指揮官&両エース不在ローマは格下にホームドロースタート…昨季リーグ無得点の“ガッロ”が復活のドッピエッタ【セリエA】
2023.08.21 03:45 Mon
2023-24シーズンのセリエA開幕節、ローマvsサレルニターナが20日にスタディオ・オリンピコで行われ、2-2のドローに終わった。
昨シーズンをセリエA6位、ヨーロッパリーグ準優勝で終えたローマ。モウリーニョ3年目でトップ4フィニッシュを最低限のノルマに掲げるジャッロロッシは、昨季15位のサレルニターナとのホームゲームで新シーズンをスタートさせた。
昨季終盤にセリエA開幕から10日間のベンチ入り禁止処分を科されたポルトガル人指揮官は、自身不在の一戦に向けて守護神パトリシオやスモーリング、マンチーニ、クリスタンテといった昨季の主力を起用。長期離脱中のエイブラハムに加え、共にサスペンションで欠場となったディバラとペッレグリーニの代役には新戦力アワール、エル・シャーラウィ、ベロッティを起用。パリ・サンジェルマンから今週加入のパレデスとレナト・サンチェスはベンチスタートとなった。
モウリーニョ監督に加え、副官フォーティもベンチ入り禁止となったことで、クラブレジェンドのブルーノ・コンティをベンチに入れてソールドアウトの開幕戦に臨んだローマ。
やや押し込まれた立ち上がりを凌ぐと、8分には左サイドでの繋ぎからクリステンテが早いタイミングで入れたクロスにベロッティが反応。懸命に伸ばした右足のトラップからすかさず左足ボレーでゴールネットを揺らす。だが、ローマ加入2年目での待望のセリエAゴールかに思われたこの場面は非常に微妙なオフサイド判定で取り消しに。
良い時間帯に先制に成功したローマは、ここからゲームコントロール優先の戦い方にシフト。試合をスローダウンさせつつ、得意のセットプレーからマンチーニらが際どいシーンを作り出す。
しかし、立ち上がりからスペースケアや寄せの部分で緩さが見受けられ、幾度かライン間の危険なエリアを使われていたチームは、その隙を突かれる形で同点に追いつかれた。
36分、ラサナ・クリバリからのグラウンダーの縦パスに対して、DFマンチーニが不用意につり出されてスペースを空けると、そこにタイミング良く走り込んだカンドレーバにボックス左への侵入を許す。そして、後手の対応となったDFスモーリングがかわされて強烈な右足のシュートを叩き込まれた。
元ラツィオMFにファインゴールを決められて1-1のイーブンで試合を折り返したローマは、後半もそのベテランアタッカーを止められない。立ち上がりの49分、ボックス右でブラダリッチのクロスを右足でワントラップしたカンドレーバに利き足とは逆の左足の見事なコントロールシュートをゴール左上隅に突き刺された。
最も決められたくない相手にドッピエッタを献上し、ホームでまさかのビハインドを背負ったローマ。すぐさま反撃に出たいところだが、後半はなかなか効果的な仕掛けを見せられない。
これを受け、65分には一気に4枚替えを敢行。スモーリングと両ウイングバック、ボーヴェを下げて注目のパレデス、レナト・サンチェスらをピッチに送り込む。すると、レナト・サンチェスらが推進力のあるプレーで攻撃を活性化させると、78分にはそのポルトガル代表MFのお膳立てからエル・シャーラウィが右ポスト直撃の際どいシュートを放つ。
ここから攻撃のギアを上げて押し込む形を作り出すと、完全に目を覚ました元トリノのエースが再び魅せる。82分、左CKの場面でキッカーのパレデスが正確なクロスを入れると、ニアで競り勝ったベロッティが渾身のヘディングシュートを左隅へ叩き込んだ。
この同点ゴールで熱狂を取り戻したオリンピコの大歓声を後押しに勝ち越しを目指して攻勢を強めるジャッロロッシ。6分が加えられたアディショナルタイムにはプレシーズンで好アピールを見せたプリマヴェーラの10番パガーノを最後の交代カードとして切り、トップデビューさせる。
後半最終盤の攻防ではエル・シャーラウィのお膳立てから2度の決定機が訪れたが、さすがのベロッティも足が攣っていた影響もあってトリプレッタのチャンスを活かし切れず。試合はこのまま2-2のスコアでタイムアップを迎えた。
指揮官不在に加え、カピターノとエースを欠いて格下相手に痛恨のホームドロースタートとなったローマだが、昨季大不振に陥っていたガッロの復活は今後にポジティブな要素をもたらすことになった。
昨シーズンをセリエA6位、ヨーロッパリーグ準優勝で終えたローマ。モウリーニョ3年目でトップ4フィニッシュを最低限のノルマに掲げるジャッロロッシは、昨季15位のサレルニターナとのホームゲームで新シーズンをスタートさせた。
昨季終盤にセリエA開幕から10日間のベンチ入り禁止処分を科されたポルトガル人指揮官は、自身不在の一戦に向けて守護神パトリシオやスモーリング、マンチーニ、クリスタンテといった昨季の主力を起用。長期離脱中のエイブラハムに加え、共にサスペンションで欠場となったディバラとペッレグリーニの代役には新戦力アワール、エル・シャーラウィ、ベロッティを起用。パリ・サンジェルマンから今週加入のパレデスとレナト・サンチェスはベンチスタートとなった。
やや押し込まれた立ち上がりを凌ぐと、8分には左サイドでの繋ぎからクリステンテが早いタイミングで入れたクロスにベロッティが反応。懸命に伸ばした右足のトラップからすかさず左足ボレーでゴールネットを揺らす。だが、ローマ加入2年目での待望のセリエAゴールかに思われたこの場面は非常に微妙なオフサイド判定で取り消しに。
それでも、今シーズンに向けて誰よりも強い思いで臨む“ガッロ”の愛称で知られる百戦錬磨のストライカーは、2度目のチャンスを逃さない。17分、ジョレンテからのロングフィードに対して、ファシオ、ギョンベルと古巣対戦のDF2枚を手玉に取ってボックス中央に持ち込むと、再び左足の鋭いシュートを突き刺し、正真正銘の加入後リーグ戦初ゴールとした。
良い時間帯に先制に成功したローマは、ここからゲームコントロール優先の戦い方にシフト。試合をスローダウンさせつつ、得意のセットプレーからマンチーニらが際どいシーンを作り出す。
しかし、立ち上がりからスペースケアや寄せの部分で緩さが見受けられ、幾度かライン間の危険なエリアを使われていたチームは、その隙を突かれる形で同点に追いつかれた。
36分、ラサナ・クリバリからのグラウンダーの縦パスに対して、DFマンチーニが不用意につり出されてスペースを空けると、そこにタイミング良く走り込んだカンドレーバにボックス左への侵入を許す。そして、後手の対応となったDFスモーリングがかわされて強烈な右足のシュートを叩き込まれた。
元ラツィオMFにファインゴールを決められて1-1のイーブンで試合を折り返したローマは、後半もそのベテランアタッカーを止められない。立ち上がりの49分、ボックス右でブラダリッチのクロスを右足でワントラップしたカンドレーバに利き足とは逆の左足の見事なコントロールシュートをゴール左上隅に突き刺された。
最も決められたくない相手にドッピエッタを献上し、ホームでまさかのビハインドを背負ったローマ。すぐさま反撃に出たいところだが、後半はなかなか効果的な仕掛けを見せられない。
これを受け、65分には一気に4枚替えを敢行。スモーリングと両ウイングバック、ボーヴェを下げて注目のパレデス、レナト・サンチェスらをピッチに送り込む。すると、レナト・サンチェスらが推進力のあるプレーで攻撃を活性化させると、78分にはそのポルトガル代表MFのお膳立てからエル・シャーラウィが右ポスト直撃の際どいシュートを放つ。
ここから攻撃のギアを上げて押し込む形を作り出すと、完全に目を覚ました元トリノのエースが再び魅せる。82分、左CKの場面でキッカーのパレデスが正確なクロスを入れると、ニアで競り勝ったベロッティが渾身のヘディングシュートを左隅へ叩き込んだ。
この同点ゴールで熱狂を取り戻したオリンピコの大歓声を後押しに勝ち越しを目指して攻勢を強めるジャッロロッシ。6分が加えられたアディショナルタイムにはプレシーズンで好アピールを見せたプリマヴェーラの10番パガーノを最後の交代カードとして切り、トップデビューさせる。
後半最終盤の攻防ではエル・シャーラウィのお膳立てから2度の決定機が訪れたが、さすがのベロッティも足が攣っていた影響もあってトリプレッタのチャンスを活かし切れず。試合はこのまま2-2のスコアでタイムアップを迎えた。
指揮官不在に加え、カピターノとエースを欠いて格下相手に痛恨のホームドロースタートとなったローマだが、昨季大不振に陥っていたガッロの復活は今後にポジティブな要素をもたらすことになった。
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