1チームを除いて結果は良かった…/原ゆみこのマドリッド
2024.12.07 20:00 Sat
「でも半年も先のことだからなあ」そんな風に私が遠い目をしていたのは金曜日、アトレティコが前夜、コパ・デル・レイ2回戦で死闘を繰り広げている間に行われたFIFAが新設した大会、クラブW杯のグループリーグ抽選結果の記事をスポーツ紙で読んでいた時のことでした。いやあ、確かにスペインから一緒に出場するレアル・マドリーがアル・ヒラル、パチューカ、ザルツブルクと同じ組になったのと比べると、PSG、ボダフォゴ、シアトル・サンダースが相手となるアトレティコが、ええ、今季のCLリーグフェーズと被るのがザルツブルクかPSGかというのは、まさに天と地の差ですからね。
それでもトレホが1点を返して、2-1でハーフタイムに入った後、後半9分にはようやくスタメン出場させてもらえたハメス・ロドリゲスのアシストでパブロ・ディアスが同点ゴールを挙げてくれることに。38分にはとうとう、エンバルバが勝ち越し点を挙げてくれたんですが、丁度、私がマドリーの試合を見るため、お店に着くのと同時に、まさかチャンネルを合わせていたとは思わなかったTVの画面でパテ・シスがレッドカードで退場させられるシーンに遭遇するとは。ロスタイムの最後の分にも相手がゴールを挙げ、延長戦入りかとヒヤリとさせられたものの、大丈夫。チーム全員団子になって喜んでいたウニオニスタスには気の毒だったものの、オフサイドで認められなかったため、そのままラージョは2-3で逃げ切ることができましたっけ。
そしてすぐ1月のスペイン・スーパーカップに参加するチームの先取り19節のアスレティック戦が始まったんですが、やはり現在、4位のバルベルデ監督のチームはリーガ直近2試合でコロッと兄貴分に負けたレガネス、ヘタフェとは違ったというか、スペインで一番、プレミアリーグに近い雰囲気と言われるサン・マメスでの開催だったからですからね。先日のアンフィールドでのCLリバプール戦のように序盤から、相手に攻められていたマドリーだったんですが、意外にも前半13分にはエムバペがゴールを決めたんですよ。
いえ、それでも23分にGKアギレサバラが空中戦でリュディガーを倒し、ゲットしたPKをマドリーが決めていれば、全然、問題はなかったんですけどね。想定外だったのは、エムパペのリバプール戦でのPK失敗ショックがまだ尾を引いていたこと。そう、ヘタフェ戦でキッカーをロドリゴに押し付けていたのを批判されたのを当人も気にしていたんでしょう、この日はPKマークに立つことにした彼だったんですが、まさか、「He decidido ir al mismo sitio al que falló el anterior porque pensaba que iba a repetir/エ・デシディードー・イル・アル・ミスモ・シティオ・アル・ケ・ファジョ・エル・アンテリオル・ポルケ・ペンサバ・ケ・イバ・ア・レペティル(リピートすると思ったから、失敗したのと同じ方向に行くことを決めた)」というアギレサバラにも弾かれてしまうとは!
え、それでもマドリーは同点に追いついたんじゃないかって?その通りで34分、エムバペのシュートは弾かれながら、最近、昨季前半のようにゴールづきだしたベリンガムが押し込んで1-1となったんですが、その先が今季は何か違ってねえ。そう、これまでなら終盤に追いつかれた相手は、バルベルデ監督も後で「Hay muchos partidos de empate con el Real Madrid que los pierdes/アイ・ムーチョス・パルティードス・デ・エンパテ・コン・エル・レアル・マドリッド・ケ・ロス・ピエルデス(マドリー相手には引分けと思っても負ける試合が沢山ある)」と言っていたように、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を心配しないといけなかったはずだったんですが…。
それが何と、同点にされた2分後にはバルベルデが自陣でボールをグルセタにパスしてしまい、そのシュートで再び勝ち越し点を奪われているって、天下のマドリーがこんなに間抜けでいい?ようやくその直後、43分になってから、アンチェロッティ監督もエンドリックとギュレルを入れ、前線をリフレッシュしたものの、時すでに遅し。そのまま2-1で負けてしまい、せっかく前節で勝ち点1まで縮めた首位バルサとの差も4に戻ってしまったんですが、もうこれで今季はCLの3敗も合わせて、黒星が5つにもなりましたからね。マドリーファンもさすがに気が気ではない?
