J1初勝利目指す東京Vの城福浩監督、試合クローズの改善求めるも信念曲げず「時間をうまく使わないといけないが、“時間稼ぎ”は選択肢にない」

2024.03.08 20:00 Fri
C大阪戦での初勝利期す城福浩監督
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C大阪戦での初勝利期す城福浩監督
東京ヴェルディを率いる城福浩監督が、3戦目での初勝利を目指すセレッソ大阪戦への展望を語った。

16年ぶりJ1復帰となった東京Vは、開幕節の横浜F・マリノス戦(1-2●)、第2節の浦和レッズ戦(1-1△)と2試合共に善戦と言えるパフォーマンスを見せたが、いずれも終盤の失点によって初勝利を逃した。
そして、3度目の挑戦での初白星を目指す緑の名門は、9日にヨドコウ桜スタジアムで開催される明治安田J1リーグ第3節のC大阪戦に臨む。

その一戦に向け、7日にクラブハウスでの公式会見に出席した城福監督は、あと一歩で勝ち点3を逃した直近2試合を振り返った。

いずれも相手のスローインの流れで喫した失点場面に関しては「途中から入った選手がアラートになる状況で、相手の方がそれに対する準備が早いというようなことはあってはならない」と、改めて試合のクローズ役を担う途中出場の選手の準備に対するアラートさ・準備の重要性を説く。
さらに、その2試合で奪えなかった追加点を含め、相手を押し返すことができない後半終盤の戦い方に関しては自身の采配を含め、チームとしての課題であることを認めている。

「終盤攻められるというところは、自分の采配のところももう一度しっかり考え直さなければいけないところもありますし、ゲームを断ち切るような大きなクリアを含めて、仕切り直しできるようなボールキープにおいても守備においても、そういうメリハリというのは大事。それと同時に我々が70分、この前の試合で言えば、75分ぐらいまで展開したサッカーというか、志向したサッカーをいかに続けられるかというのは自分たちの課題だと認識しています」

「バトンを受けた選手がしっかりとグレードダウンしないという言い方よりも、グレードアップするようなチームにしていかないといけないと思います。いつも言っている言葉かもしれないですが、牛歩のごとく前に進むしかない。それをやり続けていれば、おそらく2点目もどこかのタイミングで入ると思いますし、ゲームクローズとしても、もちろん最後の5分ぐらいはまた様子が違うゲームクローズになりますが、全員で達成感を得られるような終わり方ができればと思います」

一方で、以前からJリーグのアクチュアル・プレータイムの増加を提言してきた指揮官は、リード時の試合終盤における、“したたかに時計を進めるプレー”という選択肢を除外。チームとしてボール保持の課題を口にしながらも、今後も意図的に時間を稼ぐようなプレーを選手たちに求めることはないと、自身の強い信念を示した。

「確かに時間をうまく使わないといけない。ただ、いわゆる時間稼ぎをしていると周りから思われるようなことを、自分たちは手段として選ばない。過剰に痛がってプレー続行ができないような状況から、次の瞬間にパッと立ち上がってプレーするという類の形で時間を稼ぐということは我々の選択肢にはないです」

「もちろんそうしたらひょっとしたら、逃げ切れたかもしれないという思いもあります。ただ、フィロソフィーという言い方がいいか、自分がサッカーに関われるのであれば、何かを伝えたいし何かを残したいし、やっぱり譲れないものというのがなければ、自分のいる意味がないと。貫くものは貫きたいです」

「ただ、自分たちのボールを大事にして、それが時間の経過につながっていく。これは、我々にとって重要な手段だと…。それをあえて僕は選手にボールを大事にすると言いましたが、自分たちのものにしっかりとして、それで相手がファウルをしたのであれば、そこからもう一度我々は、普通のフリーキックで再開するなり、相手に当ててタッチラインに出せば、それは我々のスローインになるわけで、自分たちの方にボールがあれば、相手は攻めようがない。そういうところの工夫と言うべきか勇気と言うべきか、チームとしての統一感というのは、もっと持っていいかなと思います」

