここ2試合連続得点となったマジョラルもとうとう、真の復活を遂げたように見えますが、それと並行して、前線の補強もしっかり進めてもらいたいところです。
一方、日曜の次の時間帯にメトロポリターノでオサスナ戦を迎えたのが兄貴分のアトレティコだったんですが、何せ昨年から、ここまで破竹の13連勝中でしたからね。リーガも年内最終戦ではバルサに土壇場の逆転勝ちという、意気軒昂ぶりだったため、前半7分、モリーナがエリア内右から出したパスをグリーズマンが早くもゴールに入れた時はさもありなんという感じだったんですが、そうは問屋が卸さず。後ろにカテナにピッタリくっつかれたアトレティコの重鎮は上半身をよじることもできず、ボールが肘に当たってゴールに入ったため、VAR(ビデオ審判)注進でモニターチェックとなり、ハンドで得点を認められないことに。
その後はフリアン・アルバレスが3度程、シュートを撃ったにも関わらず、ことごとくGKセルヒオ・エレーラに止められてしまい、両チーム無得点でハーフタイムとなったんですが、スペイン・スーパーカップがなく、先週はミッドウィークフリーとなったのが幸いしたんですよ。ええ、後半10分、グリーズマンのショートCKから始まったプレーで、ラポールが頭で落としたボールをゴール前から決めたフリアンも「Era una de las jugadas que practicamos en estos días, tuvimos varios días para trabajarlo y salió/エラ・ウナ・デ・ラス・フガダス・ケ・プラクティカモス・エン・エストス・ディアス、トゥビモス・バリオス・ディアス・パラ・トラバハル・イ・サリオ(ここ数日、練習していたプレーで、ウチには何日も取り組む時間があったから、上手くいった)」と言っていたんですけどね。
結局、アトレティコの得点はこの1点だけだったんですが、うーん、コパ生き残り組のオサスナも今週は近隣のライバル、アスレティックとの16強対決が控えているせいで、ビセンテ・モレノ監督も考えてしまったんでしょうか。エースのブドミルを始め、レギュラーのアイマール・オロスやモンカジョラを控えにしたせいもあって、GKオブラクの手を煩わすことはできず。シメオネ監督もいつもなら、早々に使い切る交代枠をサムエル・リノ、ジョレンテ、コレアの3人を入れただけで、セルロートもコケも出さず、そのまま1-0でクラブ史上最長となる14連勝を達成していたんですが、いやあ。
だってえ、10月末にはベティスに負けて、首位と勝ち点10差という最低の日々を送っていたアトレティコなのに、これでcampeon de invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン、シーズン前半戦王者)になっちゃったんですよ。しかもこの先、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)のコパは2部のエルチェと対戦、続いてレガネスとの兄弟分ダービーとなると、21日(火)にCLリーグフェーズ7節のレバークーゼン戦が来るまでは、記録を16連勝に伸ばせそうな気がするんですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、勝利を重ねるにつれ、選手たちの自信も増してきましたし、今はこのまま、シーズン後半も突っ走ってくれることを願うばかりかと。
そして日曜の夜、満を持して、スペイン・スーパーカップクラシコが始まったんですが、序盤からGKクルトワがジャマルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)したと思いきや、2度目にラフィーニャをセーブした後にはマドリーの速攻カウンターが発動。ビニシウスからエムバペがボールを受け取り、最後はバルデをかわして先制弾を決めたのを見た時には、リーガクラシコで8度もバルサのオフサイドトラップに嵌った彼も進歩したのかと安心したんですが、とんでもない。再び、クルトワがラフィーニャのシュートを防いだ後の21分には、17才のジャマルに同点ゴールを決められてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。
実際、その時も急造CBチュアメニがジャマルの前を塞げなかったんですが、35分にはフランス代表同僚のカマビンガもエリア内でガビを倒し、レバンドフスキがPKで勝ち越しゴールを挙げるのに貢献。前半残りはまさに悪夢で、39分にはルーカス・バスケスもチュアメニもラフィーニャをマークしていなかったせいで、クンデのロングクロスからヘッドを決められてしまうわ、9分と長いロスタイムの最後には今度はバルサのカウンターが成功。バルデのシュートでとうとう4点まで取られてしまうって、天下のマドリーがここまで守備崩壊して言い訳ありませんって。
ただそれでも彼らには伝家の宝刀、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)があったため、カマビンガがセバージョスに代わった後半、どこまで追いすがれるのか、少しは期待していたんですけどね。それが早くも2分にはカサドーが自陣から出したスルーパスを追ったラフィーニャをまたしてもチュアメニが止められず、クルトワはとうとう5失点目をしてしまうことに。ようやくそれでアンチェロッティ監督もルーカス・バスケスをカンテラーノ(RMカスティージャの選手)の本職DF、アセンシオにして、それ以上の被害を防ぐ方向に動いたんですが、すでに時遅し。
9分にはエリアを出てエムバペの突進を防ごうとしたGKシュシェスニーが相手を倒し、レッドカードで退場したバルサでしたが、いえ、それで得たFKをロドリゴはピッチに入ったばかりのGKイニャキ・ペナの手が届かないゴール隅に決め、2-5にはしたんですけどね。その後、アンチェロッティ監督もようやくチュアメニをモドリッチに、30分にはビニシウスヲブライムに代えてみたものの、10人になって、逆にコンパクトに守れるようになったフリック監督のチームからは追加点を奪えず。8分と後半も長かったロスタイム、最後はエムバペのシュートも弾かれて、そのまま完敗してしまいましたっけ。
