ペップ采配的中のシティがマフレズ弾でチェルシーとの連戦初戦を制す! 再び首位アーセナルと5pt差に《プレミアリーグ》

2023.01.06 07:04 Fri
twitterfacebookhatenalinegplus
photo
Getty Images
プレミアリーグ第19節、チェルシーvsマンチェスター・シティが5日にスタンフォード・ブリッジで行われ、アウェイのシティが0-1で勝利した。

再開初戦では不調のボーンマスに快勝を収めてリスタートを飾った8位のチェルシー(勝ち点25)。だが、前節は降格圏に沈むノッティンガム・フォレストとのアウェイゲームで大苦戦し、1-1のドロー。何とか勝ち点1を持ち帰る形となった。その低調な一戦からの立て直しを図るポッター率いるチームは、中断前のEFLカップで敗れた難敵相手にホームでの白星を狙った。前節からは先発2人を変更し、ジョルジーニョと前日練習で負傷のマウントに代わってコバチッチ、ツィエクを起用。ハヴァーツを最前線、スターリングをトップ下に配した[4-2-3-1]へ布陣を変えた。

一方、再開後はEFLカップでリバプール、リーグ戦でリーズに勝利を収め上々の再スタートを飾った2位のシティ(勝ち点36)は、前節のホームゲームで下位に低迷するエバートン相手に手痛い1-1のドロー。この勝ち点逸によって前節終了時点では首位アーセナル(勝ち点43)とのポイント差が「7」に広がった。それでも、2日前に行われたアーセナルと3位ニューカッスルの直接対決がドローに終わったことで、勝ち点差を縮めるチャンスを得た。グアルディオラ監督はこの重要な一戦に向けて先発4人を変更。リコ・ルイスとアカンジに代わってウォーカーとカンセロ、マフレズとグリーリッシュに代えてギュンドアンとフォーデンを起用。また、カンセロとフォーデンをワイドに配置した変則的な[3-2-4-1]の布陣を採用した。
3日後にFAカップでの再戦を控える両雄による連戦第1ラウンドはいきなりのアクシデントでスタートする。開始直後にハムストリングを痛めた古巣対戦のスターリングがプレー続行不可能となり、オーバメヤンが5分にピッチへ送り込まれる。

以降はシティがボールを握ってチェルシーがカウンターで応戦するという構図に落ち着いた中、チェルシーがより効果的に攻撃を仕掛けていく。15分にはククレジャの中盤でのボール奪取からカウンターに転じ、ハヴァーツを経由したボールがボックス左に走り込むプリシッチに渡る。だが、ここはシュートの直前にDFストーンズが見事なスライディングカバーを見せた。

すると、この接触プレーで足を痛めたプリシッチがスターリングに続いてプレー続行不可能となり、22分にチュクエメカが投入されることになった。

前日に負傷したマウントを含め立て続けに負傷者を出す苦しい状況となったチェルシーだが、うまく中央を締めて相手の攻撃を外回りにさせながら内側に入ったボールを強度の高い対人守備で奪い切り、カウンターチャンスに繋げていく。そして、幾度か良い仕掛けを見せたが、守護神エデルソンを中心に集中したアウェイチームの堅守をこじ開けるまでには至らない。

一方、試合序盤こそ普段と異なる配置で相手に混乱をもたらしたシティだったが、時間の経過と共にボールの循環が停滞。大外のフォーデン、カンセロを使いながらスペースと時間を消された中央のエリアで打開を試みるが、なかなかうまくいかない。30分を過ぎてギュンドアンがファーストシュート、37分にはギュンドアンのスルーパスに抜け出したハーランドに初めて見せ場が訪れるが、相手DFの寄せもあってシュートを枠に飛ばせない。

前半終盤にかけて徐々にオープンな展開となると、互いに決定機が訪れる。44分、バイタルエリア中央でボールを引き出したハヴァーツからラストパスを受けたチュクエメカがペナルティアーク付近でカットインから右足のシュートを放つ。これがDFロドリの出した足にディフレクトしてゴール左下隅へ向かうが、惜しくもポストを叩く。直後にはこぼれ球を繋いだシティがデ・ブライネの長い持ち上がりを起点にカウンターへ持ち込むが、左足のシュートはGKケパのセーブに阻まれた。

最低限のゴールレスで折り返したものの、望んでいた展開とはならなかったペップのチームは、ハーフタイムに2枚替えを敢行。ウォーカーとカンセロを下げてルイスとアカンジを投入し、ルイスをロドリの横に置いてベルナルド・シウバをカンセロがいた右ワイドに移した。

機能していなかった右サイドのテコ入れに加え、前半の課題を細かく修正したシティは立ち上がりから人もボールも動く本来のプレーを見せ始める。そして、51分にはデ・ブライネの左CKを古巣対戦のアケが得意のヘディングで合わせるが、これは惜しくもクロスバーを叩いた。後半最初の決定機は逃したものの、ベルナルド・シウバが積極的な駆け引きで対面のククレジャを押し込むなど、良いリズムで攻め続ける。

さらに、稀代の戦術家は60分にベルナルド・シウバ、フォーデンの両ワイドを下げてマフレズ、グリーリッシュを同時投入すると、この選手交代が待望の先制点をもたらした。63分、相手陣内右サイドからマフレズ、ギュンドアン、デ・ブライネと左へ展開し、ボックス左へ走り込むグリーリッシュへスルーパスが通る。そして、グリーリッシュがGKとディフェンスラインの間のスペースへグラウンダーの折り返しを入れると、GKケパが見送ってファーへ流れたボールに反応したマフレズがDFククレジャを振り切って右足ワンタッチで流し込んだ。

グアルディオラ采配的中で先手を奪ったシティは引き続きボールの主導権を握りつつ、前に出てきた相手の背後を狙いながら2点目を狙っていく。一方、立ち上がりのセットプレーからチアゴ・シウバが際どいシュートを放って以降、なかなか攻撃に出られないチェルシーは68分に3枚替えを敢行。ククレジャとオーバメヤン、ツィエクに代えてホールとギャラガー、プレミアデビューとなるハッチンソンという若手をピッチへ送り込んだ。

若手の勢いに賭けるポッター監督らしい勝負に出たホームチームは、全体的に躍動感が生まれたものの、老獪なリーグ王者相手に流れを引き寄せるまでには至らない。チアゴ・シウバとクリバリの奮闘によってハーランドら強力な攻撃陣に決定的な仕事を許さずも、攻撃の局面では精度や連携の問題を露呈する。

シティが試合をクローズにかかった試合最終盤の91分にはチュクエメカの中央突破からのラストパスをボックス左で受けたホールにビッグチャンスが訪れるが、左足のシュートは枠を捉えることができなかった。

この結果、途中出場マフレズの価千金のゴールで勝ち切ったシティが2戦ぶりの白星を挙げ、首位アーセナルとのポイント差を「5」に縮めた。一方、苦しい台所事情の中で善戦したチェルシーだが、2023年初黒星となった。


関連ニュース
thumb

シティvsインテル…イタリア代表のマンチーニ監督、古巣同士のCL決勝を展望「もしインテルが先制したら…」

イタリア代表のロベルト・マンチーニ監督がチャンピオンズリーグ(CL)決勝戦を展望した。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 欧州サッカーの1年間を締めくくるCLファイナル。今シーズンはプレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ、セリエA3位のインテルがこの舞台まで勝ち上がり、10日にトルコ・イスタンブールの地で激突する。 シティとインテル、両クラブで指揮官としてリーグ制覇を成し遂げた経験を持つマンチーニ監督もこの一戦を楽しみにしている模様。イタリア『コリエレ・デッロ・スポルト』のインタビューでは、13年ぶりのビッグイヤーに挑むインテルに期待を寄せている。 「試合結果はもちろん監督に依存する。シモーネ・インザーギに疑いの目が向けられているという記事を読んだ。だが、大きなトピックにならなかったね。この1カ月で全てが好転したのだ。実に素晴らしい。シモーネはとてもよくやっているよ」 インザーギ監督を称え、「理論上はシティが有利」としつつ、インテルにも勝機ありと分析する。 「90分間もあれば、何かが起こる可能性だってある。過去10年を振り返ると、理論上は間違いなくシティが優勝候補だ。だが、目を向けるべきは決勝戦であるという点で、想像もつかないことが起きてしまう舞台なのだ。インテルも打席に立ちさえすれば、オープンなファイナルを戦うことができる」 一方で、ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるシティも称賛。サッカーファンと同じく、この一戦を心底楽しみにしている様子を窺わせた。 「彼らはパーフェクトだ。クオリティと問題解決能力を兼ね備えており、まさに真のタレント集団だ。最強のチームかどうかはインテルと戦うまでわからないが、少なくとも最高のプレーを披露する術を身につけている。もしインテルが先制でもしたら…シティがどう攻め込むか楽しみだ」 2023.06.08 20:13 Thu
twitterfacebook
thumb

ギュンドアンにもサウジアラビア行きの可能性浮上? アーセナルやバルサに勝つため巨額オファーか

マンチェスター・シティのドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアン(32)に、サウジアラビア行きの可能性も出てきているようだ。 6月末でシティとの現行契約が満了するギュンドアン。10日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝のインテル戦が控えている一方で、夏の去就にも注目が集まっている。 シティはギュンドアンの残留を望んでいるものの、アーセナルやバルセロナといったクラブからの関心も噂されている。また、古巣ドルトムントへの復帰説なども浮上した。 そして、サウジアラビアのクラブもギュンドアン獲得に興味を抱き始めたようだ。イギリス『イブニング・スタンダード』によると、アーセナルなどとの争奪戦を制するため、巨額のオファーを準備している可能性があるという。どのクラブが動いているかは明らかになっていないが、サウジアラビアにスターを集める取り組みの一環とみられている。 先日、レアル・マドリー退団が発表されたばかりの元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(35)は、サウジアラビアのアル・イテハド移籍が決まった。また、チェルシーのフランス代表MFエンゴロ・カンテ(32)もアル・イテハド移籍が近づいている模様。クリスタル・パレスのコートジボワール代表FWウィルフリード・ザハ(30)は、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが所属するアル・ナスルへの移籍が取り沙汰されている。 アル・ヒラルもパリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(35)の獲得に動くなど、サウジアラビアのサッカー界は派手な動きを見せている。ギュンドアンはCL決勝のインテル戦後に自らの将来を決めることになるようで、ベンゼマらの後を追うのかが注目となる。 2023.06.07 19:59 Wed
twitterfacebook
thumb

ウォーカーがCL決勝に懸念一蹴! 練習欠席も「大丈夫。年とっただけ」

マンチェスター・シティのイングランド代表DFカイル・ウォーカーが懸念を一蹴した。イギリス『デイリー・メール』が報じている。 今季のプレミアリーグを3連覇で飾り、FAカップも制覇のシティ。来るチャンピオンズリーグ(CL)も制すれば、1998-99シーズンのマンチェスター・ユナイテッド以来となるトレブルとあって、クラブとして悲願のビッグイヤー獲得だけでなく、歴史的瞬間にも期待が膨らむ。 そんなシティは10日に行われるインテルとのCL決勝に向け、調整に励むが、6日の公開練習ではウォーカーの姿なし。先のFAカップ決勝最終盤にピッチを後にしており、心配されたが、チームを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督いわく、大事を取っての措置だったようだ。 「彼は背中に違和感を抱えている。昨日は調子が悪く、今日は少し良くなったようだ。ただ、リスクを負いたくない。これからの数日間で経過を観ていく」 また、ウォーカー本人もイギリス『スカイ・スポーツ』で「僕は大丈夫だよ。年をとっただけさ。まったくもって元気だ。回復にもう1日かかっただけだよ」と話している。 2023.06.07 18:50 Wed
twitterfacebook
thumb

インテル指揮官インザーギがCL決勝へ意気込み、相手指揮官ペップに「世界最高」と敬意も「準備整える」

インテルのシモーネ・インザーギ監督がチャンピオンズリーグ(CL)決勝に向けてコメントした。『UEFA.com』が伝えている。 10日に行われるCL決勝でマンチェスター・シティとの対戦を控えるインテル。シティのCL初制覇や”トレブル(3冠)”挑戦に注目が集まるが、インテルもコッパ・イタリアとの2冠へ向けてこの決勝に臨む。 インテルを率いるインザーギ監督は「難しい試合になる」と認めた上で「準備を整える」とコメントした。 「とても難しい試合になるだろう。オッズは我々に有利ではないが、これこそがサッカーをスリリングにするものだ。我々は誰もがよく知る監督が率いる、世界最強のチームと対戦するが、準備を整えるつもりだよ」 「我々のアプローチは変わらない。試合中には、より攻撃的になる必要がある瞬間、守備的に強くなる必要がある瞬間がある。準備するにはまだ時間が残っており、あらゆる詳細を考えに入れています」 決勝への準備について語ったインザーギ監督は、シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督についても言及した。 「彼はバルセロナ時代から、サッカーへの取り組み方とプレースタイルでムーブメントを巻き起こしてきた。日に日に成長し続けているので、私の意見では、彼が世界最高のコーチの1人と考えられるのは当然だと思うよ」 「マンチェスター・シティには完璧な組織力がある。素晴らしい個が揃っているチームだが、それと同時にチームとしてもプレーできるチームだ」 2023.06.06 21:52 Tue
twitterfacebook
thumb

トレブル懸かるペップがCL制覇挑戦を語る、ビッグクラブの定義に「優勝しなければ」

マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督がチャンピオンズリーグ(CL)決勝に向けての意気込みを語った。『UEFA.com』が伝えている。 3日に行われたFAカップ決勝を制して、プレミアリーグに続き今シーズン2つ目のタイトルを手にしたシティ。10日に行われるCL決勝へ向けても、クラブ史上初のCLタイトル獲得と”トレブル(3冠)”達成を目論んでいる。 選手として1回、監督として2回のCL制覇を経験しているグアルディオラ監督は、真のビッグクラブになるためにはビッグイヤーの獲得が必須だと語った。 「ビッグクラブとして決定的な一歩を踏み出したければ、ヨーロッパで勝たなければいけないことを受け入れなければならない。我々はチャンピオンズ(リーグ)で優勝しなければいけないんだ。それは避けることができないものだ」 「しかし、最も重要なことは何度も何度もそこにいることだ。2年前我々はそこ(決勝)にいて、再びここに来た。最も重要なことは数年後にも再びここに来ることで、そのための努力も怠らない。それが、毎年新しいステージでCLに出場し、タイトルを獲得するビッグクラブを定義するものなんだ」 CLやビッグクラブへの思いを語ったグアルディオラ監督は「失敗は存在しない」と決勝への挑戦についても話した。 「スポーツに失敗は存在しない。自分の失敗を認めるということは、相手に価値がないと言うようなものだ。失敗したと言うより、相手がいいプレーをして、良い成績を納めたと言うことだろう?」 「すなわち挑戦することだ。スポーツにおける人生とは挑戦をすることなんだ。そして、もう1度挑戦して再び立ち上がることだ。勝った時は内密に祝わなければいけないし、負けた時は少し泣いて翌日に戻ってくることができる。それがスポーツだ。失敗することはない。トライするときに失敗はないんだ」 2023.06.06 21:12 Tue
twitterfacebook
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly