また連戦週間が戻って来る…/原ゆみこのマドリッド

2024.10.18 20:00 Fri
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「応援なしが1試合で済んで良しとするべきなんだろうか」そんな風に私が納得しようとしていたのは木曜日、先日のマドリーダービーで起きたGKクルトワへの物投げ込み事件による協議委員会の処分が上訴委員会により軽減。メトロポリターノの該当セクション、フレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が大半を占めるfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏)1階席を閉鎖する期間が3試合から、1試合になったのを知った時のことでした。いやあ、同時に罰金も4万5000ユーロ(約750万円)から3000ユーロ(約50万円)に大まけというのはかなり、太っ腹ではあるんですけどね。

ちなみにこの事件に対しては平行して、火曜に行政組織であるアンチバイオレンス委員会からも処分が出ていて、こちらはメトロポリターノの完全封鎖2週間、罰金6万5000ユーロ(約1000万円)という更に重い裁定。ただ、2017年の1部再昇格時のピッチへのファン大量乱入により、コリセウム1試合封鎖を命じられた弟分のヘタフェが処分執行となったのが、今年年初のメトロポリターノを借りてのラージョ戦だったことからも、こちらは当面、心配しなくていいはずですが、もちろん、アトレティコはすぐさま、ヒル・マリン筆頭株主が声明を出して反論することに。

曰く、クラブはすでに身元が判明した4人をソシオ(協賛会員)から永久追放し、スタジアムへの入場も禁止。更に警察があと20人程を確認中で、この先、5試合当該区画のアボナードー(年間チケット保持者)にはアトレティコのアウェイゲームのチケットを売らないなどの処置を講じているにも関わらず、処分が重すぎるという主張ですが、いやあ。何にしてもフォンド・スールにいる応援団、全員がいなくなったら、メトロポリターノは昨季だったか、彼ら応援ストをしていた時のように試合中、場内が静かになってしまいますからねえ。
今季も引き続き、アウェイ弱者街道を突っ走っているアトレティコだけに、頼りのホームでも応援が受けられないとなると、非常に困ったことなりそうですが、実は罰金はUEFAからも来ているんですよ。こちらはリスボンでのCL2節ベンフィカ戦でアトレティコファンの中にナチの旗を掲げていた輩がいたからということで、3万ユーロ(約500万円)。おかげで計9万8000ユーロ(約1600万円)にもなると、いやまあ、一般人には想像もできない桁の金を動かすクラブにしてみれば、大した出費ではないんでしょうけどね。これをもし、身バレした違反者に付け替えることができれば、少しはウルトラたちも行動を控えたりしない?

まあ、そんなことはともかく、今週火曜にスペイン代表がプレーしたネーションズリーグ4節の様子もお伝えしておかないと。土曜にムルシアでデンマークに1-0で勝ち、準々決勝進出に王手をかけた彼らは日月とラス・ロサス(マドリッド近郊)の協会施設でトレーニングして、今度はコルドバへと移動。その間も最初の試合でファールを鬼のように受けていたジャマル(バルサ)が筋肉痛で離脱したり、週末はクラブの練習が休みだったリケルメ(アトレティコ)が追加招集されたりとメンバー変更があったんですが、このセルビア戦でもスタメンはユーロ決勝から7人が違う選手に。
ベオグラードでの1節でスコアレスドローした相手ですし、ヌエボ・アルカンヘル(2部のコルドバのホーム)ではキックオフ時から、ドシャ降りの雨。ジャマルとニコ・ウィリアムス(アスレテティック)、左右の両輪がいないのもあって、これが2度目というA代表の来訪にスタジアムを満員にしたファンがゴールを見る前に風邪を引かないかと心配した私だったんですけどね。何とこの日は開始4分にはもう、スペインが先制していたんですよ。そう、ショートのCKから、代表戦週間入り直前のリーガ戦でヒザの靭帯を断裂したカルバハル(レアル・マドリー)の代役として今回、デ・ラ・フエンテ監督が抜擢したパブロ・ポロ(トッテナム)がゴール前に上げたクロスをラポール(アル・ナスル)がヘッドで決めてくれるとは、有難いじゃないですか。

これには後で昨季まで長らくヘタフェにいたマクシモビッチ(パナシナイコス)も、「Encajar tan pronto ha cambiado nuestro plan de partido y España ha ganado en confianza/エンカハール・タン・プロントー・ア・カンビアードー・ヌエストロ・プラン・デ・パルティード・イ・エスパーニャ・ア・アガナードー・エン・コンフィアンサ(あんなに早い時間に失点したせいで、ウチはプランを変えないといけなくなって、スペインは自信を得た)」と嘆いていたんですけどね。ただ、その自信はその後の前半中、相変わらず、シュートはバンバン撃っていたスペインなんですが、スコアに反映されることはなく、1-0の僅差でハーフタイムを迎えることに。

いやあ、その日は夕方に弟分のU21代表も2025年ユーロ予選最後のマルタ戦をプレーしていて、ながら見をしていたところ、前半だけで大型FWサム(アラベスへのレンタルから帰還後、アトレティコからポルトに移籍)がpoker(ポケル/4得点のこと)を達成する快挙。最後は6-0の大勝をしていたため、アトレティコがこの夏、逃がした魚は文字通り、大きかった感ともっとゴールが見たい欲求に駆られていた私だったんですけどね。大人の代表も後半にはまた割と早くチャンスが巡ってきて、7分にはポロのシュートがエリア内でビルマンチェビッチ(スパルタ・プラハ)の腕に当たり、PKをゲットしたんですが…。

キッカーに立ったモラタ(ミラン)が、うーん、アトレティコでも何回か止められていた姿を見ていたため、最初から懐疑的だった私の予想の遥か上を行く、天高く飛んでいくPKを撃ってくれるんですから、さすがです。これじゃ、サンティアゴ・ベルナベウやメトロポリターノと違って、彼に偏見のないコルドバのファンだって、pito(ピト/ブーイング)したくなるんじゃないか、それでまたユーロ前に患った鬱が復活するんじゃないかと邪推してしまった私でしたが、大丈夫。その直後から、モラタコールの大声援が始まったとなれば、これに応えないのは男がすたる?

ええ、後でモラタも「Hoy me han ayudado a seguir peleando y luchando/オイ・メ・アン・アジュダードー・ア・セギール・ペレアンドー・イ・ルチャンドー(今日はボクが戦い続けられるように助けてもらった)」と告白していたんですが、まあ、昨季後半、超スランプに入るキッカケとなったCL準々決勝ドルトムント戦2ndレグでの楽勝に見えたGKとの1対1を外したプレーは、ジグナル・イドゥナ・パルクでのことでしたからね。あの時は励ましてくれるビジターファンも少なく、そのまま腑抜けてしまった彼でしたが、この日は20分、ファビアン(PSG)からのスルーパスを受け、GKライコビッチ(マジョルカからアル・イティハドに移籍)を破っているんですから、もうビックリですよお。

更にスペインは29分、エリア前でパブロビッチ(ミラン)がオジャルサバル(レアル・ソシエダ)を乱暴なタックルで倒し、いえ、最初、主審はイエローカードを出したんですけどね。VAR(ビデオ審判)通信でモニターチェックに赴いたところ、レッドカードになり、セルビアが1人少なくなったのはともかく、そのFKをアレックス・バエナ(ビジャレアル)が見事にゴールにしてしまったのは呆然とするばかり。何せ、スペイン代表で直接FKが決まるのは7年ぶりだそうですからね。当人によると、「Son muchos entrenamientos practicando/ソン・ムーチョス・エントレナミエントス・プラクティカンドー(セッションで沢山練習した)」賜物だそうですが、これで3-0としてスペインは快勝。しっかりネーションズリーグ準々決勝進出を決めてくれましたっけ。

え、それにしたって、ユーロ優勝のチームから、GKウナイ・シモン(アスレティック)、ロドリ(マンチェスター・シティ)、カルバハル、ル・ノルマン(アトレティコ)、ダニ・オルモ、フェラン・トーレス(バルサ)、更にはニコ・ウィリアムスやジャマルまでいなくても、あっさり勝ってしまうスペインの強さは本物じゃないかって?そうですね、セルビアのストイコビッチ監督も「彼らは別次元にいることを今夜見た。スペインは同じ質の高さで2チーム組める感じがする」とシャッポを脱いでいたんですけどね。デ・ラ・フエンテ監督も「このシチュエーションを楽しんでいる。メディア的に知名度がなくても優れた選手を世間に教えてあげられるんだからね」と言っていたように、ウナイ・シモン代理のダビド・ラジャ、ロドリ代理のスビメンディ(レアル・ソシエダ)、バエナ、ビビアン(アスレティック)とユーロで控えだった選手たちの活躍は目を瞠らんばかりだったかと。