そして同時刻開催だったレガネスのコパの方はエステポナ(RFEF2部)相手に2度も先行され、アスレティック戦が終わる時間には2-2で延長戦に突入。最後はPK戦までもつれ込んだんですが、幸い1本がバーに当たった相手に対し、オスカル・ロドリゲス、タピア、ディエゴ・ガルシア、ムニル、ファン・クルスの全員が成功したおかげで4-5の勝利を挙げることに。ただ翌木曜、アトレティコと同じ時間にプレーしたヘタフェも、ええ、こちらもまた筋金入りのゴール欠乏症ですからね。オリウエラ(RFEF2部)戦では後半にベルトゥがPKを失敗したこともあり、0-0で延長戦に入ると、やっぱり最後はPK戦に。
控えGKのレタチェクが隠れた才能を発揮して、相手のPKを3本連続で阻止してくれたため、ルイス・ミジャ、ジェジュ、イグレシアスが決めただけで、0-3で何とか突破できたんですが、どうも弟分3チームの場合、コパからはこの辺で退場しておいた方が、リーガ残留のために良かった感もなきにしろあらず。とりわけレガネスとヘタフェはレギュラーまでを投入して、120分間を乗り切っていますしね。しかもボルダラス監督のチームなんて、1回戦のマニセル(地方リーグ/実質6部)戦がバレンシア洪水災害のせいで順延となり、ここ2週間連続、ミッドウィークにプレーしているとなると…。
いえ、先にアトレティコのコパ、カセレーニョ(RFEF2部)戦の話もしておかないと。月曜に親知らずを抜いたグリーズマンをお留守番にして、彼らは珍しくバスで前日に現地入り。それがどうも7連勝中の他のチームメートに合わせて、サムエル・リノとリケルメにも調子を上げてもらおうと、シメオネ監督がスタメンに2人を入れたのはあまりいいアイデアではなかったようでねえ。会場のプリンシペ・フェリペの地面が柔らかすぎるのか、すぐに芝が剥がれてボコボコになっていたのも何でしたが、だからって、3つもカテゴリー差のあるチームのGKにシュートを止められてばかりとはこれ如何に。
おまけに前半30分には、またしてもリノが敵エリア内に入り込みながら、ボールを奪われたことからカセレーニョのカウンターが発動。それがまた、絵に描いたような速攻で、最後はメレンシオにGKムッソが破られてしまったから、さあ大変!1-0でリードされて折り返すことになったシメオネ監督はもちろん、後半頭からの一斉交代を実施して、いえ、この試合で2カ月半ぶりに頭蓋骨骨折から復帰してきたル・ノルマンがレングレに代わったのは予定通りだったんですけどね。リケルメとアスピリクエタもフリアン・アルバレスとジョレンテに代わったため、すぐに追いついてくれるものと思ったところ…。
ダメなんですよ。更に14分にはコケもバリオスに、20分にはコレアもギャラガーにして、早くも交代枠を使い尽くしても一向にゴールは入らず。いよいよ残り時間もあと10分を切り、まさかこんな早いラウンドで敗退してしまうのかと、私もちょっと落ち着かなくなっていたんですが、いやあ。ここ2試合のゴール祭りで忘れていたんですが、最近の彼らの得意技には土壇場の辻褄合わせというのもあったんです!