うーん、準決勝でアスレティックを破った日にサウジアラビアにCSD(スポーツ上級委員会)から、ラ・リーガの登録抹消措置を一時停止という朗報が届いたダニ・オルモも出場でき、昨年11月以降の不調でリーガ首位からも陥落して、3位に落ちていたバルサがスペイン・スーパーカップ優勝を盛大に祝っていたのはともかく、これは特に先に繋がらない大会ですから、マドリーが負けることがあってもいいんですけどね。実際、モドリッチも「Si hay que perder una final... mejor que sea ésta/シー・アイ・ケ・ペルデル・ウナ・フィナル…メホール・ケ・セア・エスタ(決勝に負けないといけないなら、この決勝が一番マシ)」と言っていたんですが、心配なのはこの日、長期リハビリが終わったアラバもついにベンチ入りしたものの、あからさまに弱点が露呈した守備陣。
いえ、アンチェロッティ監督も「ウチは前半、ロングボールを多用して、サッカーをプレーしていなかったから、ハーフタイムにはサッカーをするようにと言った」と苦言を呈していたように、エムバペ、ビニシウス、ベリンガム、ロドリゴを並べながら、効率的に点が奪えなかったのも何ですが、そのせいで守備的に破綻していた感もありましたからね。やはりこの1月は方針を変えて、守備力のある選手を獲るなり、チームとして、しっかり皆が守りに協力するように意識改革するなり、何か手を打たないと、そう、たった1敗で世間にクライシスと言われてしまうのがマドリーの常。
まずは木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコパのセルタ戦、日曜のリーガ、ラス・パルマス戦、そして来週水曜のCLザルツブルク戦のサンティアゴ・ベルナベウ3連戦で立て直せないと、それこそ、今季はUEFAスーパーカップとインターコンティネンタルカップの2冠だけで終わってしまう恐れもなきにしろあらず。少なくとも1月いっぱいは週2試合ペースが続くマドリーだけになかなか、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でじっくりトレーニングする時間もありませんが、このままで終わる訳にはいきませんよね。
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IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が、21世紀で最もプレーした選手のランキングを発表。トップ10には日本人選手もランクインした。 様々な統計を行うIFFHS。2022年までのデータを集計し、21世紀に入ってからのプレーした試合数をもとにランキングを作成した。 対象となるのは、各国のリーグ戦やカップ戦、国際カップ戦、代表チームの試合も含まれ、全ての公式戦が対象になっている。 今回の統計では1000試合以上プレーした選手が3人に増加。首位は昨年と変わらず、サウジアラビアへ活躍の場を移したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)となり、1145試合を記録した。 2022年に1000試合を突破したのは、ブラジル代表DFダニエウ・アウベス(UNAMプーマス)とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。アウベスは1033試合、メッシは1003試合となった。メッシはカタール・ワールドカップ(W杯)での試合で1000試合を超えたことになる。 そんな中、8位には日本人がランクイン。941試合に出場したMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)だ。遠藤はガンバ大阪と磐田、そして日本代表での試合が21世紀に含まれている。なお、アジア人でも唯一となり、900試合以上を達成しているのも12名となっている。 ◆21世紀の出場試合数ランキング 合計(国内リーグ/国内カップ/国際カップ/代表) 1位:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 1145試合(651/93/205/196) 2位:ダニエウ・アウベス(ブラジル) 1033試合(620/115/172/126) 3位:リオネル・メッシ(アルゼンチン) 1003試合(559/102/170/172) 4位:イケル・カシージャス(スペイン) 974試合(585/57/171/161) 5位:ジョアン・モウティーニョ(ポルトガル) 958試合(563/107/142/146) 6位:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン) 948試合(603/72/152/121) 7位:ルカ・モドリッチ(クロアチア) 947試合(569/69/146/162) 8位:遠藤保仁(日本) 941試合(606/117/66/152) 9位:チャビ・エルナンデス(スペイン) 937試合(536/95/174/132) 10位:セルヒオ・ラモス(スペイン) 935試合(534/70/151/180) 11位:アンドレス・イニエスタ(スペイン) 933試合(552/98/152/131) 12位:ロジェリオ・セニ(ブラジル) 904試合(675/71/149/9) 2023.01.12 12:45 Thu4
コパ決勝クラシコで2アシスト、優勝に貢献したヤマルはマドリーに「今季彼らは僕らに勝てない」と豪語
バルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルがレアル・マドリーに対して豪語した。 ヤマルは26日に行われたコパ・デル・レイ決勝マドリー戦で先制点と2点目をアシスト。延長戦の末3-2で勝利したチームの優勝に大きく貢献していた。 コパ・デル・レイ決勝での勝利により今季のクラシコの戦績はバルセロナの3戦3勝となった中、ヤマルは試合後のインタビューで「例え1点決められても、2点決められても関係なかった。今季彼らは僕らに勝てない。それが証明された」と豪語。 優勝決定後には派手なサングラスを着用してお茶らけていたヤマル。17歳の言動が来月11日に行われるラ・リーガでの今季最後となるエル・クラシコにどのような影響を与えるだろうか。 2025.04.27 13:00 Sun5