「もちろんクローズというのは相手に隙を見せない、守備の反応という言葉がメインになりますが、自分たちのボールを大事にするというアラートさ、勇気も我々は大事にしたい」

開幕2試合連続ドローも、個々のタレントの質に加え、練度の高さを窺わせるC大阪については、「ミスを期待するような守備をしていたら、ボールは取れない」とその実力を警戒している。

「個人のスキルが高い。前線の外国籍の選手、おそらくメンバーが変わるかどうかは分かりませんが、前線の全員が外国籍の選手である可能性もありますし、日本人は非常にレベルの高い選手が控えていますし、両サイドバックが非常にスキルが高い。我々が相手のミスを期待するような守備をしていたら、これはボールは取れないと思います」

16年ぶりの大舞台に挑んでいる今季J1最年少スカッドは、開幕から2試合連続で5万人を超える大観衆を前に、トップ・オブ・トップと評価される強豪と対戦。ピッチ内外でJ1基準を肌で感じる中身の濃い2試合を経験した。その経験は百戦錬磨の指揮官にとっても、さまざまなことを考えさせられるものになったという。

「チームとして考えれば、(5万人超えの試合は)3試合連続になります。だから本当に貴重な経験が、今できているなと思います」

「これは選手だけではなく、自分もゲームを大体2回ぐらい振り返りますが、オフ明けにどういうふうにフィードバックするかとか、どこを強調するか、毎試合考えながらやりますが、今回で言えば、途中から入った選手、我々でいうところのバトンを受けた選手にクローズアップされがちです。そこはもちろん大きな問題であったことは確かですが、自分はこの2試合を経験して、もう一度整理をしたときに、私はまだ就任して2年経っていないですが、我々が立っていたJ2での立ち位置がどういうものであったか。その中で何を勝ち取ったのか。この前の15年間というのがどんなに苦しかったであろうか…」

「だからこその昨年末の5万人超えがあり、今年の開幕戦にマリノスというカードが用意されたわけです。そういう立ち位置の中で、このクラブが置かれた、経験した歴史の中で、この5万超えのお客さんが来てくれて戦うという意味が何なのかを自分の中で少し考える機会になりました」

その上でヴェルディが志向する「ハイライン・ハイプレスのアグレッシブな姿勢」、「ボールを大事にして勇気を持ってつなぐ」という両輪を通じて、サッカーの魅力を提供していきたいと、より深い部分でのJリーグ・日本のサッカー界への貢献を志している。

「我々はそういうふうに多くのお客さんが来てくれることに満足するというよりも、そういうお客さんに注目された状態で何を見せるかだと思っています。自分たちが志向するものを見せることで、Jリーグにこんなスタイルのチームがあるのか、Jリーグの目指しているものを新たに感じてくれたりとか、僕らが言えるような立ち位置ではないですが、Jリーグとかサッカーの価値を感じてくれるような試合を、多くのお客さんに見てもらうというところが、そもそも我々がJ1に上がった大きな意義だと感じています」

「別に偉そうに言うつもりはないですが、これまでサッカーの価値というところまで、意識できていたかないう意味では、ちょっと目の前の勝負のところに意識がいって、選手がそこで硬くなったというか、リラックスした状態、普段通りの力を出させられなかった場面もあったのではないか。特に交代選手の部分ではそういう思い返しもありました」

「もちろんヴェルディはこんなにプレスに行くのか、こんなにみんなが献身的なのか。その背景にはこんなにハイラインを保っていることで、あの速いプレスになるんだなとかという部分と、もう一つはサッカーというのは、ボールを大事にして、勇気を持ってつなぐ。そこの両輪があってサッカーは面白いねと…」

