【CLグループC総括】圧巻バイエルンが全勝、インテルがバルセロナ退ける
2022.11.04 17:30 Fri
優勝候補バイエルンとバルセロナとインテルの強豪2チームと、ビクトリア・プルゼニで構成されたグループC。戦前は“死の組”と謳われ、壮絶な三つ巴の争いが予想されたが、終わってみれば本命バイエルンがグループステージ唯一の全勝突破、勝負強さを発揮したインテルが不振バルセロナを退けて決勝トーナメント進出を決めた。
■順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.バイエルン[18/6/0/0/16]
2.インテル[10/3/1/2/3]
3.バルセロナ[7/2/1/3/0]
4.ビクトリア・プルゼニ[0/0/0/6/-19]
◆主砲流出感じさせぬ圧倒ぶり~バイエルン~
グループ本命も戦前はある程度の苦戦も予想された中、6戦全勝と圧倒的な強さをみせ、危なげなく首位通過を決めた。
ナーゲルスマン体制2年目で完成度を増し、FWマネやDFデ・リフト、DFマズラウィら即戦力数人をスカッドに加えた今季のチームだったが、奇しくも同じグループに入ったバルセロナにFWレヴァンドフスキを引き抜かれたことで、得点力不足やビッグマッチでの勝負強さという部分が懸念材料となっていた。
しかし、グループステージを通じてはエース不在によって流動性を増したアタッキングサードでの多彩な崩し、威力を増したカウンターが完璧に機能。多くの選手がゴールを挙げると共にチームとしても全試合で複数得点を記録。さらに、大きくメンバーを落としたアウェイでのプルゼニ戦を除き、5試合でクリーンシートを達成。ライバルとの直接対決ではスコア以上の完成度の差を見せつけ、優勝候補として力強い名乗りを挙げた。
戦前はグループ3番手の評価だったが、最大のライバルと目されたバルセロナとの直接対決で見事な戦いぶりをみせ、下馬評を覆す2位通過を成し遂げた。
昨季主力の残留に加え、元エースのFWルカクやMFムヒタリアンらを獲得して戦力を増したインザーギのチームだったが、セリエAでは思うような結果を残せず、一時指揮官の進退問題に発展。そういった厳しい状態で臨んだバルセロナとの連戦ではホームでの初戦をMFチャルハノールのファインゴールと、チーム一丸となった圧巻の堅守によって会心のウノゼロ勝利。
ここからGKオナナの台頭やMFバレッラ、DFディマルコら好調の選手たちがチームに勢いをもたらすと、難所カンプ・ノウでの第2戦では悩めるエースFWラウタロ・マルティネスの久々のゴールなどで3-3の壮絶な打ち合いを最低限のドローで終えた。
そして、自力突破の可能性を色濃く残して臨んだ第5節では格下プルゼニ相手にムヒタリアン、FWジェコとベテランの力できっちり勝ち切って見事に2シーズン連続のラウンド16進出を果たした。
◆超大型補強実らず2季連続の屈辱~バルセロナ~
昨季のシーズン無冠という屈辱を晴らすため、今夏の移籍市場の主役となったが、2シーズン連続のヨーロッパリーグ(EL)行きという屈辱を味わうことになった。
今夏、将来のテレビ放映権料、子会社の株式売却で資金を調達し、レヴァンドフスキ、DFクンデ、FWハフィーニャ、MFケシエ、DFマルコス・アロンソらを補強したブラウグラナ。リーグ戦では新エースストライカーの強烈な輝きに守護神テア・シュテーゲンを中心とする堅守を武器に好スタートを切った。だが、バックラインに多くの負傷者が出ると、昨季から課題となっていたビッグマッチにおける指揮官チャビの采配面の拙さも重なり、バイエルンとの直接対決では攻守両面で相手に上回られて連敗。また、重要なインテル戦でもFWデンベレらウイングの個人技頼み、被カウンター時の対応もまずさと多くの課題を残して結果を残せず。
ベンフィカ相手に苦杯を舐めた昨季の教訓を生かせず、全く同じ形での2季連続敗退に。今後はラ・リーガでの覇権奪還と共にヨーロッパリーグ(EL)でのタイトル奪取を目指す。
◆想定通りの全敗~ビクトリア・プルゼニ~
“死のグループ”をかき回す存在として期待されたものの、実力通りに6戦全敗でグループリーグの戦いを終えた。
戦前から勝ち点の草刈り場が予想された中、勝ち点奪取によるグループをかき回す役割を担ったが、全試合で大量失点を喫するなどチェコ王者としての意地を見せることはできなかった。
それでも、第4節ではメンバーを落としたバイエルン相手にインテル、バルセロナが挙げられなかった2ゴールを記録。また、最終節では同じくメンバーを落としたバルセロナ相手にFWチョリーが2ゴールを奪う活躍をみせ、わずかながら爪痕を残してグループリーグを終える形となった。
■順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.バイエルン[18/6/0/0/16]
2.インテル[10/3/1/2/3]
3.バルセロナ[7/2/1/3/0]
4.ビクトリア・プルゼニ[0/0/0/6/-19]
◆主砲流出感じさせぬ圧倒ぶり~バイエルン~
Getty Images
グループ本命も戦前はある程度の苦戦も予想された中、6戦全勝と圧倒的な強さをみせ、危なげなく首位通過を決めた。
しかし、グループステージを通じてはエース不在によって流動性を増したアタッキングサードでの多彩な崩し、威力を増したカウンターが完璧に機能。多くの選手がゴールを挙げると共にチームとしても全試合で複数得点を記録。さらに、大きくメンバーを落としたアウェイでのプルゼニ戦を除き、5試合でクリーンシートを達成。ライバルとの直接対決ではスコア以上の完成度の差を見せつけ、優勝候補として力強い名乗りを挙げた。
◆しり上がりの復調で2季連続の突破~インテル~
Getty Images
戦前はグループ3番手の評価だったが、最大のライバルと目されたバルセロナとの直接対決で見事な戦いぶりをみせ、下馬評を覆す2位通過を成し遂げた。
昨季主力の残留に加え、元エースのFWルカクやMFムヒタリアンらを獲得して戦力を増したインザーギのチームだったが、セリエAでは思うような結果を残せず、一時指揮官の進退問題に発展。そういった厳しい状態で臨んだバルセロナとの連戦ではホームでの初戦をMFチャルハノールのファインゴールと、チーム一丸となった圧巻の堅守によって会心のウノゼロ勝利。
ここからGKオナナの台頭やMFバレッラ、DFディマルコら好調の選手たちがチームに勢いをもたらすと、難所カンプ・ノウでの第2戦では悩めるエースFWラウタロ・マルティネスの久々のゴールなどで3-3の壮絶な打ち合いを最低限のドローで終えた。
そして、自力突破の可能性を色濃く残して臨んだ第5節では格下プルゼニ相手にムヒタリアン、FWジェコとベテランの力できっちり勝ち切って見事に2シーズン連続のラウンド16進出を果たした。
◆超大型補強実らず2季連続の屈辱~バルセロナ~
Getty Images
昨季のシーズン無冠という屈辱を晴らすため、今夏の移籍市場の主役となったが、2シーズン連続のヨーロッパリーグ(EL)行きという屈辱を味わうことになった。
今夏、将来のテレビ放映権料、子会社の株式売却で資金を調達し、レヴァンドフスキ、DFクンデ、FWハフィーニャ、MFケシエ、DFマルコス・アロンソらを補強したブラウグラナ。リーグ戦では新エースストライカーの強烈な輝きに守護神テア・シュテーゲンを中心とする堅守を武器に好スタートを切った。だが、バックラインに多くの負傷者が出ると、昨季から課題となっていたビッグマッチにおける指揮官チャビの采配面の拙さも重なり、バイエルンとの直接対決では攻守両面で相手に上回られて連敗。また、重要なインテル戦でもFWデンベレらウイングの個人技頼み、被カウンター時の対応もまずさと多くの課題を残して結果を残せず。
ベンフィカ相手に苦杯を舐めた昨季の教訓を生かせず、全く同じ形での2季連続敗退に。今後はラ・リーガでの覇権奪還と共にヨーロッパリーグ(EL)でのタイトル奪取を目指す。
◆想定通りの全敗~ビクトリア・プルゼニ~
Getty Images
“死のグループ”をかき回す存在として期待されたものの、実力通りに6戦全敗でグループリーグの戦いを終えた。
戦前から勝ち点の草刈り場が予想された中、勝ち点奪取によるグループをかき回す役割を担ったが、全試合で大量失点を喫するなどチェコ王者としての意地を見せることはできなかった。
それでも、第4節ではメンバーを落としたバイエルン相手にインテル、バルセロナが挙げられなかった2ゴールを記録。また、最終節では同じくメンバーを落としたバルセロナ相手にFWチョリーが2ゴールを奪う活躍をみせ、わずかながら爪痕を残してグループリーグを終える形となった。
バイエルンの関連記事
UEFAチャンピオンズリーグの関連記事
|
バイエルンの人気記事ランキング
1
ラツィオがバイエルンの若手アタッカー確保! 半年でセリエA帰還に
ラツィオがバイエルンのU-20ドイツ代表MFアリヨン・イブラヒモビッチ(19)の確保に成功した。 『スポルト・イタリア』によれば、今冬の移籍市場で選手層の拡充を目指すラツィオは、昨シーズンに同じラツィオ州のフロジノーネでプレーしたバイエルンの若手アタッカーに注目。1000万ユーロ(約16億円)程度の買い取り義務付きのレンタル移籍という条件でクラブ間の合意を取り付けたという。 すでに個人間合意にも至っていた19歳は、すでにフィウミチーノ空港に到着し、ラツィオも公式SNSを通じて新戦力の現地入りを明かしている。そして、メディカルチェックを経て13日にも公式発表となる運びだ。 イブラヒモビッチは、グロイター・フュルト、ニュルンベルクのユースで過ごした後、2018年夏にバイエルンのユースチームに加入した。 そのまま下部組織で順調に育つと、2023年1月にファーストチームに昇格。2023-24シーズンはセリエAのフロジノーネへのレンタル移籍も経験。今シーズンここまでは公式戦3試合に出場していた。 トップ下を主戦場に左ウイングでもプレー可能な右利きの攻撃センスに優れるアタッカーだ。 2025.01.13 14:46 Mon2
ラツィオがバイエルンから若手アタッカーMFイブラヒモビッチを獲得
ラツィオは13日、バイエルンのU-20ドイツ代表MFアリヨン・イブラヒモビッチ(19)を買い取りオプション付きのレンタル移籍で獲得した。背番号は27を着用する。 イブラヒモビッチは、トップ下を主戦場に左ウイングでもプレー可能な右利きの攻撃センスに優れるアタッカー。グロイター・フュルト、ニュルンベルクのユースで過ごした後、2018年夏にバイエルンのユースチームに加入した。 そのまま下部組織で順調に育つと、2023年1月にファーストチームに昇格。2023-24シーズンはセリエAのフロジノーネへのレンタル移籍も経験。今シーズンここまでは公式戦3試合に出場していた。 なお、イタリア『TUTTOmercatoWEB』によれば、買い取りオプションを行使した場合の移籍金は800万ユーロ(約13億円)に設定されているが、バイエルンは2000万ユーロ(約32億3000万円)の買い戻しオプションを契約に盛り込んでいるとのことだ。 2025.01.14 12:00 Tue3
2010年代のバイエルンを支えた功労者、39歳ラフィーニャが今年で引退へ…感謝するのはペップ「色々やらされた(笑)」
元ブラジル代表DFラフィーニャ(39)が14日、2025シーズンでの現役引退を発表した。 ラフィーニャはブラジル1部のコリチーバで名を上げ、2005年に19歳で欧州上陸。シャルケへ完全移籍し、5年間プレーしたのち、ジェノアを経由してバイエルンへと駆け上がった。 右サイドバックを本職とするなか、ブラジル代表では、選手として脂が乗った時代にマイコンやダニエウ・アウベスがいたため、定着できず。通算4キャップでフェードアウトした。 それでも、バイエルンに8年間所属。 右サイドバック以外にも様々なポジションをこなせる能力がジョゼップ・グアルディオラ監督(当時)によって掘り出され、不動の存在ではなかったが、リーグ優勝7回、CL優勝1回などを積み上げ、偉大な功労者として退団した。 その後はグレミオ、フラメンゴ、サンパウロ等でプレーし、今年1月1日に古巣コリチーバと1年契約。今年で40歳というなか、14日の加入会見で「2025シーズンが最後」と明言した。 「コリチーバを最後のクラブにする。全力でこの1年を生きていきたい。どのみち“その瞬間”が来ると、妻や子供たち、兄弟、両親にも影響を及ぼすことになるんだ。全てをこの1年で出し尽くし、苦しまずに選手生活を終えたい」 「ポジションはどこでもいい。バイエルンでグアルディオラに色々やらされたしね(笑) 両方のサイドバック、中盤、サイドハーフ…3年間ペップに仕えたのは幸運だったよ。僕はやれと言われたことならなんでもやるスタンスになった」 2025.01.15 16:12 Wed4
ミュラーの契約延長について語るバイエルンSD「彼がもうやりたくないと言えば、我々は次に進む」
バイエルンのスポーツ・ディレクターを務めるマックス・エーベル氏が、今季限りで契約満了を迎える元ドイツ代表MFトーマス・ミュラー(35)の契約延長について語った。ドイツ『キッカー』が報じている。 昨年12月にゼップ・マイヤー氏が保持していたクラブ最多出場記録(709試合)を抜き、クラブ最多出場記録を729試合まで更新しているミュラー。 今シーズンはここまで公式戦22試合(先発:7試合)4ゴール3アシストの数字を残しているが、ヴァンサン・コンパニ監督の下ではパートタイムの起用がメインであり、クラブは今季限りで終了する契約を延長するオファーを掲示する可能性は低く、去就が不透明となっていた。 ミュラーの去就について『キッカー』の取材を受けたエーベル氏は、以下のようにコメントした。 「トーマスについてはまだ話せない。というのも、彼はバイエルン・ミュンヘンの象徴であり、今後もそうあり続けるだろうからだ。トーマスは非常に重要な存在だ。彼はこのクラブですべてを経験し、このクラブの仕組みを隅から隅まで知っているからね」 「我々はすでに彼と話し合っているが、新契約については先送りとなった。もしミュラーが続投を望んでいるのであれば、我々は互いの意見を確認し合い、チームを見つめ直し、次に進むことになるだろう」 「彼がもうやりたくないと言えば、我々は次に進む。そうなれば、トーマスが我々を助けてくれるような別の方法を見つけなければならない」 2025.01.11 12:01 Sat5