【ラ・リーガ第27節プレビュー】残留争う2チームが新指揮官初陣! 代表戦明け初戦でアトレティコvsベティス

2023.03.31 19:00 Fri
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セビージャのメンディリバル新監督(左)、エルチェのベカセッセ新監督(右)
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セビージャのメンディリバル新監督(左)、エルチェのベカセッセ新監督(右)
インターナショナルマッチウィーク前に行われた前節は、今季プリメーラの行方を左右するエル・クラシコでバルセロナが会心の勝利を収めて早くも覇権争いに決着が付く格好となった。

中断明け最初の一節となる第27節では、中断期間に指揮官交代に踏み切った最下位のエルチェ(勝ち点13)と、14位のセビージャ(勝ち点28)の2チームの戦いに注目したい。

今季ここまでわずかに2勝で残留圏内の17位エスパニョール(勝ち点27)とのポイント差は「14」と降格不可避の窮地に立つエルチェ。フランシスコ、アルミロンをすでに解任したチームは今回の中断期間にマチン監督を解任。そして、新指揮官はサンパオリ、ビエルサの薫陶を受けた42歳のアルゼンチン人指揮官ベカセッセに。チリ代表、アルゼンチン代表の副官を歴任も、欧州初采配となる青年指揮官は、その初陣で首位を快走するバルセロナ(勝ち点68)といきなり対峙する。
そのエルチェのホームに乗り込むバルセロナは、ホーム開催のクラシコを2-1の逆転勝利で飾り、2位以下との勝ち点差を12ポイントに広げて4年ぶりの覇権奪還をほぼ決定的なモノとした。そのため、現在は週明けに控えるコパ・デル・レイ準決勝2ndレグのレアル・マドリー戦によりプライオリティを置く形だ。MFペドリとFWデンベレの回復が遅れ、“FIFAウイルス”罹患で主力数人に離脱者が出ており、敵地での最下位チームとの対戦はモチベーションの部分を含めて難しいものになるはずだ。

一方、ロペテギ監督に続きサンパオリ監督を解任したセビージャは、数年前までのエイバルの躍進を支えたメンディリバル監督を新指揮官に招へい。ベスト8まで進出しているヨーロッパリーグ(EL)での成功と共に、最低限のノルマであるプリメーラ残留を目指す。その初陣は勝ち点28で並ぶカディスとのシックスポインターとなる。準備期間が少ない上、前任者と大きくスタイルが変わる中、残留争いを知り抜く新指揮官の手腕に注目だ。

新指揮官の初陣というトピックを除けば、3位のアトレティコ・マドリー(勝ち点51)と、5位のベティス(勝ち点45)が対峙する上位対決が今節の最注目カードだ。

一時シメオネ解任の可能性が取り沙汰されたが、直近10試合無敗と完全復調のコルチョネロス。前節はバレンシアに3-0の大勝を飾って3連勝を達成している。現在、5位チームとのポイント差は「6」となっており、今回の直接対決をモノにできれば最低限のノルマであるトップ4フィニッシュが大きく近づく。直近数試合で絶好調のFWグリーズマンと好連携を見せるFWデパイは代表戦での負傷によって欠場が濃厚となっており、代役を担うFWモラタやFWアンヘル・コレアらの奮起に期待したい。

対するベティスはアトレティコには及ばずも、リーグ戦6戦無敗と好調を維持。レアル・マドリー、ビジャレアル相手に連続ドローとなったが、前節はマジョルカに1-0で競り勝っている。ただ、エースのFWフェキルが今季絶望のチームでは、司令塔を担うMFカナーレスがマテウ・ラオス主審への暴言によって4試合の出場停止が決定し、今回の重要な直接対決に向けた懸念材料だ。主砲ボルハ・イグレシアス、アジョセ・ペレスらストライカー陣が屈強な守備陣に対してどこまで効果的にプレーできるかが敵地での勝利のカギを握る。

前節クラシコの敗戦によって連覇の夢がほぼ潰えたレアル・マドリーは、前述のように重要なコパ・クラシコ第2ラウンドを控える中で16位のバジャドリー(勝ち点28)を相手にバウンスバックの白星奪取を目指す。現時点でのプライオリティは逆転でのファイナル進出を狙うコパとなるが、主力のコンディションをうまく整えながら勝ち切りたいところだ。

MF久保建英を擁する4位のレアル・ソシエダ(勝ち点48)は、トップ4を争う6位のビジャレアル(勝ち点41)とのシックスポインターに臨む。前節は久保の貴重な先制点によってエルチェ相手に公式戦7試合ぶりの白星を手にしたラ・レアル。EL敗退に伴いリーグ戦一本に集中できる中、各ポジションの選手層も充実しており、ここから安定した勝ち点3を積み重ねていきたいところだ。

久保に関しては日本代表合流の際、新型コロナウイルスの陰性確認が取れなかった影響で、直近のコロンビア戦の途中出場にとどまっており、その後の長距離移動含め古巣対戦に向けて状態が不安視される。途中出場が濃厚だが、直近3勝1分けと好調を維持するライバル撃破に貢献したいところだ。

《ラ・リーガ第27節》
▽3/31(金)
《28:00》
マジョルカ vs オサスナ

▽4/1(土)
《21:00》
ジローナ vs エスパニョール
《23:15》
アスレティック・ビルバオ vs ヘタフェ
《25:30》
カディス vs セビージャ
《28:00》
エルチェ vs バルセロナ

▽4/2(日)
《21:00》
セルタ vs アルメリア
《23:15》
レアル・マドリー vs バジャドリー
《25:30》
ビジャレアル vs レアル・ソシエダ
《28:00》
アトレティコ・マドリー vs ベティス

▽4/3(月)
《28:00》
バレンシア vs ラージョ


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【プレミアリーグ第37節プレビュー】3連覇王手シティがチェルシー戦! 熾烈欧州出場争いに、レスター降格の可能性…

先週末に行われた前節はマンチェスター・シティが快勝し、アーセナルが大敗したことで、今節でのシティ優勝が濃厚な状況となった。また、サウサンプトンが2節を残して今季最初の降格チームとなった。 今節の最注目カードは首位のシティ(勝ち点85)の3連覇が懸かる、11位のチェルシー(勝ち点43)とのホームゲームだ。 シティは前節、エバートンとのアウェイゲームをMFギュンドアンの2ゴール1アシストの圧巻の活躍で3-0の完勝。リーグ11連勝を達成すると共に3連覇に王手をかけた。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグではMFベルナルド・シウバの2ゴールなどで前大会王者レアル・マドリーを4-0で粉砕。2戦合計5-1の完勝で2シーズンぶりのファイナル進出を決めた。 そして、来月初めに控えるFAカップ決勝を含め、シーズントレブルが現実味を帯びてきたペップのチームは、今季最初のタイトルとなるプレミア制覇に向けてホームでチェルシーを迎え撃つ。今後の2つのカップ戦決勝を控える中、リーグ残り2試合を消化試合にしたい思惑と、ホーム最終戦で優勝を決めたいシチズンズはベストメンバー起用での不調ブルーズ撃破を狙う。 一方、前々節のボーンマス戦でようやくランパード体制初勝利を挙げたチェルシーだが、前節はホームでのノッティンガム・フォレスト相手に痛恨ドロー。残り3試合は今回のシティを含め、マンチェスター・ユナイテッド、ニューカッスルとの上位3連戦と厳しい日程だ。チームの現状を考えれば、いずれの試合でも勝ち目は薄いが最悪なシーズンを少しでも良い形で終えるためにも意地を見せたい。その中でフォレスト戦2ゴールでエティハド帰還のFWスターリングの奮起に注目だ。 19シーズンぶりのリーグ制覇の夢がほぼ潰えた2位のアーセナル(勝ち点81)は、残留争いに身を置く16位のフォレスト(勝ち点34)と対戦。今節シティより先に試合を行う関係で、この試合に敗れるとライバルの優勝を決めてしまうというプレッシャーの中、バウンスバックの白星を狙う。前節のブライトン戦ではホームで攻守に圧倒されて0-3の惨敗。試合後にアルテタ監督がファンへ謝罪するほどの不甲斐ないパフォーマンスだった。 地力では間違いなく分があるが、残留に向けて必死のフォレスト相手に、今季ほとんどをリーグテーブルの頂上で過ごしたチームとしての意地を示したい。ここに来てパフォーマンス低下のアタッカー陣の再爆発と、DFニアカテのロングスローを中心にセットプレーに強みを持つフォレスト相手に守備陣の奮起に期待したい。 実質3チームの争いとなったCL出場権争いでは、3位のニューカッスル(勝ち点69)が19位のレスター・シティ(勝ち点30)と、4位のマンチェスター・ユナイテッド(勝ち点66)が14位のボーンマス(勝ち点39)と、5位のリバプール(勝ち点65)が8位のアストン・ビラ(勝ち点57)と対戦する。 ニューカッスルは前節、残留争いに身を置くリーズ相手に2-2のドローに終わったが、ミッドウィーク開催の25節延期分では難敵ブライトンに4-1の完勝。地力でのトップ4確定にあと2ポイントに迫った。マンデーナイト開催となるホーム最終戦では17位のエバートン(勝ち点32)、18位のリーズ(勝ち点31)が勝利した場合、試合前に降格が決定するレスター相手にきっちり勝ち切り、セント・ジェームズ・パークに集う熱狂的なサポーターと共に、2002-03シーズン以来のCL出場決定を祝いたい。 ユナイテッドは前節、ウォルバーハンプトン相手にMFブルーノ・フェルナンデスとFWガルナチョのゴールで2-0の完勝。リーグ連敗をストップすると共に、リバプールとの1ポイント差を維持した。残り2試合は勝率、パフォーマンス共に圧倒的なホームゲームとなっており、今季苦手とするアウェイゲーム最終戦となるこのボーンマス戦は非常に重要だ。すでに残留を決定しているものの、ホーム最終戦を勝って終わりたいチェリーズを相手にウルブス戦のような隙のないパフォーマンスを見せ、勝ち点3を持ち帰りたい。 破竹の7連勝で逆転でのトップ4フィニッシュの可能性を残して残り2試合を迎えたリバプール。前節のレスター戦はMFカーティス・ジョーンズとDFアレクサンダー=アーノルドの生え抜き2人のゴールで3-0の完勝。ここに来て首位チームを除き最も勢いのあるチームに仕上がっている。ただ、ホーム最終戦となる今節は後半戦で勝ち点を荒稼ぎし、来季UEFAコンペティション出場の可能性を残すウナイ・エメリ率いる難敵が相手だ。加えて、先日のトッテナム戦での主審に対する不適切な言動でクロップ監督が2試合のベンチ入り禁止処分を科されてこの試合では不在に。チームとしてはその懸念材料を払しょくし、試合後に予定されるFWフィルミノ、MFミルナー、MFナビ・ケイタ、MFオックスレイド=チェンバレンの功労者4選手の退団セレモニーを良い形で行いたい。 数字上は逆転でのトップ4の可能性を残すものの、実際にはヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得が目標となる6位のブライトン(勝ち点58)は、降格が決定した最下位のサウサンプトン(勝ち点24)と対戦。前節は敵地でアーセナルに会心の3-0の勝利を収めたが、ミッドウィーク開催となった前述のニューカッスル戦は1-4で惨敗。直近3試合では1勝2敗と快勝と大敗を繰り返す。そうなると、今回は快勝のターンとなるが、消耗激しいニューカッスル戦から中2日での戦いは決して簡単ではないはずだ。ニューカッスル戦では疲労の影響もあり、久々に低調なパフォーマンスに終始したMF三笘薫としても奮起が求められる一戦だ。 逆転でのEL出場権獲得と共にカンファレンスリーグ(ECL)出場権確保を狙う7位のトッテナム(勝ち点57)は、ホーム最終戦で9位のブレントフォード(勝ち点53)と対戦する。前節はアストン・ビラに1-2と競り負けており、今回の試合ではきっちりバウンスバックの勝利を得たい。対戦相手では今季20ゴールを挙げるエースFWトニーが賭博規則違反で8カ月のフットボール活動禁止処分を科されて不在となるため、守備に問題を抱えるスパーズにとって少なくないアドバンテージがある。現在、27ゴールと2017–18シーズン以来の30ゴールの大台到達の可能性を残す主砲ケインを軸に攻撃陣がきっちり仕留め切ってホーム最終戦を白星で飾りたい。 ◆プレミアリーグ第37節 ▽5/20(土) 《20:30》 トッテナム vs ブレントフォード 《23:00》 ボーンマス vs マンチェスター・ユナイテッド フルアム vs クリスタル・パレス リバプール vs アストン・ビラ ウォルバーハンプトン vs エバートン 《25:30》 ノッティンガム・フォレスト vs アーセナル ▽5/21(日) 《21:30》 ウェストハム vs リーズ 《22:00》 ブライトン vs サウサンプトン 《24:00》 マンチェスター・シティ vs チェルシー ▽5/22(月) 《28:00》 ニューカッスル vs レスター・シティ 2023.05.20 12:08 Sat
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