完璧FK弾でJ1自動昇格の可能性を最終節に残した東京V、2009年以降での最多入場者数を更新
2023.11.05 20:05 Sun
J1自動昇格を懸けて戦う東京ヴェルディが、最多入場者記録を更新した。5日、明治安田生命J2リーグ第41節が行われ、東京Vはホームに栃木SCを迎えた。
清水エスパルス、ジュビロ磐田と共にJ1自動昇格圏の2位を争う東京V。前日に清水と磐田が勝利しており、敗れれば脱落という状況だった。
試合はなかなか栃木の守備を崩せない東京Vだったが、82分に中原輝が見事な直接FKを叩き込み1-0で勝利。2位清水との勝ち点差「1」のまま最終節を迎えることとなった。
この試合は東京Vにとっての今シーズンホーム最終戦。2009年からはJ2での戦いが続いている中、この試合は1万3383人の入場者数となり、今シーズンの入場者数が16万7616人に。これは2009年以来のシーズン最多入場者数を更新したという。
今シーズンは総数でも上回った上、1試合平均も7982人となり、2009年以降最多の数字に。J1昇格の可能性が高まっていることも影響していると考えられる。
東京Vは「2023シーズンの東京ヴェルディは、「みんながたのしいスタジアム」というコンセプトのもと、ホーム、ビジターの垣根や年齢の区別など、すべての違いを超えて、『みんな』がたのしいと思っていただけるスタジアムを目指して参りました」とし、「今後もファン・サポーターのみなさまをはじめ、多くのステークホルダーのみなさまにさらに楽しんでいただけるよう、またもっと多くの方たちに来場いただけるよう、努めて参ります」としている。
残すは1試合。J1自動昇格に向けてはまずは勝つしかないなか、相手は21位で降格圏フィニッシュが確定した大宮アルディージャとアウェイで対戦。東京Vに敗れた栃木が3位磐田と、2位の清水はアウェイで水戸ホーリーホックと対戦する。
清水エスパルス、ジュビロ磐田と共にJ1自動昇格圏の2位を争う東京V。前日に清水と磐田が勝利しており、敗れれば脱落という状況だった。
この試合は東京Vにとっての今シーズンホーム最終戦。2009年からはJ2での戦いが続いている中、この試合は1万3383人の入場者数となり、今シーズンの入場者数が16万7616人に。これは2009年以来のシーズン最多入場者数を更新したという。
2009年以降は2009年の14万3539人が最も多かったが、このシーズンは26試合をホームで開催。1試合平均では2013年の6343人が最多記録だった。
今シーズンは総数でも上回った上、1試合平均も7982人となり、2009年以降最多の数字に。J1昇格の可能性が高まっていることも影響していると考えられる。
東京Vは「2023シーズンの東京ヴェルディは、「みんながたのしいスタジアム」というコンセプトのもと、ホーム、ビジターの垣根や年齢の区別など、すべての違いを超えて、『みんな』がたのしいと思っていただけるスタジアムを目指して参りました」とし、「今後もファン・サポーターのみなさまをはじめ、多くのステークホルダーのみなさまにさらに楽しんでいただけるよう、またもっと多くの方たちに来場いただけるよう、努めて参ります」としている。
残すは1試合。J1自動昇格に向けてはまずは勝つしかないなか、相手は21位で降格圏フィニッシュが確定した大宮アルディージャとアウェイで対戦。東京Vに敗れた栃木が3位磐田と、2位の清水はアウェイで水戸ホーリーホックと対戦する。
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「基準をもっと上げる必要がある」東京Vの山見大登が前節味わった悔しさと反省を胸に刻み残り4戦へ
東京ヴェルディのFW山見大登が、前節味わった悔しさや反省を胸に刻み、残り4試合の戦いに臨む。 東京Vは23日、デンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第35節のアルビレックス新潟とのアウェイゲームを戦う。 前節、ホームで行われた浦和レッズ戦ではMF綱島悠斗のJ1初ゴールを含む2ゴールの活躍によって2-1の逆転勝利。湘南ベルマーレ戦で喫した7戦ぶりの黒星を払しょくすると共に、勝ち点を「51」に積み上げた7位のチームは4節を残して残留を確定させる会心の勝利を収めた。 その試合で正確なプレースキックから綱島の決勝点を演出した山見だが、ハーフタイム明けの投入ながら、試合終了間際の89分にMF稲見哲行との交代でピッチを去る、IN&OUTとなった。 その交代について城福浩監督は、試合後の会見で「学ばなければいけない」とパフォーマンスの問題が理由であったと説明。21日に実施された新潟戦前の会見でも改めて浦和戦での山見のパフォーマンスに言及した。 「非常にクオリティの高いボールを蹴ってくれて、我々がデザインしたところにボールを落としてくれて、それで点を取った。彼が何ゆえにプロになって、今J1のピッチに立てているかというのは彼の特徴があるからで、それはもう十分わかっている」と、攻撃面の貢献やポテンシャルを評価しつつ、同試合で見えた課題についても指摘。 「普通に見ていたら、寄せている、ボールも追っかけていると見えると思います。ただ、2回追いかけた後にボールを蹴られた時に、ここを戻るまでが我々の要求だし、戻ったのであれば戻ったところで、自分の遥か15メーターぐらい前のところにパスが行った時に、そこを猛然ともう一度行くのも我々の要求」 「これをやり続けたら90分できないというのを、バトンを繋いでいくのが我々なんですよ。やれることの全てをやると、それでバトンを渡していくという意味での我々の要求は、このレベルだというのを共有しています」 一方で、「彼はここ2、3日のトレーニングを含めて、しっかりと自分の中で受け入れながら、顔色を変えてやってくれている。彼の成長のひとつのきっかけになってくれるともっといいなと思います」と、前向きに自身の課題を取り組む姿勢をしっかりと評価している。 指揮官からの指摘を踏まえ、山見は「後半の逆転するぐらいまではうまくいい形で自分も絡めていたと思いますが、最後の10分ぐらいで替えられてしまう部分もあったと思うので、そこの部分の守備はもうちょっと意識を上げてやっていかないといけない」と、改めて浦和戦の自身のパフォーマンスを振り返った。 さらに、残り4試合の結果次第で、ACL出場権獲得といったより高みに到達できる可能性がある中で、個人としてもチームとしてもよりレベルを上げていく必要があると語る。 「自分たちが勝っているぶん、ラインを押し上げるという部分が大事になってくる中で、2度追いの部分であったり、相手への寄せの部分で1個遠かったりする部分は城福さんにも指摘されましたし、ちょっと自分の頭を越えた後の戻りの部分とかを、もう1個レベルを上げないと。自分たちは上の方に行けば、まだACLも見えてくるという部分で、上の舞台でやるためには、ここの基準を今以上に上げないといけないというふうに言われたので、そこの基準をもっと意識して上げる必要があると思います」 守備面での課題を口にする一方、攻撃では30試合の出場で、いずれもチーム2位の7ゴール4アシストとキャリアハイを更新中。求められるチームプレーを最優先としながら、残り4試合での大台到達を強く意識する。 「あと3点取れば、2桁という部分もありますし、アシストの部分でも(齋藤)功佑くんと1差というところがあると思うので、両方で一番を取れればいいかなと思います。数字はそこまで気にしてないですけど、プロで3年やってきましたけど、2桁狙えるチャンスというのは、今までもなかったですし、取れるときに取っとかないと、いつ取れるかわからないので」 個人としては絶好調だった夏場を過ぎて、直近の出場4試合ではノーゴールとやや得点ペースにかげりが見える。 「やっぱり柏戦や鹿島戦であったりとか、自分のところがうまく浮いていて前向きでボールを受けて、そこからドリブルという部分が多かったですけど、そこで自分のところにもマークが付くようになりましたし、そこの部分でうまく剥がせないとか、もう一歩動き出しを考えないといけないとかという部分が、現状かなと思っています」 一方で、対戦相手からの徹底した対策は、一人のアタッカーとしてもう一段階上のレベルに到達するためのチャンスでもある。山見自身もこの状況を個人・チームとして乗り越えたい考えだ。 「ここからやっぱりもう1個上に行くためには、それでも前を向いたりとか、自分で1個剥がすとか、そういった部分を求められてくる」 「自分たちがいい時は前向きでボールを奪ってショートカウンターとかでチャンスを作っている場面も多かったですし、そこの部分も大事。繋ぎの部分であれば、ゴールに入って行くところ、ゴール前に入っていくところが少なかったと思うので、そこのゴール前に(木村)勇大やセンターフォワードの選手を動かして、自分がその後ろのスペースとかに入っていければ、チャンスを作れるかなと思います」 最後に、浦和戦から中3日で臨む新潟戦に向けた攻守のポイントにも言及。ビルドアップに優れる相手に対して、浦和戦同様のアグレッシブな守備を意識しつつ、攻撃では背後と足元の使い分けを中心にメリハリのあるプレーが重要になると語った。 「新潟は浦和以上に間に差してくると思うので、そこの部分で相手にうまく差されないように、内側を締めながら出ていくところで出て行って、相手はボールを失いたくないと思っているぶん、キーパーを使いながらセンターバックをうまく使いながらやってくると思うので、そこの部分で2度追い、3度追いできればいいかなと思います」 「(攻撃では)相手がそこまでプレスにこない時に背後がなくなってしまうと、そういう引っかけるミスとかも増えてしまうと思うので、背後と足元のバランスをうまく使いながらやっていかないといけないと思います」 2連勝が懸かる難敵との一戦では攻守両面でアグレッシブさを増した緑の背番号11の躍動に期待したいところだ。 2024.10.22 20:10 Tue2
貪欲な緑の名門はさらなる高みへの歩み止めず、東京Vが残留決定後の新潟戦で快勝…要求厳しい指揮官と守護神も手応え
前節でJ1残留を確定させた東京ヴェルディは、さらなる高みを目指す姿勢を示した。 東京Vは23日、デンカビッグスワンで行われた明治安田J1リーグ第35節でアルビレックス新潟と対戦し、2-0の快勝を収めた。 前節の浦和レッズ戦を2-1の逆転勝利で勝利し、7位浮上と共に勝ち点を51ポイントとした昇格組は4節を残しての残留を確定。残り4試合では来シーズンの戦いを見据えつつ、天皇杯の結果次第でACL出場権を得られる4位フィニッシュを目標に据えた新たな挑戦に臨む。 その初陣となった新潟戦は対戦相手のYBCルヴァンカップ決勝進出に伴い、11月3日に開催予定だった一戦が前倒しとなり、中3日でのアウェイゲームというタフな条件となった。 さらに、直近1分け4敗の5戦未勝利で残留争いの真っただ中に位置し、名古屋グランパスとの大一番へ弾みを付けたいホームチームのモチベーションは非常に高く、近年のビッグスワンでの対戦成績を含め東京Vにとって苦戦も想定された。 しかし、浦和戦と全く同じスタメンで臨んだチームは、立ち上がりから主導権争いが繰り広げられた一戦において球際の強度、セカンドボールへの反応を含めてホームチームを圧倒。前半に関しては守備意識が高く状況に応じて後ろにしっかりと枚数をかける相手に攻撃面での大胆さを欠いたが、後半立ち上がりに得たセットプレーの流れからFW山田剛綺が泥臭くゴール前の混戦を制し、待望のJ1初ゴールを記録。 以降は攻勢に転じた新潟にMFダニーロ・ゴメスのポスト直撃のシュートを打たれるなど押し込まれる時間帯もあったが、ボールホルダーへの寄せ、ボックスアウトが徹底された守備で撥ね返すと、後半終盤は逆に相手陣内でしたたかに時計を進めつつ、FW山見大登とFW染野唯月の途中出場2選手が絡んだセットプレー流れからDF谷口栄斗がトドメの2点目を奪取。 後半最終盤の攻防においても緩みを見せることなくクリーンシートを達成。チームスタイルの違いはあれど、メンバーを入れ替えた相手に対して、走行距離・スプリント数といったスタッツにおいても凌駕し、勝負へのこだわりと勝ち点3への執念を示した。 戦前に城福浩監督が「我々はそういうこと(残留だけ)を目指したのではないというのを示すのは、まさに今からだと思います」と語っていた通り、チームはこの新潟戦で、より高みを目指すに値するパフォーマンスを示した。 その一戦について指揮官は前半の攻撃の工夫に関して改善の必要性を語ったが、「泥臭い得点を取れた」、「あとから出た選手のハードワークは称賛に値する」と選手たちの戦いぶりを称えた。 「綺麗な得点ではないかもしれないけれども、コーナーキックを取る。その前のプレーで山田剛綺が体を張ったところ。ゴール前で足を止めないところ。2点目もコーナーの崩れからだと思いますけど、クロスに対して染野が来るか来ないかわからないところに飛び込んでいって、マイナスのところにスペースが空いて、谷口栄斗が足を振ったと…」 「我々がやりたいサッカーの中で綺麗な得点ではないけれども、泥臭い得点を取れたというのは非常によかったのではないかと思います。もうひとつ、浦和戦は勝ったけれども、クローズのところに我々は問題を抱えているという認識をしていたので、今日はあとから出た選手のハードワークというのは称賛に値すると思うし、こういう積み重ねが我々の生命線なので、また次の試合に活かしたい」 一般的に見れば、浦和戦においても安定したクロージングができたように見えた中、試合後、短い準備期間の中ではもう一段階上のレベルを求めた指揮官にしても、新潟戦の締め方は納得がいくものだった。とりわけ、浦和戦でIN&OUTを経験した山見を始め攻撃を特長とする選手たちが見せた献身性に目を細めた。 「我々が勝ち点3を持っている中で、投入したのはどちらかというと攻撃的な選手。彼らが勝ち点3を持っている中で送り出して、しっかり勝ち点3を取り切ることができるということは、攻撃的な選手でも守備バージョンできっちり仕事ができる証明。少なくとも今日出た選手というのは全員が勝ち点がいくつ(の状況)であっても、ピッチに立てる資格があることを示した。そういうパフォーマンスだった」 「今日ピッチに立てなかった選手も含めて、我々はどういうバトンの渡し方をして、どういうバトンの受け方をするかというところが、このリーグで一番でないと、このリーグでは戦えないというのはずっと言ってきたので、今日はその中でもひとついい試合が見せられた」 また、指揮官同様にピッチ上において要求が厳しい選手として知られる守護神マテウスも、「今シーズンの中でも本当に素晴らしいゲームのひとつ。染野も後半から入った中で最後までああやってスライディングして相手のシュートブロックに入ったりとか、全員が本当に全力を注いで勝ちを掴み取れたゲームだった」と、クリーンシートを達成した一戦を振り返った。 さらに、「本当にこの場を借りて全員を評価してほしい」と様々な思いを抱えながらも、チームのために盤石のゲームクローズに貢献した仲間への敬意も示した。 「シーズン序盤から自分たちの大きな問題でもあった、試合の締め方の部分がここにきてすごくチームとして成長できている。そのひとつの要因として後半から入ってくる選手の活躍だったり、献身性というのが確実にチームにプラスになっている」 「ベンチにいるというのはそんなに簡単なことではないですし、途中から入ってチームのリズムに入って、しっかり締めくくるというのはそんなに簡単なことではない。後半から入った全選手が全力を注いでチームのために献身的に働けているということを評価してほしいです」 指揮官、守護神が交代選手に献身を称えた一方、谷口が「チームとしてすごく大きなこと」と語った山田剛の待望のJ1初ゴールの活躍は残り試合に向けてもチームに良い刺激を与えるものとなった。 関西学院大学で関西学生サッカーリーグのMVPにも輝いたストライカーは、加入1年目となった昨シーズンは得点こそ3ゴールにとどまったものの、J2リーグで30試合以上に出場するなど東京VのJ1昇格に貢献。 今シーズンはさらなる覚醒が期待されたが、関西学院大学の1個上の山見、同期のFW木村勇大が新加入ながらゴールを量産する活躍を見せた一方、自身初のJ1ではこの試合を前に20試合ノーゴールと結果を残せずにいた。 高い身体能力と献身性は指揮官も認めるところだが、幾度かブレイクスルーのきっかけを掴めそうな状況で、ゴールという目に見える結果だけが足りなかった。直近の浦和戦でも攻守にハイパフォーマンスを見せたが、渾身のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど生みの苦しみを味わっていた。 それでも、「いい守備をしていれば、最後自分に巡ってくるかなというマインドでやっている」とチームのために献身を続けてきたご褒美という言い方は失礼だが、ストライカーの嗅覚と足を止めずにプレーし続けたことで、ゴール前でのタップインという形での待望のJ1初ゴールが生まれた。 城福監督はメンバーに絡めない苦しい期間も真摯に取り組み続けた大卒2年目のストライカーの活躍が、ここからチーム内競争にさらなるポジティブなものをもたらすことを期待する。 「このチームは指定席があると感じた時点で、もうすでにディスアドバンテージがあると思うので、全員がピッチに立つために死力を尽くすという意味では、メンバーから外れた選手のハードワークというのが、このチームにとって生命線」 「山田剛綺もそういう何週間かを過ごした時期もありましたし、それでもあがいている。立っていられないぐらいの練習をして、それでもここに来られない選手がいる。そういう選手の思いを、彼も背負って今日やったはずですし、それが彼のところにボールが転がってきたという部分で非常によかったと思うし、今日東京で映像を見ている選手たちの励みにもなったのではないかなと思います」 その山田剛は「個人としては1点でも多くゴールでもアシストでも、とにかく数字にこだわっていきたい。チームとしては本当にまだまだ上を目指せるチームだと思うので、そこは貪欲にできるだけ上の順位で終われるように一戦一戦戦いたい」と、改めて残り3試合に向けての決意を語った。 ここにきてチームとしての成熟度が増し、前節はMF綱島悠斗、今節は山田剛がJ1初ゴールを挙げるなど個人の台頭も顕著な緑の名門が、残り試合でさらなるサプライズを起こせる可能性は十二分にあるはずだ。 2024.10.24 13:33 Thu3
「可能性の一番高いところを目指す」東京Vの城福監督、新潟戦含む残り4試合へ「まさに今から」
東京ヴェルディの城福浩監督が、23日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第35節のアルビレックス新潟戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、浦和レッズとホームで対戦。前半半ば過ぎに一瞬の隙を突かれて先制を許して試合を折り返したが、後半序盤にクイックリスタートの流れからMF綱島悠斗が強烈なミドルシュートを突き刺し、待望のJ1初ゴールで同点に追いつく。さらに、76分には右CKを再び綱島が今度は会心のヘディングシュートで合わせ、逆転に成功。以降は交代カードを切りながら冷静なゲームクローズで2-1の逆転勝利を収めた。 湘南ベルマーレ戦で喫した7試合ぶりの敗戦をきっちり払しょくした“20番目のチーム”は、順位を7位に浮上させると共に4節を残して最大の目標だったJ1残留を確定させた。 「この成功体験というのは小さくない」と格上相手の逆転勝ちへの手応えを口にしていた指揮官だが、中3日で臨む新潟戦に向けては「勝ったからこそできる振り返り」と、守備面を中心にチームを引き締めた。 とりわけ、「自分たちがやろうとしていることをどこかでやれれば…」と悔やんだ失点場面に関してチームとして改めて確認を行ったという。 「もちろん相手の攻撃を全くさせないとか、シュート0で抑えるなんてことはできないですし、完全に封じ込めるというのは、このリーグでは簡単ではない。シュートまで行かれるシーンがあるとは思いますが、象徴的なのは失点のシーンは我々が前からの守備の圧力のチャンスを逃していること。ボールに行けないのであれば、中盤の準備をしなければいけないこと。最後のエマージェンシーケースの時には、最終ラインがボールに行くところと、カバーするところというのは、一番大事なのはボールに行くところ」 「そこが我々にとって一番守備で大事にしているので、自分たちがやろうとしていることをどこかでやれれば、あの失点はなかったという意味では、前線だろうが、中盤だろうが、最終ラインであろうが、その時々でやるべきところというのは確認しました」 傍から見れば、後ろに重くなり過ぎずにボールホルダーへもしっかりとアプローチに行き、FWブライアン・リンセンのヘディングシュート以外に決定的なシーンを作らせなかったゲームクローズの部分も、自分たちのやるべきことをパーフェクトに遂行できなかったと、チームへの要求を語っている。 「終盤になってきて、我々が勝ち点3を持っている状況ということは相手はゼロなので、リスクをかけてくる。そういう時に自分たちが大事にしなければいけないものを、絶対失ってはいけないものというのは、これまでずっと場面を共有しながら映像を見ながら、あるいはトレーニングの中で、絶対に失ってはいけないものというのを共有してきたけれども、それがパーフェクトにやれるかというと、これはパーフェクトを目指すのであって、それがやれていないからこそ危ないシーンを作られる」 「例えば、競って全部ヘディングを勝てとか、一対一を全部の守備で勝てとか、走力で全部勝てと言っているわけではなくて、やるべきことがあって自分がオン・ザ・ボールの当事者になる前にやるべき準備を、全員がいかにできるかと。それはひょっとしたら寄せであったり、ボールが自分の頭を越えた後のカバーであったり、逆サイドの絞りであったり、これをパーフェクトに近づけようと」 「それをやってきたからこそ、リーグ戦の中で今の我々の立ち位置があると思う。ここは今の立ち位置からもう1個上に行きたいのであれば、やってきたことのバージョンをもうひとつ上げるというか、これは勝ったからこそできる振り返りなので、かなり強めに振り返りました」 その指揮官の厳しい要求もあり、中3日の連戦に向けてピリッとした空気を維持するチームは、連勝を懸けて前回対戦で2-2のドローゲームを演じた15位の新潟とのアウェイゲームに挑む。 直近の横浜F・マリノス戦の0-0のドローで連敗を「4」でストップしたものの、それまでの4試合では大量失点が続くなど安定感を欠く新潟は、消化試合数が少ない18位・ジュビロ磐田ら下位とのポイント差が4ポイントと残留争いに巻き込まれている状況だ。 その一方で、YBCルヴァンカップでは先の川崎フロンターレとの準決勝を4-1、2-0の合計6-1で連勝。クラブ史上初の決勝進出を果たし、11月2日に国立競技場で行われる名古屋グランパスとの初タイトルを懸けた大一番へモチベーションも高まっている。 「ボールの引き出し方は、徹底しているものがありますし、足が止まらない中で、中につけていく勇気とか、それを出し手も受け手もそうですけど、そこからコンビネーションを発揮していく。さらに裏を狙っていく。このスタイルは変わってない」と、前回対戦時にビルドアップの練度、精度に関してJ1トップクラスと評したその印象は7カ月となった現在も変わっていない。 また、「リーグ戦で苦しんでいる中で、ルヴァンで結果を出している、ここ最近を見ていると、さらに中盤のインテンシティが高くなっているのと、もうひとつはゴール前の人数をかけている。サイドで崩すだけではなくて、ゴール前にしっかり人数をよりかけてきている」と、攻撃面に関してより対応が困難なチームに仕上がっていると警戒。 そんななかでヴェルディとしては湘南戦での気付き、その改善に取り組んだ浦和戦で得た手応えを活かし、「我々のやりたい、表現したいサッカーに立ち返れるか」と自分たちの志向するスタイルを貫いて、そのせめぎ合いをモノにしたいと意気込む。 「そう意味では、ポゼッションをさせないために、我々の腰が引けてゴール前を固めるというところになれば、サイドでボールを持たれるし、サイドに人数をかけ過ぎれば、今度はゴール前に入っていくというところの駆け引きのランクが上がっている」 「相手の得意な形というのをなるべく少なくするのに一番いいのは、我々がボールを持つこと。相手陣でハンティングすること。相手に守らせるということだと思います。そこのせめぎ合いというのは、自分たちが自陣で我慢する時間もあるだろうけども、いかに相手陣でサッカーをやるかという、我々のやりたい、表現したいサッカーに立ち返れるかどうかだと思います」 J1残留という最大の目標を成し遂げた東京Vは、残り4試合の結果次第では最大3位、天皇杯の結果によってACL出場権の可能性もある4位フィニッシュを視野に捉える。 一方で、メンバー選考の部分ではここまで控えで歯を食いしばってきた選手の抜擢、来シーズンのJ1での戦いに向けて若手を試すという選択肢もあるが、指揮官は「残留が決まったからチャンスをあげるということはない」と、その可能性を否定。 「選手が頑張れば頑張るほど、僕から見ると苦しくなる。そういう彼らを見て、彼らをスタジアムのピッチに立たせたいという思いは、見れば見るほど湧いてくる。ただ、サッカーというのは11人しかピッチに立てないルールなので、あくまでも、練習場で表現をし続けた選手をフェアに見てあげるということを大事にしたい。僕は見続けること、僕の中でのフェアを保ち続けること。それを貫いてあげることが、彼らに対しての彼らの頑張りに対しての礼儀だと考えています」 残り試合も変わらず、個人・チームの成長にフォーカスを当てながらも、さらなる高みを目指す。選手たちの間ではACL出場権獲得への思いも聞こえてくる中、指揮官は「それにはもうワンランク上にならないとダメです。一般的に見たら、『これはボールに行っているじゃないか』とか、一般的に見たら『よく追っているじゃないか』は、我々の基準では足りないということにならない限り、超野心的な目標には向かえない」と、選手たちに本当の意味での覚悟を要求。 その上で「もちろん可能性がある限り、我々は自分たちが積み重ねられる勝ち点をとにかく最大のものを目指し続けるだけで、残留が確定したから満足するということではない。我々はそういうことを目指したのではないというのを示すのは、まさに今からだと思います」と、改めて残り試合への意気込みを示した。 2024.10.22 19:45 Tue4
大卒2年目の山田剛綺が待望のJ1初ゴール! 東京Vがルヴァン杯決勝控える新潟撃破で2連勝【明治安田J1第35節】
明治安田J1リーグ第35節のアルビレックス新潟vs東京ヴェルディが23日にデンカビッグスワンスタジアムで行われ、アウェイの東京Vが0-2で勝利した。 川崎フロンターレとのYBCルヴァンカップ準決勝を2戦合計6-1で制し、クラブ史上初のファイナル進出を成し遂げた新潟。また、不振が続いたリーグ戦では前節の横浜F・マリノス戦を0-0のドローで終え、複数失点での連敗を「4」でストップ。降格圏から4ポイント差の15位と残留争いに巻き込まれる中、リーグ6戦ぶりの白星を狙ったホームゲームでは先発4人を変更。負傷でベンチ外の小野裕二に代えて長谷川元希を起用したほか、秋山裕紀に代わって星雄次を起用するなどメンバーを入れ替えた。 一方、中断明け初戦となった前節の浦和レッズ戦を2-1の逆転で勝利し、7位浮上と共に4節を残して残留を確定させた東京V。さらなる高みを目指して連勝を狙ったアウェイゲームでは浦和戦と全く同じスタメンを採用した。 新潟のルヴァンカップ決勝進出の影響によって前倒しでのミッドウィーク開催となった一戦。強い雨が降りしきる中でスタートすると、立ち上がりから主導権争いが繰り広げられる。 開始8分には齋藤功佑の背後を狙ったフィードに反応した木村勇大がボックス右に持ち込んでファーストシュートを放つが、ここはDFトーマス・デンの体を張ったブロックに阻まれる。 互いに遅攻の際にはミドルブロックを組みながら、要所で前から圧力をかけてカウンターを狙う構図が続いていく。球際やプレスの強度ではアウェイチームが若干上回るが、新潟もコンパクトな守備で相手の攻撃に対応。易々とフィニッシュには持ち込ませず。 前半半ばから終盤にかけても睨み合いの展開は変わらず。35分にはボックス左に抜け出した長倉幹樹のライン際での折り返しを、ゴール前に走り込んだ小見洋太が右足ボレーで合わせるが、ミートし損ねたシュートはGKマテウスがキャッチした。 互いに攻撃の糸口を見いだせぬまま、試合はゴールレスで後半へ。互いに同じメンバーで臨むも、開始直後には東京Vが木村、新潟がダニーロ・ゴメスとボックス付近で強烈なシュートを打ち合ってゴールへの意識を強める。 すると、この立ち上がりにスコアが動く。49分、東京Vの右CKの場面で綱島悠斗がニアでフリックしファーに流れたボールを齋藤が右足ボレーシュート。ゴール前の密集を抜けたボールが右ポストを叩くと、長倉の足に当たってゴール前にこぼれたところを山田剛が左足で押し込んだ。 前節の綱島に続き大卒2年目の山田剛のJ1初ゴールによってアウェイチームが均衡を破ると、試合はよりオープンな展開に。早い時間帯に追いつきたいホームチームが攻勢を仕掛けると、56分には星がGKマテウスの正面を突くミドルシュートを放つ。さらに、59分には左からの鋭いクロスをファーで収めたダニーロ・ゴメスがカットインから左足を振り抜くが、このシュートは惜しくも右ポストを叩いた。 相手の攻勢を受け始めた東京Vは直後に2枚替えを敢行。木村と殊勲の山田剛を下げて染野唯月、山見大登を前線に送り込むと、その山見は投入直後に右からのカットインでボックス中央に持ち込んで際どい左足シュートを放つ。 これに対して新潟は宮本英治を下げて秋山裕紀をピッチに送り出し、攻撃の起点役を託す。さらに、68分には小見、ダニーロ・ゴメスを下げて奥村仁、太田修介と両ウイングを入れ替えた。 一連の交代後は新潟が前線からの圧力を強め、ボール保持と共にカウンターの形から厚みのある攻撃を仕掛けていくが、東京Vの集中した守備をあと一歩でこじ開けられない。 一方、後半終盤にかけて守備一辺倒にならずに自分たちの時間も作りながら冷静に時計を進めるしたたかさを見せた東京Vは、再びセットプレーからトドメの2点目を奪い切った。87分、右CKの二次攻撃から右サイド深くで縦に仕掛けた山見がグラウンダーの高速クロスを供給。ニアに飛び込んだ染野のワンタッチシュートは左ポストを叩いたが、ゴール前でこぼれに反応した谷口栄斗が右足で放ったシュートがクロスバーの内側を掠めてゴール右上隅に決まった。 そして、このまま新潟の反撃を封じ切った東京Vが敵地で2-0の勝利。今季4度目の連勝で暫定ながら6位に浮上した。一方、敗れた新潟はリーグ6戦未勝利となり、残留争いにおいて厳しい敗戦に。11月2日に控える名古屋グランパスとの大一番へ弾みを付けることはできなかった。 アルビレックス新潟 0-2 東京ヴェルディ 【東京V】 山田剛綺(後4) 谷口栄斗(後42) <span class="paragraph-title">【動画】山田剛綺が待望のJ1初ゴールで勝利に導く!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#新潟東京V</a> <a href="https://t.co/7ZESV40IHC">pic.twitter.com/7ZESV40IHC</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1849047541750353981?ref_src=twsrc%5Etfw">October 23, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.23 20:59 Wed5