大詰めがやって来た…/原ゆみこのマドリッド
2024.06.01 21:00 Sat
「試合を皆で一緒に見るのかなあ」そんな風に私が気にしていたのは金曜日、いよいよCL決勝が翌日に迫った時のことでした。いやあ、実は同じ土曜午後1時にはスペイン代表がユーロに向けた合宿をラス・ロサス(スペイン近郊)のサッカー協会本部でスタート。もちろん、ウェンブリーでの決勝に挑む、カルバハル、ナチョ、ホセルの3人はサウジアラビア杯決勝のあるラポール(アル・ナスル)共々、遅れて合流するんですけどね。デ・ラ・フエンテ監督に選ばれた残りの25人は午後7時に今回、唯一の公開練習を行って、夜は施設内にある宿泊所で過ごすことに。
となると当然、午後9時(日本時間翌午前4時)からのレアル・マドリーvsドルトムント戦はディナーを食べながら、食堂のTVで観戦という流れになるんじゃないかと思うんですが、ええ、中には今季、まさにその2チームに負けて、CL決勝進出の夢が断たれた選手もいない訳ではなし。そう、マドリーには16強対決でダニ・オルモ(ライプツィヒ)が、準々決勝でロドリ(マンチェスター・シティ)が負け、ドルトムントにも準決勝でファビアン・ルイス(PSG)が涙を呑むことに。とりわけその前、準々決勝2ndレグ序盤に1対1の絶好機に外し、そのトラウマから立ち直れなかったモラタ(アトレティコ)など、あの黄色のユニとGKコベルを見て、再び古傷が開いてしまうのでは?
いやまあ、彼が来季もアトレティコでプレーするかは毎年恒例ながら、疑問符がついているため、そこはいいんですけどね。問題はシーズン後半、当人が大殺界に見舞われたことで、1-4と惨敗した37節のオサスナ戦でのゴールで何とか、リーガ15得点となり、3月からヒザの靭帯断裂で休場しているヘタフェのボルハ・マジョラルとサラ(スペイン人得点王)を分け合ったものの、最終節にも代表チームメートのGKレミロ(レアル・ソシエダ)の前で1対1に失敗。それでもデ・ラ・フエンテ監督の厚い信頼は揺るがず、6月15日のクロアチア戦から始まるユーロでもモラタはキャプテン、それどころか、エースの扱いとなれば、とにかくゴールを取り戻してもらわないことには、スペインが困ってしまうんですよ。
そこへ滑り込み招集となったジョレンテ(アトレティコ)共々、自分たちがコロッと逆転敗退を喰らった相手に、古巣のマドリーが悠々、勝利する姿など見たら、またコンプレックスを抱いてしまうんじゃないかと。え、ホセルが2得点した準決勝バイエルン戦2ndレグのように、決勝でもゴールを挙げれば、デ・ラ・フエンテ監督も考えるんじゃないかって?うーん、そうかもしれませんが、彼はユーロ前に組まれている強化親善試合、来週水曜のアンドラ戦にはおそらく間に合わないでしょうからね。
2戦目となる6月8日の北アイルランド戦でもゴール運が続くようでしたら、ユーロ初戦のスタメンもあるかもですが、はあ。他のFWはオジャルサバル(レアル・ソシエダ)と、チームを29人から26人に絞る時に落とされそうなアジョセ(ベティス)だけとなれば、最後はやっぱり、ジャマル(バルサ)やニコ・ウィリアムス(アスレティック)ら、若輩たちにゴールを頼ることになりそうですね。
そのせいか、朝起きる時間を間違えて、最寄りのメトロ駅、フェリア・デ・マドリッドに着いた時にはすでにアンチェロッティ監督の記者会見開始時刻に。仕方なく、徒歩30分をタクシー5.60ユーロ(約1000円)に代えたんですが、3月にバルデベバスにブラジル代表の練習見学に行った時とは違い、ええ、あの時はいつものゲートではなく、現着してから、反対側のゲートに行かされて、1時間近く歩く破目になりましたからね。ちゃんとその日は入口がエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)のメインゲートとプレス用のメールに明示され、内部はミニバスで送ってもらえたため、記者会見にも10分程、遅れただけで間に合ったのは助かったかと。
ちなみにマドリーで3度目のCL決勝に挑むアンチェロッティ監督は、「Ellos en transiciones son muy buenos. Su bloque defensivo es fuerte. Va a ser un partido competido/エジョス・エン・トランシシオネス・ソン・ムイ・ブエノス。ス・ブロケ・デフェンシボ・エス・フエルテ。バ・ア・セル・ウン・パルティードー・コンペティードー(彼らはカウンターがとても上手い。守備のブロックも堅固だ。競った試合になるだろう)」とドルトムントにリスペクトを示していたんですが、とはいえ、マドリーの大会と言っても過言でないのがCLですからね。世間も彼らの優勝をまったく疑っていないんですが、1981年のリバプールとの決勝から続く8連勝が今更、途切れることなんてある?
記者会見が終わると、チーム練習が始まって、私も久々にアトレティコ以外のセッションをテラスから見たんですが、マドリーのエクササイブメニューには近年、まったく変化がなし。ええ、軽いアップから始まって、2組でロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)。15分公開の時は大抵、ここで見学終了となるんですが、この日は小さい区画で5対5のボールの奪い合い、更にピッチの3/4を使ってのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)まで、見せてもらえたのはラッキーだったかと。
その後は一旦、建物の外に出て、ミックスゾーンの設けられている、合宿所のある区画に移動。要は練習見学をしたテラスの奥の部分に行かされて、遠くでまだ続いていたセッションがいつ終わるか、いつ終わるかと待つことに。それでも30分ぐらいすると、選手がポツポツと現れだして、ええ、リュディガー、カマビンガ、ベリンガム、カルバハル、ホセル、ルーカス・バスケスらの話を聞くことができたんですけどね。
何せ、昨今はサンティアゴ・ベルナベウでの試合の後、ミックスゾーンに出る選手はたった1人だけ。1人も出ない日もあるため、「Imprimimos un miedo, un terror, a los rivales cuando suena este himno tremendo/インプリミモス・ウン・ミエードー、ウン・テロール、ア・ロス・リバレス・クアンドー・スエナ・エステ・イムノー・トレメンドー(CLのアンセムが響き渡る時、ボクらは相手に怯え、恐怖を植え付ける)」(カルバハル)なんてことを聞けたのは、それはそれで貴重な機会ではありましたっけ。
その後、これも恒例のバスケットボールチームが練習する体育館まで行って、軽食を頂いてから、いやあ、ツイていましたね。こちらの建物から、セルカニアス(国鉄近郊路線)のバルデベバス駅に近いゲートを使えたため、この日はほとんど歩くことなしに済んだ私だったんですが、チームはそれから、火水木と練習。2年前のパリでの決勝同様、木曜夕方にはロンドンに飛び、ウェンブリーから30km離れたワトフォードにあるザ・グローブホテルに投宿すると、金曜にはアンチェロッティ監督とナチョ、モドリッチが前日会見、そしてスタジアム練習と、全ての様子をレアル・マドリーTVとTVE(スペイン国営放送)が生中継してくれたんですが…。
いやあ、世の中にはホントに間の悪い選手もいるもんですね。それはGKルーニンで、ええ、メディアデーの日にアンチェロッティ監督が風邪でお休みしていると言っていたのが、実はB型インフルエンザだったんですよ。おかげで他の選手への感染予防のため、熱が下がっても練習に戻れず、当人は土曜の試合当日1人、ロンドンに行くことに。もう、こうなると決勝のGKはリーガ優勝まで、CLも準決勝まで責務をまっとうした彼か、5月になって、ヒザの靭帯断裂から復帰したクルトワかなんていう議論もすっ飛んじゃうってもんで、アンチェロッティ監督もとうとう、「Lunin va al banquillo, jugará Courtois/ルーニン・バ・アル・バンキージョ、フガラ・クルトワ(ルーニンはベンチ、クルトワがプレーする)」と前日会見で予告することに。
まあ、クルトワ当人も「Me siento al 100% y listo/メ・シエントー・アル・シエン・ポル・シエン・イ・リスト(自分は100%で準備できている)」と言っていましたしね。リーガの終盤、カディス、グラナダ、アラベス、ベティス戦と4試合に出て、うち2つは降格したチームとはいえ、無失点で抑えているため、あまり心配することはないのでは?大体がして、ザルザルのアトレティコと違い、マドリーの守備は堅いですし、リーガトロフィーに続き、CLトロフィーも掲げて、再び、シベレス噴水広場の女神像に旗とマフラーを結んでやろうと、キャプテンのナチョも張り切っていますからね。フュルクルクやサンチョ、サビッツァー、ブラントらに隙を見せることはないかと思いますが、こればっかりはねえ。
ちなみに金曜にロンドン入りしたドルトムントはマドリーより早く、2週間前にはブンデスリーガが終わり、逆に準備期間が長すぎるのが気になるところですが、実はウェンブリーでのCL決勝はマドリーが未経験なのに比べ、彼らの方は2度目。そう、2013年、それこそ、念願だったDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)をマドリーが達成する前年、バイエルンとのドイツ勢決勝となり、1-2で負けてしまったんですが、それでも1996年にはユベントスに勝って、優勝経験があるというのはアトレティコなどからしたら、羨ましい限りかと。
とはいえ、前回の決勝の生き残りもすでにマルコ・ロイスとフンメルスだけとなり、いえ、テルジッチ監督は「もしマドリーと10回戦うなら、難しいだろうが、一発勝負なら、何でも可能」と楽観的発言をしていたんですけどね。両チームに割り振られているチケットは2万5000枚というのに、ドルトムントからは4万人ものファンが駆けつけるみたいですし、先乗りしたマドリーファンも多く、すでに金曜からお祭り状態になっているロンドン市内の映像を見ると、私も行ってみたくなったりするものの…結果は木曜に終わったテイラー・スウィフトのメガコンサートの舞台を突貫工事で片付けて、大型スクリーンをピッチに並べるベルナベウでのパブリックビューイングで見届けることにします。
その一方で今週は弟分のラージョにもイベントがあって、それは5月29日に迎えたクラブ創設100周年を記念するチャリティマッチ。いわば、マドリーのコラソンマッチみたいなもので、ラージョのOBのレジェンドチームと他のクラブのOBのオールスターチームが対戦したんですが、これが結構、面白くてねえ。おそらくそれは、ベルナベウでは懐かしいギャラクティコ時代の選手、ジダン、フィーゴ、ラウール、カシージャスらがプレーしても米粒大にしか見えないのに対して、エスタディオ・バジェカスはピッチが近いのが売り。おかげでRMカスティージャのRFEF1部(実質3部)のシーズンが終わったラウール監督、ビジャ、ノリト、アドリアン・ロペス、ハビ・マルティネス、ファンフランらのプレーを堪能できることに。
ラージョの方はトラシュオラ、アマジャ、ピティ、ラウール・タムード、ハビ・フエゴ、デリバシッチ、マリオ・スアレスと知っている顔以外のOBは私もさっぱりだったんですが、今季はジローナを率いて3位という見事な成績を残したミチェル監督、更にパコ・ヘメス監督なども出場。うーん、現ラージョ指揮官のイニゴ・ペレス監督や昨季まで3年間務めたイラオラ監督がオールスターチームで、上が水色、下が緑、ピンクの斜めラインという、何とも言えないユニでプレーしていたのはちょっと、笑えましたけどね。
試合の方は前半早々、アルメンテイロスが66才のGKパコ・ブジョに当たって戻ってきたボールを空のゴールに決めて、ラージョが先制した後、35分には未だにゴールへのハングリー精神を忘れていなかったビジャのvaselina(バセリーガ/ループシュート)で同点に。その3分後には再び、アルメンテイロスがブジョのミスを利用して、勝ち越しゴールを挙げたものの、これもビジャのアシストからデ・ラ・レッドが決めて、前半は2-2で終わります。ガラリと選手が代わった後半終盤にはポルティージョのPKとファンフランにゴールを奪われ、ラージョは2-4で負けてしまったんですが…100周年祝いなんですから、ファンが試合後、「Vida de pirate(ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を嬉々として、唱和していたのも当然だった?
そんな感じで今週はマドリッドでもまだサッカーを楽しめたんですが、ええ、この日曜のリーガ2部最終節でもあと勝ち点1で2部の弟分レガネスの1部復帰が叶うエルチェ戦がブタルケでありますからね。マドリーのCL決勝同様、こちらも幸せな結末で終わってくれるといいんですが、もうその後は完全にクラブサッカーはシーズンオフ。ユーロやコパ・アメリカに駆り出される選手たちはまだお勤めがあるものの、今季お疲れだったマドリッドの各チームにはしっかり休養を取ってもらいたいものです。
となると当然、午後9時(日本時間翌午前4時)からのレアル・マドリーvsドルトムント戦はディナーを食べながら、食堂のTVで観戦という流れになるんじゃないかと思うんですが、ええ、中には今季、まさにその2チームに負けて、CL決勝進出の夢が断たれた選手もいない訳ではなし。そう、マドリーには16強対決でダニ・オルモ(ライプツィヒ)が、準々決勝でロドリ(マンチェスター・シティ)が負け、ドルトムントにも準決勝でファビアン・ルイス(PSG)が涙を呑むことに。とりわけその前、準々決勝2ndレグ序盤に1対1の絶好機に外し、そのトラウマから立ち直れなかったモラタ(アトレティコ)など、あの黄色のユニとGKコベルを見て、再び古傷が開いてしまうのでは?
いやまあ、彼が来季もアトレティコでプレーするかは毎年恒例ながら、疑問符がついているため、そこはいいんですけどね。問題はシーズン後半、当人が大殺界に見舞われたことで、1-4と惨敗した37節のオサスナ戦でのゴールで何とか、リーガ15得点となり、3月からヒザの靭帯断裂で休場しているヘタフェのボルハ・マジョラルとサラ(スペイン人得点王)を分け合ったものの、最終節にも代表チームメートのGKレミロ(レアル・ソシエダ)の前で1対1に失敗。それでもデ・ラ・フエンテ監督の厚い信頼は揺るがず、6月15日のクロアチア戦から始まるユーロでもモラタはキャプテン、それどころか、エースの扱いとなれば、とにかくゴールを取り戻してもらわないことには、スペインが困ってしまうんですよ。
2戦目となる6月8日の北アイルランド戦でもゴール運が続くようでしたら、ユーロ初戦のスタメンもあるかもですが、はあ。他のFWはオジャルサバル(レアル・ソシエダ)と、チームを29人から26人に絞る時に落とされそうなアジョセ(ベティス)だけとなれば、最後はやっぱり、ジャマル(バルサ)やニコ・ウィリアムス(アスレティック)ら、若輩たちにゴールを頼ることになりそうですね。
まあ、そんなことはともかく、リーガ1部が閉幕し、他のクラブがバケーションに入る中、CL決勝に向けて、黙々と練習を続けていたマドリーの様子をお伝えしていかないと。彼らが恒例のメディアデーを開いたのは月曜のことで、ええ、まさにスペイン代表の招集リスト発表と時間が被っていたため、私もバルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場で公開セッション中、スマホでライブ配信を見ることになったんですけどね。とにかくもう、ここ10年で6回目の決勝メディアデーともなると、ちょっとマンネリ感も出て来てしまってねえ。
そのせいか、朝起きる時間を間違えて、最寄りのメトロ駅、フェリア・デ・マドリッドに着いた時にはすでにアンチェロッティ監督の記者会見開始時刻に。仕方なく、徒歩30分をタクシー5.60ユーロ(約1000円)に代えたんですが、3月にバルデベバスにブラジル代表の練習見学に行った時とは違い、ええ、あの時はいつものゲートではなく、現着してから、反対側のゲートに行かされて、1時間近く歩く破目になりましたからね。ちゃんとその日は入口がエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)のメインゲートとプレス用のメールに明示され、内部はミニバスで送ってもらえたため、記者会見にも10分程、遅れただけで間に合ったのは助かったかと。
ちなみにマドリーで3度目のCL決勝に挑むアンチェロッティ監督は、「Ellos en transiciones son muy buenos. Su bloque defensivo es fuerte. Va a ser un partido competido/エジョス・エン・トランシシオネス・ソン・ムイ・ブエノス。ス・ブロケ・デフェンシボ・エス・フエルテ。バ・ア・セル・ウン・パルティードー・コンペティードー(彼らはカウンターがとても上手い。守備のブロックも堅固だ。競った試合になるだろう)」とドルトムントにリスペクトを示していたんですが、とはいえ、マドリーの大会と言っても過言でないのがCLですからね。世間も彼らの優勝をまったく疑っていないんですが、1981年のリバプールとの決勝から続く8連勝が今更、途切れることなんてある?
記者会見が終わると、チーム練習が始まって、私も久々にアトレティコ以外のセッションをテラスから見たんですが、マドリーのエクササイブメニューには近年、まったく変化がなし。ええ、軽いアップから始まって、2組でロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)。15分公開の時は大抵、ここで見学終了となるんですが、この日は小さい区画で5対5のボールの奪い合い、更にピッチの3/4を使ってのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)まで、見せてもらえたのはラッキーだったかと。
その後は一旦、建物の外に出て、ミックスゾーンの設けられている、合宿所のある区画に移動。要は練習見学をしたテラスの奥の部分に行かされて、遠くでまだ続いていたセッションがいつ終わるか、いつ終わるかと待つことに。それでも30分ぐらいすると、選手がポツポツと現れだして、ええ、リュディガー、カマビンガ、ベリンガム、カルバハル、ホセル、ルーカス・バスケスらの話を聞くことができたんですけどね。
何せ、昨今はサンティアゴ・ベルナベウでの試合の後、ミックスゾーンに出る選手はたった1人だけ。1人も出ない日もあるため、「Imprimimos un miedo, un terror, a los rivales cuando suena este himno tremendo/インプリミモス・ウン・ミエードー、ウン・テロール、ア・ロス・リバレス・クアンドー・スエナ・エステ・イムノー・トレメンドー(CLのアンセムが響き渡る時、ボクらは相手に怯え、恐怖を植え付ける)」(カルバハル)なんてことを聞けたのは、それはそれで貴重な機会ではありましたっけ。
その後、これも恒例のバスケットボールチームが練習する体育館まで行って、軽食を頂いてから、いやあ、ツイていましたね。こちらの建物から、セルカニアス(国鉄近郊路線)のバルデベバス駅に近いゲートを使えたため、この日はほとんど歩くことなしに済んだ私だったんですが、チームはそれから、火水木と練習。2年前のパリでの決勝同様、木曜夕方にはロンドンに飛び、ウェンブリーから30km離れたワトフォードにあるザ・グローブホテルに投宿すると、金曜にはアンチェロッティ監督とナチョ、モドリッチが前日会見、そしてスタジアム練習と、全ての様子をレアル・マドリーTVとTVE(スペイン国営放送)が生中継してくれたんですが…。
いやあ、世の中にはホントに間の悪い選手もいるもんですね。それはGKルーニンで、ええ、メディアデーの日にアンチェロッティ監督が風邪でお休みしていると言っていたのが、実はB型インフルエンザだったんですよ。おかげで他の選手への感染予防のため、熱が下がっても練習に戻れず、当人は土曜の試合当日1人、ロンドンに行くことに。もう、こうなると決勝のGKはリーガ優勝まで、CLも準決勝まで責務をまっとうした彼か、5月になって、ヒザの靭帯断裂から復帰したクルトワかなんていう議論もすっ飛んじゃうってもんで、アンチェロッティ監督もとうとう、「Lunin va al banquillo, jugará Courtois/ルーニン・バ・アル・バンキージョ、フガラ・クルトワ(ルーニンはベンチ、クルトワがプレーする)」と前日会見で予告することに。
まあ、クルトワ当人も「Me siento al 100% y listo/メ・シエントー・アル・シエン・ポル・シエン・イ・リスト(自分は100%で準備できている)」と言っていましたしね。リーガの終盤、カディス、グラナダ、アラベス、ベティス戦と4試合に出て、うち2つは降格したチームとはいえ、無失点で抑えているため、あまり心配することはないのでは?大体がして、ザルザルのアトレティコと違い、マドリーの守備は堅いですし、リーガトロフィーに続き、CLトロフィーも掲げて、再び、シベレス噴水広場の女神像に旗とマフラーを結んでやろうと、キャプテンのナチョも張り切っていますからね。フュルクルクやサンチョ、サビッツァー、ブラントらに隙を見せることはないかと思いますが、こればっかりはねえ。
ちなみに金曜にロンドン入りしたドルトムントはマドリーより早く、2週間前にはブンデスリーガが終わり、逆に準備期間が長すぎるのが気になるところですが、実はウェンブリーでのCL決勝はマドリーが未経験なのに比べ、彼らの方は2度目。そう、2013年、それこそ、念願だったDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)をマドリーが達成する前年、バイエルンとのドイツ勢決勝となり、1-2で負けてしまったんですが、それでも1996年にはユベントスに勝って、優勝経験があるというのはアトレティコなどからしたら、羨ましい限りかと。
とはいえ、前回の決勝の生き残りもすでにマルコ・ロイスとフンメルスだけとなり、いえ、テルジッチ監督は「もしマドリーと10回戦うなら、難しいだろうが、一発勝負なら、何でも可能」と楽観的発言をしていたんですけどね。両チームに割り振られているチケットは2万5000枚というのに、ドルトムントからは4万人ものファンが駆けつけるみたいですし、先乗りしたマドリーファンも多く、すでに金曜からお祭り状態になっているロンドン市内の映像を見ると、私も行ってみたくなったりするものの…結果は木曜に終わったテイラー・スウィフトのメガコンサートの舞台を突貫工事で片付けて、大型スクリーンをピッチに並べるベルナベウでのパブリックビューイングで見届けることにします。
その一方で今週は弟分のラージョにもイベントがあって、それは5月29日に迎えたクラブ創設100周年を記念するチャリティマッチ。いわば、マドリーのコラソンマッチみたいなもので、ラージョのOBのレジェンドチームと他のクラブのOBのオールスターチームが対戦したんですが、これが結構、面白くてねえ。おそらくそれは、ベルナベウでは懐かしいギャラクティコ時代の選手、ジダン、フィーゴ、ラウール、カシージャスらがプレーしても米粒大にしか見えないのに対して、エスタディオ・バジェカスはピッチが近いのが売り。おかげでRMカスティージャのRFEF1部(実質3部)のシーズンが終わったラウール監督、ビジャ、ノリト、アドリアン・ロペス、ハビ・マルティネス、ファンフランらのプレーを堪能できることに。
ラージョの方はトラシュオラ、アマジャ、ピティ、ラウール・タムード、ハビ・フエゴ、デリバシッチ、マリオ・スアレスと知っている顔以外のOBは私もさっぱりだったんですが、今季はジローナを率いて3位という見事な成績を残したミチェル監督、更にパコ・ヘメス監督なども出場。うーん、現ラージョ指揮官のイニゴ・ペレス監督や昨季まで3年間務めたイラオラ監督がオールスターチームで、上が水色、下が緑、ピンクの斜めラインという、何とも言えないユニでプレーしていたのはちょっと、笑えましたけどね。
試合の方は前半早々、アルメンテイロスが66才のGKパコ・ブジョに当たって戻ってきたボールを空のゴールに決めて、ラージョが先制した後、35分には未だにゴールへのハングリー精神を忘れていなかったビジャのvaselina(バセリーガ/ループシュート)で同点に。その3分後には再び、アルメンテイロスがブジョのミスを利用して、勝ち越しゴールを挙げたものの、これもビジャのアシストからデ・ラ・レッドが決めて、前半は2-2で終わります。ガラリと選手が代わった後半終盤にはポルティージョのPKとファンフランにゴールを奪われ、ラージョは2-4で負けてしまったんですが…100周年祝いなんですから、ファンが試合後、「Vida de pirate(ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を嬉々として、唱和していたのも当然だった?
そんな感じで今週はマドリッドでもまだサッカーを楽しめたんですが、ええ、この日曜のリーガ2部最終節でもあと勝ち点1で2部の弟分レガネスの1部復帰が叶うエルチェ戦がブタルケでありますからね。マドリーのCL決勝同様、こちらも幸せな結末で終わってくれるといいんですが、もうその後は完全にクラブサッカーはシーズンオフ。ユーロやコパ・アメリカに駆り出される選手たちはまだお勤めがあるものの、今季お疲れだったマドリッドの各チームにはしっかり休養を取ってもらいたいものです。
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ヴィニシウスにトラブル…クラブ買収巡る問題で2年間の出場停止求める訴え起こされる
レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed3
21世紀の出場試合数ランキング発表! 首位は1145試合のC・ロナウド、トップ10に日本人選手がランクイン
IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が、21世紀で最もプレーした選手のランキングを発表。トップ10には日本人選手もランクインした。 様々な統計を行うIFFHS。2022年までのデータを集計し、21世紀に入ってからのプレーした試合数をもとにランキングを作成した。 対象となるのは、各国のリーグ戦やカップ戦、国際カップ戦、代表チームの試合も含まれ、全ての公式戦が対象になっている。 今回の統計では1000試合以上プレーした選手が3人に増加。首位は昨年と変わらず、サウジアラビアへ活躍の場を移したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)となり、1145試合を記録した。 2022年に1000試合を突破したのは、ブラジル代表DFダニエウ・アウベス(UNAMプーマス)とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。アウベスは1033試合、メッシは1003試合となった。メッシはカタール・ワールドカップ(W杯)での試合で1000試合を超えたことになる。 そんな中、8位には日本人がランクイン。941試合に出場したMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)だ。遠藤はガンバ大阪と磐田、そして日本代表での試合が21世紀に含まれている。なお、アジア人でも唯一となり、900試合以上を達成しているのも12名となっている。 ◆21世紀の出場試合数ランキング 合計(国内リーグ/国内カップ/国際カップ/代表) 1位:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 1145試合(651/93/205/196) 2位:ダニエウ・アウベス(ブラジル) 1033試合(620/115/172/126) 3位:リオネル・メッシ(アルゼンチン) 1003試合(559/102/170/172) 4位:イケル・カシージャス(スペイン) 974試合(585/57/171/161) 5位:ジョアン・モウティーニョ(ポルトガル) 958試合(563/107/142/146) 6位:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン) 948試合(603/72/152/121) 7位:ルカ・モドリッチ(クロアチア) 947試合(569/69/146/162) 8位:遠藤保仁(日本) 941試合(606/117/66/152) 9位:チャビ・エルナンデス(スペイン) 937試合(536/95/174/132) 10位:セルヒオ・ラモス(スペイン) 935試合(534/70/151/180) 11位:アンドレス・イニエスタ(スペイン) 933試合(552/98/152/131) 12位:ロジェリオ・セニ(ブラジル) 904試合(675/71/149/9) 2023.01.12 12:45 Thu4
一番信用ならないチームは…/原ゆみこのマドリッド
「やっと平常モードに戻ったわね」そんな風に私が懐かしさを覚えていたのは月曜日。レアル・マドリーがリスボンに到着する映像をお昼のニュースで見た時のことでした。ここ2週間、スペインサッカー界のミッドウィークはコパ・デル・レイ開催だったため、マドリッド勢で試合があったのはアトレティコだけでした。対照的に16強対決でアルバセテ(2部)に敗退したお隣さんは平日中、みっちりバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングに明け暮れていたんですが、それだとやっぱり、話題があまりなくて……。 ようやく今週になって、火曜日午後9時(日本時間翌午前5時)にベンフィカとのCLノックアウトステージプレーオフ1stレグがやって来たため、週2試合ペースに戻ったんですが、怖いのは来週水曜日にベルナベウで開催される2ndレグで万が一、敗退するようだと、マドリーの今季はもうリーガだけ、シーズン終了まで週1試合ペースが続くことになります。 1月28日のCLリーグフェーズ最終節でそのマドリーに4-2で勝利。しかも後半アディショナルタイムの全員攻撃でGKトゥルビンが決めたヘッドのおかげで、プレーオフ出場圏の末席に滑り込めたベンフィカのモウリーニョ監督は、「Me gustaría mucho eliminar al Madrid, y que Arbeloa gane la Liga/メ・グスタリア・ムーチョ・エリミナール・アル・マドリッド、イ・ケ・アルベロア・ガネ・ラ・リーガ(私はマドリーを敗退させたい。そしてアルベロアはリーガ優勝するように)」と言っていたんですけどね。 でもCL早期敗敗退となると、アルベロア監督の来季続投が怪しくなってきて……。当人は試合前日記者会見で否定していたんですけどね。あと1年ベンフィカと契約がありながら、違約金を払わず退団できる条項が付いているため、モウリーニョ監督がマドリーに戻って来る可能性もあるなんて話も出て来たりするんですが、それは勘弁。グアルディオラ監督時代のバルサとのあんな刺々しい雰囲気はもう味わいたくないですって。 ちなみにマドリーのこの試合の欠場者はリハビリ中のミリトン、ベリンガム、そして前回のダ・ルス訪問で退場処分を受けたロドリゴとアセンシオ。それでも土曜日のリーガでリュディガー、トレントが先発復帰、カルバハルも途中出場したため、バルベルデが右SBから中盤に戻る今回はきっと、あんなザル守備にはならないと思いますが……。 CLはちょっと脇に置いておくことにして、先に週末にあったリーガ24節のマドリッド勢がどうだったか、お伝えしていくことにすると。先陣を切ったのは前節、ようやく8試合ぶりに白星を挙げた弟分のヘタフェで、コリセウムに上位のビジャレアルを迎えたんですが、やっぱり勝利は選手たちの自信になるんですかね。この日は前半終盤にベイガにエリア内で倒されてサトリアーノがPKを獲得すると、アランバリが決めて先制。53分にも冬の市場で一緒に来たFWの同僚、もう2得点しているルイス・バスケス(アンデルレヒトから移籍))に遅れをとっていたサトリアーノ(同オリンピック・リヨン)が、ファン・イグレシアスのクロスをヘッドで決め、ヘタフェを2点リードに導くと、反撃を75分のミカウターゼの一発だけに抑えて、2-1で勝っているんですから、嬉しいじゃないですか。 これには直近のセルタ戦でスコアレスドローだった時は、pito(ピト/ブーイング)まで聞こえるようになっていたコリセウムのファンも大満足したはずですが、ヘタフェに来るレベルですし、新しいFWたちは決してゴール量産タイプではないんですけどね。ボルダラス監督によると、「Son chicos que venían de tener pocos minutos en sus equipos y poco protagonismo/ソン・チコス・ケ・ベニアン・デ・テネール・ポコス・ミヌートス・エン・スス・エキポス・イ・ポコ・プロタゴニスモ(前のチームではプレー時間も、主役を張る機会もあまりなかった選手たち)だが、やる気は満々だ」そうで、それってゴール不足で苦しんいたヘタフェは補強に成功したと言っていい? おかげで順位も11位という安全圏を維持した彼らだったんですけど、まだ降格圏との差は勝ち点5ですからね。ホーム連戦となる日曜日のセビージャ戦でもこの調子を続けて、早いところ、残留目安の勝ち点40以上に到達してもらいたいところ。 そして土曜日の夜にはベルナベウに行ったんですが、ようやく暴風雨季が去ったのか、いつ以来でしょうかね、傘を持たずに外出できたのは。それだけでも気が楽だったんですが、この日のマドリーは相手にも恵まれました。ミッドウィークフリーだった彼らと違い、レアル・ソシエダは水曜日にコパ準決勝1stレグをアスレティックとプレーしていて、サン・マメスでの激戦を0ー1で制したものの、やはり疲労が溜まっている選手がいたんですね。マテラッツオ監督はその試合から、5人のスタメンをローテーション。 マドリーの方はエムバペが意表を突いて、ベンチスタートとなったんですが、ゴンサロは彼がピッチにいないとゴールを入れますね。開始5分にはもう、先発復帰したトレントのラストパスをカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)が流し込んで、先制しているんですから、偉いじゃないですか。でもねえ、そのリードは長続きせず、20分にはハイセンがソレルのパスを追ったエレーラをエリア内で倒し、ペナルティを取られてしまったから、さあ大変。 おかげでオジャルサバルのPKで同点になった後、この日は静かだったスタンドからハイセンにブーイングが飛んでいたんですが、大丈夫。というのもその4分後にはもう、ソシエダがペナルティ返しをしてきたから。アランブルがヴィニシウスをエリア内左奥で倒して、その当人がPKを決めると、25分には再びマドリーがリード。すると31分にもカマヴィンガ、カレラスと繋いだボールを右SBから解放されたバルベルデが撃ち込んで、アディショナルタイムのゴンサロのゴール前からのシュートは外れてしまったものの、3ー1でハーフタイムに入ったとなれば、もう大船に乗った気でいていい? そして後半も再び、アランブルがヴィニシウスをエリア内で倒し、48分にはキッカーもリピートで4点目が入ったため、アルベロア監督は膝に問題のあるエムバペを「para que en Lisboa empiece desde el principio/パラ・ケ・エン・リスボア・エンピエセ・デスデ・エル・プリンシピオ(リスボンで先発できるように)」温存。さらに60分にはトレントをカルバハルに、リュディガーをアラバにと負傷から戻って来た選手の足慣らしをさせたり、バルベルデ、カマヴィンガ、チュアメニと中盤の鍵になる選手たちにもお休みを与えることができましたからね。 おまけにこの4ー1勝利のおかげで、リーガ8連勝としたマドリーは、月曜日にバルサがジローナに2ー1のビックリ敗戦をしたため、とうとう勝ち点差2とつけて首位に立つことに。まさに「Hemos hecho una gran semana de entrenamientos y se ha reflejado en el campo/エモス・エッチョー・ウナ・グラン・セマーナ・デ・エントレナミエントー・イ・セ・ア・レフレハードー・エン・エル・カンポ(ウチは素晴らしい練習の1週間を過ごし、それがピッチに反映された)」感じでしたが、さて。今はこれがベンフィカにリベンジするのにも有効なことを祈るばかりでしょうか。 そして日曜日はラージョとアトレティコの兄弟分ダービー。快晴の中、明るい時間にブタルケに行けたのはラッキーだったんですけどね。エスタディオ・バジェカスでなく、2部の弟分レガネスのホームでの開催になったのは、1節前のオビエド戦が芝を貼り替えたばかりのピッチが悪天候のせいで使いものにならず、当日延期となった後、ラ・リーガがギリギリまで待ってくれず。アトレティコ戦もバジェカスでは開催不可とされ、ブタルケを借りることになったからなんですが、これもひどい話で、アボナードー(年間指定席保有者)は土曜日限定で、スタジアムよりメトロ1号線でもっと南に行ったところにある練習場まで、チケットを引き取りに行かないといけなくてねえ。 元々、ダービーはハイリスクな試合とされ、チケットの当日販売もなく、ブカネーロス(ラージョのウルトラ集団)を始めとする大勢のファンはお昼にバジェカス地区でデモをして、試合に行かないことを選択。よってブタルケのスタンドは半分ぐらい空だったんですが、前日はやっぱり芝がボロボロの練習場でセッションができず、ヘタフェの練習場でやったという不遇なイニゴ・ペレス監督のチームはこの逆境を見事に克服したんですよ。 木曜日のメトロポリターノでは、コパ準決勝1stレグでバルサを4ー0とコテンパンにのしたアトレティコが別人だったから、もうどうしていいものか。そう、元凶はこのところ、働くのは平日だけに決めたらしいシメオネ監督がスタメンを9人もローテーションしてきたことだったんですが、でも選手たちも選手たちですよね。いくらアトレティコファンの姿がスタンドにほぼ皆無だったとしても、バルサを前にした日の喰らいついていくプレーがまったく見られず。 それどころか、前半39分にはあれだけジャマルを抑えていたルッジェーリがラティウにかわされ、エリア中央へのラストパスを許すと、フラン・ペレスがラージョの先制点をゲット。さらに45分にもレングレのパスミスでボールを奪われると、ラティウが3人もいたアトレティコ選手の間にボールを通し、イシのシュートはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたものの、こぼれ球に誰も詰めず、バレンティンに押し込まれているって、一体、どこまで呆けている? 2ー0で後半が始まると、もう56分には3人一斉交代となり、ええ、ピッチにはフリアン・アルバレスが入り、その7分後にはルックマンとジョレンテも出て、早くも交代枠を使い果たしていたんですけどね。3人もFWがいながら、GKバタジャの手を煩わすのがニコ・ゴンサレスぐらいではねえ。おまけに30分にはショートのCKから、ラージョの3人一斉交代で入ったアルバロ・ガルシアにクロスを上げられて、メンディのヘッドで3点目を入れられているって、もうこの世のものとは思えませんって。 3ー0で勝ったラージョはおかげでマジョルカを越えて17位に上がり、3週間ぶりに降格圏から脱出。スタジアム&練習場難民となりながらも、「Los problemas nos unen mucho más, nos motivan/ロス・プロブレマス・ノス・ウネン・ムーチョ・マス、ノス・モティバン(問題があるとより団結が強まるし、モチベーションにもなる)」(イシ)と選手たちが根性を見せて、リーガ3連敗から立ち直れたのは喜ばしいですよ。でも情けないのは兄貴分の方で、とうとうオブラクからは、「Parece que LaLiga se ha tirado/パレセ・ケ・ラ・リーガ・セ・ア・ティラードー(リーガを投げ出したように見える)」というコメントが出てくることに。 いえ、シメオネ監督は「オブラクの言葉には同意しない。El equipo no elige partidos, el equipo jugó mal・エル・エキポ・ノー・エリヘ・パルティードス、エル・エキポ・フゴ・マル(チームは試合を選んではいない。悪いプレーをしただけ)」と反論していたんですけどね。訊きたいのは、コパでは準々決勝ベティス戦、バルサ戦と2試合で9得点もしながら、リーガはレバンテ、ベティス、ラージョ戦すべて無得点で1分け2敗。どうしてそこまでプレーに落差があるのかなんですが、やっぱりそれってやる気の問題では? ここまで態度があからさまだと、水曜日午後9時からのクラブ・ブルージュとのCL16強対決進出プレーオフ1stレグでは、本気の方のアトレティコを見せてくれるはずですけどね。ただ、この相手には2022-23シーズンのCLグループリーグのアウェイで負け、ホームでも引き分けて、最後は4位敗退した黒歴史がありますし、リーグフェーズ2節ではバルサと3-3で引き分けている点は要注意。 それにしたって、もしここでCLが終わり、その間、16強対決直接出場のバルサは週1試合になるため、コパ準決勝2ndレグでまさかの大逆転敗退が絶対ないとも言えず。「Cuando nosotros jugamos al 99 nunca nos dio/クアンドー・ノソトロス・フガモス・アル・ノベンタイヌエベ・ヌンカ・ノス・ディオ(ボクらが99%でプレーして結果が出たためしがない)」(ヒメネス)試合をその頃までリーガで続けて、来季CL出場圏からも落ちていたら、もう目も当てられないってこと、シメオネ監督も選手も考えないんでしょうかね。 2026.02.19 10:43 Thu5
