アーセナルがPK戦でポルト退けて14年ぶりのベスト8進出! 守護神ラヤが殊勲2本のPKストップ【CL】

2024.03.13 07:55 Wed
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16・2ndレグ、アーセナルvsポルトが12日にアーセナル・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが1-0で勝利。2戦合計1-1となった中、PK戦を4-2で制したアーセナルの準々決勝進出が決定した。なお、アーセナルのDF冨安健洋はベンチ入りも出場機会はなかった。

先月21日にエスタディオ・ド・ドラゴンで行われた1stレグは、アーセナルの攻撃を完璧に封じたホームのポルトがガレーノの後半終了間際のゴールによって1-0のスコアで先勝した。

0-1という結果に加えて、枠内シュート0本という厳しい内容での完敗となったアーセナル。それでも、以降のリーグ戦ではきっちり3連勝を飾って三つ巴の争いにおいてプレミアリーグ首位に浮上した。アルテタ監督は2-1と競り勝った直近のブレントフォード戦からGKをラムズデールからラヤに入れ替えた以外、全く同じメンバーを起用。ただ、冨安がベンチに復帰した。
一方、コンセイソン監督の授けた戦術プランをピッチ上の選手たちが見事に遂行したポルト。以降の国内リーグではCL直後のジル・ヴィセンテ戦こそ1-1のドローで終えたが、以降はきっちり2連勝。3-0で快勝した直近のポルティモネンセ戦からのメンバー変更はなく、前回対戦と全く同じメンバーでの戦いとなった。

立ち上がりからリスクを冒して前に出ていくアーセナル。開始4分にボックス内に侵入したホワイトのヘディングシュートで早々のファーストシュートを記録すると、10分過ぎには右サイドでのサカの個人技、セットプレーの流れからのウーデゴールのシュートと畳みかける攻めを見せる。
一方、序盤の守勢を凌いだポルトは16分、ロングボールのこぼれを収めたエヴァニウソンがミドルレンジから際どいファーストシュート。このプレーをきっかけにリズムを掴むと、22分には右サイドで深い位置に侵攻したコンセイソンからの折り返しを、中央のエヴァニウソンが足元に収めて右足シュートを枠の右隅に飛ばす。だが、このシュートはGKラヤの好守に阻まれる。

互いに決定機を作り合ったものの、前半半ば以降は前回対戦同様に中盤で潰し合う膠着状態に陥る。立ち上がりはリスクを冒したプレーが目立ったアーセナルだったが、幾度か引っくり返される場面があったことで、攻撃に厚みを出せない。

そのため、ゴールレスでのハーフタイムが濃厚かに思われたが、ホームチームが見事な崩しから先制点を奪う。41分、後方からハヴァーツを狙ったロングボールを起点に相手陣内でルーズボールを回収すると、左サイドでのパス交換からボックス手前左のウーデゴールが相手2人をかわした後にDF2枚の間を通す絶妙なスルーパスを供給。これに反応したトロサールがDFペペの股間を抜く右足シュートをゴール右下隅に流し込んだ。

アーセナルの前半終盤のゴールによって2戦合計1-1のイーブンで折り返した試合。立ち上がりは追いつかれたポルトが押し込む形となったが、時間の経過と共にアーセナルが押し返していく。

なかなか決定機まで持ち込めないホームチームだったが、67分には際どいシーンを創出。67分、ロングボールに反応したハヴァーツがボックス内でDFペペとGKジオゴ・コスタと交錯して潰れる形となると、こぼれに詰めたウーデゴールが無人のゴールへ流し込む。だが、この場面はハヴァーツのペペへのファウルが取られてゴールは認められず。

すると、ピンチの後にチャンスあり。この直後の70分には自陣でニコ・ゴンサレスからパスを受けたコンセイソンが長い距離を持ち上がって数的同数のカウンターを発動。コンセイソンは左右の味方をオトリにエリア付近から左足の強烈なシュートを放ったが、ややコースが甘くGKラヤにはじき出された。

後半半ば以降はアーセナルが押し込む時間帯が続く。その中であと一押しがほしいアルテタ監督は83分、ジョルジーニョを下げてガブリエウ・ジェズスを投入。その切り札は投入直後にボックス右へこぼれたボールを右足でシュートするが、これはGKジオゴ・コスタの好守に遭う。さらに、セットプレーの流れからサカ、ウーデゴールと足を振っていくが、いずれもゴールには至らず。

一方、守勢のポルトは後半最終盤にエヴァニウソン、ジョアン・マリオ、バレラを下げてタレミ、サンチェス、グルイッチとフレッシュな選手をピッチに送り込むと、割り切って時計を進めて延長戦に持ち込んだ。

8強進出を懸けた延長戦ではPK戦を睨んで後ろ重心のポルトに対して、勝負を決めたいアーセナルがよりリスクを冒してゴールを目指していく。だが、再三のセットプレーを含めて集中した相手の守備を崩し切れない。

その後、互いに2枚替えを敢行し、最後の勝負に出たが、厳しい消耗戦において相手の守備を上回るような攻撃を仕掛けられず。準々決勝進出の行方はPK戦に委ねられることになった。

そのPK戦では先攻のアーセナルが4人全員成功したのに対して、後攻のポルトは2人目のヴェンデウ、4人目のガレーノがGKラヤの見事なPKストップに阻まれた。この結果、ポルトとの激闘を制したアーセナルが14年ぶりのベスト8進出を果たした。

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