「ハードワークだけでなくて、こんなに勇気を持ったつなぎがあって、それをリカバリーする全員の献身的な動きがあって、さらにまた勇気を持ってボールを大事にしようとする姿がある。そういうような物を見せるのが、ヴェルディが16年ぶりに戻った意味なのではないのか。ちょっと自分なりに少し反省というか、なぜ我々が16年ぶりに戻ったのか。その意味は何なのか。何を伝えなければいけないのかを、ちょっと考えさせられました」

「これからもヴェルディの試合には多くの方が来てくださると思っていますし、その中で我々が見せなければいけないものがあると、そういう思考というか。単に今、勝ち点がいくつだとか、この選手のプレーが良かった、この選手のプレー悪かったことにとどまらないようなものを感じさせるのが、我々の上がった意義なのではないか、自分がここでやることに意味があるのではないかと思います」
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「ホームで必ず勝たないといけない」、強く意識する磐田との昇格組対決に臨む東京Vの深澤大輝…後輩の活躍も刺激に

東京ヴェルディのDF深澤大輝が、今シーズン初の連勝、ホーム初勝利を狙うジュビロ磐田戦への意気込みを語った。 前節、サガン鳥栖とのアウェイゲームを2-0で勝利した14位の東京V。これで5試合ぶりの白星を挙げたチームは4試合続いたドローをストップし、無敗試合を「8」に更新した。 そして、6日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第12節では、勝ち点1差で11位に位置する磐田と対戦。 第2節の浦和レッズ戦から9試合連続左サイドバックでスタメン出場した深澤だが、鳥栖戦ではDF袴田裕太郎に先発を譲ってベンチスタート。後半終盤にMF翁長聖に代わって右サイドバックに入り、今季初のクローザー役として3試合連続クリーンシートに貢献した。 自身がバトンを受け継いだ翁長は、66分にFWマルセロ・ヒアンの決定的なシュートをポストに交錯しながらも、スーパーブロックで防ぐ魂のディフェンスを披露。アップ中でそのプレーをハッキリと確認はしていなかったが、バトンを引き継いだ選手として「自分も力になりたい」とより一層気を引き締めてプレーしたという。 「僕らはアップしていて、誰かが入れ替わられたところは見えていて、最後にゴール前でガシャっとなったところだけは見えました。映像で見たら本当にスーパークリアでしたし、あれがなかったと考えたら、どうなったかわからないし、逆転されていたかもしれないですし、そういうプレーがチームを勇気づけるし、頼もしいと思いました。そこで自分も力になりたいというふうに強く思いました」 クローザー役としての自身のプレーに関しては、「もう少しうまく守れた」と反省の言葉を口にしつつも、ある程度冷静にプレーできたと感じている。 「ゲームを終わらせるというところが、あの時間だったので途中から入る選手の使命だったと思います。そこで、横山(歩夢)選手のドリブルが脅威だなと感じたところで、(齋藤)功佑くんともう少しうまく守れたというところもありましたけど、うまく功佑くんがサポートしてくれたことによって、中に行かれてシュートを打たれる形は防げました。クロスを上げさせないところが一番ですけど、中のディフェンスが強い部分もあって最低限のことはできたと思います」 その1-0の痺れる最終盤の攻防では、ヴェルディユースの後輩であるMF松橋優安が値千金のJ1初ゴールを決めてダメ押しの追加点を奪取。「J1初ゴールを先に取られて悔しい」と先輩として正直な思いを口にしたが、これまでの苦労や努力を知る一人として、ひたむきな後輩のぶれない姿勢へのリスペクトを示す。 「最初の立ち位置というか、いろいろありましたけど、ああやって試合に出て結果を残すところはすごいなと思いますし、自分の1年目のときは半年間一緒にやった後に(期限付き移籍で)相模原に行ってしまいましたが、プレーだけでなくメンタルのところも成長しているなと思います、あいつはぶれないところがすごいです」 さらに、袴田や翁長に加え、絶対的な主力であるDF宮原和也の戦列復帰が迫り、より厳しいサイドバックのポジション争いに臨む上でその後輩からの刺激を良い形で日々の取り組みに還元していきたいと語る。 「『この環境が当たり前ではない』というのは言っていましたし、相模原、山口への移籍を経験したところで、僕は全てを把握しているわけではないですが、メンタルのところが成長していると感じています。僕らはそういう先輩たちを見て育ってきたというか、(現トップチームコーチの)奈良輪(雄太)さんであったり、(昨季まで在籍した小池)純輝さんであったり、そういう人たちを見て育ってきた。あいつも多分そうだと思います」 「僕自身も出られない時期、今も実際出てないですけど、そういうときに何ができるかというところ。自分の置かれた立場で、本当全力を尽くすというところ。それが後々の結果に繋がってくると思ってやっていますし、それを全員がやればやるほど、チームというのはぶれないと思いますし、そこはどんな立場になってもやり続けるだけかなと思います」 「質の違いというか、そこはJ2になかった部分ですし、そこに対応しなくてはいけないところで、もっと冷静に、よりタイトに守備しなくてはいけないと思いながらやってきた中、少しずつ順応している」と、シーズン序盤に比べて、J1仕様のタフさ、判断面の改善の部分での手応えを実感する深澤。 一方で、左サイドバックでのプレー時は右足でのダイレクトプレー、利き足ではない左足の精度を含め、より課題を感じているところだ。その中でチームのストロングになりつつある、2トップの活かし方を含めて質を追求する。 「もちろん左足を使えれば、一番いいですし、それは練習外のところで取り組んでいる部分はありますけど、中に差せるところであったり、右足で持って背後に蹴る。前節のPK獲得に繋がったシーンのヒジくん(翁長)の左足の逆バージョンであったりというのは、相手も少し予想しづらいというか、ソメ(染野唯月)と(木村)勇大がいるから前線はウチのストロングのひとつでもあるので、そこの縦パスを狙いつつ、左足で前に付けられれば一番いいので、その両方をできるようにするというのが、自分の課題でもあります」 過酷な連戦、鳥栖戦でのポスト交錯の際に脇腹を痛めた翁長の状態を考えれば、左右のサイドバックの双方で出場の可能性がある磐田戦に向けて深澤は、「昇格組とはいえJ1レベルのチーム」と対戦相手をリスペクトしつつ、ホームでの今季初勝利を誓った。 「ジャーメイン(良)選手が10点ぐらい取っていてすごいなと思いますし、町田にも2-0で勝っていたり、マリノス戦も(1-1で)引き分けているというところで、昇格組とはいえJ1レベルのチーム。昇格組というところは意識しますし、そこは負けてはいけないと思いますし、ホームで必ず勝たないといけないというふうに思っているので、必ず勝ちたいなと思っています」 また、4試合連続クリーンシートを狙う上ではMF平川怜、MF松本昌也の両サイドの主力、ジョーカー役を担うMF古川陽介とのマッチアップをイメージしながら、臨機応変な対応で抑え込みたいと語った。 「平川選手なんかは去年の熊本ですごく嫌な選手だなと思っていましたし、松原(后)選手とかがすごく上がってきたりして、平川選手が内側に入ったりというのもあると思います。ジャーメイン選手のところでタメができて、松本選手だったり、平川選手のところのサポートとかがすごくキーになってくると思うので、それはどちらのサイドで出ても状況に応じて対応できればと思います」 「(古川は)独特なドリブルをするなという印象がありますし、マッチアップしたら冷静に対応するところ。味方を使って2対1を作るのか、1対1なら飛び込まないで縦に誘導してクロスを上げたところでブロックするといったように冷静に対応したいです」 2024.05.05 19:30 Sun

磐田戦で今季初連勝&ホーム勝利狙う東京Vの城福浩監督…「我々らしいリカバリーパワーを発揮」、鳥栖戦勝利に繋がったワンプレーに言及

東京ヴェルディの城福浩監督が、今シーズン初の連勝、ホーム初勝利を狙うジュビロ磐田戦への意気込みを語った。 前節、サガン鳥栖とのアウェイゲームを2-0で勝利した14位の東京V。これで5試合ぶりの白星を挙げたチームは4試合続いたドローをストップし、無敗試合を「8」に更新した。 そして、6日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第12節では、勝ち点1差で11位に位置する磐田と対戦。 城福監督は4日にクラブハウスで行われた公式会見で、ホーム初勝利と連勝を狙う昇格組対決への意気込みを語った。 前節の鳥栖戦はFW木村勇大のPKによるゴールで前半に先制し、後半アディショナルタイムには途中出場のMF綱島悠斗、MF松橋優安の生え抜き2人の奮闘から課題の2点目を奪い、守備陣が3試合連続クリーンシートでリードを守り切るという理想的な形での勝利となった。 城福監督は、開幕9試合連続失点からの3試合連続無失点という、守備面の改善については「互いを補完し合う関係ができている」と、新たなセンターバックコンビのコミュニケーションの部分を挙げている。 「まずはセンターバックの千田海人と林尚輝のところ。ここのコミュニケーションが非常に密に行われているということで、各々が補完し合うというか、自分たちがやれることと、やれないことという言い方が正しいとは思わないですけど、やれることをしっかり認識して、お互いがやれることを全て出し尽くした中で、互いを補完し合うというような関係が最終ラインのところで今できているなと思います」 「ひょっとしたらメンバーが全く変わらなかったら、こういう関係性、新たなというわけではないですけど、メンバーが変わったから守備が落ちたと言われたくないという思いも踏まえ、双方のコミュニケーション力が上がったと思う。これはメンバーが揃ってきたとしても、このポジティブな面は続けていきたい」 さらに、日々の真摯なトレーニングからの取り組みによってプレシーズンの段階での序列を大きく覆してJ1初ゴールを挙げた松橋のゴールについては、その起点となった「綱島のハードワークの賜物」とゲームチェンジャーとして確かな仕事を果たした生え抜き2選手を称賛した。 「松橋優安の得点に関してはあのシーンだけではなく、それまでの綱島のハードワークの賜物だなと思います。彼が前線で身体を張って競る、キープする、ボールを追う、というところで、チームのラインが下がらずに済んでいたところで、最後ロングボールを綱島が競ってスクランブルな状態にしてくれたという意味では、彼が前線に入ってからの後ろの選手というのは相当助かったと思いますし、あれは綱島と松橋の2人のゴールだなと思っています」 ただ、追加点奪取を含め、今季リーグ戦で初めて先制した試合を勝ち切ったという部分で、指揮官はその試合展開自体ではなく、「我々のチームらしいリカバリーパワーを発揮した」上で結果を残したところを「理想的」と表現。 その指揮官がピックアップしたのは、同試合の66分にDF千田海人、MF翁長聖がチームの窮地を救った守備でのスーパープレーだった。 このシーンでは右のFW富樫敬真から背後を狙った斜めのパスが出ると、DF林尚輝と完璧に入れ替わったFWマルセロ・ヒアンがボックス右でGKもかわして無人のゴールへシュート。だが、右サイドバックの翁長が圧巻の絞りで千田と共にゴールカバーに入り、ポストを恐れずに身体を投げ出してシュートブロックで阻止していた。 「誰しもが天を仰ぐような、失点をしたというシーンがあった。あそこで千田海人と翁長聖が、ひょっとしたら難しいかもしれないと思いながら、全速力で帰ってスライディングをして聖が足に当てた。あれこそが我々のリカバリーパワーで、ああいうことがあって、最後ダメ押しの2点目があって勝てたというのは、すごく大きなことだと思います」 「我々のリカバリーパワーというのは、ミスした本人が一生懸命やるのではなくて、あのシーンというのは本当にアクシデントだった。センターバックと入れ替わってキーパーも抜かれた状態の中で、諦めずに戻ってコースにスライディングした選手が2人いて、我々のチームらしいリカバリーパワーを発揮した上で勝てたというのが理想的であった」 「アディショナルタイムの優安のゴールというのはご褒美。ある意味でそれこそ悔しい思いをしている綱島と、今年苦しい中で自分が試合に出られるピッチに立てる距離感が全くわからない中でやり続けた、優安へのご褒美だと思います。チームトータルとしてはやっぱり聖のスライディングのあのシーンを踏まえて勝てたことがすごく大事なことだと思います」 指揮官が常々、チームコンセプトとして挙げる“リカバリーパワー”を体現した上で勝ち切った鳥栖戦の勝利によって勢いにのるチームは、昨季J2でいずれも白熱のドローゲームを演じた磐田相手に連勝を狙う。 昨季J2を2位フィニッシュしたチームをベースに、FIFAの選手登録禁止処分解除によってGK川島永嗣、MF平川怜、FWマテウス・ペイショットら4人のブラジル人選手を獲得し、スケールアップした昨季昇格争いのライバルについて、東京Vの指揮官は早くも2桁得点で得点ランキングトップに立つエースFWジャーメイン良への警戒を含め非常にタフな相手として認識している。 「平川怜選手が入って、よりボールの保持という面で安定したと思う。そこでポジションを変えることができると、ボールを持ちながらポジションを変えていくことができる余裕ができているというのと、マテウス・ペイショットの存在があるからこそ、ジャーメインが一番前にいるだけではなくて、かなり自由に動ける。であるからゆえに、彼が2列目からゴール前に飛び込んでくるのはなかなかつかみづらいという状況だと思う。彼があれだけ点を取っているというのは、フロックでは絶対点を取れないので、オン・ザ・ボールのところだけではなくて、オフ・ザ・ボールの動き出しのスタートのところが非常につかみづらいところから入ってくるので、これは我々としてしっかり全員が注意しなければいけない」 「(好パフォーマンス続く川島について)やはり経験のある選手というのは、おそらく瞬時の判断というのが、これまでの経験則の中で100分の1秒でどうやる、どう動くべきだ、どう対応するべきだ、というところで計算式を出せるというか、アクションを起こせる。そういう選手だと思います。たくさんの経験をしてきて、おそらくはもっと痺れるような試合もやってきたがゆえに、落ち着きもあると思います。周りから見たら時間のないような状況、危機的な状況でも、彼からすると意外と落ち着いた状態で判断できているのではないかと。そこが経験のなせる技かなと思います。それによってディフェンス陣も落ち着きを取り戻せるというような状況もあるので、ジュビロにとってものすごくいい補強をしたのだろうなと思います」 その難敵相手に狙う味スタでのホーム初勝利に向けては、「クラブの力をつけていく上で重要」と改めて強い思いを口にしたが、チームとしては普段通りに「ぶれずにやり続ける」ことをテーマに臨む考えだ。 「ホームで勝ちたい思いはみんなが持っていますし、去年も実はホームでなかなか勝てずに苦しみましたが、終盤になってようやくホームで勝ち始めたというような状況でした。ホームの勝率を上げていくというのが、イコールこのチームの順位を上げていくことにもなり、集客にも繋がるでしょうし、クラブの力をつけていくということに背中を押せることにもなるので、ホームで勝ちたいという思いは本当に強いです。では何をやるかというと、特別なことというよりは自分たちがやってきた準備のところ。選手を成長させて今現在のベストと思える選手を送り出していくということ。しっかりと目指すものをみんなが共有して戦うということをぶらさずにやることのみなので、ぶれずにやり続けることが大事だと思っています」 2024.05.05 19:00 Sun
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