この調子が続けば、2008年ユーロから、2010年W杯、2012年ユーロの国際メジャー大会3連覇を遂げた黄金時代のリピートも夢じゃない気がしますが、それはまだまだ先の話。当面は11月の代表戦でネーションズリーグのグループ首位突破を確定させて、準々決勝組み合わせ抽選のシード権を取るのが優先に。ええ、新設フェーズの3月の試合は同じ相手とのホーム・アウェイ戦となるため、グループ2位の少しでも楽な相手と当たるにこしたことはありませって。

その一方で各国代表戦が終わりを告げ、週明けからはマドリッドのクラブから出向していた選手たちも五月雨のように帰還してきているんですが、とりあえず、今週末の予定も見ておくと。リーガ10節の先陣を切るのは土曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、バライドスで9位のセルタと対戦するマドリーで、ええ、この代表期間はエムバペ、メンディ(フランス)、ビニシウス、ミリトン(ブラジル)、ルニン(ウクライナ)らも負傷等でお留守番となりましたからね。それもこの2週間で皆、回復し、マドリーダービーでケガをしたGKクルトワも治ったとなれば、一体、何を恐れることがある?

加えて、ベリンガム(イングランド)やギュレル(トルコ)らも代表戦でゴールを挙げて気分が上がっているはずですし、モドリッチ(クロアチア)も2試合フル出場と未だに健在なところを披露。懸念は長旅をしてきたロドリコ、エンドリッグ(ブラジル)、バルベルデ(ウルグアイ)らですが、ミッドウィークにCLドルトムント戦を挟んだ後の来週末はいよいよ、勝ち点差3の首位バルサと直接対決できるクラシコ(伝統の一戦)となれば、今は躓いている場合じゃない?逆にセルタの方はエースのイアゴ・アスパスと昨季後半、ヘタフェにいたイリアス・モリバが前節のラス・パルマス戦で退場。この試合に出られないという弱みがありますし、先週のストックホルム電撃旅行の際、レイプ疑惑騒動に巻き込まれたエムバペだって、この試合に集中しない訳にはいきませんよね。

そしてマドリッド残り4チームは皆、日曜試合となり、ラージョは午後2時から、マジョルカとのアウェイゲーム。Paron(パロン/リーガの停止期間)直前の試合ではバジャドリーに1-2と勝利して、その流れを維持したいイニゴ・ペレス監督のチームですが、怖いのは相手のエース、ムリキが完全復帰してくること。その負傷中、代理を立派に努め、7位という高いポジションにマジョルカを導いたラリンも好調ですし、いえ、浅野拓磨選手は先週あった練習試合でハムストリングのケガを再発させてしまったようで、出られないみたいなんですけどね。ハメス・ロドリゲスもコロンビア代表でまた、活躍して戻って来たようですし、ここはラージョもマジョルカとの順位逆転を狙ってもいいかも。

続く午後4時15分(日本時間午後11時15分)からの時間帯ではいよいよ、メトロポリターノに応援団のいないアトレティコがレガネスとの兄弟分ダービーに挑むんですが、代表戦中の朗報は開幕節にゴールを挙げたきりだったセルロート(ノルウェイ)が2得点して帰って来ること。フリアン・アルバレスもボリビア戦でゴールを挙げていますしね。デ・パウルとモリーナがアルゼンチン代表では良くても、アトレティコでは別人なのは今に始まったことではないため、仕方ないんですが、今回はフランス代表を引退したグリーズマンが休養十分なのが一番、頼りになるかと。

兄貴分の胸を借りるボルハ・ヒメネス監督のチームは先週、バジャドリーとビジャ・デ・レガネス杯をプレーし、そこではサエンス、シラ、ラバがゴールを挙げて、3-1で快勝。ただ悩みはそのゴール力を公式戦では発揮できていないことで、うーん、この代表戦期間は出向したのがシセ(ギネア)だけと、チームを離れた選手は少ないんですけどね。何より、この夏の目玉補強として入団したハラー(ドルトムントからレンタル)がまだ無得点というのが辛いところですが、実はメトロポリターノは彼が昨季のCL準々決勝1stレグでゴールを挙げ、2ndレグの逆転突破を導いた因縁のあるスタジアム。まさかとは思いますが、アトレティコには重々、用心することをお勧めします。

そして午後6時半から、ヘアフェがラ・セラミカでのビジャレアル戦でマドリッド勢のトリを務めるんですが、ボルダラス監督のチームには先週、昨季レガネスを退団して以来、フリーだったニヨムが加入するなんてことも。彼はレガネスの前はヘタフェにいて、その前はレガネスでと、何故かお隣さんの間を何度も行き来している右SBで、そうこうするうちにもう36才になってしまったんですけどね。何かと人出の足りないヘタフェとしては猫の手も借りたいぐらいだった?折しも相手のビジャレアルは9節にサンティアゴ・ベルナバウで兄貴分に2-0と完敗。敵を弟分で取ってやれといったところでしょうが、そろそろボルハ・マジョラルもスタメン出場できそうですし、レガネス同様16位で降格圏スレスレの位置にいるヘタフェにはもう少し、安心な順位まで上昇してもらえたらと思います。

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レアル・マドリーがミランから19歳DFヒメネスを一時的に呼び戻し? 昨夏完全移籍移行も半年レンタルのアイデアを保有か

レアル・マドリーに、ミランからスペイン人DFアレックス・ヒメネス(19)を一時的に呼び戻すプランが存在か。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 ヒメネスはスペイン出身で、マドリーの下部組織育ち。23年夏にレンタル移籍でミランU-19へ加わり、1年後の昨夏、ミランへの完全移籍と共にトップチーム昇格となった。 すなわち現在は完全にミランの一員なわけで、迎えた今シーズンはセリエA5試合、スーペルコッパ・イタリアーナ2試合などに出場。ただ、主戦場はセリエCのフトゥーロ(U-23)である。 そんななか、最終ラインが手薄なマドリーが、半年レンタルでのヒメネス呼び戻しを画策か。 現段階ではいちプランに過ぎずも、ドライローンでの獲得に興味を持っているとのこと。マドリーには2025年夏なら900万ユーロ(約14.4億円)、26年夏なら1200万ユーロ(約19.2億円)という、買い戻し条項があるとされている。 2025.01.16 15:40 Thu
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル①~ペジェグリーニ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆マヌエル・ペジェグリーニ体制/2009-10</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ペレス会長は、2度目の政権の皮切りにペジェグリーニ監督を招へい。前シーズンにはビジャレアルで攻撃的なサッカーを組み立て、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8に名を連ねており、国内外で評価を上昇させていた。 マドリーは前年度までのCLで5シーズン連続のベスト16に終わっており、リーガでもバルセロナの後塵を拝しての2位。コパ・デル・レイのタイトルも獲れず、ペジェグリーニ監督にはCLベスト8以上に加えて、主要タイトルの獲得が求められていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-4-2]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>2009年夏、ペジェグリーニ監督を招へいしたマドリーはFWクリスティアーノ・ロナウド、MFカカら多く新戦力を獲得し、FWロッベンやMFスナイデル、DFエインセ、DFカンナバーロ、DFサルガドらが去った穴を埋めた。“新銀河系軍団”はこの時から形作られている。 基本フォーメーションに関しては、フラットな[4-4-2]だけでなく、カカをトップ下に配した[4-3-1-2]も多く採用した。また、負傷によりシーズン後半を棒に振ったDFペペが起用可能だった当初には、マルセロを一列前に上げてセルヒオ・ラモスを右SB、アルベロアを左SBに回している。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point!~クラシコでの2敗&CLベスト16の壁~</span> 結果から言えば、このシーズンのマドリーは無冠に終わった。CLどころか、リーガは宿敵バルセロナに奪われ、コパ・デル・レイに至っては当時3部だったアルコルコン(1stレグの0-4敗戦が後に“アラコルコンの悲劇”と呼ばれる)に敗れベスト32で散っている。 たらればの話ではあるが、CLベスト8に進出出来ていれば閉塞感を振り払えていただろう。決勝戦の会場が本拠地サンティアゴ・ベルナベウに決まっていただけに、多くの期待が寄せられていたが、ベスト16でリヨンに2戦合計1-2で敗戦。6シーズン連続のベスト16敗退となった。 さらに、CLを逃したとなれば、リーガ優勝がペジェグリーニ監督続投の条件となっていたが、ここでも首位バルセロナ(勝ち点99)とわずか3ポイント差で撃沈。2試合の直接対決では2敗を喫しており、“エル・クラシコ”で勝ち越せなかったことがタイトル獲得を阻んだ。 そして、ペジェグリーニ監督は2010年の夏に解任。言わずもがな、その理由は全てのタイトルを逸したためだ。<hr>▽マヌエル・ペジェグリーニ 【在任期間】 1シーズン(2009-10) 【戦績】 公式戦48試合36勝5分け7敗 チャンピオンズリーグ:ベスト16 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点96) コパ・デル・レイ:ベスト16 【主な獲得選手】 FWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマ、MFカカ、MFシャビ・アロンソ 【主な放出選手】 FWアリエン・ロッベン、MFヴェスレイ・スナイデル、DFガブリエル・エインセ、DFファビオ・カンナバーロ、DFミチェル・サルガド 2019.03.09 18:30 Sat
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バルサは祝ってるけど、まだ続くリーガもある…/原ゆみこのマドリッド

「あと大変なのは弟分だけね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、慌ただしいミッドウィーク開催36節がバルサのリーガ優勝で終わった翌朝のことでした。いやあ、もちろん、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでマジョルカ相手に意地で勝利を挙げた甲斐もなく、翌日にはクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点差を7にした宿敵がエスパニョールに0-2と勝利。最短ルートでタイトルをものにしたのはきっと、レアル・マドリーの選手たちも面白くないものを感じているとは思いますけどね。お隣さんも負けたため、2位の座が安泰となったのは良かったかと。 一方、またしてもアウェイで恥をさらしてきたアトレティコも前節で、毎シーズンの義務である5位以上の来季CL出場権は確定させていますからね。まだ4位のアスレティックに抜かれる可能性あるものの、5位ビジャレアルとは勝ち点差6でゴールアベレージはイーブン、総得失点差で上回っているため、落ちても4位で来季のスペイン・スーパーカップ出場権(今季の決勝がバルサvsマドリーだったため)はゲットと至って平和なんですが、対照的に残り2節に全てが懸かってしまったのが、ラージョ、ヘタフェ、レガネスのマドリッド勢弟分3チームなんですよ。 その状況を説明するのを兼ねて、この火曜水曜の試合がどうだったか、振り返っていくことにすると。先陣を切ったのはどこより辛い状況にあるレガネスで、ええ、ラ・セラミカでのビジャレアル戦を私もサンティアゴ・ベルナベウへ行く前に見ていたんですけどね。前節はようやくエスパニョールに勝ったため、少しは継続してくれるかと期待したものの、それがまったくダメだったんです。相手がCL出場権獲得に邁進しているチームだというのもあったんでしょうが、前半だけでアジョセに2本、そしてハーフタイム入り直前にもペペに決められて、呆気なく3-0で勝負がついてしまいましたっけ。 それも不幸は重なるもので、同日同時間帯にプレーしていたアラベスがバレンシアに1-0で勝ったため、残留圏最後の17位である相手とレガネスの勝ち点差が4となり、いえ、おかげでバジャドリーに続き、ラス・パルマスの降格が決まり、僅かでも生き残りの可能性があるのは18位のレガネスだけとなったんですけどね。ボルハ・ヒメネス監督は、「Mientras hay vida, hay esperanza. Vamos a pelear a por los 40 puntos/ミエントラス・アイ・ビダ、アイ・エスペランサ。バモス・ア・ペレアル・ア・ポル・ロス・クアレンタ・プントス(生きている間は希望がある。ウチは勝ち点40を目指して戦う)」と話していたものの…。 というのも、彼らの残りの対戦相手は37節、日曜の全カードunificacion(ウニフィカシオン/統合)時間帯午後7時(日本時間翌午前2時)ではラス・パルマス、最終節はバジャドリーと両降格済みチームというのは希望が持てるんですが、他力本願になることだから。要はやはり、次節にバジャドリーと対戦するアラベスが勝った場合、勝ち点が41となり、レガネスは2連勝しても追いつけず。その場合はもう2つの残留未達成チーム、勝ち点5差のヘタフェか、エスパニョールが2連敗してくれるかどうかに懸かってくることに。 どちらにしろ、かなり見込みの薄い賭けに見えるんですが、ラ・セラミカでの帰りがけには応援に来ていたレガネスファンが、来季はバレンシア移籍の噂があるネユウに「Basura!/basura(クズ)」と罵声を浴びせ、一気触発状態になったなんてことも。いつもブタルケでは「2部Bになってもついていく」と歌っているファンたちなんですから、今季4年ぶりで再昇格して、慣れない1部での戦いにここまで一生懸命、取り組んできた選手たちを貶めることはしないでほしいものです。 そして火曜の午後9時半、サンティアゴ・ベルナベウにマジョルカを迎えたマドリーはというと、泣きっ面に蜂とはまさにこのことで、クラシコに負けてリーガ逆転優勝の目が99%なくなった彼らには前代未聞の頭数不足が襲来。元々、長期離脱のカルバハル、ミリトン、手術したリュディガー、アラバ、メンディ、まだリハビリ中のカマビンガ、クラシコでケガをしたビニシウス、ルーカス・バスケス、自信喪失中のロドリゴ、出場停止のチュアメニに加え、試合前日にもGKルニンとブライムが招集リスト落ちとなったおかげで、とうとう大量12名が欠けたとなれば、その日の控え選手がバジャホ以外、全員カンテラーノ(RMカスティージャの選手)だったの仕方なかったかと。 そのせいか、ベルナベウも満員にはならなかったんですが、そんな状況でも勝利を求められるのがマドリーですからね。前半11分、マテウのパスをセバージョスがカットできず、バルイェントに先制ゴールを奪われた時には場内も一瞬、凍りついたものでしたが、そこは世界一を自負するチーム。GKレオ・ロマンがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発したせいで、同点になるのは後半23分、モドリッチのスルーパスから、敵DF3人に囲まれたエムバペが格の違いを際立たせるシュートを決めてくれるまで待たないといけなかったんですが、いやホント、マドリーには最後まで絶対に諦めない精神がしみ込んでいるんですねえ。 そう、後半19分に脚を打撲した、今は押しも押されぬレギュラーでも登録がRMカスティージャのままのアセンシオをトップチームの幽霊部員バジェホに交代。他は29分にせっかく巡ってきた先発のチャンスを生かせなかったエンドリックをコパ・デル・レイ準々決勝レガネス戦の後半ロスタイムに決勝ゴールを挙げたゴンサロにしただけで、トップチームの選手が常時7人以上ピッチにいないといけない規定を守ったマドリーは、アンチェロッティ監督も「Nunca he visto un equipo que haya tirado 40 veces a portería como hemos hecho/ヌンカ・エ・ビストー・ウン・エキポ・ケ・アジャ・ティラードー・クアレンタ・ベセス・ア・ポルテリア・コモ・エモス・ヘッチョー(ウチがやったように40回もシュートするチームは見たことがない)」と驚いていた猛攻を、飽きずに終盤まで続けることに。 するととうとう、後半ロスタイム最後の分にはモドリッチのCKがクリアされた後、フラン・ガルシアが再びエリアに戻したボールをバジェホがヘッドで流し、出場3試合目のCBヤコボがコペテに先んじてシュート。「He ido y no sé ni cómo, pero la he metido/エ・イドー・イ・ノー・セ・ニ・コモ、ペロ・ラ・エ・メティードー(行って、どうやったかはわからないけど、ゴールに入れた)」という彼の初得点で、土壇場のremontada(レモンダーダ/逆転劇)を達成しているんですから、驚いたの何のって(最終結果2-1)。 これでバルサがエスパニョール戦をプレーする前にして、リーガチャンピオンとなるのを防げたマドリーだったんですが、この根性を今季、リーガのバルサ戦以外の試合でも見せられていいたらねえ。試合後、クルトワなどは、「Vamos a creer hasta que matemáticamente sea imposible/バモス・ア・クレエル・アスタ・ケ・マテマティカメンテ・セア・インポシブレ(数字的に不可能になるまで、ボクらは信じる)」と言っていたものの、翌日のカタルーニャダービーでは予想通り、奇跡は起こらず。 よって、残りのセビージャ、レアル・ソシエダとの2試合は、レバンドフスキととうとう3得点差になったエムバペが上乗せゴールを入れて、ピチチ(リーガの得点王)だけでなく、ヨーロパ・ゴールデンシュー獲得を目指す機会と、クラブW杯前のプレシーズンマッチと化したマドリーなんですが、ケガから復帰する選手もそうそう多くはなさそうですしね。大体がして、もうアンチェロッティ監督の頭にはブラジル代表の6月W杯予選に向けての招集リスト作りしかないかも。 せいぜい、6月に赴任するシャビ・アロンソ監督にRMカスティージャからの抜擢メンバーがアピールする機会ぐらいにしかならないんじゃないかと思いますが、困ったのは、試合終了直前まで、勝ち点1確保を見込みながら、空手で帰ることになったマジョルカのアラサーテ監督の決意。そう、8位のコンフェレンスリーグ出場の座を勝ち点1差でラージョ、オサスナと争っている彼らだけに、「最後のCKをクリアして終わったはずだったのにゴールを入れられた。Te vas con rabia, pero hay que transformarla en energía el domingo/テ・バス・コン・ラビア、ペロ・アイ・ケ・トランスフォルマルラ・エン・エネルヒア・エル・ドミンゴ(怒り心頭だが、このエネルギーを日曜に持って行かないと)」と言っていたんですが、その日曜の相手はヘタフェなんですよ。 おまけに「Tenemos que intentar ganar el domingo para llegar a Vallecas con opciones europeas/テネモス・ケ・インテンタール・ガナール・エル・ドミンゴ・パラ・ジェガール・ア・バジェカス・コン・オプシオネス・エウロペアス(日曜に勝って、ヨーロッパの大会参加の可能性を残してバジェカスに着かないといけない)」(アラサーテ監督)というように、マジョルカの最終節はラージョ戦。となれば、もしやマドリーは弟分たちに対して、余計なことをしてくれた? ええ、何せ翌木曜にはマドリッドがサン・イシドロ祭の祝日で賑わう中、エスタディオ・バジェカスに足を運んだ私だったんですけどね。昼間に降ったにわか雨も上がり、お日様がさんさんと輝く中でキックオフとなったベティス戦は、ラージョが前半37分にペドロ・ディアスのミドルシュートがバーに当たって落ちたボールをデ・フルートスがヘッドで決めて先制。更に前半ロスタイムにもルジューヌの直接FKがゴールとなり、2-0で折り返す最高の展開に。 やっぱりここ3週間、コンフェレンスリーグ準決勝フィオレンティーナ戦から週2試合となり、しかも先週は延長戦でチェルシーとの決勝に進出とあって、ベティスは疲れているはずという予想が当たったと、ホクホクしながら、後半を捨てて、私がコリセウムに向かったところ、やられました!うーん、やはり「Salimos un poco aturdidos quizás por la euforia, en la segunda parte/サリモス・ウン・ポコ・アトゥルディードス・キサ・ポル・ラ・エウフォリア、エン・ラ・セグンダ・パルテ(ボクらは多分、歓喜しすぎていて、ちょっとボオッとして後半に入った)」(ラティウ)のせいだったんでしょうかね。 メトロからアトーチャ駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り換える前、早くも6分にはクチョのゴールで1点を返され、15分には英雄だったルジューヌがアブデをエリア内で倒してPKを献上。イスコに2点目を決められて、最後は2-2で引き分けてしまうんですから、ガッカリじゃないでうか。いえ、「Tenemos dos finales por delante y hay que ganarla/テネモス・ドス・フィナレス・ポル・デランテ・イ・アイ・ケ・ガナールラ(ウチには2つの決勝があって、勝たないといけない)」とイニゴ・ペレス監督も言っていた通り、日曜のセルタ戦、最終節のマジョルカ戦に勝てば、来季のコンフェレンスリーグの切符どころか、36節で勝ち点4差になってしまったセルタを追い越して、未だにEL行きも夢じゃないんですけどね。 せっかくの直接ライバルたちと差をつける機会を失ってしまったのは残念ではありますが、まあ、最後まで競うものが残留ではないだけ、ラージョは百万倍幸せ。だってえ、ファンに総動員をかけ、アスレティック戦前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)を焚いて、チームバスをお出迎えしてもらい、普段の数倍は力強いコリセウムの応援を受けながら、GKダビド・ソリアとウナイ・シモンのロングゴールキックと延々にボールが宙を舞っていた試合、ヘタフェは後半31分にグルセタ、44分にはCKからビビアンのシュートを浴びて、ウィリアムス兄弟のいなかったアスレティックに0-2で負け、来季のCL出場確定を祝われてしまったんですよ。 おかげでとうとう、試合の終盤にはスタンドから、「jugadores mercenarios/フガドーレス、メセナリオス(選手は金で雇われた傭兵)」というカンティコが出ていた程だったんですが、つまりこれって、6連敗の彼らは未だに残留確定ができておらず。エスパニョール、アラベス、レガネスと共に降格最後の1チームになる可能性があるってことで、奇跡が起こって、お隣さんが残留できても、ヘタフェが落ちたら、そんな悲劇はない?いやまあ、それでも日曜のマジョルカ戦、最終節のセルタ戦で勝ち点を貯められれば、回避可能なんですけどね。揃って相手がヨーロッパの大会出場を目指しているチームというのが辛いところかと。 そんなヘタフェにはもう少しのガッツと幸運を祈るしかないんですが、え?何で木曜にプレーしたアトレティコの話が抜けているんだって?いやあ、私がバジェカスに行ったのも実はもう、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)であの、ちっちもさっちもいかない彼らのアウェイゲームを見ているのに耐えられなかったからで、案の定、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継でも一向にいい話は聞こえてこず。挙句の果てに前半24分にはCKから、カテナにヘッドでゴールを挙げられて先制されると、後半途中にはシメオネ監督がフリアン・アルバレス、セルロートを下げる不可解采配を見せ、ええ、今のコレアとグリーズマンではゴールをまったく期待できませんですからね。 最後は後半37分にもブドミルに頭で決められ、2-0ですごすご完敗と、その気合のないプレーぶりにラジオの解説者たちがカンカンだったのを聞くにつけ、見ないで本当に良かったとホッとしたのは私だけではない?これで彼らはコパ・デル・レイ準決勝でバルサに負けて、今季全てのタイトル獲得可能性がほぼ消えて以来、アウェイ戦5試合でたったの1勝。そんな情けない有様にならなければ、もっと遅くまでリーガで粘れたんじゃないかと思うんですが、これには「監督がアウェイで選手たちがいいレベルを見せるのに必要なモチベーションを与えられない監督の責任」といくらシメオネ監督が言い張ったって、やっぱり当事者たちの自覚の問題があるのでは? おまけにこのオサスナ戦では後半途中にバリオスがジョレンテの腰に頭をぶつけ、脳震盪で交代。日曜のスィートホーム、メトロポリターノでの今季最終戦、ベティス戦にも出られなくなってしまうとは如何に。昨季同様、シーズン終盤は突極のアウェイ弱者になり下がったアトレティコにはもう、何を言っていいか、私もわからないんですが、そんなところを含めて、彼らは人間的な愛すべきチーム。今はせめて、クラブW杯では心を入れ替えて、今季のCLグループフェーズ、PSG戦やレバークーゼン戦で見せた強さを再現してくれることを願うしかありませんね。 ご挨拶: サイトのサービス終了をもって、このコラムも今回で終わりとなります。長年のおつき合い、ありがとうございました。この先もサッカーファンの旅行先として最適なマドリッドの魅力、リーガやマドリッドのクラブの試合やニュース、スペイン代表などについて、お伝えする方法を模索中なので、その際にはよろしくお願いします。 2025.05.17 21:00 Sat

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