【ラ・リーガ最終節プレビュー】上位争い決着で、見どころは降格1枠&ECL出場権争い

2023.06.04 12:00 Sun
Getty Images
先週末に行われた第37節の結果、レアル・ソシエダの4位フィニッシュと5位のビジャレアルと6位のベティスのヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得が決定。さらに、19位のエスパニョールがエルチェに続きセグンダ降格が決定している。
2022-23シーズンを締めくくる最終節では、13位のカディス(勝ち点41)から18位のバジャドリー(勝ち点39)までの6チーム中1チームが降格となる残留争いに最大の焦点が集まる。
その中で降格圏内のバジャドリーと、 14位のヘタフェ(勝ち点41)が対峙する直接対決は残留争いの行方を大きく左右する一戦だ。

今節を迎える時点でバジャドリーは最も厳しい立場にあるが、1ポイント差の16位アルメリア(勝ち点40)との当該成績では上回っており、勝ち点1でも逆転で残留できる可能性を有する。また、17位セルタ(勝ち点40)と3チームの勝ち点が並んだ場合は当該チーム間の勝ち点で劣るセルタが降格となる。対するヘタフェは引き分けで自力での残留が決まるため、無理して勝ちに行くことはなく、この一戦では他会場の動向を意識しながら戦いを進めていく形となるはずだ。

そういった中、前述の直接対決が“談合試合”となった場合、自力での勝ち点奪取が必要となるセルタとアルメリアは、それぞれバルセロナとエスパニョールというカタルーニャ勢との対戦となる。
セルタは王者として勝利でシーズンを締めくくりたいバルセロナを本拠地バライードスで迎え撃つ。前節、マジョルカに3-0の勝利を収めて1シーズンの最多クリーンシート記録(26試合)を更新したチャビのチームは、最終節でタイ記録となるシーズン最少失点記録(18失点)と、ピチーチ獲得を狙うFWレヴァンドフスキが高いモチベーションで臨んでくるはずだ。さらに、MFブスケッツ、DFジョルディ・アルバのラストゲームという重要な意味合いもあり、敵地と言えどもフルパワーでの戦いとなるはずだ。セルタとしては勝ち点1奪取を念頭に堅い試合展開に持ち込みたい。

一方、アルメリアは降格が決定し、プリメーラでの今季ラストゲームを戦うエスパニョールと対戦。序盤と中盤の低迷によって最終節を待たずして降格したエスパニョールだが、直近の3試合ではラージョやアトレティコ・マドリーといった上位陣相手にも粘り強く戦って1勝2分けの3戦無敗と決して侮れない相手だ。とりわけ、来季のレアル・マドリー行きも噂されるFWホセルはサラ賞が懸かっており、危険な相手だ。

また、現状では降格の可能性は決して高くないものの、下位3チームが勝利や勝ち点1を獲得した場合、降格の可能性もある15位のバレンシア(勝ち点41)と13位のカディスは、それぞれベティスと最下位のエルチェと順位が確定している相手とのアウェイゲームとなる。

ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)出場権争いは、7位のオサスナ(勝ち点50)から10位のラージョ(勝ち点49)までの4チームによって争われる。

その争いで優位に立つオサスナは、9位のジローナ(勝ち点49)とのホームでの直接対決で勝利できれば、悲願の欧州行きが決定する。

また、各種出場権は懸かっていないものの、プライドや獲得賞金に若干の違いがあるマドリード勢の2位争いは最終節までもつれ込んでいる。

前節、FWロドリゴのドブレーテでセビージャを破って2位キープに成功したレアル・マドリー(勝ち点77)は、逆転でのECL出場を目指す8位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点50)との最終節に臨む。ホーム最終戦では今季限りでの退団が濃厚なFWアセンシオやDFナチョらを白星で送り出すという目標や、去就が注目されるFWベンゼマの一挙手一投足に注目が集まる。

一方、前節は難敵ソシエダを破って3位以内を確定し、来シーズンのスーペル・コパ出場権を確保したアトレティコは、ビジャレアルとのアウェイゲームで逆転での2位フィニッシュを狙う。

最後に、MF久保建英を擁するソシエダは、10シーズンぶりのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保した中、試合前から歓喜に満ちたアノエタで11位のセビージャとのホーム最終戦に臨む。ミッドウィークのEL決勝でローマをPK戦の末に破り、最多7度目の優勝を決めて同じく来季CL出場権を決めたセビージャは、さすがに燃え尽きた状態となっており、試合前のパシージョで気持ちよくさせておいて、肝心の試合ではハイインテンシティのプレーでEL王者を撃破したい。そして、シーズン二桁ゴールが懸かる久保には積極果敢な仕掛けでゴールを目指してほしいところだ。

《ラ・リーガ第38節》
▽6/4(日)
《25:30》
マジョルカ vs ラージョ
レアル・ソシエダ vs セビージャ
レアル・マドリー vs アスレティック・ビルバオ
ビジャレアル vs アトレティコ・マドリー
オサスナ vs ジローナ
《28:00》
ベティス vs バレンシア
セルタ vs バルセロナ
バジャドリー vs ヘタフェ
エルチェ vs カディス
エスパニョール vs アルメリア


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【ラ・リーガ第16節プレビュー】カタルーニャ勢による上位対決! 首位マドリーとソシエダも難敵と対峙

先週末に行われた第15節では、最注目カードとなったバルセロナvsアトレティコ・マドリーはホームチームに軍配。また、首位のレアル・マドリー、2位のジローナもきっちり勝ち点3を積み上げている。 ミッドウィークにコパ・デル・レイ2回戦が開催され、スーペル・コパ出場4クラブを除くほとんどのチームが連戦という形で臨む今節。最注目カードは、3位のバルセロナと2位のジローナが4ポイント差で戦うカタルーニャ自治州ダービーだ。 バルセロナは前節、ホームで好調アトレティコと対戦。下馬評では苦戦必至と思われたが、主役フェリックスの保有元への痛烈な恩返し弾を最後まで守り抜いて1-0の勝利を収めた。DFクンデの右サイドバック起用が機能したほか、守護神テア・シュテーゲンの代役を担うGKペーニャの好守、自慢の中盤の躍動と結果だけでなく内容面でもポジティブな要素が多く見られた。連勝を狙う2位チームとの一戦ではそのアトレティコ戦からの継続路線を意識するなか、中盤の支配力を活かしながら状態が上がり切らない主砲レヴァンドフスキの奮起に期待したいところだ。 対するジローナは前々節のアスレティック・ビルバオ戦のドローで連勝がストップしたなか、前節のバレンシア戦では後半序盤に先制を許す難しい展開に。それでも、後半終盤に途中出場のストゥアーニが決めた圧巻のドブレーテで一気に試合を引っくり返し、劇的な2-1の逆転勝利。こちらも勢いに乗る形での勝利で重要な敵地での一戦に臨むことになった。基本的には相手にボールを握られる展開が予想されるが、そこでの粘り強い守備で耐えながら対戦相手が獲得を狙っているとされるFWサヴィオらを起点としたカウンターでゴールをこじ開けたい。 ライバルの直接対決での取りこぼしに期待しつつ、4連勝での首位固めを目指すレアル・マドリーは、7位のベティスとのアウェイゲームに臨む。前節は新体制のグラナダ相手にMFクロースとMFブラヒム・ディアスの見事な連携による先制点、公式戦5試合連発となったFWロドリゴのダメ押しゴールによって2-0の快勝を収めた。引き続き負傷者の多さは懸念材料も、今週のトレーニングではMFモドリッチ、GKケパが状態を上げており、スタメン復帰も見込まれるところだ。現状のパフォーマンスを鑑みれば、敵地と言えども勝ち点3奪取の可能性は高いが、古巣対戦のMFイスコらを筆頭に2列目に多士済々なタレントを擁するベティスは難敵だ。負傷者の影響で負担増のセンターバック、ピボーテの奮闘が求められるところだ。 バルセロナに敗れて公式戦連勝が「4」でストップした4位のアトレティコは、今季未勝利の最下位アルメリア相手にバウンスバックの勝利を狙う。バルセロナ戦は相手のパフォーマンスを褒めるべき部分もあったが、やや腰の引けた前半の戦いやシメオネ監督の用兵の部分で課題も出ただけに、今回のホームゲームでは序盤から相手を圧倒する入りを見せたい。とりわけ、バルセロナ戦でほぼ見せ場を作れなかったFWモラタの奮起、後半投入で存在感を示したFWリーノらのプレーに注目したい。 MF久保建英を擁する5位のレアル・ソシエダは、12位のビジャレアルとのアウェイゲームでリーグ2戦ぶりの白星を狙う。前節はオサスナに先制を許すも、FWサディクのリーグ2試合連続ゴールで同点に追いつく。拮抗した後半は久保らに幾度か決定機が訪れたが、相手GKの好守などに阻まれて1-1のドローに終わり公式戦2試合連続ドロー。久保も途中出場したコパ・デル・レイでは人工芝と相手の堅守に手を焼くも、FWアンドレ・シウバの加入後初ゴールで4部のアンドラッチに1-0で勝利した。 対戦相手のビジャレアルはマルセリーノ新監督就任以降、公式戦4戦無敗と状態を上げている。古巣対戦が期待されたFWセルロートやFWピノら一部主力を欠いての試合となるが、早くも新指揮官の色が出始めている。その古巣相手に挑む久保はしばしゴールから遠ざかりつつある中でチームを勝利に導く恩返しゴールを決めたい。 その他では絶不調のセビージャや、上位浮上を目指すアスレティック・ビルバオ、バチバチの肉弾戦が期待されるヘタフェvsバレンシアといったカードにも注目だ。 《ラ・リーガ第16節》 ▽12/8(金) 《29:00》 ヘタフェ vs バレンシア ▽12/9(土) 《22:00》 アラベス vs ラス・パルマス 《24:15》 ベティス vs レアル・マドリー 《26:30》 ビジャレアル vs レアル・ソシエダ 《29:00》 セビージャ vs マジョルカ ▽12/10(日) 《22:00》 アトレティコ・マドリー vs アルメリア 《24:15》 グラナダ vs アスレティック・ビルバオ 《26:30》 カディス vs オサスナ 《29:00》 バルセロナ vs ジローナ ▽12/11(月) 《29:00》 ラージョ vs セルタ 2023.12.08 19:00 Fri

【プレミアリーグ第15節プレビュー】ミッドウィーク開催は2つの強豪対決に注目

先週末に行われた第14節はアーセナルとリバプールがしぶとく勝ち点3を積み上げた一方、マンチェスター・シティがトッテナム相手のドローで痛恨の取りこぼしに。また、ニューカッスルとチェルシーがそれぞれマンチェスター・ユナイテッド、ブライトンとの強豪対決を制している。 ミッドウィーク開催となる今節は、上位浮上へ勝ち点3必須のマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーの名門対決が最注目カードだ。 7位のユナイテッドは前節、ニューカッスルとの強豪対決で0-1というスコア以上の力の差を見せつけられ、EFLカップでの前回対戦に続く完敗を喫した。共に負傷者の多さや直前にチャンピオンズリーグ(CL)のアウェイゲームを戦った条件は同じだったものの、ホームサポーターの情熱的な後押しを受けたマグパイズに攻守両面で圧倒され、GKオナナの好守などで前半は耐えたものの、後半にFWゴードンに先制ゴールを奪われると、以降はさしたる見せ場を作れずに敗戦。リーグ戦での連勝が「3」でストップした。 DFショーやDFワン=ビサカ、FWホイルンドら一部主力の復帰に新星MFメイヌーの台頭によって一時に比べて選手層の問題は改善傾向にあるが、FWラッシュフォードらの覇気のないプレー、一部で報じられるテン・ハグ監督の求心力低下といったネガティブな部分も目に付きクラブとしてここが踏ん張りどころ。公式戦3試合ぶりのホームゲームに向けてポジティブな要素はあまり見当たらないが、MFブルーノ・フェルナンデスやDFマグワイアらリーダーグループの奮起を期待したい。 一方、10位のチェルシーは前々節に同じニューカッスルに1-4の惨敗を喫したなか、前節はブライトン相手に3-2の勝利。MFギャラガーの退場によって2試合連続で数的不利の戦いを強いられたが、いずれもセットプレーからMFエンソ・フェルナンデスとDFコルウィルにプレミアリーグ初ゴールが生まれ、後半終盤はチーム一丸となった守備で逃げ切った。そのタフな一戦から中2日で臨むアウェイゲームはタフな戦いが予想されるが、サスペンション明けのDFリース・ジェームズとDFククレジャのコンビ、新天地デビューが期待されるMFエンクンクらの復帰を追い風に連勝を飾りたい。 その名門対決と同時刻開催となるアストン・ビラvsマンチェスター・シティも上位争いを左右する重要な一戦だ。 シティは前節、ホームで手負いのトッテナムと対戦。開始早々に先制点を許すも、MFフォーデンのゴールなどで前半の内に逆転に成功。ペースダウンした後半は同点に追いつかれるも、相手のミスを突いてMFグリーリッシュのゴールで勝ち越し。しかし、土壇場で同点に持ち込まれると、最終盤にグリーリッシュの決定的な裏抜けが不可解な主審の判定で阻止される不運もあって3-3のドロー。痛恨の3試合連続ドローによって3位に転落している。 リーグ4連覇に向けてこれ以上の足踏みは許されないが、今回の対戦相手はクラブ記録タイとなるプレミアリーグのホームゲーム13連勝中の4位アストン・ビラが相手となる。さらに、この試合では累積警告によるサスペンションで大黒柱のMFロドリと古巣対戦のグリーリッシュが不在となり、コンディションに問題を抱えるFWドクにも欠場の可能性がある。その厳しい状況のなかでエメリ率いる難敵に勝ち切れるか。 その王者の4試合連続取りこぼしを期待しつつ、勝ち点差を広げたい首位のアーセナルと、2位のリバプールはいずれも下位に沈む昇格組相手の勝ち点3必須の一戦に臨む。 アーセナルは前節、ウォルバーハンプトンに2-1で勝利。今季初のリーグ3連勝を飾った。FWサカとMFウーデゴールの連続ゴールによって前半序盤に2点のリードを得たが、攻めあぐねた後半に1点を返されると、最後は後ろの枚数を増やして専守防衛の展開に。ホームゲームということもあり課題を残したが、昨季から磨きをかける勝負強さを発揮した。 対戦相手のルートンは17位に低迷しているが、ホームゲームではリバプールと引き分け、トッテナムやユナイテッド相手にも善戦している侮れない相手。直近のブレントフォード、ウルブス戦同様に1点差勝負も想定される。ちなみにこの試合はサカにとって通算200試合出場のメモリアルゲームとなるため、公式戦3試合連続ゴールで偉業達成を祝いたい。なお、公式戦2試合連続アシストも、ウルブス戦で左ふくらはぎを痛めて負傷交代のDF冨安健洋の出場に関してはアルテタ監督が前日会見で五分五分の状況だと説明している。 一方、リバプールは最下位のシェフィールド・ユナイテッドとのアウェイゲームに臨む。アンフィールドでフルアムと対戦した前節は壮絶な撃ち合いとなった一戦を4-3で劇的勝利。守護神アリソンの負傷離脱やDFマティプの負傷交代といった影響もあり、決して得点力があるとは言えないフルアムに3ゴールを奪われたが、MFマク・アリスターとMF遠藤航の鮮烈なミドルシュートでの加入後初のリーグ戦ゴールに、DFアレクサンダー=アーノルドの2ゴールと見事な4ゴールを叩き込んでの、らしい勝利となった。今回の試合では守備面をしっかりと修正しつつ、不発に終わったアタッカー陣を含め格下相手にきっちり勝ち切りたい。 なお、対戦相手のブレイズは前節終了後にヘッキングボトム監督の解任が決断されたと報じられており、6日の試合では新指揮官か暫定指揮官の下での戦いになるかもしれない。 シティとのアウェイゲームで連敗を「3」でストップした5位のトッテナムは、トップ4圏内返り咲きを期して9位のウェストハムとのロンドン・ダービーで5試合ぶりの白星を目指す。多くの主力を欠いて臨んだシティ戦では2試合連続ゴールを決めたMFロ・チェルソのハイパフォーマンスや主力と控えのハイブリッド布陣での連携面の向上と多くのポジティブな要素が見受けられた。さらに、ディフェンスリーダーであるDFロメロが3試合のサスペンションから復帰する。ハマーズが非常にタフな相手であることに間違いないが、上位戦線踏みとどまりへ勝ち点3を掴みたい。 MF三笘薫を擁する8位のブライトンは、11位のブレントフォードを相手にバウンスバックの白星を目指す。一部ポジションでターンオーバーを図って臨んだチェルシー戦は前半終盤に得た数的優位を活かし切れず、連勝のチャンスを逃した。それでも、後半序盤に投入された三笘は再三の鋭い仕掛けで局面を打開するなど復帰戦となったAEKアテネ戦に比べて状態を上げており、先発復帰も期待されるビーズ戦では[5-3-2]の堅固な守備を特徴とする相手に攻撃の突破口となる仕事を期待したい。 その他ではチェルシー、ユナイテッドを連破して6位に順位を上げてきたニューカッスルがエバートン相手に今季2度目の3連勝を狙う一戦に注目。負傷明けのFWイサクの安定したパフォーマンスに17歳の新星MFマイリーの台頭で調子を上げるマグパイズだが、ユナイテッド戦では守護神ポープが肩の脱臼で長期離脱を余儀なくされる激震に見舞われた。その代役を担うドゥブラフカは経験豊富な選手ではあるが、今回のトフィーズ戦ではそのパフォーマンスに注目が集まるところだ。 ◆プレミアリーグ第15節 ▽12/5(火) 《28:30》 ウォルバーハンプトン vs バーンリー 《29:15》 ルートン・タウン vs アーセナル ▽12/6(水) 《28:30》 ブライトン vs ブレントフォード フルアム vs ノッティンガム・フォレスト シェフィールド・ユナイテッド vs リバプール クリスタル・パレス vs ボーンマス 《29:15》 マンチェスター・ユナイテッド vs チェルシー アストン・ビラ vs マンチェスター・シティ ▽12/7(木) 《28:30》 エバートン vs ニューカッスル 《29:15》 トッテナム vs ウェストハム 2023.12.05 19:00 Tue

【プレミアリーグ第14節プレビュー】シティvsスパーズ筆頭に強豪対決目白押しの一節

先週末に行われた第13節は首位攻防となったマンチェスター・シティvsリバプールがドローに終わり、代わって勝利を収めたアーセナルが首位に浮上。また、トッテナムとの上位対決を制したアストン・ビラが4位に順位を上げている。 2023年最終月となる12月最初の一節はマンチェスター・シティvsトッテナムを筆頭に、ニューカッスルvsマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーvsブライトンと3つの強豪対決が開催される。 チェルシー、リバプールとの連戦をいずれもドローで終えて2戦未勝利のシティ。リバプール戦ではFWハーランドの先制点を含めて試合を通して主導権を握ったものの、後半終盤に一瞬の隙を突かれてDFアレクサンダー=アーノルドにゴールを決められて逃げ切り失敗。要塞エティハド・スタジアムでの公式戦連勝記録が「23」でストップ。 それでも、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではRBライプツィヒにホームで2点ビハインドを背負うも、後半にハーランド、MFフォーデン、FWアルバレスと続けて3点を叩き込んで劇的3-2の逆転勝利。グループステージ5連勝での首位通過を確定させ、直近2試合の微妙な流れを払拭した。そして、今節は手負いのスパーズ相手にリーグ3戦ぶりの白星を狙う。 対するトッテナムは前節、ホームでアストン・ビラと対戦。今季初出場となったMFロ・チェルソの今季初ゴールによって先制点を奪い、以降も相手のハイラインを攻略して再三の決定機を創出。だが、2点目を奪い切れずにいると、サイドバック4人を並べた急造守備陣がセットプレー、相手エースFWワトキンスに続けてゴールネットを揺らされて1-2の敗戦。3試合連続逆転負けでの3連敗に。 さらに、同試合ではDFキャッシュの悪質なタックルを受けたMFベンタンクールが右足首のじん帯を断裂。2カ月以上の戦線離脱が見込まれており、泣きっ面に蜂という状況だ。サスペンション明けのMFビスマに加え、負傷明けのMFサールに復帰の可能性はあるものの、シティの超強力攻撃陣を相手に苦戦必至だ。 7位のニューカッスルは前節、チェルシーとの強豪対決に臨み4-1の完勝。公式戦連敗ストップに成功。さらに、直近のCLのパリ・サンジェルマン(PSG)戦ではFWイサクの公式戦2試合連続ゴールで先制に成功し、敵地で1-0の勝利かに思われたが、誤審によって献上した土壇場のPKを決められて無念のドローに終わった。それでも、チーム全体のパフォーマンスは明らかに改善されており、先日のEFLカップで3-0の快勝を収めたユナイテッド相手にチェルシー戦同様の相手を圧倒する戦いが期待されるところだ。 対する6位のユナイテッドは前節、エバートン相手にFWガルナチョ、FWラッシュフォード、FWマルシャルと悩めるアタッカー陣揃い踏みで3-0の完勝。今季初となるリーグ3連勝を達成した。しかし、今季リーグ戦以上に苦戦が続くCLでは敵地での勝利必須だったガラタサライ戦を3-3のドローで終え、最下位脱出とはならず。ガルナチョの2試合連続ゴールやMFブルーノ・フェルナンデスの鮮烈なミドルシュートなどで2度に渡って2点リードを得たが、GKオナナの拙守や途中投入のアタッカー陣の決定力不足が響いて逃げ切りに失敗した。その痛恨ドローに加え、EFLカップでのリベンジを期す今回の一戦では好調ガルナチョや新星メイヌーといった若手の輝きに期待したい。 10位のチェルシーは強豪5連戦の3戦目となった前節のニューカッスル戦で1-4の惨敗。DFチアゴ・シウバの痛恨ミス、キャプテンのDFリース・ジェームズの軽率な退場が響きダメージが残る敗戦となった。その敗戦からのリバウンドメンタリティ試されるホームゲームでは手負いのシーガルズ相手に結果、内容共にこだわりたい。好調のFWスターリングに加え、この試合では新戦力エンクンクにもベンチ入りの可能性が伝えられており、脆弱な守備をカバーする攻撃陣の躍動を期待したい。 一方、前節のノッティンガム・フォレスト戦を3-2で競り勝ってリーグ7試合ぶりの白星を収めた8位のブライトン。だが、同試合ではDFランプティ、FWアンス・ファティの2選手がいずれも長期離脱の重傷を負ってしまった。ただ、直近のヨーロッパリーグ(EL)ではMF三笘薫やMFミルナーらが戦列に復帰したなか、FWジョアン・ペドロのPK弾でAEKアテネをアウェイで1-0と破り、最終節を前に2位以内を確定。日程面や選手層でのディスアドバンテージは否めないが、公式戦連勝の勢いを持って敵地へ乗り込む。なお、インターナショナルブレーク明けで初の実戦となった三笘は試運転といった印象のパフォーマンスで、このチェルシー戦ではさらなるギアアップが求められるところだ。 リーグ連勝で首位に浮上したアーセナルは、12位のウォルバーハンプトン相手のホームゲームで3連勝での首位固めを狙う。前節のブレントフォード戦では相手の堅守に手を焼いたが、後半終了間際に途中出場のMFハヴァーツが決めた値千金のゴールによって1-0の勝利を収めた。さらに、ミッドウィークのCLでは前回対戦で敗れたRCランス相手にDF冨安健洋の見事な2アシストに6人の異なるスコアラーが生まれた6-0の圧勝で、最終節を残しての首位通過を確定させた。これで公式戦4連勝となった絶好調のアルテタのチームだが、今節は今季上位陣相手の健闘が光る曲者ウルブスが相手だ。ランス戦の余裕な展開で一部主力のプレータイムをコントロールできたが、インテンシティの高いアウェイチームに対して気を引き締めて戦いたい。 そのアーセナルを勝ち点2差で追う3位のリバプールは、ホームで14位のフルアムと対戦。前述のシティ戦では難所から勝ち点1を持ち帰れた点はプラスも、同試合では守護神アリソンとFWジョタの主力2人が負傷離脱。直近ELのLASK戦は相手のレベルもあって4-0と問題なく勝ち切ってグループステージ首位通過を確定させたが、プレミアリーグの戦いに向けては守護神不在の影響はやや懸念材料だ。そのため、代役を担うケレハーのパフォーマンスに注目しつつ、攻撃陣がよりラクな試合展開に持っていきたい。なお、LASK戦でフル出場のMF遠藤航は良いアピールを見せたものの、この試合ではベンチスタートが決定的だ。 その他では直近公式戦4連勝中と絶好調のアストン・ビラが16位のボーンマスのホームに乗り込む一戦、浮上のきっかけを探る最下位のバーンリーと18位のシェフィールド・ユナイテッドによる下位対決にも注目したい。 ◆プレミアリーグ第14節 ▽12/2(土) 《24:00》 アーセナル vs ウォルバーハンプトン ブレントフォード vs ルートン・タウン バーンリー vs シェフィールド・ユナイテッド 《26:30》 ノッティンガム・フォレスト vs エバートン 《29:00》 ニューカッスル vs マンチェスター・ユナイテッド ▽12/3(日) 《23:00》 ボーンマス vs アストン・ビラ チェルシー vs ブライトン リバプール vs フルアム ウェストハム vs クリスタル・パレス 《25:30》 マンチェスター・シティ vs トッテナム 2023.12.02 12:00 Sat

【ラ・リーガ第15節プレビュー】バルサvsアトレティコ! 首位奪還マドリーは格下と対戦

先週末に行われた第14節ではジローナとバルセロナのカタルーニャ勢が取りこぼした結果、カディスに完勝のレアル・マドリーが首位を奪還。また、アトレティコ・マドリー、レアル・ソシエダの上位陣がきっちり勝ち点3を積み上げている。 2023年最終月となる12月初戦とな今節は、勝ち点31で並ぶ4位のバルセロナと3位のアトレティコによる上位対決に注目が集まる。 バルセロナは前節、苦手とするバジェカスで難敵ラージョと対戦。MFウナイ・ロペスにゴラッソを叩き込まれ、以降は反撃に転じたものの相手の堅守に苦戦。その後、後半終盤に相手のオウンゴールで何とか追いつき勝ち点1を持ち帰るにとどまった。 インターナショナルブレーク明けというエクスキューズはあったものの、振るわないパフォーマンスによってチャビ監督に対する風当りもきつくなっている。それでも、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではポルトとの首位攻防戦をDFカンセロ、FWフェリックスのポルトガル代表コンビの活躍で2-1の逆転勝利。首位通過確定はならずも、3シーズンぶりの決勝トーナメント進出を確定。ホームで戦う難敵コルチョネロスとのビッグマッチに向け弾みを付けた。 対するアトレティコは前節、重要なCLフェイエノールト戦を控えるなかで下位のマジョルカと対戦。相手の守備的な戦いにやや手を焼いたが、頼れるFWグリーズマンのゴールを最後まで守り抜いてウノセロ勝利。さらに、肝心のフェイエノールト戦では2つのオウンゴールにDFエルモソの意外性のある一撃によって敵地で3ゴールを挙げて3-1の勝利。最終節を前に決勝トーナメント進出を決め、公式戦4連勝で敵地へ乗り込むことになった。 その2強の潰し合いに期待しつつ、首位固めを狙うレアル・マドリーは、19位に沈むグラナダとのホームゲームでリーグ3連勝を狙う。前節のカディス戦ではFWヴィニシウスらの負傷離脱に加え、体調不良のMFブラヒム・ディアスが急遽スタメンを外れるアクシデントに見舞われたが、FWロドリゴのドブレーテの活躍で3-0の完勝。さらに、CLのナポリ戦ではその絶好調ロドリゴの公式戦4試合連続ゴールを皮切りにMFベリンガム、MFニコ・パスのトップチーム初ゴールなどで4-2の逆転勝利。グループステージ5連勝で首位通過を確定させた。 今後の過密日程に向け、手薄な前線を中心にこれ以上の離脱者を回避するためには格下相手に早い時間帯に試合を決め、ニコ・パスらカンテラーノや出場機会が少ない控え選手を投入し、主力のプレータイムコントロールといきたいところだ。 MF久保建英を擁する6位のソシエダは14位のオサスナとのアウェイゲームでリーグ3連勝を狙う。前節のセビージャ戦は開始早々のオウンゴールとFWサディクの目の覚めるゴラッソで前半に2点リードを挙げると、後半序盤に1点を返されたものの、後半終盤に2人の退場者を出した相手の自滅にも助けられて逃げ切りに成功。また、すでに決勝トーナメント進出を決めたCLのレッドブル・ザルツブルク戦では久保ら一部主力を温存したなか、最低限のゴールレスドローで試合を終えている。そのザルツブルク戦では見事な直接FKでCL初ゴールに迫った久保は先発復帰が見込まれており、粘り強い守備を信条とするオサスナ相手に久々のゴールといきたい。 前節、アスレティック・ビルバオとの上位対決を1-1のドローで終えて首位陥落となった2位のジローナは、9位のバレンシア相手のホームゲームで仕切り直しの白星を目指す。アスレティック戦ではリードを守り切れずにリーグ連勝が「5」でストップしたが、パフォーマンス自体に悲観すべき部分は全くない。次節にバルセロナとのカタルーニャ自治州ダービーを控えるなか、バレンシア相手にきっちりホームで勝ち切って良い流れを維持したい。 その他ではマルセリーノ新体制の初陣を3-1の快勝で飾った新生ビジャレアルと、泥沼の状況が続き早くも今季2度目の監督交代も取り沙汰されるセビージャの名門対決、アスレティック・ビルバオvsラージョ、アルメリアvsベティスといったカードにも注目したい。 《ラ・リーガ第15節》 ▽12/1(金) 《29:00》 ラス・パルマス vs ヘタフェ ▽12/2(土) 《22:00》 ジローナ vs バレンシア 《24:15》 アスレティック・ビルバオ vs ラージョ 《26:30》 レアル・マドリー vs グラナダ 《29:00》 オサスナ vs レアル・ソシエダ ▽12/3(日) 《22:00》 マジョルカ vs アラベス 《24:15》 アルメリア vs ベティス 《26:30》 セビージャ vs ビジャレアル 《29:00》 バルセロナ vs アトレティコ・マドリー ▽12/4(月) 《29:00》 セルタ vs カディス 2023.12.01 19:00 Fri

【ラ・リーガ第14節プレビュー】“FIFAウイルス”罹患の上位陣は格下と対戦…首位ジローナは難敵ビルバオ戦

インターナショナルブレーク前に行われた前節は上位陣が順当に勝ち点3を積み重ねる波乱の少ない一節に。首位のジローナを3強が僅差で追走する形が継続されている。 2023年最後のインターナショナルマッチウィーク明けで開催される第14節は、上位陣を中心に多くのクラブが“FIFAウイルス”の影響に晒されたなかで臨む一節となる。 5連勝で首位を堅持するジローナは、5位のアスレティック・ビルバオとのマンデーナイト開催のホームゲームで今季2度目の6連勝を狙う。前節は曲者ラージョに開始早々の先制点を奪われたが、FWドヴビク、FWサヴィオのゴールによって逆転し、敵地から勝ち点3を持ち帰った。直近2試合ではややあっさりとした形での失点が目につくが、自慢の攻撃力を武器にしっかりと反発力を示しており、簡単には揺るがないメンタル面を含めてリーグテーブルの最上位に相応しいパフォーマンスを示した。今節は開幕節のレアル・ソシエダ戦(1-1)、唯一の敗北を喫したレアル・マドリー戦(0-3)以来の上位陣との対戦となり、改めて真価が試される一戦となる。なお、互いに今シーズンは攻撃力を売りとしており、撃ち合いの展開が想定される。 2位のレアル・マドリーは16位のカディスとのアウェイゲームでリーグ連勝を狙う。前節のバレンシア戦ではFWヴィニシウスとFWロドリゴのドブレーテ共演によってマニータの圧勝を収め、今季初めて無得点に終わった前々節のラージョ戦のゴールレスドローをきっちり払しょくした。しかし、今回のインターナショナルブレークではMFカマヴィンガとヴィニシウスの2選手がいずれも負傷し、共に2カ月程度の戦線離脱が決定。また、右肩のケガからの復帰を目指すMFベリンガムの回復も思わしくなく前線を中心に主力不在の中での戦いを強いられる。そういったなか、FWホセルとロドリゴの2トップ、ここ数試合好アピールを見せるMFブラヒム・ディアスら代役の活躍に期待したい。 3位のバルセロナは直近2試合でレアル・マドリー、ジローナに善戦した10位のラージョとアウェイで対戦。前節のアラベス戦では前半にFWオモロディオンの対応に手を焼いたが、主砲レヴァンドフスキのドブレーテの活躍によって2-1の逆転勝利。内容は低調ながらもリーグ2連勝を達成した。3連勝を狙う今節に向けてはMFフレンキー・デ・ヨングら一部主力の復帰に目途が立った一方、MFガビがスペイン代表で今季絶望の重傷。クラブに激震が走った。今回の一戦ではその代役を担うMFフェルミン・ロペスらのパフォーマンスに加え、ここ最近湿りがちな攻撃陣の奮起が求められるところだ。 4位のアトレティコ・マドリーは、週明けにチャンピオンズリーグ(CL)のフェイエノールト戦を控えるなか、17位に低迷するマジョルカと対戦。前節は混迷のビジャレアルを相手に前半は苦戦を強いられたが、FWグリーズマンらの活躍によって3-1の逆転勝利。前々節のラス・パルマス戦で喫した久々の敗戦をきっちり払拭した。ライバル2チームと異なり、今回の代表戦で目立った負傷者は出ていないが、ラス・パルマス戦での教訓を活かしてしっかりとした姿勢で格下相手に勝ち点3をつかみ取りたい。 MF久保建英を擁する6位のソシエダは、13位のセビージャとの名門対決に臨む。前節は最下位のアルメリア相手に思わぬ苦戦を強いられたが、後半終盤のPKとセットプレー2発で突き放して3-1の勝利を手にした。週明けにはCLのレッドブル・ザルツブルク戦を控えるが、すでに決勝トーナメント進出を決めているため、この一戦に全力を注げる。 今回の代表戦では絶好調だったFWオヤルサバルが負傷するアクシデントが発生したが、FWアンドレ・シウバ、DFティアニーらがチームトレーニングに復帰。前線に関してはFWカルロス・フェルナンデス、FWサディク、FWチョを含め選択肢は十分にあり、どういった形でカピタン不在を埋めるかに注目が集まる。なお、久保は日本代表で直近のシリア戦しか出場しておらず、同試合では大勝に導く見事なゴラッソも記録。良い状態でこのセビージャ戦に臨めるはずだ。 対するセビージャは、前節のベティスとのエル・グラン・デルビをMFラキティッチのゴラッソで1-1のドローに持ち込んだが、相変わらず低調なパフォーマンスは変わらず。週明けに逆転突破を目指すCLのPSV戦を控えるなか、ある程度メンバーを入れ替えつつラ・レアル撃破を目指す。 その他では今季2度目の監督交代に踏み切り、マルセリーノ新監督を招へいした14位のビジャレアル、唯一未勝利が続くアルメリアといったクラブの戦いにも注目したい。 《ラ・リーガ第14節》 ▽11/24(金) 《29:00》 アラベス vs グラナダ ▽11/25(土) 《22:00》 ラージョ vs バルセロナ 《24:15》 バレンシア vs セルタ 《26:30》 ヘタフェ vs アルメリア 《29:00》 アトレティコ・マドリー vs マジョルカ ▽11/26(日) 《22:00》 ビジャレアル vs オサスナ 《24:15》 レアル・ソシエダ vs セビージャ 《26:30》 カディス vs レアル・マドリー 《29:00》 ベティス vs ラス・パルマス ▽11/27(月) 《29:00》 ジローナ vs アスレティック・ビルバオ 2023.11.24 19:00 Fri
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