それが起こったのは38分、フリアンが左サイドから蹴ったFKを敵GKが弾くと、それまでも何度か、エリア外シュートを試みていたデ・パウルがクロスを入れ、レングレがヘッドで同点ゴールを決めてくれたんですよ。そこからトントン試合は動き始め、いえ、時間も時間だったために延長戦も覚悟していたんですけどね。40分にはリノに後ろからタックルを懸けたサンチョが2枚目のイエローカードもらって退場となり、相手は10人に。その後すぐ、シメオネ監督も地面にあったペットボトルを副審目掛けて蹴ったと見なされ、レッドカードをもらい、その後はロッカールームへのトンネルからこっそり、戦況を追っていたのは今となっては、もうご愛敬の類いかと。
だってえ、延長戦は死んでもイヤだという選手たちの願いが叶い、ロスタイム2分にはとうとう、デ・パウルがエリア外から撃ったボールが敵に当たって、トロトロになりながらもゴールに入ったんですよ。こうなってはさすがに気力で持たせていたカセレーニョの体力も尽きたか、50分には再び、デ・パウルのラストパスから、フリアンが3点目を挙げて、アトレティコは1-3で勝利。またしてもお隣さんばりのレモンターダを披露してくれたんですが、いやホント、チームにW杯王者がいてくれて、有難かったの何のって。
いえまあ、後半36分にようやく1点目を取った1回戦のビック(地方リーグ)戦同様、下位カテゴリーのチームにこんなに苦労しているようでは、ええ、来週月曜の抽選で決まるコパ32強対決は、生き残りのRFEF2部4チームがスペイン・スーパーカップ参加のマドリー、バルサ、マジョルカ、アスレティックとご褒美対戦。2回戦で敗退したエスパニョール、ジローナ、ビジャレアル、アラベスを除く、その他の1部チームはRFEF1部3チームと2部9チームとの組み合わせになるため、先が重いやられなくもないんですけどね。
その試合は年明けの3~5日と、まだかなり先なので、今は気にしないでいいんですが、何せ貧乏暇なしで、もう週末にはリーガ16節が開催に。こちらのマドリッド勢の予定も告げておくと、まず土曜はどちらもアウェイで、ラージョがメスタジャにバレンシアを訪問。3連敗中だけにちょっと、気合を入れてほしいところですが、こればっかりはねえ。実際、彼らには延期となったビジャレアル戦が12月18日にあるとはいえ、やはり年内にできるだけ、降格圏から離れておく方がいいかと。
そしてラージョの次の時間帯、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、モンティリビでマドリーがジローナ戦に挑むんですが、金曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションにはレガネス戦でのケガが治ったビニシウスが合流。ただ、ブラジル人FWの復帰は来週のCLアタランタ戦となるため、再び、チームをしょって立たないといけないエムバペに注目が集まりそうですが、アスレティック戦の後にはいよいよ、アンチェロッティ監督まで批判されるようになってきていてねえ。ビッグクラブの宿命と言えばそれまでですが、まあ、この試合はジローナも生き残りを懸け、必勝を期さないといけない来週火曜のCLリバプール戦が頭をチラついていることは確か。
要はどちらのチームがこの試合に集中できるかの勝負になりそうですが、その一方で日曜の部の2試合はどちらもホームゲームで、昼間にはレガネスがブタルケにレアル・ソシエダを迎えることに。相手もコパでは延長戦で勝っていたため、中日が1日多いボルハ・ヒメネス監督の方が体力的にはやや有利かもしれませんが、久保建英選手など、コンケンセ(RFEF2部)戦ではお休みをもらっていたため、要注意でしょうか。
そして日曜午後9時からがアトレティコの番で、メトロポリターノでセビージャ戦なんですが、朗報は金曜夕方のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習にとうとうモリーナとレマルも加わり、負傷者が1人もいなくなったこと。ええ、こちらも来週水曜にはCLスロバン・ブラスチラバ戦が入っているため、過密スケジュールが続きますからね。シメオネ監督が使える選手が増えたのは何よりですが、ずっとアウェイゲームばかりのお隣さんと違い、来週末のヘタフェとの兄弟分ダービーまでホーム3連戦となるのはツイているかと。何はともあれ、ヘタフェの方には月曜試合でエスパニョールと残留ゾーン一番下の17位を争う闘いに勝ち抜いて、兄貴分に負けても降格圏に落ちない余裕を作ってくれることを祈るばかりです。
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そこにリベルタドーレスほやほや王者のボダフォゴが加わったため、”Grupo de Muerte/グルッポ・デ・ムエルテ(死のグループ)”と言われてしまったんですが、いやでもこの大会、来年の6月15日に始まるんですよ。それまでに何があるかわからないですし、今季が終わった時点で更に45日間続く大会に耐えられる体力のあるチームが幾つ残っているかも疑問ですしね。おまけにアトレティコは先月、ルイス・エンリケ監督のチームにパルク・デ・プランスで見事、1-2の逆転勝利しているのを皆、忘れてしまった?まあ、そんなことはともかく、リーガとコパの試合がミックスとなった今週ミッドウィークのマドリッド勢の試合をお伝えしていくことにすると。先陣を切ったのはラージョで、水曜の早い時間にコパのウニオニスタス(RFEF2部/実質4部)戦となったんですが、うーん、3日間で28試合が開催されるこのラウンドは同時刻のカードも多いですからね。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)ではどうせ見られないだろうと、私も家でスコアだけをチェックしていたところ、前半から相手に2点を先行されてしまう始末。そしてすぐ1月のスペイン・スーパーカップに参加するチームの先取り19節のアスレティック戦が始まったんですが、やはり現在、4位のバルベルデ監督のチームはリーガ直近2試合でコロッと兄貴分に負けたレガネス、ヘタフェとは違ったというか、スペインで一番、プレミアリーグに近い雰囲気と言われるサン・マメスでの開催だったからですからね。先日のアンフィールドでのCLリバプール戦のように序盤から、相手に攻められていたマドリーだったんですが、意外にも前半13分にはエムバペがゴールを決めたんですよ。
ただねえ、それが即座にオフサイドとされたため、主審がVAR(ビデオ審判)に呼ばれてモニターチェックに行ったのはそのためかと思いきや、実はそのゴールの前にロドリゴがゴロサベルにエリア内で倒されたプレーがペナルティか否かの判定だったよう。とはいえ、結論は何もなしで、ゴールがスコアに挙がることもなく試合は続行。おかげで前半はどちらも得点のないままだったんですが、後半早くも7分にはイニャキ・ウイリアムスのクロスをGKクルトワが弾いたボールをベレンゲルが胸で押し込んで、アスレティックに先制点を奪われてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。
いえ、それでも23分にGKアギレサバラが空中戦でリュディガーを倒し、ゲットしたPKをマドリーが決めていれば、全然、問題はなかったんですけどね。想定外だったのは、エムパペのリバプール戦でのPK失敗ショックがまだ尾を引いていたこと。そう、ヘタフェ戦でキッカーをロドリゴに押し付けていたのを批判されたのを当人も気にしていたんでしょう、この日はPKマークに立つことにした彼だったんですが、まさか、「He decidido ir al mismo sitio al que falló el anterior porque pensaba que iba a repetir/エ・デシディードー・イル・アル・ミスモ・シティオ・アル・ケ・ファジョ・エル・アンテリオル・ポルケ・ペンサバ・ケ・イバ・ア・レペティル(リピートすると思ったから、失敗したのと同じ方向に行くことを決めた)」というアギレサバラにも弾かれてしまうとは!
え、それでもマドリーは同点に追いついたんじゃないかって?その通りで34分、エムバペのシュートは弾かれながら、最近、昨季前半のようにゴールづきだしたベリンガムが押し込んで1-1となったんですが、その先が今季は何か違ってねえ。そう、これまでなら終盤に追いつかれた相手は、バルベルデ監督も後で「Hay muchos partidos de empate con el Real Madrid que los pierdes/アイ・ムーチョス・パルティードス・デ・エンパテ・コン・エル・レアル・マドリッド・ケ・ロス・ピエルデス(マドリー相手には引分けと思っても負ける試合が沢山ある)」と言っていたように、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を心配しないといけなかったはずだったんですが…。
それが何と、同点にされた2分後にはバルベルデが自陣でボールをグルセタにパスしてしまい、そのシュートで再び勝ち越し点を奪われているって、天下のマドリーがこんなに間抜けでいい?ようやくその直後、43分になってから、アンチェロッティ監督もエンドリックとギュレルを入れ、前線をリフレッシュしたものの、時すでに遅し。そのまま2-1で負けてしまい、せっかく前節で勝ち点1まで縮めた首位バルサとの差も4に戻ってしまったんですが、もうこれで今季はCLの3敗も合わせて、黒星が5つにもなりましたからね。マドリーファンもさすがに気が気ではない?
そして同時刻開催だったレガネスのコパの方はエステポナ(RFEF2部)相手に2度も先行され、アスレティック戦が終わる時間には2-2で延長戦に突入。最後はPK戦までもつれ込んだんですが、幸い1本がバーに当たった相手に対し、オスカル・ロドリゲス、タピア、ディエゴ・ガルシア、ムニル、ファン・クルスの全員が成功したおかげで4-5の勝利を挙げることに。ただ翌木曜、アトレティコと同じ時間にプレーしたヘタフェも、ええ、こちらもまた筋金入りのゴール欠乏症ですからね。オリウエラ(RFEF2部)戦では後半にベルトゥがPKを失敗したこともあり、0-0で延長戦に入ると、やっぱり最後はPK戦に。
控えGKのレタチェクが隠れた才能を発揮して、相手のPKを3本連続で阻止してくれたため、ルイス・ミジャ、ジェジュ、イグレシアスが決めただけで、0-3で何とか突破できたんですが、どうも弟分3チームの場合、コパからはこの辺で退場しておいた方が、リーガ残留のために良かった感もなきにしろあらず。とりわけレガネスとヘタフェはレギュラーまでを投入して、120分間を乗り切っていますしね。しかもボルダラス監督のチームなんて、1回戦のマニセル(地方リーグ/実質6部)戦がバレンシア洪水災害のせいで順延となり、ここ2週間連続、ミッドウィークにプレーしているとなると…。
いえ、先にアトレティコのコパ、カセレーニョ(RFEF2部)戦の話もしておかないと。月曜に親知らずを抜いたグリーズマンをお留守番にして、彼らは珍しくバスで前日に現地入り。それがどうも7連勝中の他のチームメートに合わせて、サムエル・リノとリケルメにも調子を上げてもらおうと、シメオネ監督がスタメンに2人を入れたのはあまりいいアイデアではなかったようでねえ。会場のプリンシペ・フェリペの地面が柔らかすぎるのか、すぐに芝が剥がれてボコボコになっていたのも何でしたが、だからって、3つもカテゴリー差のあるチームのGKにシュートを止められてばかりとはこれ如何に。
おまけに前半30分には、またしてもリノが敵エリア内に入り込みながら、ボールを奪われたことからカセレーニョのカウンターが発動。それがまた、絵に描いたような速攻で、最後はメレンシオにGKムッソが破られてしまったから、さあ大変!1-0でリードされて折り返すことになったシメオネ監督はもちろん、後半頭からの一斉交代を実施して、いえ、この試合で2カ月半ぶりに頭蓋骨骨折から復帰してきたル・ノルマンがレングレに代わったのは予定通りだったんですけどね。リケルメとアスピリクエタもフリアン・アルバレスとジョレンテに代わったため、すぐに追いついてくれるものと思ったところ…。
ダメなんですよ。更に14分にはコケもバリオスに、20分にはコレアもギャラガーにして、早くも交代枠を使い尽くしても一向にゴールは入らず。いよいよ残り時間もあと10分を切り、まさかこんな早いラウンドで敗退してしまうのかと、私もちょっと落ち着かなくなっていたんですが、いやあ。ここ2試合のゴール祭りで忘れていたんですが、最近の彼らの得意技には土壇場の辻褄合わせというのもあったんです!
それが起こったのは38分、フリアンが左サイドから蹴ったFKを敵GKが弾くと、それまでも何度か、エリア外シュートを試みていたデ・パウルがクロスを入れ、レングレがヘッドで同点ゴールを決めてくれたんですよ。そこからトントン試合は動き始め、いえ、時間も時間だったために延長戦も覚悟していたんですけどね。40分にはリノに後ろからタックルを懸けたサンチョが2枚目のイエローカードもらって退場となり、相手は10人に。その後すぐ、シメオネ監督も地面にあったペットボトルを副審目掛けて蹴ったと見なされ、レッドカードをもらい、その後はロッカールームへのトンネルからこっそり、戦況を追っていたのは今となっては、もうご愛敬の類いかと。
だってえ、延長戦は死んでもイヤだという選手たちの願いが叶い、ロスタイム2分にはとうとう、デ・パウルがエリア外から撃ったボールが敵に当たって、トロトロになりながらもゴールに入ったんですよ。こうなってはさすがに気力で持たせていたカセレーニョの体力も尽きたか、50分には再び、デ・パウルのラストパスから、フリアンが3点目を挙げて、アトレティコは1-3で勝利。またしてもお隣さんばりのレモンターダを披露してくれたんですが、いやホント、チームにW杯王者がいてくれて、有難かったの何のって。
いえまあ、後半36分にようやく1点目を取った1回戦のビック(地方リーグ)戦同様、下位カテゴリーのチームにこんなに苦労しているようでは、ええ、来週月曜の抽選で決まるコパ32強対決は、生き残りのRFEF2部4チームがスペイン・スーパーカップ参加のマドリー、バルサ、マジョルカ、アスレティックとご褒美対戦。2回戦で敗退したエスパニョール、ジローナ、ビジャレアル、アラベスを除く、その他の1部チームはRFEF1部3チームと2部9チームとの組み合わせになるため、先が重いやられなくもないんですけどね。
その試合は年明けの3~5日と、まだかなり先なので、今は気にしないでいいんですが、何せ貧乏暇なしで、もう週末にはリーガ16節が開催に。こちらのマドリッド勢の予定も告げておくと、まず土曜はどちらもアウェイで、ラージョがメスタジャにバレンシアを訪問。3連敗中だけにちょっと、気合を入れてほしいところですが、こればっかりはねえ。実際、彼らには延期となったビジャレアル戦が12月18日にあるとはいえ、やはり年内にできるだけ、降格圏から離れておく方がいいかと。
そしてラージョの次の時間帯、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、モンティリビでマドリーがジローナ戦に挑むんですが、金曜のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションにはレガネス戦でのケガが治ったビニシウスが合流。ただ、ブラジル人FWの復帰は来週のCLアタランタ戦となるため、再び、チームをしょって立たないといけないエムバペに注目が集まりそうですが、アスレティック戦の後にはいよいよ、アンチェロッティ監督まで批判されるようになってきていてねえ。ビッグクラブの宿命と言えばそれまでですが、まあ、この試合はジローナも生き残りを懸け、必勝を期さないといけない来週火曜のCLリバプール戦が頭をチラついていることは確か。
要はどちらのチームがこの試合に集中できるかの勝負になりそうですが、その一方で日曜の部の2試合はどちらもホームゲームで、昼間にはレガネスがブタルケにレアル・ソシエダを迎えることに。相手もコパでは延長戦で勝っていたため、中日が1日多いボルハ・ヒメネス監督の方が体力的にはやや有利かもしれませんが、久保建英選手など、コンケンセ(RFEF2部)戦ではお休みをもらっていたため、要注意でしょうか。
そして日曜午後9時からがアトレティコの番で、メトロポリターノでセビージャ戦なんですが、朗報は金曜夕方のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習にとうとうモリーナとレマルも加わり、負傷者が1人もいなくなったこと。ええ、こちらも来週水曜にはCLスロバン・ブラスチラバ戦が入っているため、過密スケジュールが続きますからね。シメオネ監督が使える選手が増えたのは何よりですが、ずっとアウェイゲームばかりのお隣さんと違い、来週末のヘタフェとの兄弟分ダービーまでホーム3連戦となるのはツイているかと。何はともあれ、ヘタフェの方には月曜試合でエスパニョールと残留ゾーン一番下の17位を争う闘いに勝ち抜いて、兄貴分に負けても降格圏に落ちない余裕を作ってくれることを祈るばかりです。
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アルゼンチンサッカー協会(AFA)は16日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)南米予選に臨むアルゼンチン代表のメンバー変更を発表した。 発表によると、アトレティコ・マドリーのDFナウエル・モリーナが右ハムストリングの負傷によって離脱が決定。代わって同じアトレティコのFWジュリアーノ・シメオネが追加招集となった。 なお、シメオネは今年9月にA代表初招集も、ここまで出場機会はない。 ここまで10試合で7勝1分け3敗で南米予選首位のアルゼンチンは、19日にペルー代表とのホーム戦を戦う。 2024.11.17 09:00 Sun4
【ラ・リーガ第16節プレビュー】過密日程の中、バウンスバック図るマドリーはジローナ戦
先週末に行われた第15節ではバルセロナがラス・パルマスにまさかの不覚を取ったなか、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーが揃って快勝。勝ち点差が縮まったものの、スーペル・コパ出場組が前倒しで戦った第19節ではバルセロナとマドリーの明暗が分かれる結果となった。 迎えた今節はスーペル・コパ出場組がリーグ戦、多くのクラブがコパ・デル・レイ2回戦を戦ったなか、過密日程での一戦となる。 首位のバルセロナは前節、ラス・パルマスにホームで敗れる失態を演じたが、直近のマジョルカ戦ではFWハフィーニャのドブレーテに、初ゴールとなったMFフレンキー・デ・ヨング、FWパウ・ビクトルら控え組にもゴールが生まれるマニータの5-1の大勝。リーグ4戦ぶりの白星を手にし、10位のレアル・ベティスとのアウェイゲームへ弾みを付けた。主砲レヴァンドフスキに完全休養を与えたうえ、復帰のFWラミン・ヤマルも軽快な動きを見せており、リーグ連敗中の相手に良い形で臨めるはずだ。 2位のマドリーは前節、ヘタフェ相手にFWムバッペとMFベリンガムのゴールによって2-0の勝利。だが、直近のアスレティック・ビルバオ戦ではムバッペのPK失敗、MFバルベルデの不用意なボールロストからの失点によって1-2の敗戦。今季リーグ2敗目を喫し、リーグ連勝が「3」でストップした。その敗戦からのバウンスバックを図る今節は8位のジローナとのアウェイゲームに臨む。週明けにチャンピオンズリーグ(CL)のアタランタ戦を控えるなか、直近3勝1分けと復調の気配を見せる難敵相手に勝ち点3を掴めるか。 公式戦8連勝で3位のアトレティコはホームで11位のセビージャ戦に臨む。リーグ前節はバジャドリー相手にマニータの大勝を収めたが、ミッドウィークは4部のカセレーニョを相手に辛勝。一部主力を温存も1.5軍と言える陣容で臨んだが、前半に先制を許すと、主力を投入した後半も攻撃がうまくいかず。それでも、80分以降にDFラングレ、MFデ・パウル、FWアルバレスとゴールを重ね、なんとか90分で決着を付けた。そのコパでの戦いを良い教訓に今節では曲者セビージャを相手にきっちり連勝を継続したいところだ。 MF久保建英を擁する9位のレアル・ソシエダは、15位のレガネスとのアウェイゲームに臨む。前節は試合を通してシュート2本ながらもFWオヤルサバルの通算100点目のメモリアルゴールなどでベティスを撃破。その一戦から先発全員を入れ替えたコパでは4部相手に延長戦まで持ち込まれる大苦戦を強いられるも、MFブライス・メンデスのゴールによって1-0の勝利。辛くも3回戦進出を決めた。その試合で遠征メンバーを外れ、完全休養を与えられた久保は守備面の貢献によってMOMに輝いた前節とは異なり、今回は攻撃面で見せ場を作ってリーグ連勝に貢献したいところだ。 6位のマジョルカはFW浅野拓磨の復帰に期待が集まる。直近のバルセロナ戦はベンチ入りも最後まで出番が訪れなかったが、12位セルタのホームに乗り込む今回の一戦では途中出場が濃厚ではあるものの、復帰の可能性が高そうだ。強度の高い試合が想定されるなか、持ち味のスピードを活かして攻撃の起点を担いたい。 その他では監督解任に踏み切った最下位のバジャドリー、消化試合は2試合異なるものの、4位のアスレティックと5位のビジャレアルが対峙する上位対決にも注目だ。 《ラ・リーガ第16節》 ▽12/6(金) 《29:00》 セルタ vs マジョルカ ▽12/7(土) 《22:00》 ラス・パルマス vs バジャドリー 《24:15》 ベティス vs バルセロナ 《26:30》 バレンシア vs ラージョ 《29:00》 ジローナ vs レアル・マドリー ▽12/8(日) 《22:00》 レガネス vs レアル・ソシエダ 《24:15》 アスレティック・ビルバオ vs ビジャレアル 《26:30》 オサスナ vs アラベス 《29:00》 アトレティコ・マドリー vs セビージャ ▽12/9(金) 《29:00》 ヘタフェ vs エスパニョール 2024.12.06 19:00 Fri5