サウジアラビアは遠い…/原ゆみこのマドリッド

2025.01.11 22:00 Sat
©︎RFEF
「今年も決勝はクラシコなのね」そんな風に私がちょっとマンネリに感じていたのは金曜日、スペイン・スーパーカップ準決勝で大方の予想通り、リーガのビッグ2が快勝。日曜午後8時(日本時間翌午前4時)にキング・アブドッゥラーでタイトルを懸けて戦うのが、バルサとレアル・マドリーに決まった翌朝のことでした。いやあ、例年のことではありますが、どんなにひいきのチームでもサウジアラビアまでスペインから応援に行くファンは極々少数。おかげで火曜のアスレティックvsバルサの準決勝など、スタンドに空席がかなりあったぐらいなんですけどね。

それでも翌日は地元のマドリーファンで大入りとなり、いえ、選手の家族中心のマジョルカ応援団など、100人にも満たない小グループだったせいもあったか、奥様方の中にはアラブ人男性に囲まれて、セクハラ被害に遭った気の毒な人もいたようなんですけどね。昨今は4チームでの大会になったとはいえ、現地の人の望むのはクラシコ(伝統の一戦)オンリー。2023年は3-1でバルサが優勝、昨年は4-1でマドリーが優勝と結果が拮抗しているだけに、いよいよ今年は雌雄を決する対戦になるはずですが、どうにもきな臭さが漂っているのはやっぱり、例の件があるせいで…。

そう、実は昨年中からバルサのダニ・オルモとパウ・ビクトルの選手登録が、クラブがサラリーキャップを満たす金策をしてリーガに認められない限り、12月末で抹消に。その後、新たに今季の登録はできないという問題は一応、報道は追ってはいたものの、私にしてみれば、ヨソ様の話ですからね。結局、年末までに解決せず、リーガにもサッカー協会にも見放され、バルサは登録選手でなくなった2人を年明け最初のコパ・デル・レイ32強対決でも使えなかったんですが、何とダメ元で連れて行ったジェッダに上訴していたCSD(スポーツ上級委員会)のウルトラCが届くとは!
アスレティックとの準決勝が始まる数時間前、リーガの登録抹消にCautelarisima(カルテラリシマ/ウルトラ一時停止命令)が下され、うーん、さすがにその試合に2人は出場しなかったんですけどね。バルベルデ監督のチームに前半17分のガビのゴール、そして後半7分、12月にレガネスに負けた試合で負ったケガから回復したジャマルの一発で、相手のゴールが2度もオフサイドで認められなかったのもあり、バルサは0-2で勝利。決勝ではオルモもパウ・ビクトルも胸を張ってプレーできるとなれば、リーガの全てのクラブから喧々囂々の非難を浴びていたのも当然だった?

それも実際、CSDが結論を出すまでの3カ月間、有効となる停止命令を出した理由というのも怪しげで、リーガと協会の協約に一貫性が不足。2人をスペイン・スーパーカップで使えないせいで、バルサが負ければ、先々、クラブW杯の参加資格に影響したり、更にはオルモがプレーできないと、スペイン代表にも害が及ぶといった、ほとんど世間が納得できないものでしたからね。扱いが不公平という抗議が各所から湧くのもさもありなんですが、これで最後はやっぱり、オルモは今季残りの登録ができないとなったら、当人も貴重な1月の移籍機会を逃すことになるのではないかと。
まあ、そんなことはともかく、木曜のマドリーの準決勝がどうだったかをお伝えしてくことにすると。実はリーガの公平性に関してはこちらも少々、不透明なところがあって、年明け最初に行われたマドリーの順延分、バレンシア戦でレッドカードをもらったビニシウスが2試合連続退場だったにも関わらず、出場停止処分はたったの2試合だけ。さすがにこれは甘いんじゃないかという意見はあったものの、おかげでスペイン・スーパーカップには影響しなかったんですが、アンチェロッティ監督のチームはマジョルカ戦の当日、モドリッチが風邪でお休みという逆境に見舞われることに。

といっても前半の彼らがパッとしなかったのは別にそのせいではなく、ええ、マドリーがスロースターターなのはよくあることですからね。むしろ、昨年もオサスナを率いてこの大会に出場し、準決勝でバルサに負けたアラサーテ監督が、折しも先日は今季のコパ32強対決でもう敗退。それだけにこの一戦に全精力を投入せざるを得なくなったせいもあり、しっかり守られてしまったため、0-0で折り返すことに。

おまけに後半9分にはチュアメニがケガして、急遽、アセンシオとCBを代わるというアクシデントもあったマドリーですが、大丈夫。とうとう18分には突破口を開き、うーん、ビニシウスの折り返しをヘッドしたロドリゴはゴールバーに弾かれてしまったんですけどね。更にこぼれ球を撃ったエムバペもGKグライフにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったものの、最後はベリンガムが決めて、前線4人総動員で先制点を挙げることに成功します。

ただその後はなかなか追加点が取れず、ええ、マジョルカも浅野拓磨選手を始め、サム・コスタ、ロベルト・ナバーロの3人を一気に投入し、決して勝負を捨てませんでしたしね。アブドン・プラッツも入った終盤は少々ハラハラさせられたんですが、そんな中、ベリンガムのゴールの直後、「Te vas a casa, te vas a casa/テ・バス・ア・カサ(お前らは家に帰る)」と嘲ったりもして、残り3分にはでマッフェオと一気触発になっていたビニシウスをブライムに代えたのは、アンチェロッティ監督の大英断だった?というのもロスタイム3分にはそのブライムのシュートをバリエントがカットし損ねて、オウンゴールにしてくれたからで、これで2-0としたマドリーはほぼ、勝利を確実なものに。

さすがにそれにはマジョルカも力が抜けたか、50分にはルーカス・バスケスのクロスをロドリゴがゴール前からvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、とうとうスコアが3-0となったから、もう安心です。うーん、その直後、ベリンガムがマッフェオに何か言ったことから、両チームのtangana(タンガナ/小競り合い)が始まり、そのまま試合はうやむやのまま終了に。加えてマッフェオに「Tira para allá, que eres muy malo/ティラパラアジャー、ケエrス・ムイ・マロ(そこで倒れてればいい。超下手くそ)」と言い返した、怖い物知らずのカンテラーノ(RMカスティージャの選手)、アセンシオがマジョルカの選手に囲まれてしまうなんてこともあったんですが、いやいや、サウジアラビアくんだりまで行って、喧嘩してどうする?

最後はマッフェオを宥めながら、ロッカールームに戻ったアンチェロッティ監督によると、「Estaban un poco calientes con lo que ha pasado en el partido/エスタバン・ウン・ポコ・カリエンテス・コン・ロ・ケ・ア・パサードー・エン・エル・パルティードー(試合であったことのせいでちょっと皆、熱くなっていた)」そうなんですけどね。マドリーが試合にケリをつけるのに時間がかかったのには、スペインでの真冬の試合と違い、現地が暑かったせいでの疲れも挙げていましたが、そうなるとやっぱり、決勝まで中1日多いバルサが有利かも。昨年10月のリーガ・クラシコでは、まさに絶好調期だった相手に0-4とホームで惨敗していたマドリーですが、ここ2カ月でかなり状況の変わった現在、果たしてスペイン・スーパーカップでリベンジ優勝はできるのでしょうか。

え、それで他のマドリッド勢はこの週末、何があるのかって?もちろん、スペイン・スーパーカップに関係ない16チームにはシーズン前半戦最後となるリーガ19節があって、早くも金曜には弟分のラージョがセルタをエスタディオ・バジェカスに迎えることに。こちらは勝ち点2差で12位と11位の対決ということで、かなり競った戦いが展開されそうですが、どちらもコパでも生き残っているとあって、ええ、早くも来週には16強対決がミッドウィークにありますからね。

木曜にラージョがレアル・ソシエダとサン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)で対戦となる脇で、セルタも同日、こちらはサンティアゴ・ベルナベウで”Pasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)”を作って、スペイン・スーパーカップ王者を迎える破目になりかねず。その辺はともかく、ヒラルデス監督も年明けから連戦続きの相手の消耗度に付け込みたいところでしょうが、生憎、永遠のエース、イアゴ・アスパスが32強対決のラシン・サンタンデール戦で足に肉離れを起こし、1カ月の休場になってしまったのは痛かったかと。

何にせよ、どちらもリーガの降格圏からは距離があるため、この1週間はコパ準々決勝進出を目指して、選手たちの時間配分に気を使わないといけないんですが、逆にコパでは早くも年内の2回戦で敗退。今はリーガ一択になっている相手と対するのが、土曜にエスパニョール戦となるレガネスなんですよ。いえまあ、今季4年ぶりに1部再昇格した彼らの優先目標は残留であって、コパ16強対決まで進んだのはちょっとしたご褒美みたいなもの。よって来週水曜、2部首位のアルメリアに負けても全然、気にすることはないんですけどね。

なかなかハメス・ロドリゲスの退団が決まらないラージョとは違い、この木曜には期待した働きがまったくできなかったFWハラーとのレンタル契約を解消。ドルトムントにお引き取り願って、新たなゴール源を探しているボルハ・ヒメネス監督のチームですが、当面はオスカル・ロドリゲスも出場停止が続きますしね。今はミゲール・デ・ラ・フエンテやディエゴ・ガルシアらが1部での新境地を切り開いてくれることに期待するしかないかと。

そして残りの2チームは日曜のデーゲームとなり、まずはヘタフェがラス・パルマスと対戦するんですが、いいんだか悪いんだか、ボルダラス監督のチームは大きなジレンマに陥ってしまってねえ。というのも金曜のコパ16強抽選で最弱、唯一のRFEF2部(実質4部)のポンテベドラと当たってしまったからで、これは余裕で勝たないと恥ずかしい?ただ幸い、私も勘違いしたんですが、今季は新バージョンCLのおかげで、1月最後の2週間はコパは開催されず。CL出場チームだけがリーグフェーズの最終2節をミッドウィークにプレーするため、とりあえずは日程的には大丈夫なんですが、ヘタフェは降格圏まで勝ち点1という断崖絶壁にいる身ですからね。

となると、余分な大会はさっさとなくして、リーガに専念するべきなんですが、何にしても早めにゴール日照りを補うFWを獲らないことには始まらないかと。コパ32強対決グラナダ(2部)戦で決勝ゴールを挙げたボルハ・マジョラルの状態もまだ要注意ですし、候補に挙がっていたサディク(レアル・ソシエダ)も年明けにはバレンシアにレンタル移籍。もしや出戻りしてくれるのではないかと期待されたエネス・ウナル(ボーンマス)もこの木曜に再度のヒザの靭帯断裂に見舞われたとなれば、簡単には決まらなさそうですが、ファンのためにも近日中に朗報が入ってほしいものです。

続いて日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、メトロポリターノにオサスナを迎えるのがアトレティコで、そう、この試合はマドリーがバレンシアに順延試合で勝ったせいで、失った首位の座を取り戻す大チャンスであるだけでなく、クラブ史上最長の14連勝達成も懸かっている大事な一戦。ただまあ、先週末のコパ32強マルベジャ(RFEF1部/実質1部)戦以来、試合がなかったため、その準備もマハダオンダ(マドリッド近郊)でゆったり進められていたんですが、どうやらバルサとの年内最終戦で負傷したヒメネスの復帰はまだ先になるよう。

それ以外、昨季のアキレス腱断裂から、まだ通常モードに復帰できず、冬の移籍市場での放出も噂されているレマルを除き、負傷者はいないシメオネ監督のチームですから、別に支障はないんですが、コパ16強対決でも彼らはいい目が出てねえ。というのも来週水曜は残ったもう1つの2部チーム、エルチェとの対戦になったばかりでなく、やはりコパ生き残り組のオサスナはアスレティックと相まみえることに。近隣のライバル意識もあって、後者が熱い闘いになるのは目に見えているため、その分、リーガが疎かになる可能性もあるかと思いますが、この先4週間は週2試合ペースが続くアトレティコ。このクリスマス休暇で蓄えたエネルギーを今こそ、存分に発揮してくれるといいのですが…。

レアル・マドリーの関連記事

ラ・リーガの関連記事

【ラ・リーガ】マジョルカ 1ー0 アラベス(9月28日/エスタディ・マジョルカ・ソン・モイシ) ジャガー浅野 待望の今季初ゴール#浅野拓磨 味方との見事なワンツーで裏に抜け出し、冷静なフィニッシュこのゴールが決勝弾となり今季未勝利だったチームを初勝利に導くラ・リーガ 第7節#マジョルカ v #アラベスhttps: 2025.09.29 16:00 Mon
ソシエダの日本代表MF久保建英が、ラ・リーガの開幕戦で初ゴールを決めた。鮮烈ゴラッソに、ファンが大歓喜している。 ソシエダはラ・リーガ第1節でバレンシアと対戦。在籍4シーズン目を迎える久保は[4-2-3-1]の右サイドハーフで先発すると、先制を許した直後の60分に圧巻の同点ゴールを叩き込む。 スペイン代表M 2025.08.18 12:30 Mon
新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」は、スポーツ・チャンネルDAZNと展開する「ABEMA de DAZN」で、2025年8月より開幕する主要な欧州サッカーリーグにおいて、日本代表選手が所属するクラブを中心とした「欧州リーグ2025-26」の試合を中継することを決定した。 今回の発表によると、リーグ・アン、 2025.08.15 17:21 Fri
バルセロナは25日、中止としていたヴィッセル神戸との30周年記念チャリティーマッチ「FRIENDLY MATCH」の『ヴィッセル神戸 vs FC バルセロナ』が開催されることを発表した。 今月27日に予定されていた一戦は、同月24日、『プロモーターによる重大な契約違反』があったとしてバルセロナが公式サイト上で日本 2025.07.25 19:00 Fri

レアル・マドリーの人気記事ランキング

1

メッシとC・ロナウドは似ているのか、バルセロナとレアル・マドリーからの退団の類似点と相違点

世界中で大きな話題となっているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシのバルセロナ退団問題。様々な報道がなされ、新天地の候補もいくつか噂されている。 メッシがバルセロナを去ることになる要因についても様々なものが挙げられているものの、やはり1つのクラブで長年プレーした選手、しかも世界最高峰の選手が退団を望むということは、サッカー界にとっては事件のようなものだ。 <div id="cws_ad">◆メッシ、バルサとアルゼンチンで積み上げた700のゴール!<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiJpdXJXdEtuTyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> しかし、過去にもスター選手が、引退以外の形でチームを去って行くことは多くあったが、世界最高峰の選手ともなればそう多くはない。最も記憶にあるのは、やはりポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが挙げられるだろう。 世界最高の評価を分け合う2人のスターの退団に関して、類似点と相違点を改めて比較してみたいと思う。 <span class="paragraph-title">◆退団時の年齢</span> C・ロナウドとメッシの年の差は2歳。C・ロナウドはマンチェスター・ユナイテッドから2009年7月にレアル・マドリーへ加入。エースとしてチームを長年牽引すると、2018年7月にユベントスへと移籍。9年間の在籍でチームを去ったが、当時の年齢は「33歳」だった。 メッシは、2000年7月にニューウェルズ・オールドボーイズからバルセロナのカンテラに入団。2005年7月にファーストチームへ正式に昇格し、スター選手とプレーをしながら、自身がエースへと成長していった。今夏バルセロナを退団するとなれば、メッシも「33歳」。奇しくも、長年のライバルであったC・ロナウドと同じ年齢で、長年活躍したチームを去ることとなる。 <span class="paragraph-title">◆クラブ会長との関係</span> 類似点という意味では、選手と会長の関係も似ている部分がある。 C・ロナウドは、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長との関係に問題があり、退団時にはサラリーアップの約束が果たされていないと主張していた。当時、マドリーはC・ロナウドとの契約延長を画策していたが、自身の扱いに不満を覚え、結果的にユベントスへ売却する事となった。 一方のメッシも、クラブとの関係は何年にもわたって冷え切っている。今夏にも契約延長交渉を行うとされていたが、一転して交渉がストップ。コーチングスタッフとの確執や、言われもない責任を問われたほか、バルトメウ会長が掲げているクラブのプロジェクトにもうんざりしているとされてきた。 また、新たに就任したロナルド・クーマン監督が相棒でもあったウルグアイ代表FWルイス・スアレスに対して電話で構想外を伝えたことが決定打となったともされ、クラブの進む方向性に大きな疑念を抱いた結果が、今回の退団希望につながったようだ。 互いに会長との関係がこじれた結果、退団を希望するという状況に。その点では似ていると言えるだろう。 一方で相違点もいくつかある。 <span class="paragraph-title">◆クラブにおける存在</span> C・ロナウドとメッシの大きな違いは、クラブにおける存在価値だろう。互いに世界最高峰の選手であることは疑いの余地はないが、かたや移籍で加入した選手、かたや下部組織から育った選手だ。 前述の通り、マンチェスター・ユナイテッドから加入したC・ロナウドは公式戦438試合で450ゴール133アシストを記録。ラ・リーガ2回、チャンピオンズリーグ4回など、16のタイトルをもたらせた。 一方のメッシは現時点で20年在籍。731試合で634ゴール285アシストを記録し、ラ・リーガ10回、チャンピオンズリーグ4回など、34のタイトルをもたらせている。 タイトルの差、クラブで残した数字にも差はあるが、メッシの存在はサッカーを超えたものになっていると言える。バルセロナの人々にとっての存在の大きさは、マドリッドの人々にとってのC・ロナウドとは比較にならないだろう。 <span class="paragraph-title">◆移籍金</span> また、両者の移籍金についても差が生まれることになる。C・ロナウドは3年契約で10億ユーロの契約解除条項があったものの、最終的には1億1200万ユーロ(約140億5000万円)の移籍金でユベントスへと移籍。クラブ側がC・ロナウドの希望に沿った形となった。 一方で、メッシはクラブを自分の意思で退団できるリリース条項があったものの、クラブ側は6月10日でその期限が切れていると主張。本来であればフリーで他クラブへ移籍できたところが、この条項が適用されなければ7億ユーロ(約878億円)の契約解除金がかかる可能性も。途方も無い金額だけに、移籍金がかかるのであれば、実質メッシの移籍は不可能と考えるべきだろう。 <span class="paragraph-title">◆監督との関係</span> また、監督との関係も異なる。C・ロナウドが退団したタイミングで指揮を執っていたのはジネディーヌ・ジダン監督だ。ジダン監督はC・ロナウドを信頼しており、チームの中でも当然のことながら中心に置いて考えていた。 一方で、キケ・セティエン監督との関係もあまり良くなかったメッシだが、新たに就任したロナルド・クーマン監督はよりその間に溝を生むことに。「チームを優先する」という明確な意図を示したクーマン監督だが、メッシが気にしたのはスアレスへの扱い。自身のことよりも、チームメイトへの扱いを大きく気にしているとも言われ、今回の決断をしたとみられている。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2020.08.26 21:15 Wed
2

40歳C・ロナウドが約400億円で3年連続最も稼いだアスリートに! メッシが5位、ドジャース・大谷翔平は9位

アル・ナスルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)が、再び世界で最も稼ぐアスリートとなった。アメリカ『フォーブス』が伝えた。 サッカー界のスーパースターの1人であるC・ロナウド。初めて世界で最も稼ぐアスリートになってから9年。40歳になった中で、3年連続5度目のナンバーワンとなった。 スポルティングCPで才能を見出され、マンチェスター・ユナイテッドで輝きを放ち、レアル・マドリーで全盛期を迎えると、ユベントス、ユナイテッドでプレーし、現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレー。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では準決勝で川崎フロンターレに敗れてアジア王者は逃したが、その存在感は健在だ。 サッカー界のNo.1プレーヤーという肩書きは譲りつつあるものの、この1年間で稼いだ金額は推定2億7500万ドル(約399億6000万円)とのこと。これは自己最高記録であり、歴代でも2015年に3億ドル、2018年に2億8500万ドルを稼いだプロボクサーのフロイド・メイウェザーだけとなっている。 内訳としては2億2500万ドル(約326億9000万円)がアル・ナスルとの契約で手にしており、残りの5000万ドル(約72億7000万円)はピッチ外での収入となり、スポンサー契約などの収入と見られている。 サッカー選手ではトップ10にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)が1億3500万ドル(約196億3000万円)で5位。8位に元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)が1億400万ドル(約151億2000万円)でランクイン。トップ50に広げると、フランス代表FWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリー)が9000万ドル(約130億9000万円)で16位、ブラジル代表FWネイマール(サントス)が7600万ドル(約110億5000万円)で25位、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)が6200万ドル(約90億1000万円)で34位、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)が5500万ドル(約80億円)で46位、セネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が5400万ドル(約78億5000万円)で48位となった。 全体では2位にNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーで1億5600万ドル(約226億7000万円)、3位にイングランドのプロボクサーであるタイソン・フューリーで1億4600万ドル(約212億2000万円)、4位にNFLのダラス・カウボーイズに所属するダック・プレスコットで1億3700万ドル(約199億1000万円)、5位がメッシとなった。 なお、日本人では9位にはMLBのロサンゼルス・ドジャーズに所属する大谷翔平が唯一入り1億250万ドル(約148億9000万円)。フィールド上で250万ドル(約3億6000万円)、フィールド外で1億ドル(約145億3000万円)を稼いでいるとされている。 <h3>◆最も稼ぐアスリートランキング 2025</h3> 1位:クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル/40歳) 総収益:2億7500万ドル(約399億6000万円) 2位:ステフィン・カリー(バスケットボール/アメリカ/37歳) 総収益:1億5600万ドル(約226億7000万円) 3位:タイソン・フューリー(ボクシング/イギリス/36歳) 総収益:1億4600万ドル(約212億2000万円) 4位:ダック・プレスコット(アメリカン・フットボール/アメリカ/31歳) 総収益:1億3700万ドル(約199億1000万円) 5位:リオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン/37歳) 総収益:1億3500万ドル(約196億3000万円) 6位:レブロン・ジェームズ(バスケットボール/アメリカ/39歳) 総収益:1億3380万ドル(約194億4000万円) 7位:フアン・ソト(野球/ドミニカ共和国/26歳) 総収益:1億1400万ドル(約165億8000万円) 8位:カリム・ベンゼマ(サッカー/フランス/36歳) 総収益:1億400万ドル(約151億2000万円) 9位:大谷翔平(野球/日本/歳) 総収益:1億250万ドル(約148億9000万円) 10位:ケビン・デュラント(バスケットボール/アメリカ/35歳) 総収益:1億140万ドル(約147億3000万円) 2025.05.16 17:40 Fri
3

カカがブラジル代表に入閣? 恩師アンチェロッティが指揮官就任の来年6月から

カカ氏(40)がブラジル代表のコーチングスタッフに加わる可能性があるようだ。『フットボール・イタリア』が伝えている。 現役時代にミランやレアル・マドリーなどでプレーしたカカ氏。全盛期にその直線的なドリブル突破を止められるDFはおらず、自らネットも揺らした。ミランでチャンピオンズリーグ(CL)を制した2007年にはバロンドールを受賞している。 そんなカカ氏、2017年に35歳でスパイクを脱いでからは指導者に転身していないが、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、ミラン時代の恩師であるカルロ・アンチェロッティ監督(64)とともにブラジル代表入りする可能性があるという。 アンチェロッティ監督はマドリーとの契約が満了を迎える2024年6月からブラジル代表を指揮することとなっているが、ブラジルサッカー連盟(CBF)との交渉時にカカ氏および、カフー氏が同席していたこともあったようで、これが「カカがコーチングスタッフ入り?」と考えられている理由だ。 カカ氏はミラン時代、アンチェロッティ監督の下で公式戦270試合に出場し、95ゴールをマーク。バロンドールに輝いたのもこの頃で、同監督とともにセリエA優勝1回、CL優勝1回を含む5つのタイトルを獲得している。 2023.07.07 15:01 Fri
4

ノルウェー代表で定位置と背番号を譲った後輩…セルロートが5歳年下ハーランドをラ・リーガに勧誘?「適応間違いなし」

ビジャレアルのノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロートが、マンチェスター・シティの同代表FWアーリング・ハーランドについて語った。 今季ラ・リーガ14得点、公式戦17得点のセルロート。過去2年のレアル・ソシエダ時代を上回るペースでネットを揺らす195cmストライカーだ。 当然、この活躍からノルウェーを代表するセンターフォワードなのは確か。しかし、ノルウェー代表には当代屈指のゴールマシーン・ハーランドがおり、A代表通算53試合18得点セルロートは左右どちらかのウイングが“守備位置”となる。 このように、ハーランドがいることで、ノルウェー代表だと本職ではないポジションを任されるセルロート。それでもスペイン『Relevo』のインタビューでは、ハーランドとの良い関係性を語る。 「アーリングとはとても仲が良いよ。もう5年くらいノルウェー代表で一緒だしね。彼は天性のリーダー的な部分を持つんだ。どちらかと言えば、陰から人知れずチームを支えるタイプかな。全てを口に出して引っ張るのではなく、黙々と率先して行動することができる」 数年前には、当時20歳そこそこで台頭してきたハーランドに、ノルウェー代表で背番号「9」を譲ったセルロート。 「彼はあの時すでにフットボーラーとして“ブランド”が出来上がっていたからね。NIKEとの繋がりも考えればピッタリだろう(笑) 彼のほうから『9が欲しい』って来たから、僕は11にしたんだ」 その一方、ハーランドは昨季があまりに強烈だったためか、最近は得点ペースの鈍化が指摘される。この件についてセルロートは、同じFWとして少しばかり不快感を抱いている様子だ。 「彼が自らの個人賞をチームの戦績より優先させているとでも? 僕の知る彼はそうじゃないし、もしそうだとしても口には出さない」 また、将来のレアル・マドリー行きが噂され続けていることについては歓迎。スペインサッカーへの適応も問題ないだろうとした。 「イングランドもドイツもスペインもそんなに異なるサッカーじゃない。リーグの特色をつけたがる人々が私見を言っているに過ぎないんだ。アーリングも間違いなくスペインにフィットする。選手からチームへ、チームから選手へ、お互いに適応の努力をすれば、適応できないなんてあり得ない」 2024.04.19 16:20 Fri
5

「脳震盪?」カリウスのミスの原因にクルトワが疑問符「それは奇妙だ」

▽チェルシーのベルギー代表GKティボー・クルトワは、チャンピオンズリーグ(CL)決勝でのリバプールGKロリス・カリウスのミスの原因が脳震盪であったという見解について「奇妙だ」語っている。『ESPN』が伝えた。 ▽先月26日に行われたレアル・マドリーとのCL決勝戦、カリウスはスローイングミスからマドリーFWカリム・ベンゼマに先制点を与え、マドリーFWガレス・ベイルの強烈なシュートを正面で受けつつも弾き出せず3点目を献上。信じられないミスの連続に非難の声が集まっていた。 ▽そんな中、試合後に脳の検査を行ったカリウスは、試合中に脳震盪が起こっていたことが判明した。医師によれば、原因は後半立ち上がりのマドリーDFセルヒオ・ラモスによる肘打ちとのこと。ベンゼマのゴールはその3分後に生まれている。 ▽しかし、クルトワはこの見解に疑問符を投げかけた。カリウスのミスには同情の色を表したが、脳震盪のせいにすることに懐疑的な目を向けている。 「僕も試合中に脳震盪になったことがあるよ。アレクシス・サンチェスとの接触でね。その後20分はボールがよく見えていなかった。だからゲームから退いたんだ」 「彼に起こったことは残念だけど、そのミスを脳震盪を理由にするのはどうかな。彼は素晴らしいセーブを2回も見せていたじゃないか」 「もしそれが理由だって言うんなら、そうなんだろうね。彼は試合後に2つのミスを認めた。人々はそれを受け入れるだろう。GKには起こりうるものだ。だけど、それを脳震盪のせいにするのはちょっと納得がいかないね。でもそういうふうに医者が言うんだったら認めるしかないね」 2018.06.06 17:00 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly