飛び道具アセンシオにヴィニシウスがメモリアル弾! 主力2選手負傷もマドリーが5pt差維持で後半戦へ《ラ・リーガ》

2023.02.03 07:02 Fri
Getty Images
ラ・リーガ第17節延期分、レアル・マドリーvsバレンシアが2日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが2-0で勝利した。

2位のマドリーは前節、レアル・ソシエダとのハイレベルな上位対決を0-0のドローで連勝を逃した。この結果、前日に一足早く前半戦を終えた首位のバルセロナとの暫定ポイント差が「8」に開いた。

今回の延期分と週末のマジョルカ戦後にモロッコ開催のFIFAクラブ・ワールドカップ2022に参戦するアンチェロッティのチームは、ガットゥーゾ監督を解任してお馴染みボロ暫定体制となった14位のバレンシアを相手に2戦ぶりの勝利を狙った。マドリーは先のスーペル・コパで激闘を演じた相手との再戦に向けて先発2人を変更。バルベルデとロドリゴに代えてモドリッチ、アセンシオを起用した。
カバーニとムサを縦関係の2トップに配した[4-4-2]で臨んだバレンシアに対して、マドリーが立ち上がりから主導権を握る。開始3分には相手バックラインのミスからボールを奪ったモドリッチが、ボックス右に走り込むアセンシオへ得意のアウトサイドパスを通す。だが、利き足とは逆の右足で放ったシュートはGKママルダシュヴィリの好守に阻まれる。

いきなりの決定機をキッカケに流れを掴みたいマドリーだが、以降は自陣でコンパクトな守備ブロックを敷くバレンシアの守備に苦戦。遅攻の局面ではなかなか良い形で相手の守備を揺さぶれず。
それでも、マイボール時やポジティブトランジションの局面でミスが目立つアウェイチームの隙を就き、フィニッシュまで持ち込んでいく。19分と25分にはいずれもボックス内で起点を作ったベンゼマのお膳立てからアセンシオに決定機も仕留め切れない。さらに、28分には再びベンゼマの正確なラストパスからボックス左に走り込んだヴィニシウスにシュートチャンスが訪れるが、置きに行ったシュートはGK正面。

ピンチこそないものの、以降も攻撃面の停滞感が続くと、アクシデントにも見舞われる。接触プレーの際に右の内転筋辺りを痛めたミリトンが自ら交代を要求。これを受け、36分にカルバハルがスクランブル投入となり、ナチョがセンターバックにポジションを移した。

振るわない内容にディフェンスの要を失う厳しい展開となったが、エル・ブランコはハーフタイム直前に見せ場を作る。

前半アディショナルタイム、左CKの場面でモドリッチの右足インスウィングのクロスをファーサイドのリュディガーが頭で合わせてゴールネットを揺らす。だが、直前のゴール前の競り合いに関してオンフィールド・レビューが入ると、ムサの顔面を右手で叩いたベンゼマのファウルが取られてゴールは取り消しとなった。

結局、ゴールレスで試合を折り返したホームチームだったが、ハーフタイムにきっちり修正を施すと、キックオフ直後から押し込んだ後半立ち上がりにゴールをこじ開ける。

52分、右サイドに流れてキープしたベンゼマからボックス手前右でマイナスのパスを受けたアセンシオが得意の角度から左足を一閃。鋭いブレ球シュートがゴール左隅の完璧なコースに決まった。

アセンシオお馴染みのゴラッソで先手を奪ったマドリーは畳みかける。55分、カウンターからハーフウェイライン付近の左サイドでボールを収めたベンゼマが背後を狙うヴィニシウスを走らせる絶妙なスルーパスを供給。そして、驚異のラン・ウィズ・ザ・ボールでDFを完全に振り切ったブラジル代表FWがボックス内でGKとの一対一を制し、マドリー通算200試合出場を自ら祝う通算49点目とした。

この連続ゴールで勝利に大きく近づいたが、直後にはヒザの負傷か筋肉系のトラブルかベンゼマがプレー続行不可能となり、ロドリゴの投入を余儀なくされる。また、アンチェロッティ監督はクロースとモドリッチのベテランコンビのコンディションを考慮してバルベルデ、負傷明けのチュアメニをピッチへ送り込んだ。

以降もバルベルデが強烈なミドルシュートでゴールに迫るなど、危なげなく時計を進めていくホームチーム。さらに、72分にはヴィニシウスに抜かれかけたDFガブリエウが完全なレイトで蹴りを見舞う愚行を犯して一発退場となり、試合の大勢はここで決した。

その後、マドリーは3点目こそ奪えなかったものの、バレンシアにほぼ攻撃の機会を与えぬまま2-0で試合をクローズ。2戦ぶりの白星を手にした昨季王者はバルセロナとの5ポイント差を維持してシーズンを折り返すことになった。

レアル・マドリーの関連記事

ラ・リーガの関連記事

【ラ・リーガ】マジョルカ 1ー0 アラベス(9月28日/エスタディ・マジョルカ・ソン・モイシ) ジャガー浅野 待望の今季初ゴール#浅野拓磨 味方との見事なワンツーで裏に抜け出し、冷静なフィニッシュこのゴールが決勝弾となり今季未勝利だったチームを初勝利に導くラ・リーガ 第7節#マジョルカ v #アラベスhttps: 2025.09.29 16:00 Mon
ソシエダの日本代表MF久保建英が、ラ・リーガの開幕戦で初ゴールを決めた。鮮烈ゴラッソに、ファンが大歓喜している。 ソシエダはラ・リーガ第1節でバレンシアと対戦。在籍4シーズン目を迎える久保は[4-2-3-1]の右サイドハーフで先発すると、先制を許した直後の60分に圧巻の同点ゴールを叩き込む。 スペイン代表M 2025.08.18 12:30 Mon
新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」は、スポーツ・チャンネルDAZNと展開する「ABEMA de DAZN」で、2025年8月より開幕する主要な欧州サッカーリーグにおいて、日本代表選手が所属するクラブを中心とした「欧州リーグ2025-26」の試合を中継することを決定した。 今回の発表によると、リーグ・アン、 2025.08.15 17:21 Fri
バルセロナは25日、中止としていたヴィッセル神戸との30周年記念チャリティーマッチ「FRIENDLY MATCH」の『ヴィッセル神戸 vs FC バルセロナ』が開催されることを発表した。 今月27日に予定されていた一戦は、同月24日、『プロモーターによる重大な契約違反』があったとしてバルセロナが公式サイト上で日本 2025.07.25 19:00 Fri

レアル・マドリーの人気記事ランキング

1

飛んできたのは“豚の頭”、19年前のエル・クラシコを覚えているか?

ピッチに投げ入れられた最も衝撃的なものはなんだろうか。 21日に行われたリーグ・アン第14節のリヨンvsマルセイユでは、スタンドから中身が入った状態のペットボトルが投げ入れられた。これがMFディミトリ・パイエの左耳付近を直撃し、パイエは頭を押さえながら倒れ込んでしまう。試合は一時中断を経て、中止にまで追いやられる事態となっていた。 19年前のエル・クラシコ、2002年11月23日に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsレアル・マドリーの一戦では、豚の頭がピッチに投げ入れられたのを覚えているだろうか。 元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴは2000年夏にバルセロナからレアル・マドリーへという禁断の移籍を決行。バルセロナのファンからは猛烈な反感を買っていた。前述のクラシコで、マドリーの一員としてカンプ・ノウに足を踏み入れたフィーゴに対してはブーイングの嵐。ライターやコインなども投げ入れられた。 その中でも異色だったのが豚の頭だ。CKでボールをセットした際に、あるバルセロナのファンがフィーゴに向かってそれを投擲。当たりはしなかったものの、様々な意味で衝撃を与えたことは間違いなかった。 当時のクラシコは一時中断こそしたものの、試合は継続。ゴールレスに終わっている。何事もなかったために、笑い話として語れるものの、ケガにつながっていれば大きな問題に発展していたことは間違いないだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】ピッチに投げ入れられた豚の頭</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">On this day in 2002, Barcelona fans threw a pig&#39;s head at Luis Figo before he took his corner at the Camp Nou <br><br>Figo left Barca for Real Madrid two years earlier. <a href="https://t.co/j3ZgOQ85dW">pic.twitter.com/j3ZgOQ85dW</a></p>&mdash; B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1463119883055599616?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.11.24 22:10 Wed
2

エジル氏の答えは「アルダ・ギュレル」、メッシorロナウドの質問に縁ある19歳推す

元ドイツ代表MFメスト・エジル氏は、やはりレアル・マドリーのトルコ代表MFアルダ・ギュレルがお気に入りのようだ。 かつてマドリーやアーセナルといったビッグクラブで活躍し、2023年3月にイスタンブール・バシャクシェヒルで現役を退いたエジル氏。最近では引退後の肉体改造も話題を呼んだ。 そんななか、エジル氏は出席したイベントで「メッシorロナウド?」というサッカー界でお馴染みの質問を受けることに。笑いながら「アルダ・ギュレル」と答え、場内を沸かせた。 自身と同じレフティの天才肌とはフェネルバフチェ時代に共闘。16歳の若さでファーストチームデビューを飾った神童に対し、移籍のタイミングに関するアドバイスを送ったという報道もあった。 エジル氏にとってはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドも元同僚だが、今回は自らのルーツでもあるトルコの期待の星を選択。自身と同様にマドリーでプレーするなど、縁の深い19歳を気にかけている。 <span class="paragraph-title">【動画】会場が沸く! エジル氏の回答</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="mmx__lcXPtA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.10.17 17:20 Thu
3

「ロナウドよりもベイル」元マドリーのドクターが見解「彼は最高のアスリート」

元レアル・マドリーのドクターが最高のアスリートについて言及した。 世界最高峰のアスリートは誰かと問われれば、ユベントスのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの名を挙げる人は多いだろう。36歳となった今でも、強さ、ジャンプ力、スピードをすべて信じられないほどのレベルで備えた見本のような肉体を誇っている。 C・ロナウドは息子がポテトチップスを食べてコカ・コーラを飲んでいるのを見ると、いい気分にはならないようで、自身も先日のユーロ2020の記者会見では目の前のコーラを退けるなど、印象的な行動もとっていた。 だが、元マドリーのドクター、ヘスス・オルモ氏の考えは少々異なる様子。オルモ氏はC・ロナウドよりもレアル・マドリーのウェールズ代表FWガレス・ベイルの方がより完全なアスリートであると信じているようだ。スペイン『イデアル』に次のように語っている。 「サッカー選手の身体的パフォーマンスレベルは、他のオリンピック選手とはかけ離れている」 「ただ、今はセルヒオ・ラモスのように近づいている選手も居る。ルーカス・バスケス、クリスティアーノ・ロナウドもだ。ケイロル(・ナバス)は驚異的な瞬発力があり、(ダニエル・)カルバハルは素晴らしいコンディションを持てている」 「ただ、おそらく私が見た中で最高のアスリートはガレス・ベイルだ」 「彼はどんなスポーツでも優れた能力をできる生まれながらのアスリートだ。彼は特異な遺伝学と運動能力を持っていて、技術的な能力もある」 「パフォーマンスがあってのことだが、彼はあらゆる状況から生じるすべての面で私に最も感銘を与えた人物だ」 ベイルはマドリー時代の2017年にレアル・ソシエダ戦で75メートルを独走してのゴールを挙げ、その際に時速22マイル(約35km)というクレイジーな最高速度を記録している。かつて痩せた子供だったベイルが何年もかけて肉体の構築に取り組んできたため、オルモ氏は感銘を受けているのだろう。 <span class="paragraph-title">【写真】あなたはどっち派?!C・ロナウドとベイルの筋肉美</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Gareth Bale&#39;s legs <a href="https://t.co/sWUddWmodR">pic.twitter.com/sWUddWmodR</a></p>&mdash; bob mortimer (@RealBobMortimer) <a href="https://twitter.com/RealBobMortimer/status/886531195214995456?ref_src=twsrc%5Etfw">July 16, 2017</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Recovery time! <a href="https://t.co/1NduH6HkFi">pic.twitter.com/1NduH6HkFi</a></p>&mdash; Cristiano Ronaldo (@Cristiano) <a href="https://twitter.com/Cristiano/status/1367191022963425283?ref_src=twsrc%5Etfw">March 3, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.08.04 19:15 Wed
4

リオ州政府が“ヴィニ・ジュニオール法”を制定…マドリーFWにちなんだ反人種差別法

ブラジルのリオデジャネイロ州政府が、“ヴィニ・ジュニオール法”と呼ばれる反人種差別法を制定した。『ロイター通信』が伝えている。 5日に発表された同法は、レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールにちなんだ反人種差別法で、人種差別行為があった場合にスポーツイベントの中断あるいは中止を決定できる趣旨の法律だ。 ヴィニシウスは、今年5月に行われたラ・リーガでのバレンシア戦で一部のホームサポーターから人種的虐待を受けた。ラ・リーガが同シーズンに検察に報告した同様の事件は10件目となった。 リオデジャネイロの地元メディアによると、この法律はバレンシアのメスタージャで起きた、前述の事件に対するヴィニシウスの対応に触発されたものだという。 リオデジャネイロ州政府が6月に全会一致で承認した“ヴィニ・ジュニオール法”には、人種差別の苦情処理や教育キャンペーンの義務化に関する議定書も含まれている。 リオデジャネイロのスポーツ長官を務めるラファエル・ピッチャーニ氏は、「リオデジャネイロで生まれ育ったブラジルフットボール界のアイドル」に敬意を表するのは光栄だとコメント。 「ヴィニシウスはフットボーラーとしてのここまでのキャリアのすべての功績に加えて、人種差別との戦いの象徴にもなった」 2023.07.06 15:38 Thu
5

ムバッペ母「交渉は終了、決めるのはキリアン」

パリ・サンジェルマン(PSG)のフランス代表FWキリアン・ムバッペの母親が息子の去就について言及している。中東『Kora Plus』のインタビューで答えている。 新シーズン、レアル・マドリーへの加入が報じられるムバッペだが、母親であるファイザ・ラマリさんは現在の状況について以下のような見解を示している。 「PSGとレアル・マドリーのオファーはほぼ変わらない。交渉は終了したわ。今は息子の判断を待っている状況よ」 スペイン『EL PAÍS』によればレアル・マドリーは肖像権の50%譲渡を契約に入れているとのことで、この点がムバッペ側のネックになっていると見られている。 対するPSGは肖像権の100%譲渡に加え、破格のボーナスも準備している模様。ムバッペの決断が待たれるところだ。 2022.05.21 00:30 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly