まさかそこまでザルだったとは…/原ゆみこのマドリッド
2025.01.14 19:00 Tue
「踏んだり蹴ったりってまさにこのことじゃ…」そんな風に私が呆気に取られていたのは日曜日、レアル・マドリーがスペイン・スーパーカップ決勝でバルサに大敗するのを見た時のことでした。いやあ、先週末、国内ではシーズン前半戦最後となるリーガ19節があったんですが、サウジアラビア遠征組の4チームは互いの間でこのカードを12月に先行開催。その際、アンチェロッティ監督のチームがアスレティックに負けていたのはともかく、年明けに順延されていたバレンシア戦で勝った彼らは消化試合が1つ多い状態で首位に立ったんですけどね。鬼の居ぬ間にお隣さんに抜かれ、スーパーカップ決勝前には再び2位に逆戻りすることに。
それでも前人未踏のSeptete(セプテテ/1シーズン7冠優勝のこと)の望みは捨てず、今季前半戦のリーガ・クラシコのリベンジを期して、宿命のライバルと相まみえてみれば、サンティアゴ・ベルナベウで喰らった0-4より酷い、2-5の惨敗をしてしまったから、驚いたの何のって!こうなると、あとはサッカー史上、2009年にグァルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)がバルサで、そしてまさにバルサの現指揮官、フリック監督がバイエルンを率いて2020年に達成しただけのSextete(セクステテ/1シーズン6冠優勝)を目指すしかありませんが、残るタイトルはリーガ、CL、コパ・デル・レイ、クラブW杯と難易度の高い大会ばかり。今のマドリーのメンバーでそれが成し遂げられるかどうか、不安に思うファンは決して少なくない?
まあ、そんなことはともかく、とりあえず順番に先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると。今年のリーガ初試合も金曜に当たったラージョは、平日開催にずっと抗議しているブカネーロス(ウルトラグループ)が応援ストでまだ、エスタディオ・バジェカスのゴール裏席を埋めていなかった前半5分、GKグァイタのパンチングしたボールをvolea(ボレア/ボレーシュート)でエンバルバが撃ち込んで、セルタに先制する幸先のいいスタートを切ることに。ええ、この時、カメージョがグァイタの後ろを通り、相手のバランスを崩していたにも関わらず、問題視されずにスコアに挙がったからでもありますが、26分にはボルハ・イグレシアスに同点ゴールを決められてしまってはねえ。
でも大丈夫、後半18分には年明け最初のコパ32強対決ラシン・フェロル(2部)戦でも2得点した、好調デ・フルートスがエリア内から勝ち越しゴールを奪い、マルコス・アロンソが2枚目のイエローカードで退場したセルタを抑えて、そのまま2-1で勝利。10月末以来のホームでの白星を、「Vida de piratas/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌うラージョファンと共に祝ったんですが、おかげで彼らはとうとう、来季のヨーロッパの大会出場圏7位と勝ち点3差に接近することに。
まあ、ラージョの付ける9位近辺は同じ勝ち点で3、4チームが並ぶ激戦区のため、たとえ、週末のオサスナ戦に勝ったとしても、簡単には上に行けないんですけどね。未だに補強はないものの、そのライバルの1つでもあるレアル・ソシエダと当たる、木曜のコパ16強対決で波乱を起こせれば、リーガも勢いに乗れるかもしれない?
そのためにはこの水曜のコパ、アルメリア(2部)戦は重荷になるかもしれませんが、同様なのは日曜のデーゲームでラス・パルマスに勝利したお隣さんのヘタフェ。いえ、グラン・カナリアではGKダビド・ソリアがサンドロのPKを弾くなどして、最善の0-0を後半25分までキープした後、ついにボルダラス監督の辛抱が実って、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のコバがトップチームでの初ゴールをゲット。40分にはコパ32強対決グラナダ(2部)戦に続いて途中出場したマジョラルが2点目を挙げ、相手をヤヌザイの1点だけに留めて1-2で勝利。今季初となるアウェイでの白星を挙げたんですが、何せこちらも土曜はバルサがコリセウムに来ますからね。
それこそ水曜のコパ、ポンテベドラ(RFEF2部/実質4部)戦は控えとカンテラーノの総動員で賄って、バルサ戦を全員守備のスコアレスドローで乗り切れれば御の字といったところですが、何より大切なのはせっかく15位に上昇して、勝ち点3になった降格圏との差をキープすること。ここ2試合連続得点となったマジョラルもとうとう、真の復活を遂げたように見えますが、それと並行して、前線の補強もしっかり進めてもらいたいところです。
一方、日曜の次の時間帯にメトロポリターノでオサスナ戦を迎えたのが兄貴分のアトレティコだったんですが、何せ昨年から、ここまで破竹の13連勝中でしたからね。リーガも年内最終戦ではバルサに土壇場の逆転勝ちという、意気軒昂ぶりだったため、前半7分、モリーナがエリア内右から出したパスをグリーズマンが早くもゴールに入れた時はさもありなんという感じだったんですが、そうは問屋が卸さず。後ろにカテナにピッタリくっつかれたアトレティコの重鎮は上半身をよじることもできず、ボールが肘に当たってゴールに入ったため、VAR(ビデオ審判)注進でモニターチェックとなり、ハンドで得点を認められないことに。
その後はフリアン・アルバレスが3度程、シュートを撃ったにも関わらず、ことごとくGKセルヒオ・エレーラに止められてしまい、両チーム無得点でハーフタイムとなったんですが、スペイン・スーパーカップがなく、先週はミッドウィークフリーとなったのが幸いしたんですよ。ええ、後半10分、グリーズマンのショートCKから始まったプレーで、ラポールが頭で落としたボールをゴール前から決めたフリアンも「Era una de las jugadas que practicamos en estos días, tuvimos varios días para trabajarlo y salió/エラ・ウナ・デ・ラス・フガダス・ケ・プラクティカモス・エン・エストス・ディアス、トゥビモス・バリオス・ディアス・パラ・トラバハル・イ・サリオ(ここ数日、練習していたプレーで、ウチには何日も取り組む時間があったから、上手くいった)」と言っていたんですけどね。
結局、アトレティコの得点はこの1点だけだったんですが、うーん、コパ生き残り組のオサスナも今週は近隣のライバル、アスレティックとの16強対決が控えているせいで、ビセンテ・モレノ監督も考えてしまったんでしょうか。エースのブドミルを始め、レギュラーのアイマール・オロスやモンカジョラを控えにしたせいもあって、GKオブラクの手を煩わすことはできず。シメオネ監督もいつもなら、早々に使い切る交代枠をサムエル・リノ、ジョレンテ、コレアの3人を入れただけで、セルロートもコケも出さず、そのまま1-0でクラブ史上最長となる14連勝を達成していたんですが、いやあ。
だってえ、10月末にはベティスに負けて、首位と勝ち点10差という最低の日々を送っていたアトレティコなのに、これでcampeon de invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン、シーズン前半戦王者)になっちゃったんですよ。しかもこの先、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)のコパは2部のエルチェと対戦、続いてレガネスとの兄弟分ダービーとなると、21日(火)にCLリーグフェーズ7節のレバークーゼン戦が来るまでは、記録を16連勝に伸ばせそうな気がするんですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、勝利を重ねるにつれ、選手たちの自信も増してきましたし、今はこのまま、シーズン後半も突っ走ってくれることを願うばかりかと。
そして日曜の夜、満を持して、スペイン・スーパーカップクラシコが始まったんですが、序盤からGKクルトワがジャマルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)したと思いきや、2度目にラフィーニャをセーブした後にはマドリーの速攻カウンターが発動。ビニシウスからエムバペがボールを受け取り、最後はバルデをかわして先制弾を決めたのを見た時には、リーガクラシコで8度もバルサのオフサイドトラップに嵌った彼も進歩したのかと安心したんですが、とんでもない。再び、クルトワがラフィーニャのシュートを防いだ後の21分には、17才のジャマルに同点ゴールを決められてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。
実際、その時も急造CBチュアメニがジャマルの前を塞げなかったんですが、35分にはフランス代表同僚のカマビンガもエリア内でガビを倒し、レバンドフスキがPKで勝ち越しゴールを挙げるのに貢献。前半残りはまさに悪夢で、39分にはルーカス・バスケスもチュアメニもラフィーニャをマークしていなかったせいで、クンデのロングクロスからヘッドを決められてしまうわ、9分と長いロスタイムの最後には今度はバルサのカウンターが成功。バルデのシュートでとうとう4点まで取られてしまうって、天下のマドリーがここまで守備崩壊して言い訳ありませんって。
ただそれでも彼らには伝家の宝刀、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)があったため、カマビンガがセバージョスに代わった後半、どこまで追いすがれるのか、少しは期待していたんですけどね。それが早くも2分にはカサドーが自陣から出したスルーパスを追ったラフィーニャをまたしてもチュアメニが止められず、クルトワはとうとう5失点目をしてしまうことに。ようやくそれでアンチェロッティ監督もルーカス・バスケスをカンテラーノ(RMカスティージャの選手)の本職DF、アセンシオにして、それ以上の被害を防ぐ方向に動いたんですが、すでに時遅し。
9分にはエリアを出てエムバペの突進を防ごうとしたGKシュシェスニーが相手を倒し、レッドカードで退場したバルサでしたが、いえ、それで得たFKをロドリゴはピッチに入ったばかりのGKイニャキ・ペナの手が届かないゴール隅に決め、2-5にはしたんですけどね。その後、アンチェロッティ監督もようやくチュアメニをモドリッチに、30分にはビニシウスヲブライムに代えてみたものの、10人になって、逆にコンパクトに守れるようになったフリック監督のチームからは追加点を奪えず。8分と後半も長かったロスタイム、最後はエムバペのシュートも弾かれて、そのまま完敗してしまいましたっけ。
うーん、準決勝でアスレティックを破った日にサウジアラビアにCSD(スポーツ上級委員会)から、ラ・リーガの登録抹消措置を一時停止という朗報が届いたダニ・オルモも出場でき、昨年11月以降の不調でリーガ首位からも陥落して、3位に落ちていたバルサがスペイン・スーパーカップ優勝を盛大に祝っていたのはともかく、これは特に先に繋がらない大会ですから、マドリーが負けることがあってもいいんですけどね。実際、モドリッチも「Si hay que perder una final... mejor que sea ésta/シー・アイ・ケ・ペルデル・ウナ・フィナル…メホール・ケ・セア・エスタ(決勝に負けないといけないなら、この決勝が一番マシ)」と言っていたんですが、心配なのはこの日、長期リハビリが終わったアラバもついにベンチ入りしたものの、あからさまに弱点が露呈した守備陣。
いえ、アンチェロッティ監督も「ウチは前半、ロングボールを多用して、サッカーをプレーしていなかったから、ハーフタイムにはサッカーをするようにと言った」と苦言を呈していたように、エムバペ、ビニシウス、ベリンガム、ロドリゴを並べながら、効率的に点が奪えなかったのも何ですが、そのせいで守備的に破綻していた感もありましたからね。やはりこの1月は方針を変えて、守備力のある選手を獲るなり、チームとして、しっかり皆が守りに協力するように意識改革するなり、何か手を打たないと、そう、たった1敗で世間にクライシスと言われてしまうのがマドリーの常。
まずは木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコパのセルタ戦、日曜のリーガ、ラス・パルマス戦、そして来週水曜のCLザルツブルク戦のサンティアゴ・ベルナベウ3連戦で立て直せないと、それこそ、今季はUEFAスーパーカップとインターコンティネンタルカップの2冠だけで終わってしまう恐れもなきにしろあらず。少なくとも1月いっぱいは週2試合ペースが続くマドリーだけになかなか、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でじっくりトレーニングする時間もありませんが、このままで終わる訳にはいきませんよね。
それでも前人未踏のSeptete(セプテテ/1シーズン7冠優勝のこと)の望みは捨てず、今季前半戦のリーガ・クラシコのリベンジを期して、宿命のライバルと相まみえてみれば、サンティアゴ・ベルナベウで喰らった0-4より酷い、2-5の惨敗をしてしまったから、驚いたの何のって!こうなると、あとはサッカー史上、2009年にグァルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)がバルサで、そしてまさにバルサの現指揮官、フリック監督がバイエルンを率いて2020年に達成しただけのSextete(セクステテ/1シーズン6冠優勝)を目指すしかありませんが、残るタイトルはリーガ、CL、コパ・デル・レイ、クラブW杯と難易度の高い大会ばかり。今のマドリーのメンバーでそれが成し遂げられるかどうか、不安に思うファンは決して少なくない?
まあ、そんなことはともかく、とりあえず順番に先週末のマドリッド勢の試合を振り返っていくことにすると。今年のリーガ初試合も金曜に当たったラージョは、平日開催にずっと抗議しているブカネーロス(ウルトラグループ)が応援ストでまだ、エスタディオ・バジェカスのゴール裏席を埋めていなかった前半5分、GKグァイタのパンチングしたボールをvolea(ボレア/ボレーシュート)でエンバルバが撃ち込んで、セルタに先制する幸先のいいスタートを切ることに。ええ、この時、カメージョがグァイタの後ろを通り、相手のバランスを崩していたにも関わらず、問題視されずにスコアに挙がったからでもありますが、26分にはボルハ・イグレシアスに同点ゴールを決められてしまってはねえ。
まあ、ラージョの付ける9位近辺は同じ勝ち点で3、4チームが並ぶ激戦区のため、たとえ、週末のオサスナ戦に勝ったとしても、簡単には上に行けないんですけどね。未だに補強はないものの、そのライバルの1つでもあるレアル・ソシエダと当たる、木曜のコパ16強対決で波乱を起こせれば、リーガも勢いに乗れるかもしれない?
そして翌土曜には弟分仲間のレガネスがアウェイでエスパニョール戦に挑み、こちらは初っ端、開始2分にCKからカブレラのヘッドで1点を先行されてしまったものの、16分にはもう、シセのゴールで同点に。ただそれ以降は敵GKジョアン・ガルシアに何度もシュートを阻まれてしまい、結局、1-1で引分けて帰って来ることになったんですが、それでもボルハ・ヒメネス監督のチームは前半戦で勝ち点19と最低ノルマは果たしましたからね。週末土曜には兄貴分のアトレティコをブタルケに迎えるため、あまり期待できないとはいえ、この調子で直接ライバルに無敗を続けることができれば、何とか1部残留は達成できるのではないかと。
そのためにはこの水曜のコパ、アルメリア(2部)戦は重荷になるかもしれませんが、同様なのは日曜のデーゲームでラス・パルマスに勝利したお隣さんのヘタフェ。いえ、グラン・カナリアではGKダビド・ソリアがサンドロのPKを弾くなどして、最善の0-0を後半25分までキープした後、ついにボルダラス監督の辛抱が実って、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のコバがトップチームでの初ゴールをゲット。40分にはコパ32強対決グラナダ(2部)戦に続いて途中出場したマジョラルが2点目を挙げ、相手をヤヌザイの1点だけに留めて1-2で勝利。今季初となるアウェイでの白星を挙げたんですが、何せこちらも土曜はバルサがコリセウムに来ますからね。
それこそ水曜のコパ、ポンテベドラ(RFEF2部/実質4部)戦は控えとカンテラーノの総動員で賄って、バルサ戦を全員守備のスコアレスドローで乗り切れれば御の字といったところですが、何より大切なのはせっかく15位に上昇して、勝ち点3になった降格圏との差をキープすること。ここ2試合連続得点となったマジョラルもとうとう、真の復活を遂げたように見えますが、それと並行して、前線の補強もしっかり進めてもらいたいところです。
一方、日曜の次の時間帯にメトロポリターノでオサスナ戦を迎えたのが兄貴分のアトレティコだったんですが、何せ昨年から、ここまで破竹の13連勝中でしたからね。リーガも年内最終戦ではバルサに土壇場の逆転勝ちという、意気軒昂ぶりだったため、前半7分、モリーナがエリア内右から出したパスをグリーズマンが早くもゴールに入れた時はさもありなんという感じだったんですが、そうは問屋が卸さず。後ろにカテナにピッタリくっつかれたアトレティコの重鎮は上半身をよじることもできず、ボールが肘に当たってゴールに入ったため、VAR(ビデオ審判)注進でモニターチェックとなり、ハンドで得点を認められないことに。
その後はフリアン・アルバレスが3度程、シュートを撃ったにも関わらず、ことごとくGKセルヒオ・エレーラに止められてしまい、両チーム無得点でハーフタイムとなったんですが、スペイン・スーパーカップがなく、先週はミッドウィークフリーとなったのが幸いしたんですよ。ええ、後半10分、グリーズマンのショートCKから始まったプレーで、ラポールが頭で落としたボールをゴール前から決めたフリアンも「Era una de las jugadas que practicamos en estos días, tuvimos varios días para trabajarlo y salió/エラ・ウナ・デ・ラス・フガダス・ケ・プラクティカモス・エン・エストス・ディアス、トゥビモス・バリオス・ディアス・パラ・トラバハル・イ・サリオ(ここ数日、練習していたプレーで、ウチには何日も取り組む時間があったから、上手くいった)」と言っていたんですけどね。
結局、アトレティコの得点はこの1点だけだったんですが、うーん、コパ生き残り組のオサスナも今週は近隣のライバル、アスレティックとの16強対決が控えているせいで、ビセンテ・モレノ監督も考えてしまったんでしょうか。エースのブドミルを始め、レギュラーのアイマール・オロスやモンカジョラを控えにしたせいもあって、GKオブラクの手を煩わすことはできず。シメオネ監督もいつもなら、早々に使い切る交代枠をサムエル・リノ、ジョレンテ、コレアの3人を入れただけで、セルロートもコケも出さず、そのまま1-0でクラブ史上最長となる14連勝を達成していたんですが、いやあ。
だってえ、10月末にはベティスに負けて、首位と勝ち点10差という最低の日々を送っていたアトレティコなのに、これでcampeon de invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン、シーズン前半戦王者)になっちゃったんですよ。しかもこの先、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)のコパは2部のエルチェと対戦、続いてレガネスとの兄弟分ダービーとなると、21日(火)にCLリーグフェーズ7節のレバークーゼン戦が来るまでは、記録を16連勝に伸ばせそうな気がするんですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、勝利を重ねるにつれ、選手たちの自信も増してきましたし、今はこのまま、シーズン後半も突っ走ってくれることを願うばかりかと。
そして日曜の夜、満を持して、スペイン・スーパーカップクラシコが始まったんですが、序盤からGKクルトワがジャマルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)したと思いきや、2度目にラフィーニャをセーブした後にはマドリーの速攻カウンターが発動。ビニシウスからエムバペがボールを受け取り、最後はバルデをかわして先制弾を決めたのを見た時には、リーガクラシコで8度もバルサのオフサイドトラップに嵌った彼も進歩したのかと安心したんですが、とんでもない。再び、クルトワがラフィーニャのシュートを防いだ後の21分には、17才のジャマルに同点ゴールを決められてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。
実際、その時も急造CBチュアメニがジャマルの前を塞げなかったんですが、35分にはフランス代表同僚のカマビンガもエリア内でガビを倒し、レバンドフスキがPKで勝ち越しゴールを挙げるのに貢献。前半残りはまさに悪夢で、39分にはルーカス・バスケスもチュアメニもラフィーニャをマークしていなかったせいで、クンデのロングクロスからヘッドを決められてしまうわ、9分と長いロスタイムの最後には今度はバルサのカウンターが成功。バルデのシュートでとうとう4点まで取られてしまうって、天下のマドリーがここまで守備崩壊して言い訳ありませんって。
ただそれでも彼らには伝家の宝刀、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)があったため、カマビンガがセバージョスに代わった後半、どこまで追いすがれるのか、少しは期待していたんですけどね。それが早くも2分にはカサドーが自陣から出したスルーパスを追ったラフィーニャをまたしてもチュアメニが止められず、クルトワはとうとう5失点目をしてしまうことに。ようやくそれでアンチェロッティ監督もルーカス・バスケスをカンテラーノ(RMカスティージャの選手)の本職DF、アセンシオにして、それ以上の被害を防ぐ方向に動いたんですが、すでに時遅し。
9分にはエリアを出てエムバペの突進を防ごうとしたGKシュシェスニーが相手を倒し、レッドカードで退場したバルサでしたが、いえ、それで得たFKをロドリゴはピッチに入ったばかりのGKイニャキ・ペナの手が届かないゴール隅に決め、2-5にはしたんですけどね。その後、アンチェロッティ監督もようやくチュアメニをモドリッチに、30分にはビニシウスヲブライムに代えてみたものの、10人になって、逆にコンパクトに守れるようになったフリック監督のチームからは追加点を奪えず。8分と後半も長かったロスタイム、最後はエムバペのシュートも弾かれて、そのまま完敗してしまいましたっけ。
うーん、準決勝でアスレティックを破った日にサウジアラビアにCSD(スポーツ上級委員会)から、ラ・リーガの登録抹消措置を一時停止という朗報が届いたダニ・オルモも出場でき、昨年11月以降の不調でリーガ首位からも陥落して、3位に落ちていたバルサがスペイン・スーパーカップ優勝を盛大に祝っていたのはともかく、これは特に先に繋がらない大会ですから、マドリーが負けることがあってもいいんですけどね。実際、モドリッチも「Si hay que perder una final... mejor que sea ésta/シー・アイ・ケ・ペルデル・ウナ・フィナル…メホール・ケ・セア・エスタ(決勝に負けないといけないなら、この決勝が一番マシ)」と言っていたんですが、心配なのはこの日、長期リハビリが終わったアラバもついにベンチ入りしたものの、あからさまに弱点が露呈した守備陣。
いえ、アンチェロッティ監督も「ウチは前半、ロングボールを多用して、サッカーをプレーしていなかったから、ハーフタイムにはサッカーをするようにと言った」と苦言を呈していたように、エムバペ、ビニシウス、ベリンガム、ロドリゴを並べながら、効率的に点が奪えなかったのも何ですが、そのせいで守備的に破綻していた感もありましたからね。やはりこの1月は方針を変えて、守備力のある選手を獲るなり、チームとして、しっかり皆が守りに協力するように意識改革するなり、何か手を打たないと、そう、たった1敗で世間にクライシスと言われてしまうのがマドリーの常。
まずは木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコパのセルタ戦、日曜のリーガ、ラス・パルマス戦、そして来週水曜のCLザルツブルク戦のサンティアゴ・ベルナベウ3連戦で立て直せないと、それこそ、今季はUEFAスーパーカップとインターコンティネンタルカップの2冠だけで終わってしまう恐れもなきにしろあらず。少なくとも1月いっぱいは週2試合ペースが続くマドリーだけになかなか、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でじっくりトレーニングする時間もありませんが、このままで終わる訳にはいきませんよね。
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レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed4
40歳C・ロナウドが約400億円で3年連続最も稼いだアスリートに! メッシが5位、ドジャース・大谷翔平は9位
アル・ナスルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)が、再び世界で最も稼ぐアスリートとなった。アメリカ『フォーブス』が伝えた。 サッカー界のスーパースターの1人であるC・ロナウド。初めて世界で最も稼ぐアスリートになってから9年。40歳になった中で、3年連続5度目のナンバーワンとなった。 スポルティングCPで才能を見出され、マンチェスター・ユナイテッドで輝きを放ち、レアル・マドリーで全盛期を迎えると、ユベントス、ユナイテッドでプレーし、現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレー。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では準決勝で川崎フロンターレに敗れてアジア王者は逃したが、その存在感は健在だ。 サッカー界のNo.1プレーヤーという肩書きは譲りつつあるものの、この1年間で稼いだ金額は推定2億7500万ドル(約399億6000万円)とのこと。これは自己最高記録であり、歴代でも2015年に3億ドル、2018年に2億8500万ドルを稼いだプロボクサーのフロイド・メイウェザーだけとなっている。 内訳としては2億2500万ドル(約326億9000万円)がアル・ナスルとの契約で手にしており、残りの5000万ドル(約72億7000万円)はピッチ外での収入となり、スポンサー契約などの収入と見られている。 サッカー選手ではトップ10にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)が1億3500万ドル(約196億3000万円)で5位。8位に元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)が1億400万ドル(約151億2000万円)でランクイン。トップ50に広げると、フランス代表FWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリー)が9000万ドル(約130億9000万円)で16位、ブラジル代表FWネイマール(サントス)が7600万ドル(約110億5000万円)で25位、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)が6200万ドル(約90億1000万円)で34位、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)が5500万ドル(約80億円)で46位、セネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が5400万ドル(約78億5000万円)で48位となった。 全体では2位にNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーで1億5600万ドル(約226億7000万円)、3位にイングランドのプロボクサーであるタイソン・フューリーで1億4600万ドル(約212億2000万円)、4位にNFLのダラス・カウボーイズに所属するダック・プレスコットで1億3700万ドル(約199億1000万円)、5位がメッシとなった。 なお、日本人では9位にはMLBのロサンゼルス・ドジャーズに所属する大谷翔平が唯一入り1億250万ドル(約148億9000万円)。フィールド上で250万ドル(約3億6000万円)、フィールド外で1億ドル(約145億3000万円)を稼いでいるとされている。 <h3>◆最も稼ぐアスリートランキング 2025</h3> 1位:クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル/40歳) 総収益:2億7500万ドル(約399億6000万円) 2位:ステフィン・カリー(バスケットボール/アメリカ/37歳) 総収益:1億5600万ドル(約226億7000万円) 3位:タイソン・フューリー(ボクシング/イギリス/36歳) 総収益:1億4600万ドル(約212億2000万円) 4位:ダック・プレスコット(アメリカン・フットボール/アメリカ/31歳) 総収益:1億3700万ドル(約199億1000万円) 5位:リオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン/37歳) 総収益:1億3500万ドル(約196億3000万円) 6位:レブロン・ジェームズ(バスケットボール/アメリカ/39歳) 総収益:1億3380万ドル(約194億4000万円) 7位:フアン・ソト(野球/ドミニカ共和国/26歳) 総収益:1億1400万ドル(約165億8000万円) 8位:カリム・ベンゼマ(サッカー/フランス/36歳) 総収益:1億400万ドル(約151億2000万円) 9位:大谷翔平(野球/日本/歳) 総収益:1億250万ドル(約148億9000万円) 10位:ケビン・デュラント(バスケットボール/アメリカ/35歳) 総収益:1億140万ドル(約147億3000万円) 2025.05.16 17:40 Fri5
